後閑AS制覇記念上州城めぐりその4
吹割の滝



 沼田から東に進み,吹割の滝。なんかこのあたりの道は日光ロマンチック街道と呼ばれてるらしいんですが,いったいどのへんがロマンチックなのか分からなかった…。
 風の噂では有料の駐車場と無料の駐車場があるような話だったのですが,基本的に駐車場は無料,ドライブインでも「できれば買っていってね」程度の空気でした。
 国道は歩いて渡るのにそこそこ勇気がいるので,下をくぐります。てなわけで,遊歩道に入ります。さすが観光地だけあって,人が多いです。ですが,多すぎる,というほどでもなく,適度に賑やかな感じです。

 基本的にこういう場所はどうやって見ればいいのか,現地に行かないと分かりません。ここはとりあえず遊歩道に沿って歩けばいいようなので,流れに乗って遊歩道を歩くことにします。正直,どこが滝なのかよく分からんぞ…。渓谷自体はとてもきれいで気持ちいいんだけど。

買物は協会加盟店で ダム放流に注意 案内図 ここまで千社札が貼られている
解説板も珍しいのでは

 まずは浮島橋を渡って浮島へ。ここには浮島観音堂があるとのこと。
 ですがまあ,昭和の観光地だけあって,観音堂もそこそこくたびれた感じです。誰が管理してお金出してるのかな…。
 で,ここには左甚五郎による如意輪観音像があるようです。ただし,この日は(も?)非開帳。もともとは前橋にあった観音様ということなのかな。

浮島方向を見る 浮島橋 下流方向 上流方向 立派な岩
観音堂 ここにも左甚五郎… ここにやってきたのは
平成2年なんですね
なぜかどんぐりが 事務椅子がなぜここに 沼田33カ所28番

 で,吹割橋を渡って観瀑台に向かいます。橋から見る景色も美しいですね。滝がどこにあるのかさっぱり分からんので不安になりますが。

吹割橋へ 上流方向 下流方向 少しあがった場所から このあたりはいろいろと力尽きてます

 観瀑台にむかう道は普通のハイキングコース。「クマ出没注意」の貼紙があります。今頃言われても。どうも,ところどころにぶら下がっている鉄パイプを叩きながら進むことで,クマ鈴の代わりにするようです。こんなの説明されないと一般人には分からんぞ(但し,遠くから明らかにこれを叩いてる音が聞こえてくるので,まあなんとなく予想はつく)……と思っていたところ,終盤には説明の紙がありました。てことは多分,序盤の紙は風化してなくなったっきり補充してないんだろうな。
 そして,しばらく進むと景色のいい場所に出ました。遠くに滝が見えます。おおっ!これが吹割の滝か!さすがに「東洋のナイアガラ」は言い過ぎだとは思いますが,でも河面に割れ目があるのがよく分かります。それにしても,特になんの案内もないのに,我ながらいい観瀑スポットを見つけたもんだ。

 と進んでいくと,「第二観瀑台」と書かれた場所に到達。「台」とあるのに,特に「台」はなく,柵越しに滝を見るかたちです。
 ん?ってことは,さっきのが第一観瀑台だったってことか。騙された。どおりで眺めがいいわけだ。というか,「たまたま見つけた準観瀑台的スポット」だと思ってわりと簡単にスルーしたことを後悔。明らかに第二観瀑台よりも第一観瀑台の方が滝に近くて見応えあったからな。一番の見所をわりと軽めに突破してしまった……。というか,これ,下手したら第一観瀑台をスルーする人出るだろ。

 とはいえ,第一観瀑台に戻る気力なんてあるはずもないので,先へ進みます。このあたり,結構落石があるようで,一応防護ネットがありますが,なかなかに怖い状況です。

 そして,第三観瀑台。木が邪魔ですが,なかなかいい眺め。とりあえず,葉がない冬に行った方がいいのかもしれないな。このあたり雪は降るのだろうか。
 ただ,結論として,第一観瀑台がやはり滝に一番近く,一番眺めがいいってことが分かりました。

出没注意 多分これを叩く 説明つき 第一観瀑台から こういう看板があれば 第二観瀑台から
落石注意 割れてる… 第三観瀑台から
木が無ければなー
段々近づいてみる(写真撮った順序とは違うけど)

 遊歩道を抜けたところに神社が。十二坐神社という名前のようです。神社内に色々貼ってあるのが興味深いな…。

十二坐神社 橋からの渓谷を見下ろす

 ということで,遊歩道を抜けて,国道に戻りました。
 しかし,どっちかというとここからが本番です。滝の近くまで寄れるんだから,近くに行かないわけにはいかんでしょう。というか,近くまで行ってこその東洋のナイアガラです。

 てことで,まず現れるのは鱒飛の滝。思ってたよりも近くまで寄ることができます。これは気持ちいい。ただ,位置的に滝上から斜め下に滝を見下ろす形になるので,ちょっと滝の迫力を感じづらいかな,という感じです。というか,これ,自殺志願者が飛び込んだりしないのでしょうか……。

 あと,気になったのがこのあたりの岩です。これがなんともいえない色合いなんですね。しかも,水で浸食されたためか,岩肌はなめらか。というか,この岩の色合いはなんなんでしょう。びっくりするくらいきれいです。こりゃたまらんらん。
 正直言って,今回吹割の滝で予想を大きく超えてよかったのがこの岩肌です。今では完全に地学の知識が頭から吹っ飛びましたが,これってどういう岩なんだっけ。
 とにかく,この岩がなんとも素晴らしかった。小学生みたいな感想になるけれど,やっぱり自然の力って偉大だな。


 そして,いよいよ吹割の滝ゾーンに入ります。
 岩肌に白線が引かれ,「入るな」という文字が見えます。これは吹割の滝でも同様。まあ,滑って滝に落ちたら大変だからね−。でも,実際にはある程度立ち入っている人も多くおられました。まあ,この線自体は天気や水量に関係なくひかれているものでしょうから,この日みたいに晴れてる日であればある程度踏み越えても大丈夫でしょう。ですが,ヘタレNPはこういうところで無駄にルールを守ってしまうのでした。
 ちなみに,岩肌は遠目にはなめらかなんですが,実際に歩いてみると水に濡れている部分でも特につるつるしているわけでもなく,余計なことをしなければ滝に落ちることはないかと思われます。実際問題,年に何人くらい下に落ちてるんでしょう?
 まあ,ナイアガラ云々はさておくとしても,近くまで寄ってみることができるので,その迫力と,なんともいえない水しぶきの気持ちよさがいいですね。これは素晴らしい。ある意味,ナイアガラほど大きいとこうはいかないだろうからな(ナイアガラもそこそこ近寄れたり,大きいだけに滝壺クルーズがあったりした記憶があるけど)。


 そんなわけで,遊歩道を抜けました。これで終わってもいいんですが,というか,ほとんどの人がこれで終わるんでしょうが,六角堂というものがあるようなのでここを目指します。
 しっかりした仏教のお堂でもあるのかと思ったら,単なる四阿でありました。しかも,一応滝を見下ろせる位置に作ったんでしょうけど,木に遮られて見晴らしはイマイチで,ほとんど人が訪れてる気配無し。

 で,これにて吹割の滝終了。最後に恒例行事の鮎の塩焼きを食べて,この日の予定終了。川原湯温泉を目指して一路西に向かいます。


 後日注:そういえばやってなかったな,と思って,「東洋のナイアガラ」で検索してみたら,日本で東洋のナイアガラを名乗っているのはここ吹割の滝だけではなく(時期的に真田丸の所為もあって吹割の滝が上位にヒットするのは仕方が無い),鹿児島県伊佐市の曽木の滝や,大分県豊後大野市の原尻の滝もあるようです。ついては,「日本三大東洋のナイアガラ」としてこの3つを認定すべく,怒り新党に誰か売り込みを図ってください。


沼田城川原湯温泉

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