メジロヒャッカエン

 東武博物館をあとにして,向島百花園を目指します。百花園に向けてはそこかしこに矢印が出ているので迷いません。

 道中,入場不可状態になっている神社や,庭の一角にたたずんでいる神社がありました。昔から長く愛され信仰されているというよりも,いまさらどうしようもなくてそのままになっている,という感もなくはないですが,鳥居が赤く綺麗になっておりましたので,おそらく地域で篤く信仰されているのだろうと思います。

駅にあった地図 門は閉ざされている…
盗賊のカギであきそうな気配ですが
こっちは開けておりますが,若干窮屈

 そうこうしていると,向島百花園に到着です。特に並んでいないので,年間パスを見せるために並ぶかどうかで悩む必要もありません。

咲き始め お花の見頃情報 解説 福禄寿 ここを見れば,今見られる花が分かります
これはありがたい


 この日の催しは浅草雑芸団。13:30からのスタートで,到着は約10分前。開始前にどの程度うろつくか迷いましたが,広場まわりに梅が咲いていたので梅を観賞しながら待つことにします。広場脇の売店では甘酒が売られており,多くの方が買われておりました。
 そして,梅を見て(撮って)いると,一部の方から「メジロ」という声が聞こえてきます。さすがにこういう場ですから,北野ミヤさんがいるとか,まして馬がいるとかそんなアホな発想はせず,素直に鳥の方のメジロだと分かります。皆さんのカメラの先を見上げてみると,確かに鳥がいます。これが本当にメジロという鳥なのかは残念ながら高校に入って生物の勉強を1秒もしていないNPには分かりかねますが,いかにも詳しそうなおじさまおばさまがたがメジロというんだからメジロなんでしょう。府中動物園あたりではいかにも詳しそうなおじさま方に「調子よさそう」とか「強い」とかいわれている馬が惨敗したりしますが,百花園ではそんなことはないと信じます。

 
春の七草


まだ咲き始めですね
紅冬至
メジロ

 それにしても,10分前を切っても始まる気配が無く,若干不安になってきます(なにせ公園協会は先週の太神楽でも時間を間違えていた華麗な実績があるし)。すると,賑やかな格好をしたおじさんが登場し,準備を始めます。ふむふむ,年格好からしてこの人が本日の雑芸団の座長っぽいな,などと思いながら見ていたのでありますが,いっこうにその他の団員の方々が登場する気配がありません。
 そうこうしているうちに,太鼓を装着したおじさんが音を鳴らして周囲に芸の始まりを伝え出しました。まあ,公園での芸はお金にならないだろうから,大勢の人件費をかけて出てくるわけにはいかんのかもな,などと下品な発想しかできないNPこそが最も下品なのであります。

準備中 音を鳴らして呼び込み

 そんなわけで,おじさんより「団といいつつ1人」であることの説明も当然行われ,芸がスタート。まずは先端に玉を入れた棒(という名前ではないはず)を足やらなにやらで扱う芸,傘芸と続きます。向島なので後楽園競輪という名前は登場しません。
 それから演芸の定番,皿回し。観覧に来ていたお子様を巻き込んでの参加型皿回しであります。そこからさらにボール(鞠?)回し。おじさんの話術とともに,宴は楽しく進んでいくのであります。


 日本の大道芸と欧米の大道芸の違いとして,日本の大道芸はただ楽しませるだけではなく,「芸人が観客に福を与える」側面があるという話をされており,とりあえずその場限りでは確かになるほどな,と思いました。もちろん,NPが「海外の大道芸」からイメージできているのはせいぜいジャグリングと手品くらいですので,実のところはどうなのか分かりません。
 そんな話で大黒舞い。漢字にすると大黒摩季と倉木麻衣のばったもんみたいに見えてしまいます。ここで突然3名の女性が登場します。おお,これはびっくり。でも,これでこそ雑芸「団」ですね。
 さらに,引き続いて南京玉すだれ。リズムはもちろん聞いたことがありましたが,通して見るのは初めてです。というよりも,生で見ること自体初めてだと思います。
 3名の女性は習熟度もまちまちでしたが,皆さん楽しそうにやっておられるので見ている方としては十分であります(いかんせん無料のイベントだし)。それにしても,南京玉すだれって南京と関係ない気がするのですが,なんなんだろうか,と思って検索してみたところ,「南京にも2つとない」玉すだれってことみたいです。今だったらニューヨーク玉すだれとかロンドン玉すだれとかになってたのだろうか。

大黒舞い 配られた小判 南京玉すだれ。どうも戻す方が大変なようです

 そんなわけで,雑芸団の大道芸はこれにて終了。
 続いて,百花園内を散策します。見ていて思ったのは,一応都立庭園として並べられておりますが,庭園というよりは植物園という色彩の方が強いということ。まあ確かに名前もそんな名前だものな。植物園なのに都立庭園グループに入っているのはその成立に至る歴史的な経緯ゆえだと思いますが,せっかくだから都立のほかの植物園的な場所も年間パスポートに加えてほしいところです。
 というわけで,全体として,庭園としてはそこまで風情がある感じではありませんでした。でもまあ,最近は庭園全体の雰囲気よりも特定の花だけに注目して人をあつめる庭園も増えているので,別にこれでいいんだろうと思います。

梅洞水 植え替え作業
こういうふうに植え替えるんだな
路地琴
水琴窟に近いですが,
「窟」ではないってことですね
芭蕉の句碑
はつかり 冬ですね 日本水仙。構図に失敗 逆光の雪吊り
日本橋石柱
石橋時代の模造品とのこと
池のまわりの景色 萩のトンネル
2月に見てもね…
ふきのとう
福禄寿 庭門
春夏秋冬花不断
東西南北客争来
多賀神社 福寿草 伊勢撫子 向島百花園

 そんなわけで,向島百花園をあとにします。この日の最終目的地は亀戸天神でしたが,とりあえず近くにある白髭神社へ。
 日能研の方の絵馬が多数奉納されておりました。現実問題として定員以上の受験者がいるので全員合格はあり得ないんでしょうが,受験された皆様がいい学習環境を手に入れられることを祈るばかりです。それと,押切もえの名前の入った絵馬がありましたが,本人でしょうか。

永代神饌料
向しま 入きん
鉄柵に食い込む木 力石? 寺島ナス 黒人塚かと思ったけれど
多分上が折れてるな
拝殿 ほんもの? 津田沼校の先生が
この近くにお住まいなのかな?

 さらに歩きます。お次は子育て地蔵尊。多数の地蔵が奉納されておりました。しかも,なかなか造形が興味深いです。みたところ同一人物がつくったのではないかと思いますが,どうなんでしょうか。

旧墨堤の道 庚申塔 解説 地蔵堂 剥がれかかってます…
奉納されている地蔵様 遠くから地蔵堂

 さらに進むと,吉備団子屋さんを発見。これぞ下町,という感じのお店ではありますが,たたずまいや内装はそこそこ新しいです。
 きびだんごといっても,岡山の吉備団子とは全然違っていて,串に刺したものをその場でお湯で湯がいてきなこをつけて食します。東京にも吉備団子文化が残ってるんですね。そういえば,小学校1年か2年のころ,粟餅を先生から紹介されたことを唐突に思い出しました。最近は米と麦以外の穀物になかなか出会わないですが,こういう昔ながらの食べ物はたまに食べる分にはいいですな。ただ,日常的に食べる人が相当数いないとお店として経営していくのは無理だよな−。

日本一のきび団子

 そんなこんなで,亀戸へ向かいます。

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