ユキノコウラクエン

 2014年2月8日,東京に雪が降りました。実はこの翌週にもドカ雪が降り,こちらは特に甲信地方に大きな被害をもたらすことになるわけですが,これはまだそういう惨事が分かっていない時点のお話しです。犬は喜び庭駆け回り,猫はこたつで丸くなるのが日本で言い伝わる正しい雪の対処方法であるところ,人間界においては,一般に子ども達は雪が降ると盛り上がり,大人は交通網の麻痺やら雪かきやらで盛り下がります。
 で,NPはというと,盛り上がりました。実は前年にも雪が降ったんですが,このときは近所にある小石川後楽園に行きそびれたんですね。なので,まさかその翌年に雪の庭園を見るチャンスがくるとは思いも寄らなかったのであります。

 てことで,雪が降る中,小石川後楽園であります。営業してるのはネット情報で分かってました。ここまで来て閉まってたら本気で凹むな。
 そして,この日の後楽園は梅まつりの初日。なんとまあ,梅まつりに雪ですよ。まあ,前年涌谷では桜祭り輓馬大会当日に雪が降ったようなので,それに比べればだいぶマシですな。

 で,園内はきちんと雪に対応しており,きちんと立入禁止区域も定められていて,注意書きも雪対応してました。いやぁ,これは凄い。さすが都立庭園。

梅まつりの案内が
なんとも寒々しい…
ほかにも来園者はおられました 雪をかぶっております 雪のため頭上&足元注意
そして,立入禁止区域も
こっちはこの時点の工事状況

 で。とりあえず,基本的には雪の庭園を見られればそれで満足なんでありますが,まず嬉しかったのが,雪吊りがきちんと仕事をしているのを見られたこと。確か都立庭園の雪吊りはどっちかというと観光向け&技術伝承という観点からやってるはずで,実際に雪が降るからやってるわけではなかったはず。なので,実際に活躍している雪吊りが見られるのは嬉しいですね。
 ちなみに,1ヶ月ちょっと前,12月28日に後楽園を訪れたときの小記事がこちら(別ブログ)。このときはまさか雪吊りがフル稼働するなんて思いも寄らなかった。

進んでいきます 雪の中の雪吊り それなりに高齢のはずなので
雪の重みで折れないか
不安になります
霜よけ。雪よけにもなってます 雪とロウバイ 雪山も雪化粧

 で,このあとはいつも通り西湖堤の方へ向かいます。
 雪で白くなった堤ってのもいいですね。ちなみに,今写真で見ると雪が結構強いですが,この日の雪は粉雪だったので自分自身は傘をささずに移動できて,むしろ変な雨よりよっぽどか動きやすかったです。でも,写真レベルで見るとやっぱり雪は降ってない方がきれいだろうな。

雪の西湖堤 雪の大堰川
雪の屏風岩 立ち入りはここまで なんとも寒々しいですね 鯉は元気でした

 てなわけで,観音堂方向は行き止まりなので,引き返します。
 雪の中ですが,当然人間だけでなくほかの動物や魚も生きております。鯉は水中でいつも通り,見たところ鴨も水上でいつも通りでした。池面が凍ったら鴨はどうするのかな?確か楽山園に行ったときに鯉は凍った水面の下で元気にやってたような記憶があります。

雪の灯籠 雪の中の雪吊りその2 雪の丸屋 本当に寒々しい 凍り付いた白糸の滝
雪と木々 雪と円月橋

 そんなわけで,さらに進みます。田んぼあたりにくると,本当に雪景色だけですね。今これを書いてるのは同年10月なんですが,今この写真だけ見ると,いったいここは本当に都内なのか,という感じです。あと,東京ドームが白さで背景に隠れていて,どこにドームがあるのかよくわからなくなっております。これもまたなかなか見られない光景。

雪と稲田
バックのジェットコースターが
なんとも寂しげ
雪と神田上水 雪と愛宕坂
雪と藤棚 雪と八つ橋
在原業平もこういう景色は想定していたのだろうか

 そして,梅園に入っていきます。雪の梅園ってのは初めて。なんとも不思議な光景です。雪と桜ってのも見てみたいですが,こういうのは狙ってどうなるものではないですからね……。

雪と呉服枝垂れ 雪と冬至
←↑続・雪と冬至
冬至という名前には似合ってる景色ではある

雪と大盃→
雪と虎の尾 雪と福寿草予定地 雪と梅園

 さらに,歩を進めます。実は,このあとに用事があったため,結構時間が一杯一杯になりつつありました。
 そういえば,日本庭園で「雪」といえば雪見灯籠が思い浮かびますが,Wikipediaによると,雪見灯籠の「雪見」は「浮き身」が転じたもので,もともと雪とは関係ないみたいですね。

雪と神田上水2 雪と稲田2 雪と松 雪と船着き場 雪と灯籠 雪と雪見灯籠 雪と島

 時間が無い中,とりあえず内庭にも行ってみました。本当はもう少しここに時間を使いたかったところですが……。

雪と内庭。雪吊り3兄弟が元気に役目を果たしています

 そして,木曽路に入ります。かつて真冬に本物の木曽路を歩いていた人も当然いたわけで,その苦労の1万分の1でも感じられた……かな。まあ,比較するだけ野暮ですな。

雪と木曽路 雪上に残る足跡 大泉水の眺め 鴨が自由に泳いでおります 雪と椿

 と,いうわけで,雪のなか,小石川後楽園を散策してみたのでありました。今見返しても,本当に東京の景色とは思えないな……。
 ちなみに,この翌日には旧安田庭園に行ってみました。道が泥で黒く汚れていたので,結論としてこの日に行っておいてよかった,というのが感想。旧安田庭園ももちろんよかったんだけれど。


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