イワキダイノコール

 続いて,いわき石炭・化石館へと向かいます。
 正確には,さはこの湯,という温泉施設に行きたかったのですが,近くの駐車場が満杯だったので臨時駐車場に向かい,向かったところ横に面白そうな施設があったので立ち寄ってみた,という流れになります。
 いわきの炭鉱というと,フラガールはどこかの飛行機の中で見ました。別に炭鉱に興味があるわけでもないんですが,せっかくいわきに来たんだから,炭鉱に関するなにかを見ていこうかな,という程度のことでした。

 まず,駐車場から見えたのは,湯本川調節池という洪水対策の水量調節のための施設。細かいことは分かりませんが,このような施設を1つ作るのにも,水量や水流,その他いろいろな準備と調査が必要なのでしょう。

臨時駐車場のご案内 調節池の解説
誰かさんの影が邪魔だ
調節池

 さて。よく分からない建物(ウッドピアというらしい。名前的にボートピアの親戚でしょう)の脇をすり抜けて,石炭・化石館です。石炭と化石をセットにするなんて,予算がついたから一緒にしてまとめて展示したんだなー,てな具合に,例によって斜め上から偉そうに思っていたのでした。この頃は平和だった。

 結論から書きます。いやー,よかった。素晴らしい!久々に化石的な建物(という表現がいいとは思わないのではあるけれど,パッと浮かばなかった)に行って,アラフォーまであとわずかのおじさんが10才になるかならないかのころの恐竜に憧れる少年心を取り戻しましたよ。いやー,久々に恐竜の化石見ると興奮しますね。そして,いまの通説が気になって仕方がありません。ティラノサウルスさんがいろんな人のおもちゃにされてるってのはなんとなく知ってはいるんだけど。
 そして。フタバスズキリュウですよフタバスズキリュウ!!もう日本の男の子ならみんな知ってるといっても過言では無い,あいつです。のび太の友達です。ピー助です。フタバスズキリュウってここだったのか!!



 というわけで,中に進んでいきます。ここのもう一つの重要なポイントは,写真撮影OKなことです。例によって撮りまくり,「ここに載せない写真は人生で二度と見返すことが無いであろう」の精神から無駄にアップしていきます。

 まずは,化石展示室。大きな部屋に,上からじゃじゃ〜んとぶら下がっております。おお,凄い。外観から明らかといえば明らかなんですが,地方都市にありがちな,整備費用に困りつつなんでもかんでも詰め込んでごちゃごちゃになっている博物館ではありません。とてもきれいで,見る人のことを考えた博物館であります。いやー,すごいっす。
 ものによっては,化石に触ることも許されています。子どもだったら嬉しいですね,こういうの。おっさんがこれで喜んでるのは気持ち悪いったらありゃしないですが。







内部の様子 オオナマケモノ マンモスの下顎
実物を触れます
クジラ化石の産出状態状
これも実物!




恐竜の糞
これも実物です
恐竜の足跡 恐竜の卵
タイムふろしきをかけると
ピー助が出てくる奴です
エドモントサウルスの頸骨 竜脚類の歯






エドモントサウルスの頸骨は触った証明書を作れます みんな知ってるトリケラトプス
きれいなだけあって,
さすがに複製です
ランベオサウルス類の子ども
ランベオサウルスは初めて知ったけど
とさかみたいなのの役割は
夢があって興味深い
アンハングエラ
口まわりが興味深すぎて
翼竜であることが
意識から吹っ飛んでしまう






ランフォリンクス
Wikipediaが非常に詳しい
プテロダウストロ
これも口がすごいな
タペヤラ みんな大好きアンモナイト




トクソケリス
複製っぽく見えて
実物だからびっくりです
フタバサウルスとイワキリュウ プリオサウルス
化石の展示って
躍動感あるように調整してるのか
それとも元々こんな形で
化石になったのか
アパトサウルスの後肢






ケイカボク マメンチサウルスとトリナクロメルム
後者は薬の名前みたいですね
ミンククジラ いわきの中生代

 そんなわけでして,繰り返しになりますが,久々に恐竜を見ると,やっぱりなにか心躍るものがあります。と同時に,久々に今の通説ベースの分かりやすい解説を読みたいと思うわけです。子ども向けの本とかは今の通説ベースになってるんでしょうかね。おっさんが自分で読むために子どもの本を買うのはいかがなものか,という気もしますが,おっさん向けに分かりやすい本でも出してくれないですかね。とりあえず,ここのグッズショップを探した限りではそういうのはなかったです…。
 それにしても,確かに「イワキリュウ」という名前は聞いたことがあった。もしかしたら初めて聞いたときはイワキがこのいわきだという意識を持ったのかもしれませんが,とりあえず今の薄汚れたNPにとっていわき=競輪であって,イワキリュウなんて頭から消し飛んでました。そうだよな,イワキリュウっていたよな。
 まあ,フタバスズキリュウもイワキリュウも,海を泳いでいた恐竜のようですから,海岸沿いであればいわきでなくとも何か出てくるんでしょうが,こうしていわきから出てきたのは,やはりいわきがなにか持ってる(真に自然科学的な意味においてなにかあるのか,それとも幸運的なものなのかは分からんけど)のでしょう。

 2階のお勉強コーナーでフムフム言ったあと,一旦外に出ます。「昭和の杜六坑園」という名の場所です。どうも,昭和天皇が当地に行幸なさり,トロッコで坑内にまで入って皆さんを激励されたとか。それだけいわきの炭坑が重要だった,ということでもあるでしょうし,戦後すぐの時期に陛下が中まで入られたってのはそりゃあ皆さん嬉しかっただろうなあ。





外に出ます ウッドピア 奥へ向かう 解説 句碑 解説
坑内に入るトロッコ
今は枯れ葉をかぶっております。
外景案内

 さて。続いては,炭坑パートへと向かいます。
 特に予備知識も無かったので,まずエレベーターにびっくり。炭坑まで降りていく,竪坑的な雰囲気に満ちあふれたエレベーターでした。これは凝ってますね。自分の文章力では文字にしてもなにも凄さが出ないので,とりあえずYoutubeかなにかにアップされている動画を参照すればいいな。

 そして,その先は模擬坑道となっております。暗い中に,炭坑で働く人達のオブジェ。若干,秘宝館的空気もあります。
 炭坑は,これまでも万田坑なんかにも行ったことがありますが(あともう一つなにかあったな,と思ったら,黒部ダムがらみだった。だけど,黒部ダム本体には行ってないわけで,いったいどこで見たのか,全く思い出せない…),実際に模擬坑道的な場所をみるのはこれが初めてでありました。模擬坑道と言っても,ここは一般人用に作られた施設ですから,実際はもっと坑道も狭かったんだろうなあ。想像するだけで恐ろしい。こういう場所で命がけで頑張ってこられた方々がおられたからこそ,日本のエネルギーが生まれ,産業が続いたんだろうな。フラガールではちらっと炭坑に生きる方々の生活や考えが出てたけれど,やはり今の平和ボケした自分には想像できない世界だ。

 なお,言うまでもなく事前準備はしておりませんでしたので,この炭田が常磐炭田という名前であったことすらも今これを書きながら年表を見て知ったレベルです。お恥ずかしいったらありゃしない。ヘリテージツーリズム協議会にを見ると,分かりやすい地図も載ってたりして,これを見たらまたもうちょっと色々見られたのだろうと思います。無知は罪です。

常磐炭田開発年表 山神社と神棚 通路 狸掘り
まったく意識したことが無かったのだけれど
掘り方ひとつとっても創意工夫の結晶なんだろうなあ
枠の作り方もいろいろ 手ハンマーにより孔を繰る切羽
「切羽」って「せっぱ」だと思ってた
圧気による穿孔 手積み採炭 どうしてもここに目が行ってしまう
道具 リアルな造形 サイドダンプローダーの掘進
詰所(交番所) 先進ガス抜きボーリング

水風呂に入りながらの
高温作業だったようです…
考えただけで汗だくになる
↑←
皆さんの安全のために
用いられていた様々な
道具類
これでも避けられない事故が
あったのだろうし
事故によって生まれた道具も
あったのだろうな…
 
救護隊




  
ダブルレンジングドラムカッター
(なんか名前が格好いい)

なお,てきとーにネットを見ていたところ,早稲田大学の「炭砿労働者の閉山離職とキャリアの再形成」という研究プロジェクトのページを発見しました。研究自体は2005年頃までがメインで,サイトの作成は2009〜2010年ころで,今(2017年)なおアップデートされているかは疑問ではありますが,データが古くなるタイプのものでは無いので,できれば消えずに残って貰いたいものです。

 続いて,生活館。正確にはどこからが生活館だったかは写真からは分からんけれど,まあ気にしない。


石炭
考えてみたら,
「石炭」がどんなものなのか
まったく分かってなかった
  
三函温泉由来記にまつわる切り絵
  
炭坑といえば,組合
  
これは知らなかった。友子取立て。友子は「ともこ」と読んでいいみたいです
  
自衛消防組織
  
世話所

歳時年表
   
祭り
 
炭鉱の暮らし

 あらためて,入口に戻りました。入口にどどーん!!と展示されているのが,かの有名な,フタバスズキリュウこと,フタバサウルス・スズキイであります。
 いや〜,ほんと,繰り返しになりますが,ここがあのピー助の出た場所なんですな。今まで考えたことがなかった。
 上にも書きましたが,これでアラフォー間近のおじさんに数十年ぶりに恐竜ブームがやってまいりました。てことで,このあと科博の生命大躍進に行ったり,幕張の大恐竜博に行ったりしてしまうのでありました。




 で,こうして恐竜ブームがやってきたので,なにか現在の通説が分かる本がないかな,とミュージアムショップの陳列とにらめっこしたのですが,残念ながらそれらしきものは発見できず。普通に「恐竜図鑑」みたいなのを買うべきなのだろうな。まあ,これは今後の課題。今までの自分を考えるに,図鑑なんて買ったところで買った時点がピークになるのは目に見えている。

 さて,外に出ます。外には,採掘に使われたと思われる機械が展示されておりました。

自走枠 シングルドラムカッター ジーゼル機関車




バッテリー機関車。4のあとの単位が読めない 炭車 充填機 銘板


 というわけでありまして,舐めてかかってたところ思いの外見所満載なうえに自分の好奇心も大いに刺激されることとなったのでありました。いやー,楽しかった。

 てことで,ようやく温泉です。


いわき馬の温泉いわきヒトの温泉


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