ニワカの行進

 サウサンプトンにあるSt.Maryスタジアムのスタジアムツアーに行く機会があり,さらにその翌週に実際に試合を見る機会にも恵まれました。
 そもそもサウサンプトンという街自体が日本人的には吉田麻也の存在によってしか知られていない気がしますが(と思ってたんですが,吉田の前に李忠成がいたことを完全に失念していて,「吉田の前にも日本人いやよね?」という話に全く反応できなかったのであります。ほんとすまん。これを書いている11月22日におこなわれた2015年最終戦で活躍したようなのでなにより),そのサウサンプトンの本拠地がこのSt.Maryスタジアムなのであります。

 とまあ,こういう書き出しからも明らかなとおり,こちとらプレミアリーグに関してはニワカどころの騒ぎではないど素人です。ストークシティとの試合の前日に「明日Southamptonの試合見に行くんだ」と話した際,友人に「相手はどこ?」と聞かれて答えられなかったくらい,酷いレベルのミーハーです。まあ,そういう人間でも楽しめますよという紹介というか,よくぞジャパニーズニワカが異国で恥を晒したなというか,まあ色々自戒も込めつつ,記念に書くのであります。
 ついでに,よくおこなわれる会話として,「好きなチームはどこ?」→「UrawaRedDiamonds」→「あ,いや,プレミアで」→「(沈黙)えー,強いて言うならUrawaが色々リスペクトしてるマンUかな」という流れがありまして(にわかすぎて研究心ゼロなので毎回このレベルの回答を繰り返す),もう,これ以上ない日本の恥さらし的な会話を連発しているのであります。

 で。聞くところによるとこのあたりは治安がいいことで知られるサウサンプトン界隈の中で,比較的治安のよろしくない地域とのことで若干びくつきながら乗り込みました。早起きできていれば名前の由来となったと思われるSt.Mary教会にも行ってみようかと思ってたんですが,残念なことに早起きなんてできるはずもなく。

 街の中心部からのルートはほぼ一直線でして,簡単に到達できました。途中,朝食買うために無駄に寄り道したせいで無駄に迷子になりかけた上に遅刻しかけたけど。

 以下せっかくなので参考までに,駅付近からのルート案内。シティセンターの入口だったりソレント大学の近くを通ったりするので,ルート的には変な場所は通っておらず,びびって損した。


 さて。気がかりなのが天気でして,若干曇り空というか小雨がぱらついております。そして,お馬鹿NPは傘を忘れてきました。まあ売店で傘を買えばいいや。記念になるし……と甘い考えでいたところ,傘がありませんでした。傘を持って暴れる馬鹿が出るのを防止するためなのだろうか……。

ここから歩道橋へ ここを進む スタジアム!

 そんなわけで,ツアースタート。なんと,2時間程度覚悟するツアーとのことです。ちょっと想定してなかった長時間っぷり。チェルシーは1時間程度だったかな…?さすが地域密着クラブ。

 まずは,外で手を挙げて待ち構えているおじさん。テッド・ベイツというおじさんでして,Wikipediaと当日の説明をふまえると,1937年から66年間選手・マネージャーとしてサウサンプトンFCに所属しており,この66年間同一クラブに所属というのは最長であるとのことでした。最長かどうかはさておくとして,まさしくチームのレジェンドでありますな。

テッドおじさん 奥に見えるのが選手入口

 その後,なぜか正面入口の鍵が開かず,脇からピッチ脇を通って正面入口内へ。
 ピッチは芝の育成のために絶賛紫外線照射中でありました。この寒いイギリスで,冬場に天然芝を育成するのはさぞかし大変だろうな……。日本も夏春制導入するとますますこのあたりで悩まされることになるんだろうと思われます。
 それにしても,専用スタジアムだけあって座席からピッチが近い。近すぎる。いやぁ,手を伸ばせば届きそうとはまさにこのこと。そりゃあフーリガン&酔っ払い対策に必死になりますわ。日向君のタイガーショットが直撃したら死人が出るんじゃなかろうか。
 まあ,ここにはあとで戻ってくるということなので,先を急ぎます。



いったん外へ
(この出口は通常使用するもの)
最前列を歩く 頑張って照らしております ピッチとスタンド
静かです

 そんなわけで,正面入口。クラブのロゴがあり,ここで記念撮影が可能となっております。

正面からロゴを 広角の関係でこういう角度が限界

 さて,いきなり最上階まであがります。メタボにはきつい。最上階は想像通り,リッチな人のための立地となっておりまして,絨毯敷きです。英国サッカーというと庶民のスポーツという認識が強いかと思われますが,こういう場所もあるのであります。
 最初に連れ込まれたのは,Sky Sportsの部屋。スタジアム全体が見渡せる位置にあります。試合当日は試合後のコメント等をここから出しているようです。カメラはもちろん別の場所。
 日本のスタジアムツアーって正直記憶にないのですが,イギリスの特徴かな,と思うところとして,「カネの話を正面からする」というのがあると思います。グラウンド周りの電光掲示板は1分2万ポンドとのこと。他方,そこ以外,つまりスタンド部分には広告がないのがここの特徴だとのことでした。
 電光掲示板への広告は25万ポンド。自分のメモが金額だけで,これが1分なのか1秒なのかなんなのかちょっと不明。なお,試合中掲示板にはリプレイが流れることがありますが,審判のジャッジが怪しいものは流してはいけないルールになっているようです。なぜなら,観客が興奮して暴れる可能性があるからだとか。なるほどなー。また,試合を見てて驚いたのは,試合チュも掲示板に広告が流れてる時間がかなり長い。日本だとそもそも試合中に広告が放映されてた記憶がない。

 アウェイ席は,プレミアの際は1割。FAカップの際は2割の割り当てとのことです。



昔のユニが飾られております
ユニの更新頻度は知らんのですが,
歴代全ユニフォームが展示されてるわけではなさそう
赤絨毯の道 スカイスポーツの部屋 ガラス越しに見える,素晴らしい眺め

 続いて,個室。サウサンプトンのサッカーアカデミー用の個室に入れてもらいます。たぶんここなら強権発動して一般客入れても苦情がこないのだろうと思われます。
 ここは,定員10名。試合時にはケータリングもつくとのこと。室内観戦も可能ですし,外にも椅子が用意されておりました。一般客の椅子はプラスチックですが,ここのはちゃんとクッションが効いた椅子であります。でも,特にドリンクホルダーがあるわけでもなく,なんというか,椅子に金をかける気はなさそう。
 もちろん,こちとらにわかですから,サウサンプトンのアカデミー出身者が凄いとかいう知識はゼロでありまして,さらに言えばここの出身者にはこんな人がいるんだぜ!と言われてもさっぱりなのであります。いやあ,ほんと我ながら書いていて酷い。

アカデミー用の部屋 出身者一覧 最上部
特等席からの眺め クッション素材を利用 そのちょっと前にあるのが記者席
記者席には机があります

 1つ階を下がります。ここにあるのはBoard Room。もちろん,板を保存する部屋ではなく,取締役の部屋です。が,取締役の人数を減らしたため,最近はここではなく別のオフィスで取締役会を開いているとのことでした。取締役会の部屋からの眺めはスタジアムではなく,サウサンプトンの街。この景色こそがサウサンプトンFCを支えているである,とのことでありました。まあ,上に行けば特等席が用意されてるんだろうけどさ。

胸スポの製品展示 今の胸スポユニですが,
今年のとはちょっと違うな
Board Room サウサンプトンの景色 Mick Channon
Wikipediaによると
競馬好きのようです

 その奥にあるのが,サウサンプトンのレジェンド,マット・ル・ティシエの写真などが並ぶ部屋です。おそらく,取締役の部屋に入りきらないくらい大勢の来客があった場合などはこっちを使うのではないかと思われます。言うまでもなく,にわかな私がマット・ル・ティシエのことを知るよしもないわけですが,英語版のみならず日本語Wikipediaまであり,その経歴を見るにこれぞレジェンドというレジェンドっぷりであります。いやこりゃ凄いわ。これはちょっとニワカが凄いとか言ってたやすく触れていいレベルの選手じゃないな。

ユニ 部屋 最終戦ゴール写真

 廊下には,歴代名選手の名前があったり,歴史の表示があったり。吉田や李の名前が加わる日はくるのでしょうか。


 で,トロフィー展示。タイトル自体は少ないチームなのですが(トップチームのタイトルは1976年のFAカップだけ),出身選手のワールドカップ優勝記念メダルとかもあって水増しされております。いやもちろん水増しという表現は失礼なのは分かってます。
 で……そこに,見慣れたものを発見。うぉぉぉい,なんだこれ,日本のものじゃないか。そう,日本は2001年,このサッカー場でナイジェリアとの親善試合をおこなっていたのであります。2001年というと,日韓ワールドカップの前年ですね。そういえばそんなこともあったようななかったような……。柳沢と鈴木が得点を決めるという,なんかにわかに信じがたい試合でありますな(←失礼)。それにしても,日本からの贈り物ばっかりで,さすが黄金の国ジパングといえそうであります(金でできたものは見当たらないけど)。


 そんでもって,ここのスタジアムツアーの特徴というか欠点は,記者会見席への着席が禁止されていること。チェルシーはここに座って記念撮影できたんだけれど。あと,ホーム側ロッカーも見るだけで着席禁止であります。アウェイ側は汚してもいいという高度な政治的判断によるのではなかろうか。
 そして,下に降りて選手出入り口付近へ。選手出入り口は案外狭い。確か埼スタはここで軽くウォームアップできるくらいの広さがあったような記憶なんですが,ここは狭いので無理。インタビュースペースとしてブースがいくつかあるくらいでした。
 その奥のロッカールームへの道には,サウサンプトンの選手の写真が壁に掲げられております。日本人は呼び出されて吉田選手とのツーショットを撮らされますので,気をつけましょう。
 そんなわけで,座ることのできるアウェイ側ロッカールームですが,ここもいろいろと策をめぐらしているようで,座席の幅が広い。普通に深く腰掛けても,背中が壁にタッチしないように,つまり,座ってリラックスできないように設計されております。こういうのってどこまでチーム間で協定ができてるんですかね?あと,トイレの個室のドア裏には鏡が2つ設置されておりまして,顔と足が鏡に映るようになっています。ガイド氏によると,かつてはその間にサウサンプトンのユニフォームがぶらさがっていて,トイレ中自分がサウサンプトンのメンバー扱いされて不快に感じるように設計されていたのだが,いつだか破り捨てられたとのこと。ほんまかいな。でもまあ,とりあえず,鏡が2つついてるのは事実です。もしかしたら各選手のポークビッツを自己確認させて意気消沈させるのが狙いなのかもしれない。まあ,よくわからんです。
 あと,日本ナイジェリア戦でこっち側(アウェイ側)に陣取ったのはどっちだったのだろうか……。これだけ差別待遇すると片方が不利ですよね。前後半で交換するわけにもいかんだろうし。
 なお,ホーム側の選手ロッカーの上に金庫がついているのは,過去に実際に泥棒が入ったことがあるからだとのことです。おそらくは内部犯だろうとのことですが。また,ホーム側はロッカーの奥に乳酸吐き出し用の自転車が10台設置されております。ゴールキーパーだけ仲間はずれであります。

記者会見場 ここの選手席には屋根がない 入退場口 これの前でこんなことをする辱めを受けるわけです
アウェイ側
以上,ホーム側 ここから出る
出口が普通すぎて
(むしろ非常口みたいだ)
かえってびっくりします
出たところ

 最後に連れて行かれた部屋は,何かと思ったら,どうも暴れるフーリガンを拘束するための部屋っぽい。トイレにモノを流されないように水を流すスイッチは部屋の外についているなど,至れり尽くせりの待遇で休息させてもらえるようです。こういう設備があり,かつ,これを公開するってのが面白いな。もちろん,いわゆる警備本部的なものはほかの場所にあるんだろうけれども。

たぶん警備本部のサイン 部屋その1 部屋その2
同じのがもう1つあります
外についてるこれが
水を流すためのスイッチ
ぶれたけど,これが入口
なにも案内がありません

 そんなわけで,スタジアムツアーは無事終了いたしました。途中から雨が強くなって,おそらく本来はもうちょっと外(ピッチ脇)にいる時間が長かったんじゃないかと思われるところです。帰る際に風雨に祟られて大惨事だったことは言うまでもありません。なぜ傘を忘れたのか本当に謎だ。
 なお,帰る際に一人Megastoreに寄ってニワカグッズ(吉田のユニとか)を仕入れたことは言うまでもございません。


 で。吉田のユニをゲットしたのをいいことに,プレミアリーグのストークシティ戦を見に行きました。なぜこの試合をとったのか,というと,まあ日程的にあいていたことと,「ここなら勝てるんじゃないか」というニワカな発想があったからであります。そもそもプレミアをろくに見てない人間がどうして「ここなら勝てそう」とかそういう類いの考えに到達できるのか,そっちの方が不思議ですね。そういう舐めた考えだから負けるのです。

 そんなわけで,前回とほぼ同じルート(途中寄り道した店だけが異なる)で到着。だいたい1時間前くらいに着きました。なにを隠そう,これがプレミアリーグ初観戦であります。海外サッカーというレベルに範囲を広げても,トルコ以来の2戦目です。
 外でマッチデーを買います。4ポンド。う〜ん,さすが高い。イギリスクオリティ。まあ,冊子自体も日本のマッチデーよりかっちりしていて,しっかりした本になってます。で,なんかアンケートを採ってるようで,「大きいサイズの本と小さいサイズの本,どっちがいいか」と聞かれました。大きい方と答えたところ,小さいサイズの本をもらいました。金の斧の寓話のような話であります。小さい本は,先日のFAカップアストンヴィラ戦のものでした。
 ※ この日のマッチデーなどについては、あらためて別の旅行記で一部紹介しております
 簡単な荷物検査を経て,中に入ります。チケットのバーコードを読み取らせて中に入るのですが,説明がなくてちょっと戸惑いました。
 で,1時間前だというのに,中はがらがら。寒いから外に出ることはないにしても,スタンド内で飲んだくれているわけでもないようです。ここに来る途中のパブがどれくらい混んでたのかは調査しておりませんが,まあこの程度なら酔っ払いが暴徒化して大暴れする心配もそんなにないように思うのであります。
 なお,せっかくなのでコーラ買ってみました。2ポンド。寒いので半分も飲まずに終わりました。400円どぶに捨てた……。
 また,イギリスですからもちろん賭けもおこなわれております。賭けなかったけれど,記念にオッズ表だけゲット。なかなか賭けの対象は細かく,単に勝ち負けだけでなく,1点目,ラストゴール,1点目の入る時間帯や,●●がゴールを決めて3-0でみたいな条件付きのものまで多種多様。それもこれも,ブックメーカー方式で各賭式の売り上げが低くても賭けが賭けとして成り立つからこそできることなのでしょう。

今回もここを進む スタジアム到着 マッチデー 裏表紙
もちろん吉田の名前もあります
もらいもの 中はがらがら これがこの日のオッズ

 で,寒さをこらえつつ外に出てみました。なお,この日の前後のサウサンプトンは,何を勘違いしたか最低気温氷点下という状態でして,11月にしてこれかよ……と若干絶望的な気分にさせられていたのであります。
 まあそれはさておき。当然,スタンド内もまだガラガラです。寒々しいですね。自分の席はバックスタンドのアウェイ寄りでしたが,H列(つまり前から8列目)で,いい席でした。横国とかだとこんな位置で見ることはまずもって不可能です。それにしても,最前列とピッチとの距離の近さに驚かされます。こんなところ歩いていいんだなあ。

まだまだがらがらのスタンド Welcome to St Mary's アルコール禁止です 車いすは最前列 この前訪れた
SkySportsの部屋はたぶんここ

 さて,試合開始50分前で,スタンドががらがらだというのに,スタメン発表がおこなわれました。当然,観客が反応するわけでもなく。なんというか,これでいいのだろうか。
 そして,残念なお知らせ。吉田は控え。
 そういえば,日本だとアウェイの選手も一応名前が表示されますが,ここはアナウンスだけでした。

 そんなわけで,あっさりとスタメン紹介が終わってしまい,これでいいのだろうか,またやるのかな,などと疑問符が頭の中を飛んでいたところ,選手が出てきました。ウォームアップであります。なお,ウォームアップ中も特に何かがあるわけでもなく。
 ただ,選手が出てきた際,スタメン組はホーム側のクルヴァの方に行って挨拶してました。とはいえ,そこに集まっている人もせいぜい十数人〜30人程度かと思われるのでした。
 そして,控え組はバックスタンド側で輪になって運動しておりました。

選手紹介中 選手が出てきた! そういえば,ここは
ゴールが2つ常置されてます
サポーターの下へ
向かう選手たち
練習開始 控え組。吉田発見。寒そうだな アウェイ側

 そして,試合開始35分前くらいに再度選手紹介が始まります。とはいえ,やはり盛り上がりに欠けており,効果音がかえってむなしい……。
 そんな盛り上がりに欠ける?スタンド内を盛り上げるためか,犬が2匹出てきました。いわゆるゆるキャラって奴ですね。上から見てるとなかなかふてぶてしいけれどファンサービス精神旺盛なコンビでした。
 それと,ちょっとびっくりしたのが,試合開始直前にもスプリンクラーが作動したこと。こんなことJRAがやったら袋だたきですね。JRAはさておくとしても,とりあえず自分が記憶した限りでは,日本でこのタイミングでスプリンクラー作動させたところは見たことないな。

再度選手紹介 犬が登場 会議に参加 何を指示してるんだか 撮影にも気さくに応じます
マイクに手をつくのが
OKなのかは分かりません
設営中 そして,スプリンクラー そして,こいつは何をやっている

 とまあ,そんなこんなで,気付いたら試合開始時間が迫ってきました。観客が続々とスタンドに現れます。はっきりいって,狭いです。前後も左右も。そもそもイギリス人が全般的に日本人よりサイズがでかいのに,たぶん椅子の幅は埼スタの南より狭い。前後幅も埼スタ南より狭い。カップホルダーもありません。こうして,窮屈ながらも人が詰まった,雰囲気のよいスタジアムが作られるのだろうと思います。
 そして,選手入場。特に効果音や爆発音があるわけでもなく,アナウンサーが盛り上げているだけ,という雰囲気です。

 この日もフランスのテロのために黙祷がささげられました。

選手入場 選手整列 おまえらいつの間にそこにいたのか 犬は去ぬ 喪章つけてますね
両チーム選手 フランス国旗 両チーム,分け隔てなく エンジン 前後左右幅は
こんな感じです

 てなわけでして,キックオフ。
 試合としては,左サイド(つまりはバック側。よく見える)が幾度となく破られていいクロスをあげられ,さくっと先制される展開。
 そして,これ,自分の着座位置の関係なのかもしれんのですが,サウサンプトン側の声はアウェイ席がある方のゴール裏のコーナー付近から出てました。もしかしたら逆側ゴール裏からも声が出てたのかもしれませんが,とりあえず自分が聞いている限りではこっち側だけ。そして,バックスタンドの観客はチャントに参加せず。あと,イギリスは全席着席だと思ってたら,ゴール裏の中段より上は全般的に立ってました。これOKなんだな。それにしても,アウェイ側に接してる場所が一番熱いとなると,なにかあったら揉めないのだろうか。
 と,いろいろ思いつつ,生で「聖者の行進」を聞くのはやはり興奮しますね。ただ,自分のひいき目も慣れももちろんあると思うんだけれど,浦和の方が声量あるし全体的な雰囲気としては自分は浦和の方が好きです。

ゴール裏
全体的に立ってます
近いっていいね

 そんなわけで煮え切らない展開でハーフタイム。
 ハーフタイムにもスプリンクラーが作動して水が撒かれます。そして,芝の穴を埋める軍団も登場。JRAはおばさま軍団ですが,ここはおじさま軍団です。こうやって冬の寒い中でも,青い天然芝を維持しているのでしょうね。

 で,試合は,というと,なんというか,全体的に押してはいるものの,攻守の切り替えが遅く,クロスをあげてもあっさりはじき返され,全く得点の雰囲気がありません(どこかのチームでよく見た光景)。もう露骨に空気が悪化。そして,こんな展開で吉田の出番がくるはずもなく。
 空気が悪くなると当然ヤジも増えます。とはいえ,(敵味方どっちに対しても)特にブーイングはなかったかな。審判(レフリー)はレフと略すようでして,ボールの邪魔になると"get out of our way ref!"などといったヤジが飛ぶことになります。もちろん,なにかあると”F●●K”的な言葉も飛びます。とはいえ,そんな声を出しているのは一部に過ぎず(その意味で競輪に近いかも),どちらかというと,淡々と負けに向かって試合が進んでいった,という印象。試合終了前に席を立つ人も。狭いので移動するには他の人を立たせないといけないので,この空気でこれをやるのは日本人には難しい……。
 てことで,あっさりと試合終了。ほんとに「あっさり」という感じ。そして,試合終了と同時にバックスタンドはみんな立ち上がり,出口へと向かいます。道が狭いのでこの流れに逆らうことはできず,僕も出口に向かいました。とりあえず,聞いてる限りではブーイングはなかったです。そんなわけで,選手がどこにどう挨拶したのかは分からずじまいでした。

ハーフタイム中 試合後
多分これはアウェー側のバス

 そんなわけで,吉田の出番もなく,さむ〜く,試合は終わりました。そして,特に吉田が外に出てくるのを待つわけでもなく,帰路につくのでした。


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