メイジョウニノマル

0.序

 2022年3月。COVID-19騒動から約2年がたちましたが、まだまだ警戒を緩めるわけにはいきません。そんななか、予定されていたのが我らがmiletさんのライブです。milet live tour  "visions" 2022。
 私が行く予定だったのは名古屋公演です。なぜ東京都民の私が名古屋公演か、というと、土曜日が仕事のことが多いため、土曜開催の東京を避けて、名古屋にしたのでありました。
 そして。気合いの入った私は、慣れない「事前ホテル予約」なるものをしてしまったのです。これがよくなかった。
 サポートメンバーの感染が発覚し、急遽公演中止となってしまったのでありました。無念。

 まあ、こればっかりは誰が悪いわけでもない。悪いのは運です。まあ、強いて言うなれば、慣れない事前ホテル予約なるものをした自分が悪い。
 なお、結果的に、東京フォーラムのライブに行くことが出来たので結果オーライであります。

1.名古屋城へ

 では代わりにどこに行くか、という問題が出ます。そこで選ばれたのが名古屋城。
 まあ正確には、ライブは夕方からなのでここは元々行く予定だった場所なんだけど。

 前回名古屋城に行ったのはおそらく2009年頃だと思いますが、旅行記を残していないので記憶からも記録からも消えています。覚えていることとしては、とにかく暑かったこと、堀の中に鹿がいたこと、二の丸庭園が荒廃して期待外れだったことです。
 今回の目的は、めでたく新装開店した名古屋城本丸御殿を見ること、そして前回はがっかりした二の丸庭園をあらためて見学することであります。

1.1 外堀・愛知県庁舎・名古屋市庁舎

 まずはのんびりと散策。なぜここを歩くことになったのか、完全に記憶から飛ばしてましたが、検索したところホテルリブマックスPREMIUM名古屋丸の内に2泊していることが分かりました。2泊で7500円。土曜の夜から月曜まででこれです。いかにこの頃のホテル代が暴落していたかが分かりますね。

外堀の様子とヒメボタル

 外堀の巨大さに感嘆しつつ、道路を挟んで反対側には特徴的な建築物が2つ。泣く子も黙る愛知県庁舎と名古屋市庁舎です。最初間違えて愛知市庁舎とか書いちゃいました。
 愛知県庁舎帝冠様式としてよく知られた建物であります。よく知られた、と書きつつも例によって帝冠様式という名前は記憶から飛ばしてたけど。
 引き続き登場する名古屋市庁舎も同様に帝冠様式の建築物として知られております。こっちの方が正当なヒーロー系、愛知県庁舎はちょっとコミカルな感じですね。ただ、名古屋市庁舎も二層の屋根がちょっと違和感を覚えるスタイルで、タダでは転ばない感を出しています。

愛知県庁舎 名古屋市庁舎 文化の道

1.2 二の丸まわりの堀〜金シャチ横町宗春ゾーン

 検索しても「内堀」という表現があまり出てこないので、びびって「二の丸まわりの堀」という表現にしてしまいました。
 南から二の丸の東側の道を北に歩いて行くと、この堀が登場するわけであります。非常にオーソドックスな堀と石垣ですね。底が浅いのは元々こんな感じだったのか、後世になってから埋めたのか、どっちなのかな?


 そして、金シャチ横町に到着。ここはナウいお店が並ぶ観光客向けゾーンのようです。こうやってお金を稼がないと行けません。


1.3 二の丸東門

 さあ、段々とお城モードが高まって参りました。二の丸まわりの石垣が見えてきました。植え込み越しだと見づらいですが、しばらく進むと堀も石垣もよく見えるようになります。

植え込み越しに石垣を見る 北に進んで、植え込みの切れ目から石垣を見る

 そして、続いては二の丸東門。先ほど眺めた二の丸まわりの堀を渡って城内に入ります。

渡ります 南側 北側

 二の丸東門の虎口は非常に分かりやすい構造。ただ、雁木の位置を考えると、見た目ほど単純な門の構造じゃなかったのかもしれない。ちょっと妄想が膨らみますね。

入っていきます 正面左側の雁木 ぐるっと正面方向
右手側 右手側の雁木 石垣 少し進んでから振り返って橋の方向

 二の丸の南側に入りました。最後にもう1回虎口を振り返ります。


2.入城〜二之丸

 そんなわけで、城に入りました。まずは案内図やらパンフレットやら。


 正面に天守が見えるのですが、今日の第一目的地は二の丸庭園なので、まずは寄り道からスタートです。

2.1 二の丸東庭園

 二の丸庭園の前に登場したのが東庭園。こんなのあったのか。植え込みが綺麗になっている所に木製の解説板があり、その向かい、枯山水的な石の池がある場所に東庭園の看板が立っております。その看板によると、東庭園は芝生地と南池から構成されているようなので、この植え込みで出来ている部分はなんなのか、というところに疑問が残りますね。

 とりあえず、この南池は非常に綺麗です。

二之丸東庭園 植え込みパート 看板解説 南池へ 南池解説
南池を様々な角度から 抜かれたものもあるようだけど
立派な石組み
続き

2.2 二之丸庭園

 そして、二の丸庭園。
 東庭園を見てから入っていったので、裏側から庭園本体にいくかたちになっています。

 まずは権現山まわり。二之丸庭園で一番高い築山だとのことです。
 このまわりは現在工事が進んでおります。是非是非整備して下さい。

余芳跡 保存事業が進んでおります 権現山 権現山
下を流れる川の部分にブルーシートがかかっております
下の川は枯山水ではなくちゃんと水が流れていたっぽいですね
武骨な石組みがしっかりと露わになっているのは面白いです

 続いて北園池。先ほどの川と繋がっている池であります。ここもかつては水があったと思われ、深さは最大3m30cmとのこと。これは忍者が中で水遁の術を使うのに十分な深さです。そして、逆にお殿様の怒りをかって中に沈められた人もいそうですね。

北園池 池まわり。ここも岩が武骨です 北園池から権現山 パノラマで

 そして、栄螺山、二子山へと進んでいきます。二子山の石組みが非常によいですね。どこから持ってきたのだろう。
 そして、二子山の南側(どっちが南か分かってない)の通路は往時は今よりも1メートル低く、もっと起伏に富んでいたとのことです。今の高さベースで良いと感じていたのですが、もしかしたらそれは気のせいだったのかもしれません。

川を眺めながら進みます 茶室かな? 権現山方向 なんかごつい岩山。これが二子山です。そして奥が栄螺山
川を振り返る 栄螺山 これまた立派な石組み
真ん中に立ってるのが仏様なのかな??
二子山 栄螺山の方が二子山っぽいですね

2.3 南蛮たたき鉄砲狭間と北側の堀

 北の堀沿いに出ると、南蛮たたき鉄砲狭間という解説板が登場。
 素人的には普通に塀を作ったらいいんじゃないか、と思ってしまうのですが、塀を作らずとも寝そべって鉄砲を撃てる仕組みが優秀だったんではなかろうかと思います。

南蛮たたき鉄砲狭間
本丸北東部
調査中のようですね
北側の水堀をぐるりと

 そして、栄螺山を振り返ります。2017年の修復工事で昔の姿が見られるようになったとのこと。やっぱり前回行ったときはこんなに整備されてなかったんだな。安心しました。


2.4 本丸搦手馬出・埋門跡

 先ほど見た修復工事をしている部分が、本丸搦手馬出だとのことで、2003年からということなので20年の長期にわたって石垣の調査をしているようです。
 眼下には堀が広がっているので、搦手馬出がどこなのか分かりづらいのですが、おそらく(あとで見に行く)二之丸東二之門から出て行く場所がそれにあたるのではないかと思います。
 しかしながら、現在の縄張りと立入可能区域だと東二之門から出た先が分かりづらいのが難点ですね。


 続いて、埋門。解説板は二之丸側にあるのですが、解説によると二之丸西北の位置にあった、ということなので自分が立っている場所の下にあったということなのでしょう。てことで、これを見るためには移動しないといけません。

埋門跡 埋み門見下ろす 水堀の底は
坂のようになっていたようです
移動して水堀を見る ちょっと引いたところから見る 本丸方向
見えているのは東南隅櫓
埋門 本丸馬出の石垣

2.5 二之丸庭園前庭へ

 このまま石垣沿いに本丸に向かっても良かったのですが、スルーしていた二之丸庭園前庭を見にいきます。

これまた立派な石と岩 よく分からない感じの石橋 水琴窟

 そして、さっきも見た北園池まわりの風景。うん、やっぱりこれはいいですね。


 前庭、というのは明治期につくられた陸軍将校集会所の前庭、ということのようですね。


 ちなみに、検索したところ、この庭園は玉澗流庭園というもののようで、宋の高名な水墨山水画家の玉澗の描いた山水画を理想としたことが由来のようです(こちらより)。背後に大きな築山を造り、その間から滝を落とし滝の上に石橋を架けるのが特徴とのこと。あれ、そんな場所あったっけ、とあとから見直したら、確かに北園池の眺めで奥に橋が架かっている場所がありました。うん、ちゃんと行く前に勉強しておけ、ということでありますね。

2.6 那古野城跡

 私は信長の野望(と山岡荘八)から戦国に入ったので、「なごや城」というと那古野城のイメージの方が強いです。そんな那古野城跡。今は案内板があるのみ。


2.7 薬草コーナー

 薬草コーナー。
 大名庭園にはこの手の薬草育成場所がつきものですが、ここは大名庭園としての二之丸庭園とは無関係っぽいですね。名古屋城の御深井御薬園からうつしてきたもののようです。解説板に出ている御深井という場所と御深井丸が同じなのかどうかは素人の私には分かりません。


 それでは、本丸へと向かいます。


メイジョウサンサク


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