ヤスダラスカル

 私は基本的に混んでいる場所は嫌いなので、ダービーだの有馬記念だのという場所に積極的に行きたいとは思いません。が、「人生で最後に生観戦したダービー」が去年のアレだというのはあまりにも居心地が悪い。このままでは死んでも死にきれない。とはいえ、地縛霊となって府中をさまようのは井田是政さんだけで充分です。というか、地縛霊の縄張り争いで井田さんに勝てる気がしません。
 というわけで、2年連続でダービーを見に行くことにしました。

ダービーイベント

 ダービーに先立ち、例によってJRAが街中でイベントを行っていたので、立ち寄ってみました。平日の昼間にダービーイベントに参加するおっさん……ろくな奴じゃないですね。スーツを着ていたとしてもニートに違いありません。イベントは、アライグマのラスカルがどこにいるかクイズの謎解きです。こんなの、どう考えても答えは東京競馬場なのですが、一応真面目に問題に取り組みます。答えから謎解きを逆算したりしてはいけません。

イベント会場 こっちは別のクマ

 そんなわけで、やってきました日曜日。今日も東府中から歩いて東京競馬場に入ります。

平和な東門 リストバンド的なもの

競馬博物館:競馬法と安田伊左衛門

 東門から入ったのはもちろん、競馬博物館が近いからです。暑い東京、競馬博物館で涼んでる人がどれくらいいるのか……とちょっとびびってましたが、混雑ぐらいはたいしたことありませんでした。
 それもそのはず、競馬法100周年というのはJRAにとってはその存立・存続そのものにかかわる一大事ですが、一般競馬ファンからしてみたら知ったこっちゃありません。おそらくJRA側も「競馬法100周年」だけではあまりにインパクトに欠けるので、安田伊左衛門氏をくっつけることで一般競馬ファンにも親しみやすい特別展にしたのだと思います。この展示の担当の方の苦労がしのばれます。

博物館内の
ダービーダンディーズ紹介
展示の様子 ご挨拶 チラシ パンフレット表紙

 さてさて。競馬法というのは、言うまでもなく、日本国刑法で禁止されている賭博行為の違法性を阻却するための法律であり、同時に中央競馬・地方競馬という区分を定めていたり、違反した奴への罰則の定めも設けております。とにかく、競馬にとって非常に重要な法律な訳ですな。
 さあ、競馬法100周年を祝ってレッツパーティー!

 なお、展示内容の一部はパンフレットにそのまま載っておりまして、展示自体は撮影OK、ある程度(絶対このページはアウト)の紹介はウェルカム状態なのですが、もちろんパンフレットにはそんな許可は出ていません。どっちみちアウトなんだから今さら気にしても仕方がないわけですが、でもちょっと気にして、一応展示メイン、分かりづらいのだけパンフレット、という流れで行きたいと思います。

安田伊左衛門の生涯

 まずは安田さんの生涯から。皆さん、安田記念の安田さんの人生にどこまで興味あるんでしょうか。とりあえず私は興味ありません。


安田伊左衛門の生涯 年譜 安田伊左衛門と明治時代の競馬 池上競馬場 大正・昭和時代の競馬 憂国愛馬。菅井牧場より
肖像 スイテン 伊原宇三郎さんによるようです 創立記念絵はがき 馬匹改良論 出馬名義人服色登録一覧表 安田氏の勝負服

競馬法の制定

 続いて、競馬法の制定について。皆さん、競馬法の制定についてどこまで興味あるんでしょうか。とりあえず私は興味あります。
 競馬規程の全文を掲示するあたり、担当者の熱意といかれっぷりが分かっていいですね。こういう展示は大好きです。ただ、掲示されているものをみると第8条が削除されているので、掲示されているものは制定当初のものではないのでしょうね。それにしても、「憮恤競走」なんて言葉、初めて見ましたよ。
 競馬法の主な改正を見ると、最初のところで実施機関が4日から6日に延びています。その要因がアラブ競走や特殊競走の増加にあるってんだから泣けますね。さらに8日に伸びたのも、同様に特殊競走の増加によるものだそうですよ。泣けますね。また、当時の払戻金債権の消滅時効は1年だったようですね。
 もう1つ面白いのが、競馬法の目的です。「馬の改良増殖」に加えて、「馬事思想の普及」が入っています。「馬事思想」凄いですね。岡部の「馬優先主義」もここから生まれた思想なのでしょうか。

競馬法の制定 揺籃期の日本競馬 馬券発売の黙許と禁止 池上競馬場 勝馬投票券複製
競馬番組 競馬規程 競馬法の制定
東京競馬倶楽部
招待券と勝馬投票券
競馬場実施10周年記念 競馬法実施25周年 競馬法の主な改正 現在の競馬法 競馬法御署名

古今競馬比較

 これも面白かった。古今競馬比較。
 見やすさの関係から、主にパンフレットからデータ引っ張ります。
 昔の開催日割を今風に載せてくれたのは非常に良かった。分かりやすい。比べやすい。いやはや、本当に素晴らしい。

古今競馬比較 目黒競馬場の写真
手前に障害が写ります
競走回数 出走実頭数 開催日割の比較
開催日数 入場人員 売得金 競馬場の変遷 馬券の比較

東京競馬場のあゆみ

 こちらは一応競馬法100周年とは別の特集展示となります。順番的に博物館の1階を攻めることになるので、こっちが先になります。

こっちです チラシ 展示の様子 ごあいさつ

 展示室のど真ん中には、初代スタンドの模型が展示されておりました。1933年から1967年まで運用されていたスタンドだとのことで、もちろんナウなヤングの私はこのスタンドを知りません。
 中央の尖塔に時代を感じますね。そして、馬場から向かって右側、ぱっと見階段かとも思ったんですが、特観席的なやつなのかな?
 というか、あらためめて見てみたら立ち見席ばかりで、特観席や馬主席はどこだったんだろう。屋根の上にある窓つきの席がそれなのかな??


 そして、東京競馬場の歴史が展示されております。
 特にコメントすることはないのですが、やはり障害レースの扱いの大きさに時代を感じます。
 そして、歴史年表。襷コースの廃止が年表に載ってないのはどうなのよ。いや、載ってないだろうな、と思って見たら案の定載ってなかった、というのが実際ではあるけれど、でもやっぱりそれはちょっと触れてほしかったところだなあ。

前史 不忍池競馬場 第100回目黒記念優勝レイ
勝馬:ビンゴチムール
開場50周年シンボルマーク募集と決定
それよりも森安重勝さんの訃報に目が行きますが……
開場した東京競馬場の様子を伝えるアサヒグラフ。入場2万人は凄い
そして、水濠障害の写真が大きく取り扱われているのが時代を感じますね
メモリアル60オープン 記念入場券・招待券
第60回日本ダービー
レーシングプログラム
東京競馬場の開場 1933年の空撮 東京競馬場の歴史 スタンドの変遷 完成直後のスタンド
これも障害コースから
公室の行幸啓 エイシンフラッシュ 東京競馬場年表

安田記念の歴史

 最後は2階の展示室。安田記念の歴史コーナーです。
 特に何か特別なことがあるわけではありません。

安田記念の歴史 展示室の様子 歴代勝馬 ハッピープログレス ニホンピロウィナー
ダイイチルビー ヤマニンゼファー タイキシャトル
エアジハード アグネスデジタル ロードカナロア グランアレグリア

 おまけのようにロードカナロアとタイキシャトルの記念品がいくつか。コメントに悩みますね


 そんなわけで、競馬博物館を見終えたので、ダービー観戦へと向かいます。


ダービーへ


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