アスコット競馬観戦記

 サッカーのチケットが手に入らないという突発的なアクシデントによって、急遽G1当日のアスコット行きが決まったNPは、友人1名を連れてウォータールー駅にたどり着きました。

 まず、何をするかというと、当然のことながら切符を買うわけです。切符は、自動販売機と窓口と、両方で売っているようでしたが、まあ窓口で買ったほうが間違いが無いだろう、ということで切符販売窓口が並ぶスペースへ向かいました。そのスペースの入口横には時刻表が並んでいて、アスコット行きのものも発見。土曜日はかなり多くの電車が出ている模様です。一安心。窓口の方はいい人で、簡単に切符を買うことができました。しかも、Travel CardがZone2までカバーしていたので、安くなりました。Travel Cardはイメージ的に地下鉄・バス専用という感じだった(と勝手に思い込んでいた)ので、自分から見せることはしなかったのですが、たまたま財布に入っていたのを窓口の方が見つけて、割り引いてくれたのでした。

 さて、切符を買ったら次は電車の時間とホームです。この駅はホームが20くらいある、さすがユーロスターの発着駅、という広さです。ほとんどの電車はここが起点のため、階段とかをのぼる必要なくホームに行けます。府中競馬正門前駅のホームが多いバージョン、とでも考えていただければ分かりやすいのではないかと思われます。
 電車の出発時間の一覧は空港のごとくテレビモニターに映し出されていて、それと同時に、途中停車駅も書いてある掲示板も出ていました。 先ほど手に入れた時刻表には、ロンドンとアスコットしか書いてなかったので、てっきりLondon-Ascotの直通電車でもあるのか、と思ってしまったのですが、モニターを見てもAscot行きは発見できず、困惑。仕方が無いのでインフォメーションで聞くと、Reading(ぱっと聞いたところ「レディング」と読むみたいです)行きの電車に乗れ、とのこと。もう一回掲示板とモニターを見てみると、Reading行きの電車を発見。掲示板の途中停車駅にはちゃんとAscot駅が書いてありました。(日本でネット上のイギリス競馬観戦記が載っているサイトをいろいろ探し回っていて、そのなかで使えそうなページは全部印刷して持ってきていたのですが、後からそれを読み返してみると、確かにReading行きの電車に乗る、と書いてあったのでした。一体何のために事前準備をしたのやら。相変わらずの注意力?の無さです)
 まだ少々時間があるようなので、売店へ。昼飯は競馬場で食べよう、ということになったので、NPは何も買わず。友人はワインを買っていました。そして、新聞等を売っている大き目の売店で競馬専門紙として名高いレーシングポスト(RACING POST)紙を探しますが、ありません。あれれ。アスコットに向かう電車が出ている駅なので、当然あるものだと思ってたのですが。ま、競馬場に行けばあるだろう、と思ってその場を去りました。

 電車ですが、とても特徴的です。ロンドンにはいろいろな私鉄が乗り入れていて、まあそれは京王・小田急・西武・京急・東武etc.の東京や、阪神・阪急・南海・近鉄etc.の大阪などと変わらないのですが、最大の違いは、私鉄によって電車車両が全然違うことです。日本では山手線や大阪環状線タイプの電車(全席窓を背にして、真中に多くの人が立てるようになっている通勤タイプ)か、総武・横須賀線や東海道本線のような、ボックスシートが入った中距離用の?電車の2種類くらいしか思い浮かばないのですが(鉄道に興味を持ってたのは小学生の時代までだったので、もはや知識はゼロに等しいです)、イギリスではまったくそんなことは無いのです。アスコット、レディングに向かう電車は、全席が対面式のボックスシート(という表現は正しいんでしょうか?)になっています。ま、それくらいなら別にいいんですが、ドアが、ボックス一つ一つについているのです。ドアは手動。自分で取っ手を引いて開け閉めします。自分が座っている側に降りる駅のホームがくればいいのですが、当然反対側に来ることもあります。そのときは、当然のことながら反対側のボックスの中を通らせていただくわけです。つまり、前の座席に足を伸ばして寝る、ということはできないのです(やろうと思えばできますが、かなり顰蹙をかうことは確実です)。
 さてさて、電車の違いにカルチャーショックを感じつつ、電車は出発。アスコットまでは約1時間。その間、ボーっとして過ごします。下手に寝て、アスコットを寝過ごしたらえらいことになるので、寝ることもできません。ま、治安面での不安も無きにしも非ずですし。友人は先ほど買ったワインをグビグビ。酒に強い人がうらやましいです。僕のほうはというと、本を持ってこなかったことを後悔しつつ、ガイドブックと、例の日本で探したホームページを印刷したものを眺めて時間をつぶします。窓の外の景色は、のどかです。途中、牧場があって、牛もいました。また、だだっぴろい運動場があって、サッカー場が何面もあったりしました。確かに、ロンドンの郊外は一回見ておいて損はないなあ、という気がしました。ただ、やはり飽きます。眠い、寝たい。けど寝られない。
 そんなこんなで、アスコット駅に到着。電車に乗っていた人の6〜7割がここで降りたようです。さすが、G1、それもアスコット開催。
 雨は幸いなことにやんでいました(が、競馬場の中の草の部分はかなりぬかるんでいました。また、馬場もおそらく重馬場。これが悲劇?を生むのですが、それはまた後で)。
 駅では、まず切符を回収。それから、競馬場へ向かって一本道を歩いていきます。途中、右手に駐車場(として使われてる広場)が見えます。また、最高級席へ行く人は途中で左に道が分かれていて、そっちに行くようです。
 さてさて、ひたすらまっすぐ行くと、道路にぶつかり、そこをわたると、憧れのアスコット競馬場があったのでした。

 さて、競馬場に入るには、当然のことながら入場券を買わなければなりません。その入場券、どこにあるのか?それとも、アメリカのように直接払うのか?
 職員のおじさんに聞いたところ、直接払ってから入るみたいです。みたいです、というか、直接払って入るのです。
 そして、入口付近ではレーシングポストも当然のごとく売られていました。買うかどうか迷ったのですが、まあ中に入ってから買えばいいや、という結論に達したので中で買うことにして、入口へ。
 Grand Stand&Paddockの入場料(イギリスでは、全ての競馬場において客席が3段階に分けられていて、一番安いところに入るとパドックを見られなかったりします。また、一番高いところはドレスコードがあるようです(諸説あり。入ったことが無いから分からない…)。当然、ゴールに近いほうから分かれている、とおもいきや、必ずしもそうではないのかも。ま、僕は真ん中のクラスのGrand Stand&Paddockにしか入ってないのでなんともいえないのですが)は、今日は20ポンド。日本円にして約3600円。高いです。僕のような貧乏人にとって、これじゃあ、いくら控除率が低くても(なお、税金などの関係上、一般的に思われているほどイギリスと日本の控除率に差はありません。このことについて書いてあった個人サイトを読んだ記憶はあるのですが、URLを完全に失念)意味がないです。(料金は日・競馬場・入るクラスによって大幅に変動します。イギリスではブックメーカーが盛んなので主催者の収入源の中心が入場料なので入場料がぼったくりのような金額になっているようです。また、こういう目的があるのかどうかは分かりませんが、入場料が高いおかげで競馬場内の治安はかなりよくなってるのではないかと思われます。また、前売り入場券(ネットで買えます)を買うと安上がりです)
 ま、アスコット競馬場見学料だと思えばしょうがない。20ポンド、奪い返してくれる!!

 というわけで入場。まずは手荷物検査。アスコットでは常にやってるのか、それとも大レースのあるときだけなのか(JCのときはやってましたね。JCダートのときはやらなくてよかったんでしょうか?)、単にテロがあったからなのかは分かりません。しかも、日本のJCのときと同様(JC行った人にしか分からない書き方で申し訳ありません。コンサートとかのビデオ・カメラチェック(ちなみにNPは係員がカメラを指しているのに、双眼鏡を指しているのだと勘違いして、「これは?」との問いに「双眼鏡ッス」と答えてカメラを持ち込みました。ま、人が多いんで、どうしても手荷物検査はいい加減になるってことですね)より軽い、と考えていただければいいのではないかと思います)に、いい加減です。
 そして、まずはレープロを購入。1.5ポンド。このレープロは日本のもの(サイズは2001年までのもの)をちょっと綺麗に(カラー大増量)してページ数を増やした感じです。興味のある方は予想ゲームの賞品にしておりますのでゲットしてみてください。家にスキャナがあればアップできるんですが。
 さらに、Timeform Race Cardなるものを購入。5.5ポンドとなかなかの暴利をむさぼってくれるモノクロの30ページ程の冊子です。出走各馬のレーティングやコメントが掲載されておりました。
 そして、次はレーシングポストだ!と思ったら…いないのです、新聞屋さん。がーん。というわけで、新聞購入断念。レープロだけで予想することになりました(新聞買っても新聞使って予想する気は無かったんですが)。
 とりあえず、ついた時にはすでに競馬は始まっていました。まずは競馬場の構造を理解して、メインのクイーンエリザベス2世Sに備えなければなりません。さらに、馬券も買ってみなければなりません。

 というわけで、まずは内部探索、と思ったのですが、その前に昼食をとることに。そして、結局初日の晩と似たメニュー、チキン2ピースとフライドポテト、を頼みました。そして、相変わらずポテトが多い!!ので、2人で行く場合には、2ピース×2よりも、4ピース×1のほうがいいと思いました。はい。値段はいくらだったか忘れましたが、量と値段の比率は日本の競馬場よりはましだったと思います。ま、あれよりひどかったら話にならない気もしますが。
 実はこんなことをしてる間にも1つG1(フィリーズマイル)が終わってたのですが、まあ、とりあえず、メインをいかにいい条件・状況で見られるか、が今日の課題なので、気にしないことにしました。

 次に、馬券を買ってみることに。馬券の買い方は2通り。普通の窓口で買う方法と、ブックメーカーで買う方法です。とりあえず、スタンドを抜けて馬場のほうに出ると、ブックメーカーがずらりと並んでいて、どれがどれだか、という感じです。ですが、よーく見てみると、£2単位とか、£5単位とか、WIN(単勝)とか、いろいろ書いてあるので、あとは馬番と金額を言えばいいだけですね。オッズも書いてあって、馬券を売ってるおじさんが、ペンを持って常に書き換えてます。オッズ情報は後ろにいるパソコンを持ったおじさんから流れてくるようでした。ま、文字で書いてもなんのことやら分からないかと思われますが、実物を見たら一発で分かると思います。

 さて、競馬場の中ですが、いろいろあります。円形のスペースの中で、10〜15人くらいの人々が30分〜1時間おきくらいに演奏していたり、子供用のゴーカート(というのかどうだか忘れましたが、これまた20〜30m四方くらいのスペースの中で車をがんがん動かしてぶつけ合う、よく遊園地にあるやつです)もありました。演奏は、歩いてる人が耳を傾けてちょっと立ち止まるくらいで、あとは飯を食ってる人くらいしか聞いてないような雰囲気でした。曲の終わりごとに拍手、なんてことも無かったように記憶していますが、定かではありません。

 さて、次はパドックです。パドックは、地下道を通って、メンバーススタンドの下をくぐっていきます。そして、地下道を抜けると、パドックなどのある広場に出ます。ここはスタンドとうって変わって地面は芝と土がメインなので、雨上がりのこの日はぐちょぐちょしていました。また、ここにはレストランが一軒あり、いい感じに盛り上がっておりました。
 パドックの構造はよく分からないのですが、馬が回る場所は2箇所あります。
 奥のほうは、装鞍所を兼ねている感じで、そこらへんはベルモントパーク競馬場のパドックに似ている感じでした。手前のほうは、日本と同じようにぐるぐる回るだけのタイプです。パドックは写真を見ていただければ分かると思いますが、右回り。世にも珍しき右回りです。ちなみに、後日訪れたニューマーケットは左回りでした。

 パドックから馬場へは地下馬道などはなく、さらに言うと、舗装された馬道も無く、そのまま草の上を歩いていきます。ついさっきまでファンがいたところを通るのです。もちろん、ファンがちょっかい出さないように道は作られますが。確かにこの方がファンと馬の距離が近くていい感じです。ま、これも競馬場がすいている(混んでいない)からこそなせる技だ、という感じもしますが。
 ちなみに、レースを終えて帰ってきたときも同じ道を通ります。

 返し馬は大変です。当たり前ですが、1600mの直線レースならば、直線を1600m走っていかないとゲートにたどりつかないのです。まあ、日本も大きい競馬場なら似たようなもんですが。

 レースを終えた馬たちは、レース前、馬場に出てきたところから再び中に入り、騎手はそこで馬から下りて厩務員さんたちとバトンタッチをします。そして、そのままスタンドに歩いていきます。前にも書いたとおり、地下馬道も専用道路も無いので、ファンの中を騎手が、調教師などと話しながら歩いていくことになるのです(これも本場場入場と同じように騎手が歩くための道は出来ていますが、襲おうと思えば、襲い掛かるのは至極簡単です)。日本でこんなことをやったらとんでもないことが起こるような気がしますが、さすが紳士の国イギリス。ファンが負けた騎手に襲い掛かる、なんてことは起こりません。

 忘れてました。スタンドです。スタンドは日本と大差ありませんでした。というより、日本が真似したのでしょう。僕は2階までしか上がりませんでしたが、まあ大体東京のスタンド(改修前のメインスタンド)に似ているような印象を受けました。
 ただ、日本に無くてここにあったものは、バーでした。ま、これも人が少ないからこそなせる技だ、という気もします。逆に、立ち食いそばや牛丼、焼きそばなどは当然ありませんでした。では競馬場で人は何を食べているのか?というと、僕たちが食べたように、スタンドの裏側でチキンやフィッシュアンドチップスを食べるのが一般的のようではないかと思います。が、ほとんど観察しなかったのでまったく自信は無いです。

 さて、競馬場の構造も大体理解したところで、馬券です。
 友人は(僕がやめとけと言ってるのを無視して)ひたすら武豊の馬の単勝を買いつづけていました(もちろん外れ)。
 僕のほうも他人のことを笑っていられるような買い方をしていたわけではなく、「おっ、デットーリ」「やぁペリエ」てな気分で買っていたのでありました。当然、「デットーリが乗ってる、ってことはゴドルフィンの一番馬だな、ならここは買いだ!」という深読みなどしておらず、単純に「デットーリは上手いから買い!」という買い方でした。ま、結果は同じなんですが。もう少し落ち着いて、馬主まで見る余裕があれば、メーンもとれたかもしれないのに…。
 よく言われているように、イギリスは単勝がメインです。といっても、他の方々が何を買ってるかいちいち覗き込んでたわけではないので、もしかしたら違うのかもしれませんが、とりあえずブックメーカーに関しては単勝が中心のようでした、また、札束を持って、世紀の大勝負をしているような人も見かけませんでした(ここらへんは、あくまで僕のいたグランドスタンドの中の話なので、もっと金持ちがいると思われるメンバーススタンドに行ったら何が起こっているかは分かりません。また、もしかしたらブックメーカーにも日本のノミ屋のように(?)払い戻し限度額があるのかもしれません。)。イメージとしては、「そこそこの額の単勝を買って、その馬を応援して楽しむ」という感じでしょうか。
 ブックメーカーは単勝中心と書きましたが、もちろん馬連(だと思う…)も売られておりました。ブックメーカーによって発売している馬券の種類が異なっており、また、発売単位も違っていました。貧乏な僕は2ポンド単位のところで買いましたが、5ポンド単位のところなどもありました。
 ブックメーカーのオッズは時々刻々と変化していきます。売り場には基本的に2人いて、マジックでオッズを書き換えている人と、裏で馬券を発行している人です。表でオッズを書いている人に買い目を言って、その人が裏の人に言って裏の人が発券、という流れです.買う側も、ブックメーカーによって微妙にオッズが異なるので、どのブックメーカーに行くのが一番お買い得なのか、絶えず目を光らせていなければなりません。ま、おそらく日本ならば携帯電話片手にそういう情報交換が随時行なわれていることになるのでしょうが、ま、そこはイギリスなので、ブックメーカーの間を縦横無尽に駆け巡っているような人はいませんでした。でも、半径10メートルくらいのなかでオッズが違ってたりすることもあり、その中から最もおいしいオッズのブックメーカーを見つけ出し、そこで買う、というのは非常に楽しい作業であります(それだけで馬券を当てた気分になります、というとさすがに言いすぎですが、それに近い喜びを得ることが出来ます)。ただ、オッズの違いというのはほとんど無いのも事実でした。ブックメーカー間の情報伝達が行き届いているのか、ブックメーカーの能力が非常に高くて結果的に全ブックメーカーが同じオッズに行き着くのか、購入者が満遍なくあちこちのブックメーカーで同じように買っているのか、いまいちよく分からないところではありました。あと、当たり前ですが自分が買ったブックメーカーでしか払い戻しができないので(確認したわけではないですが…)、どこで買ったのかを覚えていなければなりません。これも、普段来ている方々ならば何の苦労も無いのでしょうが、僕には結構大変でした。
 一方、ブックメーカーだけでなく、正式な(というと語弊がありますね、主催者が運営している、というべきなのでしょう)馬券売り場もあります。ブックメーカーよりも人気が無い、と聞いていましたが、実際問題ブックメーカーよりも人気がなかったように見受けられました。
 ここで買ったのはメインのクイーンエリザベスSの馬券。僕はレープロの予想業者の予想に従いつつ、知っている騎手を中心に(はぁ、もはや完全なるミーハー)買うことにしました。
 主催者運営の馬券売り場の最大の特徴は、「マークカードがある」ということです。本来ならばマークカードをアップできればよいのですが、なぜか持って帰るのを忘れました。これは大失敗。種類は確か3,4種類くらい。馬券の種別は単複馬連馬単3連単3連複は確実にありました。ここから先は僕のメモには書いていない上にもはや僕の記憶からは完全に抹消されているのでよく分かりません。
 それはそれとして、まず僕はマークカードにマークして、窓口のおじさんに渡しました。が、なぜか馬券が発行されません。んん?なぜだ!?しばらく(2分ほど)して、おじさんが嬉しそうに言いました。「Ah!なんでエラーになるのか分かったよ!この馬、スクラッチしてるんだ!」「あ〜!なんてこった!」「また予想しなおさなきゃならないな!はっはっは!」「Oh〜はっはっは!」・・・文章にするとへたくそなアメリカ漫才というか、通販の文章化にしか見えませんが、まあとにかく、この日は雨だったためにスクラッチが相次いでいて、レープロの推奨馬3頭のうち、2頭が取り消していたのでした。しかし、この窓口のおじさんは気さくでいい人でした。これも、窓口ががらがらだったからこそなせるわざなのかもしれません。それにしても、日本であれば取り消した馬をマークして機械に入れたらすぐに理由つきのエラー表示をしてくれるのですが、イギリスの馬券発売機はそうはなっていないようでありました。
 それで、気を取り直して出走馬を再マーク(どうせ騎手で予想しているので、取り消し馬が出ても時間がかからないのであります)。そして、先ほどのおじさんのところに持っていきました。・・・が、また買えず。仕方が無いので、口頭で買いました。最初からこうしておけばよかった…。“Good Luck!”と、おじさんに2002年のJRAのようなことを言われて、僕は”Thank you!”と言い残し、馬券売り場を去ったのでした。それにしてもいいおじさんでした。こういう人ばかりだと旅は楽しくなります。
 レースはゴール板前近くの最前列で見ました。ただ、ここだと、位置が低いので見づらかったです。もう少し高い位置に行くにはMember'sStandに入らねばならないので致し方なかったのですが。驚いたのが、ゴール板が知らぬ間に変わっていたこと。今回のシリーズのスポンサーの広告になっていたのではないかと推測されます。
 メインのG1が終わった後は、スタンドに戻って、2階席から観戦。雰囲気はアメリカに近かったような気がしました。あんまり覚えていないんですが。
 というわけで、僕たちはこのままおけら街道(になってしまったもと来た道)をとぼとぼと歩いてAscot駅に戻ったのでした。帰りの電車では幸運にも座ることが出来たのですが、立たねばならなくなる人もいました。一日の疲れが出て、ぐーすか眠りたかったのですが、電車の構造が前述のとおりでして、自分の目の前をいつ人が通るか分からないので、熟睡は不可能でした。ま、慣れてくれば出来るのかもしれませんが。

 なお、一部ではアスコット競馬場内は写真撮影禁止、という話も出ているようですが、僕が係員のおじさんに聞いた限りではOKでした。ただ、スタンド内は禁止、という話もどこかで見た記憶がありますし、ちょっとよく分かりません。まあ現地で確認するのがベストだと思います。
 先日発売になった『世界の競馬場』という本では、写真撮影禁止となっていました。もしかしたらロイヤルアスコット開催期間と、それ以外で違いがあったりするのかもしれません。

 注:イギリスでは、馬券にかかる税金が撤廃された、とどこかで読んだ記憶があります。ちょっと記憶が曖昧でもうしわけないのですが。もし撤廃されていたら上記の文章は消去しますので、ご連絡をば。

INDEX/BACK/PHOTO/NEXT