totoと競馬〜がんばれコロガシ〜

毎日王冠Specialパート2

NP

  totoが売りに出されてからもうかなりたちますが、売上はだんだん伸びてきているようです。競馬会のほうも売上を食われることについて懸念を表明しています。
  さて、そもそもtotoとはなんなんでしょう?
  いや、もちろんJリーグの13試合の結果を当てるくじなんですが、もうちょっと競馬的な視点から見てみましょう。
  そうすると、こういうことがいえます。3頭立て13レースを対象としたピック13(13重勝)。日本では重勝馬券は売っていないので、もっと日本的な馬券でこれになるべく近づくように表すと、3頭立て13レースの単勝コロガシ、ということもできるでしょう(もちろん、コロガシと重勝馬券は別物です。そのことに関しては下に書きます)。
  それでは、まず、totoと、3頭立て13レースの単勝コロガシを比較してみたいと思います。資料として、長老の戯言コーナーで取り上げられていたtotoの結果(第6回)を使いたいと思います。(これを書き始めたときはまだ長老がアップした直後だったのです)

指定試合
投票率
No.
HOME
AWAY
ホーム勝ち(1)
引き分け(0)
ホーム負け(2)
投票率
投票口数
投票率
投票口数
投票率
投票口数
1
札幌
東京V
51.34%
15,047,923
9.92%
2,909,010
38.74%
11,353,690
2
鹿島
磐田
36.61%
10,730,986
12.13%
3,554,182
51.26%
15,025,455
3
広島
81.74%
23,957,437
5.19%
1,522,271
13.07%
3,830,915
4
F東京
名古屋
24.72%
7,245,651
7.98%
2,337,713
67.30%
19,727,259
5
横浜M
浦和
59.02%
17,299,618
11.34%
3,323,416
29.64%
8,687,589
6
清水
神戸
82.33%
24,131,903
5.05%
1,479,209
12.62%
3,699,511
7
G大阪
C大阪
59.52%
17,444,955
11.89%
3,486,831
28.59%
8,378,837
8
福岡
市原
46.97%
13,765,805
10.91%
3,198,180
42.12%
12,346,638
9
仙台
京都
28.38%
8,317,188
11.16%
3,273,319
60.46%
17,720,116
10
大宮
甲府
90.04%
26,390,055
3.54%
1,037,499
6.42%
1,883,069
11
川崎
山形
46.99%
13,772,487
13.26%
3,887,367
39.75%
11,650,769
12
湘南
新潟
58.26%
17,077,534
13.62%
3,989,500
28.12%
8,243,589
13
大分
鳥栖
90.22%
26,444,662
3.20%
938,311
6.58%
1,927,650
当せん口数
配当金額
1等
16,892口
45,313円
2等
213,405口
1,306円
3等
1,106,625口
370円

  これが第6回のtotoの結果です。これだけ見ては何もわかりません。ので、以下の表をご覧下さい。

指定試合
オッズ(50%) 的中オッズ オッズ(80%) 的中オッズ
No.
HOME
AWAY
1 0 2 純オッズ 1倍未満排除 1 0 2 純オッズ 1倍未満排除
1
札幌
東京V
0.97 5.03 1.29 1.0 1.0 1.55 8.06 2.06 1.6 1.6
2
鹿島
磐田
1.36 4.12 0.97 1.0 1.0 2.18 6.59 1.56 1.6 1.6
3
広島
0.61 9.62 3.82 0.6 1.0 0.97 15.40 6.12 1.0 1.0
4
F東京
名古屋
2.02 6.26 0.74 0.7 1.0 3.23 10.03 1.18 1.2 1.2
5
横浜M
浦和
0.84 4.40 1.68 1.7 1.7 1.35 7.05 2.69 2.7 2.7
6
清水
神戸
0.60 9.90 3.96 0.6 1.0 0.97 15.85 6.33 1.0 1.0
7
G大阪
C大阪
0.84 4.20 1.74 0.8 1.0 1.34 6.72 2.79 1.3 1.3
8
福岡
市原
1.06 4.58 1.18 1.2 1.2 1.70 7.33 1.89 1.9 1.9
9
仙台
京都
1.76 4.47 0.82 1.8 1.8 2.81 7.16 1.32 2.8 2.8
10
大宮
甲府
0.55 14.12 7.78 0.6 1.0 0.88 22.60 12.45 0.9 1.0
11
川崎
山形
1.06 3.76 1.25 1.1 1.1 1.70 6.03 2.01 1.7 1.7
12
湘南
新潟
0.85 3.67 1.77 0.9 1.0 1.37 5.87 2.84 1.4 1.4
13
大分
鳥栖
0.55 15.61 7.60 0.6 1.0 0.88 24.99 12.16 0.9 1.0
コロガシ配当 コロガシ配当
0.26 4.03 110.58 136.52

  では、本題に入りたいと思います。
  まず、上の表についてです。左3列は対戦カードです。まあ、1レースから13レースの番組表、とでもしておきましょう。
  次の、「オッズ(50%)」というのは、上の表から計算した控除率50%の3頭立てレースの単勝オッズです。本来、単勝オッズは2回にわたって控除したりと、わけのわからない計算をするのですが、面倒なので、今回は純粋に総売上/該当単勝売上×0.5、で計算しました。そのため、本来あるべきオッズと狂いが生じていることが予想されますが、気にしないでいきたいと思います(大幅にずれることもないですし)。
  その次の「的中オッズ」というのが、実際の払い戻しオッズです。左の列は純粋なオッズ、右は1倍未満のオッズを全て1倍にしたものです。
  下の「コロガシ配当」が、13レースのコロガシの結果です。
  そこから先は同様です。80%は本来のJRA控除率25%から給付金の5%を引いたものです。これも、面倒な計算式は全て省略して、単純に計算しました。

  これをご覧いただければ分かると思いますが、控除率の力は大変大きいです。なにせ、元返しがないとすると(ありえない仮定なのですが)、控除率50%では、全13試合的中させたとしても払い戻しは掛け金の約1/4になってしまうのです。まあ、1/2を13回掛け算しているのですから当然のことなのですが。
  一方、控除率20%のJRA方式では、totoを1点で(totoでは1点という単位じゃないのかな?)全的中して喜んだら、1万円チョット、というのは、13試合という試合数の多さから見てあまりに悲しすぎます。

  というわけで、元返しルールを取り入れた物についての検証(と呼ぶに値しないことですが)をしてみましょう。
  まず、控除率50%だと、約4倍。先程とは偉い違いですが、totoの配当金の450倍と比べると、約1/100です。恐るべし、控除率。
  次に、これが最も大事な数値なのですが、控除率20%の時の払い戻しは、136倍。totoの払い戻しの1/3以下です。やはり損です。

  さて、「やはりコロガシは損」という結論を出しただけで終わってしまっては意味がないので、もう少し検証を進めます。
  このコロガシなのですが、よく考えたら13レースのコロガシではありません。なぜかというと、単勝元返しの馬券を転がす人はまずいない(転がしても失うものしかない)からです。控除率20%のときの単勝元返しレースは4レース。ということは、実際のところコロガシは9レースです。9レースで136倍。これはtotoに比べておいしいのでしょうか?
  残り4レースが全て1.1倍だとした時。136×1.1×1.1×1.1×1.1=199.1・・・
  残り4レースが全て1.2倍だとした時。136×1.2×1.2×1.2×1.2=282.0・・・
  残り4レースが全て1.3倍だとした時。136×1.3×1.3×1.3×1.3=388.4・・・
  残り4レースが全て1.4倍だとした時。136×1.4×1.4×1.4×1.4=522.4・・・
  きりがないのでこの位にしておきますが、残り4レースとも1.4倍でtotoの配当を突破する、というのは結構おいしい気がします。どうでしょうか?
  ただ、ひとついえるのは、コロガシ馬券というのは、totoと同じスリルを感じる可能性を秘めた馬券だ、ということです。

  次に、宝くじを引き合いに出します。
  現在、ドリームジャンボは1等前後賞あわせて3億円です。すごい配当です。が、3億円当てるためには少なくとも宝くじを3枚買う必要があります。一枚300円だから3枚で900円。3億÷900≒33.3万。オッズ自体は意外に低いのが宝くじの特徴です。ただ、単価が300円、ってところがtotoとの最大の違いでしょう。totoも単価300円としたら、全部が3倍されるので帰ってくるのも最大3億円になるわけです。
  競馬における33.3万倍、というとおっそろしい倍率のような気がしますが、これを2001年6月3日の東京11・12レース、つまり、安田記念とその次の最終レース(葉山特別)と比較してみましょう。両レースの馬連配当を純粋に掛け算すると、1200(倍)×355(倍)=42万6千(倍)。つまり、100円が4200万円以上になるのです。元が300円なら?1億2600万円です。大体日本の人口と同じですね。では、元が900円なら?3億7800万円です。おおっ!!宝くじの1等前後賞の賞金を突破した!!(いや、突破することはオッズの段階で分かってたんですが)
  問題は安田記念を1点で的中させ、さらにその払い戻しを最終レースの馬連に1点でつぎ込み、しかも的中させる、ということと、宝くじで3億円を当てるのとの難しさの問題ですが、どっちも当たったことないので、なんともいえません。
  が、とにかく配当だけ見ると、競馬のコロガシ馬券というのは、宝くじに匹敵しうるスリルのある馬券なのです!

  しかし、これを見て、「宝くじよりも競馬のほうがおいしい」と思う人はいないでしょう。なぜなら、宝くじには2等1億円!という裏技?があるからです。さらにその下には3等、4等、と続いていくのです。同様に、totoにも2等・3等というものがあります。やはり、元金900円に対するリターン、という面では競馬はtotoや宝くじに劣る、ということになるかもしれません。

  では、競馬の利点は何なのか?
  第一に、いつでもやめられる、というのが挙げられそうです。もちろん、これが逆に高配当を見逃す結果になるのですが。
  たとえば、toto。仮に13試合中、12試合がデーゲームで、なにやら番狂わせやら引き分けやらが多くて、どうも配当が高そうだ、ということになっていたとします。しかも、よーく見てみれば、全部当たっている!!コロガシ馬券的に考えれば、仮に1等賞金が1億円になりうるとすると、このナイトゲームの売上分布が3等分されていたとしても、現在その人が握っている紙切れは3333万円の価値があることになるのです。そして、コロガシ馬券を買う時には、いったんその3333万円を窓口で払い戻し、周囲の視線を気にしつつ、3頭立ての最終レースの単勝を買う、ということになるのです。これには相当の勇気が要ります。窓口で3333万円を差し出さねばならないのです。想像しただけで手が震えます(タイプミスがあったらそのせいです^^;)。PATならば窓口に差し出す、ということをしなくてもすみますが、それ以前に1日の購入限度額を余裕で突破します。あ、これは大問題ですね。なんとなく思いつきで書いたのですが。PAT利用者はコロガシ馬券の配当を享受できない!どうする、JRA。というか、その前にPATって的中金額がレース直後に振り込まれるわけじゃないですね。購入限度額以前の問題でした。さあ、どうするJRA!
  話が飛んでしまって申し訳ありませんが、totoを買っている人に、このようなスリルというか、緊張感はあるのでしょうか?試合を見ずに、結果を照合するときには手が震えると思いますが。それでも、3333万、という意識はないのではないかと思います。いや、そういう状況になったことないんで分からないんですが。
  そういうわけで、競馬の場合は、3333万円握った段階で、それをコロがすか、やめるか、あるいは、一部をころがしていくか、を選べます。これは大きいです。どこまで夢を追いかけるかは本人の自由なのです。ファミ(白馬会員)のように夢を追って爆死するのも良し、1億円の夢をつかむのも良し。3333万で満足するのもよし。なんかクイズミリオネアのような感じですね。
  これを利点ととらえるか欠点ととらえるかは人それぞれだとは思うのですが、一応選択権がある、というのは利点といっても差し支えないのではないかと思います。

  第二に、レースを選べる、というのがあります。これは大きいです。自信の穴馬がいるときなどは、大勝負にもってこいです。単勝万馬券確実であれば、そこに100万円つぎこめば1億円到達です。うーん、さっきまで3333万円などという金額を扱ってたので、100万円がやけにはした金に思えてきた(笑)。


  以上の利点というのは、三重勝馬券(いわゆるピック3)や、その他の重勝馬券に対する、コロガシの利点でもあるわけです。

  そんなコロガシマニアに朗報が届きました。確か、京都競馬場で、当たり馬券で馬券を買うことができる馬券販売機がお目見えするそうです。これはコロガシをしろ!と言ってるようなものです。なんてったって、3333万円を窓口に持っていかなくてもよいのです。
  しかし、コロガシ馬券には重勝馬券にはない欠点があるのも事実です。ま、最大のものは、控除率引いたものを掛け算する分オッズが必然的に下がるってことなんですが、それはまあどうしようもないので、それ以外に、常にレースを見てなければならない、というのが挙げられます。仮に、新潟1レースから5レースまでのコロガシをしようと思ったのなら、少なくとも4レースが確定するまで馬券売り場にいなければいけません。これは忙しい現代人にとってマイナス極まりないです。さらに、札幌メイン→新潟メイン→小倉メインところがそうと思っても、締め切り時間の関係上無理です。これでは困ってしまいます。
  そこで、「コロガシ馬券発売機」の設置を望むわけなのです(当初(毎日王冠Special発案時)は「馬券で馬券を買える券売機」を望もうと思ってたら、できてしまった)。ようやく建設的な意見が出てきましたね。自分でもほっとしました。しかし、ようやく出てきた意見がこの程度じゃ悲しいですが。
  コロガシ馬券発売機とは何か。ようするに、はじめからコロガシ馬券を予約しておくのです。例えば、1レースでは○○を買って、当たれば2レースで△△、3レースは飛ばして4レースで××、札幌5レースで□□、新潟5レースで☆☆、でおしまい、というように。事実上、重勝馬券とやってることは変わりありません。これでは、控除率の関係上無意味というか、JRAがぼったくっているという印象を与えておしまいなので、ちょっと違いを出してみましょう。それはつまり、「いつでもやめられる」点です。つまり、今挙げた例ならば、4レースの段階で3億円に達してたのでやめたい(すごい状況だ)と思ったら、4レース締め切り前に馬券を払い戻し機に入れたらそれでOK、というふうにするのです。あ、3億円だから窓口か。当然、重勝馬券と違ってレースも自由に選択できるようにします。さらに、単勝だけでなく、単勝、複勝、馬連、枠連、ワイド、3連単、3連複、すべてを組み合わせられるようにします。準メーンで3連単当てたら、それを全額次のレースのテイエムオペラオー‐メイショウドトウの馬連につぎ込む、なんてのもありです。早い話が、重勝馬券にないコロガシ馬券の利点を残すってことです。
  当初は、コロガシ馬券に限って控除率を下げる、という、コロガシ優遇制度を考えたのですが、一見みんなが低い控除率を狙って馬券を買いつづけて、いい結果が生まれそうなこの制度、ノミ屋に有利になってしまうことに気づいて、諦めました。どういうことかというと、ころがすためには前のレースの当たり馬券が必要になりますが、「前のレースの当たり馬券」は、当然のことながらその「前のレース」で多くの馬券を買っている人が持っている可能性が大きいわけです。そういう人、といえば、多くの顧客を持つノミ屋さんなんです。はぁぁ。所詮素人の浅知恵ですね。

  ついでに。コロガシ馬券の途中抜け制度を認めると、おそらく大問題になるがオッズ計算です。つまり、3333万円でやめてしまうと、突然3333万円分の購入額がなくなるわけでして、オッズに大変動をもたらすことになります。おそらく、JRAが一度発券した馬券の払戻しを原則として認めていない(南関なんて全面禁止ですね)のはオッズ操作されるのを恐れているのではないかと思うんですが、オッズは競馬の基本要素。さぁ、どうしましょう。はっきり言って、解決案は見つかってません。とりあえず、「コロガシ馬券留保額」を脇に表示する、ということを考えてみたんですが、留保額のうち何%が消えるか分からない以上これでオッズがどうなるかを推理しろ、というのは無茶ですね。う〜ん。ま、このへんは優秀な頭脳の揃ったJRA。いい対策案を考えてくれると期待します。

  以上、いろいろとコロガシ馬券について書いてきたわけなんですが、何を書いてるのか意味が分かったでしょうか。書いてる自分でもよく分かってなかったりしてます。すいません。

  ですが、何を言いたかったのかというと、いろいろと意見を言うのも大事ではあるが、現在ある制度をうまく利用していこう!ということなのです。
  確かに、馬券は1レース単位で見ればtotoや宝くじに比べてスリル感に乏しいです。ですが、コロガシ馬券をうまく利用することでtotoや宝くじに負けないようなスリルを味わうことができるようになるかもしれないのです(ちょっと弱気)。重勝馬券が射幸心を煽ってよくないというのなら、今ある馬券で重勝馬券に近いことをやってみても面白いのではないでしょうか(まつまり、こんなことを考える前に重勝馬券を導入しろ!っていう文章を作ったほうが早いのではありますが)。
  今ある制度を最大限に利用していく、ということが大事だと思っちゃったりなんかするのでした.。

  思いもよらないえらそうな文章になってしまった...なんかもうちょっとましで、説得力ありそうな文章ができそうな気がする...