ユキノリンリンその2

 さて,そういうわけで,再度元来た道を江川崎に向けて歩きます。いったい何をやってるのか……と,自問自答しつつ,てくてく。

 すると,あることに気付きました。そう,雪が溶けてきているのです。
 あれ?もしかしたらこれって,自転車乗れるんじゃないの?

 というわけで,わずかな期待を胸に,江川崎に向けて進んでいきます。空は晴れてきており,道も,陰になっている部分はさておき,日向部分は雪が溶けて問題なくアスファルトが見えてきています。
 これなら自転車に乗っても大丈夫そうです。

 というわけで,遅ればせながら江川崎駅に復帰。途中,坂道の日陰部分に危なっかしい場所がありましたが,歩いた感じ,そこ以外なら無問題。
 駅舎の横にあるレンタサイクル貸出所に入ります。なぜ,こんな雪の日の電車の到着時刻でもない時間に1人の男が登場するのか,という疑問は当然そこにいたおばちゃんの頭にわいたのではないかと思いますが,怪訝な顔をされることもなく,自転車を貸していただきました。
 この日,NPは仕事で使うショルダーバッグを肩にかけて,しかも中にはノートパソコンなどが入っていてそこそこ重かったのですが,このときおばちゃんが自転車の後ろにバッグを縛るロープを渡してくれたのに「いらないです」と断ってしまい,その後バッグが重くて死にかけました。人の好意は断ってはいけませんな。

半家方面 駅が近づいてきました 江川崎駅
路面の雪は相当程度溶けてます
駅の乗車券販売時間 時刻表
民宿にしとさ ゆっくりのんびりあなたのSlowTrain 付属トイレ。綺麗です 今回の自転車
マウンテンのみです


 さあ,そんなわけで出発進行!
 序盤の危険ポイントは歩いて知っているので,転ばないように注意して,その先は雪が溶けた道路を進みます。

 いやぁ,江川崎到着時とはうってかわって,日差しの暖かい気持ちのいい天気です。路面にも危険は全く感じないですし,快適快適。これぞ,求めていた四万十川サイクリングでありますな。

景色
雪が減りました
八坂神社
ここに入っていくときに地元の学生さんに挨拶されてしまいました。
こういう場所の挨拶教育ってしっかりしてますね。見習わないといけませんな


 そんなわけで,神社に寄り道しつつ下流に向かいます。赤い橋(津大橋というらしい)が見えてきました。川をまたぐ橋の色って無機質なセメント色,シルバー,赤色の3つが多いような気がするのですが,この赤色ってどこかにモデルがあるのでしょうか?ゴールデンゲートブリッジの影響,ってことはないよなあ。

橋が見えてきました 赤い橋 上流方向 橋も,歩道はともかく車道は
雪が溶けていて無問題
かっぱ亭


 そうこうしているうちに岩間沈下橋に到達です。やはりこういうイベントがないとサイクリングも楽しくありませんね。
 それにしても,さっきまで晴れてたのに,写真を見るとここでは雪が降ってますね(正直よく覚えていない)。山の天気はやはり変わりやすいんでしょうね。
 自転車を止めて沈下橋の方に向かいます。国道からは少し下るので,自転車は国道沿いに駐輪。

国道から右に曲がると沈下橋 地図 岩間沈下橋の景観保全
橋脚の鋼管がH型で,珍しいらしい
お社があります 昭和41年架橋
岩間大橋というらしい
ポスター・テレビによく登場するらしい
沈下橋への下り坂
さっき(長生)と違って路面に雪がないので無問題
近づく さらに近づく 下流方向 上流方向 下流方向 まっすぐ反対側を
もときたみち 少し進んだ国道から下流方向 少し進んだ国道から岩間沈下橋


 沈下橋を過ぎて,再度国道を進みます。
 しばらくすると,吊り橋(茅生大橋)が見えてきました。吊り橋ってなぜかテンション上がりますね。僕だけでしょうか。
 まあ,こういうイベント1つ1つでいちいち自転車を止めて写真を撮るから疲れはたまるし進みも遅くなるのですが……。

吊り橋が見えてきました 吊り橋 向かいにはお社


 さらに進むと,休憩所が登場。いい加減鞄が重くて肩が辛くなってきたので休憩。雪も降ってますが,気温がそこそこ上がっているようで,道に積もることもなく安心は安心ですな。
 このあたりは中半というらしいです。「なかば」というと「半ば」でないと変な気がしてしまうのは受験に毒されている証拠です。反省
 この休憩所には北ノ川城址の案内板もあり,急造お城マニアとしてはこういうマニアックな城址に関心を示してしまうわけですが,この天気で地図もなく山の中に突撃する勇気など無いヘタレですので,看板を見て満足してしまいました。

きくばりのみち
四万十路中半
休憩所の様子 北ノ川城址
今日では羊歯類の繁茂に妨げられて
探索のすべもないらしいです
トイレ
きれいでした
紙もあります(湿気てるかもしれませんが確認せず)
 
ポスター
やけに熱帯な雰囲気の左側ポスターと
やけにアルプスな雰囲気の右側ポスター
ここからの眺め  


 小休止もして小便もしたので,再出発。
 四国あたりを自転車で走ってて思うのは,集落に必ず1つ神社があることですな。昔の役所代わりの性格の神社なのか,昔からある集落の氏神様なのかは素人にはわからんとです。ただ,こういう山間の集落にも,全国的に似通った形式の神社があって鳥居があって狛犬がいるってのはけっこう凄いことなんじゃないのかな,と思うのでありました。

曽我神社
神母神社(←「いげ」って読むんですね。
初めて見ましたが,
高知には結構あるみたいですな)
拝殿 雪と畑と山と空と雲


 とまあ,こんな具合に,進んでは止まって,進んでは止まって,を繰り返し,無駄に疲労をためて時間を費やして下っていきます。すると,次なるイベントは口屋内沈下橋。国道から川沿いにいったん下に降りるので,自転車を止めて歩いていきます。

 すると,沈下橋は通行止めでした。あえて「(歩行者を含む)」と書いているあたりに「落橋のおそれ」の現実性が垣間見えます。
 たしかに,いわれてみれば橋はゆがんでいて,コンクリートにもひび割れが目立ちます。単なる経年劣化なのか,なにか自然災害の影響なのか……。

降りて近づいていきます 通行制限 確かにひび割れが… 下流を見る
再度橋を見る 思いっきりひび割れてますね 必死に橋を支える橋脚の姿 沈下橋全景


 さて,続いてまたも赤い橋が見えてきました。屋内大橋というらしいですが,県外者には名前はさして重要ではありません。
 とりあえず,またも自転車を止めて写真撮影。何かとカメラカメラな日本人の鏡であります。
 

屋内大橋 下流 上流 道の様子


 そして,久保川休憩所。進んではとまってを繰り返して,いい加減肩が限界に達しつつあるので,ここでも休憩。明らかに背骨に悪いよなあ。
 この久保川休憩所,やはり誰もいませんが,おそらく夏場なんかは芝生が生い茂ってごろごろしたり段ボールで滑り降りたりしたら楽しいのではないかと思います。そうはいっても,雪景色というのもまた綺麗なものですな。ほんと,長らくこういう雪景色とは縁のない生活をしてたので,気持ちがいいです。できればのんびりしたいところですが,時間も体力も天気もこれを許してくれないのでありました。

芝スロープがあります よく分からないもの 景色


 で,このへんの集落の氏神様は曽我神社さんです。

鳥居 拝殿

学童渡し記念碑


 さらに進んでいくと,学童渡し記念碑というのが立っておりました。
 120年以上にわたって学生さんがここで川を渡っていたようですが,学校が廃校になったために渡し船も役割を終えたようです。横に乗っている絵を見る限り,けっこう不安定そうな渡し船ですが,転覆したりしなかったのでしょうかね。あるいは,川に落とされる少年はいなかったのでしょうか。

 まあ,おそらく,この辺も過疎化と合理化の流れに逆らえない状況なんでしょうね。川の流れはゆるやかでも,時代の流れは急なのであります。

 こっちものんびりしていると体力と時間を使うばかりなので,ここは写真だけにしてさらに進みます。


 すると,地図に「代表的な風景」と書かれているスポットにさしかかりました。
 公式に「代表的」といわれたら止まって写真を撮らないわけには生きませんね。日本人の性です。勝手に日本人を代表していいのかは分かりませんが。

代表的な風景 汚すまい この悠久の 四万十川


 代表的な風景を満喫したので,満足してさらに進みます。続く。

その1その3

旅行記