彦根城その1

 そんなわけで,いよいよ彦根城です。国宝天守であまりにも有名な彦根城。わくわくします。ちなみに,ここへの登城で現存12天守制覇にリーチがかかりました(残りは松本)。

 まず,びっくりしたのが,堀(中濠)の内側まで普通に自動車がばんばん入ってきていること。しかも道が狭いので結構危ない。橋を渡って堀を越えた観があまりありません。裏返すと,堀の内側に駐車場を設置できるくらいに城域が広く残っている,という見方も可能です。あらためて地図を見直すと,中堀の内側に高校と中学校と図書館と野球場があります。よくぞ中濠が埋め立てられなかったものだと感心してしまいます。
 旧西郷家長屋門は(時間もなかったので)スルーしましたが,どうも裁判所として活用されている様子。面白そうだから見ておけばよかった。

京橋へ 中濠 石垣と雁木 石垣の上から京橋と堀を眺める 旧西郷家長屋門

 思っていたよりも城内が広くてびびりつつ進みます。まずは大手門へ。
 それはそうと,彦根城の内濠は,角張っておらず,弧を描くように曲がっております。防御という観点からは石垣をよじ登ってる相手を射撃するのは直線的な石垣の方が優れてる気がしますが,攻撃という観点からは射程角度が広いので弧を描いている方がいいような気がします。素人の浅知恵ですが。
 また,いやに石垣の下の緑の部分(斜めになってるけれどもこれも犬走りと呼ぶのだろうか)の面積が大きいです。これって攻め手側からは攻めやすそうな気がしますが,これくらいの斜度をつけておけば大丈夫ということなのか,平和な時代に装飾目的で作られたのか,それとも明治期以降に作り直されたのか……。

 どうでもいいですが,彦根城って大手門と表門があるんですね。時代的に違うのか,それとも表と大手は違うのか。

弧を描くような堀 大手門に向かう橋 堀の中を観光屋形船が進んでいく 大手橋
櫓台? 大手橋 大手門脇の石垣 虎口 解説 縄張り

 さて,まずは梅林を目指します。
 右手にお堂が見えます。手元の地図上では「地蔵堂」とされております。お堂自体は開帳されておらず。
 その横には金龍大明神。お稲荷さんかと思ったら違いました。
 特段説明書もなかったのでこれ以上は分からず。彦根城全般に言えますが,基本的に説明書は控えめです。説明を減らして最後に本を売りつけるつもりか,と思ったら,そういう阿漕な商売に熱心という感じでもなく,単に教育委員会の予算の問題かな?

注意書き 地蔵堂 金龍大明神

 そして,梅園です。どこかで「八分咲き」表記を見たような気がして,期待して行ったのでありますが,八分よりは少し少ないかなー。それにしても,彦根城まできて花を見たいって人が少ないのでしょうが,人がいない。
 お城というと,やはり実がなって食料にできる梅の木ですね。どういう経緯から各地のお城にソメイヨシノが植えられるようになったのかな?


 さて,いよいよ天守を目指して坂を登っていきます。「天主閣入場待ち時間30分」との表記がありましたが,「何を大げさな」などと一笑に付しての突撃です。だっていままで天主閣に入るのに30分はおろか10分と待ったことなんてなかったんですもの。
 合わせて,写真撮ってませんが,この日の「ひこにゃん登場時間」が掲示されておりました。行く前には,てっきりひこにゃんはほぼ常時本丸付近に滞在しているのかと思っておりましたが,どうも1日数回,時間限定でしか登場しないようです。うーむ,人気者だけあって各地から引っ張りだこなのか,それとも人気者になって怠慢になっているのか……。有名人(有名猫)になる前の労働状況を知らないのでコメントをつけようがないです。
 さて,大手坂をのぼっていくと,天秤櫓が正面に現われ,そこをくいっと曲がって進むと,橋が見えます。おお,凄い。こういう立体構造のお城は面白いです。現代技術だったら簡単に作れそうな気がしますが(気がするだけで,確実に大変でしょうが),当時の技術でこういうのをつくるのが凄いなあ。
 あと,大手坂の前後に門の1つでもあってよさそうなもんですが(ダジャレではない),門がなければ門跡の解説板もなし。彦根城は案外解説が少ないです。

30分待ち!? 大手坂
案外なだらか
正面に天秤櫓 曲がる さらに曲がる おお!!橋が見えた!
天秤櫓を見上げる 振り返った石垣
こういう,石垣が混じり合っている
部分が好きです
櫓から 橋と門
橋の耐荷重量が気になります
正面に天秤櫓を見る 天秤櫓の解説
「天秤のような形」の意味はよく分かりませんが
確かに石垣の積み方が異なっております
「ごぼう積み」「落とし積み」という表現は初めて聞くかも
反対側の櫓 なぜかここに西の丸三重櫓の宣伝
よほど訪問者が少ないのか…

 橋までわたりかかったところでUターン。貧乏性なので鐘の丸に寄ってみたくなってしまったのでした。

当初ここに鐘楼があったのに
下まで鐘の音が届かなかったとか

こんなギャグみたいな話が
本当にあったのだろうか
鐘の丸 何の台かよく分からず
おそらく櫓でもあったのでしょうね
台の上から見下ろす 奥の方の様子

 鐘の丸に満足したので,再度橋を渡ります。こうやって時間が無いのに寄り道するのがよくないなー。この悪癖はなんとかならんものだろうか。
 さて,天秤櫓には入れるようなので,当然入ってみます。
 壁の鉄砲狭間らしきものが埋められているのが気になります。気になったので係員さんに聞いてみたところ,「櫓を解体修理したときに狭間をなくしたのだが,場所を記録しておくために跡を残した」とのことでした。なんで修理時に狭間を無くしたのかはよく分かりませんが,多分建物の強度の問題なんではないかと思います。

記憶から遠ざかっておりますが,影の向きからして
こっちは大手坂方向
こっちがもと表坂方向 石垣越しに見る景色 門を抜けると,さらに坂と石垣
正面の石垣 天秤櫓門 天秤櫓入口 この「井」の紋は井伊氏の井なのか 第1文の日本語に違和感 解説
みどころ 内部
狭間跡 天井の様子 橋を見下ろす
ここから攻め手を撃ち下ろすのは
気持ちよさそう
佐和山城跡方向
どれが佐和山なのかは分からず

 てなわけで,天秤櫓を出ます。
 続いては,太鼓門櫓。ここも中を見学できるようなので,ありがたく見学させていただきます。
 この櫓は背面の東壁面側が開放されて廊下になっております。解説にもある通り,確かにこれまで見たことがない気がします。太鼓の音のためにこういう構造にしたという説もあるようですが,それだったらここまで全面開放しなくてもいいんじゃないかなあ。謎が謎を呼びますが,しかし面白い。こういうイレギュラー?なものが見られると嬉しくなりますね。

正面に石垣 石垣
なんとなくあまり見ない
石の積み方のような
時報鐘
音風景100選はこれの鐘の音と虫の音を合わせて一本で
選ばれたようです
鐘の音は聞いておりませんが,
そんな特徴的な音なのでしょうか??
太鼓門
正面から 裏正面 登って見下ろす 裏廊下
こっちの方が下を攻撃しやすい
ような気がします
簡単な解説
英語だと表題は
"Taikomon-yagura""Tsuzuki-yagura"
なのに,解説では
"yaguramon-gate"です。
日本人ならyaguraやmonの意味が分かるけど
外国の方にこれで意味が通じるのだろうか
内部にある詳細な解説
ぶれた。
著作権には目をつむる 高松城と姉妹縁組してます
姉妹なんだか養親子なんだか
はっきりしてほしいですね
攻め手(登ってくる方向)側を見下ろす 本丸方向を見下ろす

 いよいよ本丸・天守です。待ちに待った国宝天主閣。
 どどーんと登場。屋根が黒光りしているのが美しいです。丁寧に保全されているのだろうな。
 ただ,思ったよりも背が低く,ずんぐりむっくりしてます。下から見上げてみるからそういうふうに見えるだけで,もう少し距離を置いた場所から見たらきれいにそびえ立って見えるのかもしれないな。
 で,目に入るのは天守右手の大行列。なんだこれは。本当に30分待ちだったのか……。てなわけで,残り時間も加味して自分も並びます。う〜ん,完全に想定外の時間ロスだな。でも,ここまできて天守に入らないのもなあ。
 行列に向かって,係員さんが内部の階段が急であることを説明しておりました。その中で「エスカレータもエレベータもございません。ホンモノのお城に来ていると思ってご了承ください」と呼びかけておりました。中にエスカレータがあるお城って日本にあるのかな?あと,「本物のお城」って表現が凄いな。意識しているのは名古屋か大阪か……。

 天守内は当然のことながら大混雑。
 でも,この手の天守にありがちな博物館化はされておらず,展示物はごくわずか。天守自体があまり広くないのに入場者があまりに多くて人でごった返しております。で,入った人がやることというと,上まで登って外を見て降りる。……混雑した展望台,という感じであります。外に出られるわけでもないので,その意味ではあまり面白いものではありません。これ,下手するとがっかりスポット扱いされてもおかしくないんじゃなかろうか。
 それはともかくとして,お城自体は梁が太くて非常に重厚感のある内部構造です。混んでるのでじっくり観察できないのが残念。人のあまりいない平日にゆっくりと内部を見たいな。できれば建築に詳しい知り合いがほしいところ。





天守!
黒光りする屋根が美しい
出入り口は昔から
付属していたのだろうか
石垣
ほかの部分と石の
種類が違うような?
用水池 入場口付近から天守を見る 逆側から見上げる天守
teppo za ma
↑気取ったレストランの名前みたい
外には出られません


暗くてぶれてますが
破風の間の解説
隠し部屋 太い MU SHA DAMARI 梁と階段 門扉

 続いて,西の丸に向かいます。時間が無い。

彦根の寺社その3彦根城その2

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