コンドルを追ってその1(旧岩崎邸庭園)

 東京には旧○○庭園という大変紛らわしい名前の庭園が複数あり,東京都が管理しているのは旧岩崎邸庭園と旧古河庭園の2つです。
 岩崎には「邸」と入っており,古河には「邸」が入っておりません。そのことからも分かるとおり,旧古河庭園の洋館は予約制で,中に入れないのが原則。他方で岩崎邸は建物に入るのが大前提。庭よりも建物重視でありました。
 他方で,庭重視なのは旧古河庭園であり,旧岩崎邸のQ&Aには,「Q:バラは咲いていますか? A:いいえ,バラはありません」という英語の教科書のようなQ&Aが記載されているのであります。ここは社会のテストで引っかけ問題になりやすいところですね。要チェックや。

 さて,そんなわけで旧岩崎邸。
 日が落ちかかる時間帯に行ったので,いきなり逆光にやられました。

案内 袖塀 住宅は重要文化財指定されております これぞ洋館,という感じの洋館です
帰りがけに再度。 煉瓦塀
煉瓦の歴史に詳しくないので,いまいちすごさが伝わってこない

 そんなわけで,まず洋館の中に入ります。内部は撮影禁止。さらに,建物や装飾品がフルに文化財指定されていたりされていなくても貴重だったりして,とにかく全般的に触るのが禁止されておりました。それはいいんですが,上野からほど近いこういう場所にあって,「触るな」「写真撮影」表記が日本語ばかりだったのはいいんだろうか。英語や中韓でもうちょっと注意しなくていいんかな。まあこれまでトラブルになってないんだからこれでいいんだろうけど。

 実は,訪問から3ヶ月も経ってないのに,このあとに行くことになるコンドル氏設計の桑名諸戸氏宅と記憶が完全に渾然一体となっております。しかも諸戸氏邸は写真撮影OKだったので,「記憶の中の洋館−諸戸氏邸=旧岩崎邸」という引算的記憶喚起しかできないのでありました。まあ,年間パス持ってるからもう1回,今度はガイドの時間に合わせて訪問してもいいんだけれども。
 個人的に印象に残っているのは,やはり壁紙でして,金唐革紙(←ATOKで変換できず)を使用した,かなり希少性の高いもののようでした。同じくコンドル氏設計の諸戸氏邸でも注目して他のですが,そっちにはなかったような気がした(少なくとも注目はされていなかった)ので,これはこっちで間違いない。今調べて見たら,スペイン製オランダ経由の金唐革が鎖国で入手困難だったために和紙で代用したようです。この代用製品作成能力ってのはほんと凄いな。

 そんなわけで,無事内部を傷つけずに脱出。

和館の外観 ここだけ切り取ったら
右手に洋館があるようには見えない
正面から 和館解説
テラスの様子 タイル 南側
コロニアル様式やらイオニア式やらトスカナ式やら言われてもよく分かりません
意識しないと1階部分と2階部分とで柱が違うことにも気付かないなぁ

 で,庭園です。庭園自体は広々とした芝生広場と,その周囲に転々と石塔やら何やら。「庭園」として期待していくとちょっとがっかりするかもしれません。
 キャッチボールくらいはしていいのだろうか……でも,失敗して洋館やビリヤード館を壊したら大惨事になるだろうから,やっぱりダメなんだろうな。

庭園 広々 こもごも 庭園越しの洋館

 で,最後に,撞球室です。「室」とかいいつつ完全に独立した建物なので,個人的には「撞球館」のほうがいいんじゃないかと思います。
 内部に入ることは出来ませんが,外から見る限り地下通路も用意されているようです。地下から洋館に繋がるってのはいろいろと興味深いというか,男の子の冒険心をくすぐりますね。
 解説によると,「スイスの山小屋風」らしいです。いまいちなにがどう「スイスの山小屋風」なのか,そもそも「スイスの山小屋」と「ドイツの山小屋」と「フランスの山小屋」の区別もつけられないNPにはさっぱり分からんのであります。

別角度の洋館 撞球室解説 撞球室外観 内部
卓球とかはしないのかな
地下通路への道

 そんなわけで,いつか,地下通路の様子を見てみたいな。


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コンドルを追って
その2(ニコライ堂)その3(桑名六華苑旧諸戸氏邸)