いーないなべその4〜猪名部神社編〜

 雨も降っていたので,そのまま自宅に直帰してもよかったのですが,おそらく今後人生でいなべにくることもないだろうし,多度大社と並んで上げ馬神事をおこなっているという猪名部神社に寄ってみることにしました。この手の大きな神社にありがちなことですが,電車の駅からは相応の距離があります。
 雨の中,上げ馬神事を行う神社を目指して歩く……やってることが多度のときと一緒だな。

 最寄り駅は北勢中央公園口。最寄りといっても,まあそれなりに距離があります。雨が多少なりとも弱まってきているのが救いだな……。
 駅を出ると,バス停。念のため確認しましたが,神社方面に向かう,時間の合うバスはありませんでした。残念無念。

駅近くに神社の名前が

 そんなわけで,ひたすら歩いて神社を目指します。もともと車社会の地方ですから,雨の中を歩いているアホなどおりません。しかも,途中から雨が本降りになってきました。テンションだだ下がりであります。

 しばらくすると,鳥居が現われました。おそらく旧道につくられたもので,鳥居だけ残ったのだと思われます。
 さらに進むと,やぶさめ公園という公園が登場。読解力がなさすぎて,やぶさめ公園の名前の由来がさっぱりわかりませんが,とりあえず馬の銅像がありました。その横の建物がおそらく猪名部神社の遙拝所。なにげなく近づいて見たら,中に人がいたので心底びっくりしました。こんな雨の中うろつくのは自分だけだろう,などと思い上がっていた自分を戒めたいと思います。

鳥居 やぶさめ公園 馬像 やけに薄いような気がするのですが
気のせいでしょうか??
光の加減で真っ黒 尼馬増碑,でいいのかな? 東員町のあらまし 遙拝所 おおやしろばし

 そんなこんなで,北勢中央公園口からは18分程度,やぶさめ公園からは9分程度で(写真の時間を参考),無事猪名部神社に到着。普通にまっすぐ歩くと神社の横を通過する形になるんだな。なんだこれ。
 あわてて右から回り込んで神社に入ります。思ったよりも小さい。多度大社と同じように考えたらダメですね。まずは上げ馬神事の馬場を捜さねば……。

 というわけで,馬場発見。せっかく坂を登ったのにまた下ります。
 下から見上げると,やはりかなりの坂です。多度は馬場の右手に人間用の広い階段があったために広く感じましたが,おそらく馬場それ自体の広さはここも多度とたいして変わらないかと思います。
 それでも動物愛護団体を初めとする外部の意見をふまえて最後の壁がこれまで垂直だったものが,75度に緩和されたようです。その他,上げ馬神事をめぐっては例によって伝統保存派と動物愛護派の仁義なき戦いがあるようであります。動物愛護派の意見を見ていると,どうも馬に強くあたっていることも問題視されているようで(未成年飲酒などは問題外として),それは過剰反応じゃないのかと思うのでありますが(とりあえず,関係者が各馬に対して敬意をもっていないかのような書きぶりは個人的に疑問),反面,伝統といったって馬を使えばなんでもいいのか,かつてここを駆け上がってたのはサラブレッドみたいな脚が細い品種じゃないだろ,と思うところもあるので,まあとりあえず争い事には目を瞑って,「毎年人馬無事に神事が終わることを祈ります」と無責任に締めくくりたいと思います。個人的には,800年前から続くといわれるこの上げ馬神事の800年前の姿がどういうものだったのか,探せば昔の絵図くらいは見つかるんだろうと思いますので,Googleさんがいずれなんとかしてくれることを期待するばかりでありました。

 つまらない話はさておき,この急坂を駆け上がる馬のすごさに敬意を払いつつ,馬場を見られて満足したので,境内探索にうつります。
 それにしても,一度生で見てみたいなあ。見るんだったら多度と猪名部,どっちが簡単にいい場所を取れるだろうか。


 さて,境内。どこから入るのが正解だったのかちょっと自分でも分かりかねますが,ただでさえ雨でテンションが下がりやすい状況なのに,メインイベントである馬場を見終えてしまったのでとりあえず簡単に境内をチェックしたいと思います。

鳥居 神楽殿 神馬の碑 黒光りして美しい 拝殿
由緒 吽。ぶれた 拝殿 瑞穂社 舞台
閻魔堂(右)と薬師堂 薬師様 流鏑馬騎手からの献木も

 そして,気になったのが,境内の真ん中にあった石垣。最初は何とも思わなかったのですが,よく見ると五角形です。なんだこれは。
 しかも,石垣の上に登る階段がありません。雨の中,見落としたかと思って無駄に2周しましたが,ありませんでした。なんだこれは。
 結論として,これは高塚古墳という古墳のようで,かつては円墳であったところ,明治41年に氏子さんが石を持ち寄って石を積み,現在の六角形にしたとのことです。なるほど,古墳だったのか!……それより五角形じゃなくて六角形だったのか。あれれ。一辺見逃したか。

高塚古墳 真ん中に「高塚大神」と書かれてます

 そんなわけで,近くにある長伝寺へ。道中,「しあわせ地蔵」なるお地蔵さんがあったり「きたおおやしろ」という駅名看板があったりしました。この駅名看板,なんでこんなところにこんなものが,と思ったら,どうも昔は北大社という駅があったようで,隣の六把野(ろっぱの,と読むらしい)と統合されて東員駅になったようです。もともと北勢線自体,かつては近鉄の路線だったものが,2003年に三岐鉄道が事業譲受したようです。なるほど,北勢線が自動改札な理由が分かった気がする。
 長伝寺も真宗のお寺でした。真宗ばっかりだな。立派な山門を持ったお寺でしたが,雨で体力と精神力を削り取られていたので,そそくさと退散。

しあわせ地蔵 北大社 山門 目が白い
本堂 鬼瓦 手水舎 親鸞聖人 山門

 そんなこんなで,帰りは東員駅に向けてひたすら歩くのみです。は〜,疲れた。

町役場。
真ん中の銅像は木村俊夫氏
知らなかったけど,元議員さんです
こういう場所に銅像建てるのって,本人主導なのか,
周囲が勝手に造るのか,どっちなんでしょう?
東員駅
新しいですね
北勢線車内
右のブツはトイレかと思ったら,そうではなさそう

 帰りの北勢線は学生で混雑してました。
 そういえば,北勢線は主要利用客が学生のせいか,自動車学校の広告ばかりでした。

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