開智学校
松本といえば松本城。国宝天守としてその黒く気高い姿はあまりにも有名です。
現存12天守で松本城が最後に残ったのは,基本的には偶然の産物ですが,大まかに言うと,長野県に公営ギャンブル場がないのがいけない,ってことになりますな。もちろん,松江近辺にもないんだけれど,松江は運良く寄る機会があったんだよなあ。あと,宇和島に行けたのは転勤の関係もあったわけだし,基本的に仕事か賭場がないとその近くには行かないんだよね。
そんなこんなで松本城。土曜の夜に東京で用事があったため,それからの松本入り。最終のあずさです。途中,甲府の手前で線路内に人が立ち入ったとかで若干遅れました。無人駅でアクシデントがあると,最寄りの駅にいる駅員さんが確認しに行かないといけないんですね。こりゃ駅員さんも大変だ。
今回の旅行は,高ボッチ高原の草競馬が最終目的地でありますが,高ボッチの草競馬は昨年も見たので,今回は松本をセットにしました。
そんなわけで,早起きして(といってもホテルを出るのは8時30分くらいだけど),向かいにあるバスターミナルへ。松本のバスターミナルは,構造は普通のバスターミナルなんですが,オシャレになっております。バス会社が頑張ってるんでしょうか。
あるくまくんがかぶってるのは
どこの山なんだろうか
花よりも水車が目立ってます
バスターミナル
なぜかおしゃれ
券売機
券種が多い
市役所前にいたゆるキャラ
さて,最初の目的地は開智学校。名前くらいはかつてどこかで聞いたことがあるように記憶しておりますが,どういう学校かは今回の旅行前にちょろっと見ただけです。国の重要文化財のようであります。で,この開智学校の見学開始時間が9時なので,それに合わせた行動をとることになりました。
開智学校までの道すがら,松本城の堀のまわりを歩きます。近代化された堀なので,どこまで当時の堀の姿をとどめているのか謎ですね。
で,松本神社。この名前がついたのは1953年と,わりと最近。もともとは松平康長とその子を祀っていたとのことで,いずれにしても新しい神社ですね。そして,この立地にして観光地化しておりません。南西の角にある井戸が観光対応しておりますが,この井戸は神社のものなのか,それ以外の私有地なのか,それとも市の土地なのか・・・・・・。
水堀。どこまで現存遺構なのだろうか
地蔵清水
松本神社
手水舎。水は湧水のようです
拝殿
角にも湧水
馬出跡のようですが,特にそれらしき遺構は無し
手前が開智小学校
奥が開智学校
そして,開智学校に向かって北上。現在の開智小学校がなんとも近代的なフォルムなので,奥に見える旧開智学校とのコントラストが素晴らしいです。
旧開智学校については,なにがどう重文なのかとかはまったく知らずに見学しにいっておりまして,とりあえず見た目が洋風でなんともオシャレ,ってことしか分かりません。コンドルがらみの建築物は何カ所か訪れましたが,ここはコンドルさんではなく,立石清重氏がつくったもの。
Wikipedia師匠
によると,この手の建物は擬洋風建築といって,西洋建築を日本人が見よう見まねで作ったものをこういうふうに呼んでるとのこと。ほかにどんなのがあるのか,これまた
Wikipedia大先生
に聞いてみたところ,いろいろリストアップされておりました。あれ,東京にもあるな,と思ってみると「東京医学校」で,文京区。文京区にそれっぽいものというと,小石川植物園からみえるあれかな,と思って東京医学校で検索したら,ビンゴでした。なるほど,あれは擬洋風建築なのか。勉強になるなあ。
この旧開智学校は,唐破風を使ったり龍の彫刻を使ったりと,確かに和風建築の香りを強く残しております。思い返すと,コンドル建築には確かにそういうのはなかったな。洋館の横に和風建築物がありはしたけれど,完全に区分されてたものね。
で,内部の装飾は非常に凝っていて,いっちゃあなんですが,悪ガキどもにこんなのもったいないな,と言いたくなるレベル。これ,よくガキがボール投げたりなんだりしてぶっ壊さなかったですね。
あと,個人的には廊下が広いんじゃないかと感じました。気のせいかもしれません。あと,天井が高い。これは多分間違いないかと。あと,生徒数はよく分からないんですが,展示されていた机の数との比較でいくと,教室は若干広めで余裕がある造りなんじゃないかという気がしました。これも気のせいかもしれません。
中も寺院から移築されたものなんかもあって,なかなか興味深いですが,ほんと,この時代の悪ガキは悪くなかったんでしょうかね?
あと,2階に講堂がありました。この講堂,廊下と平行に設置されていて,教室の広さと比べるとちょっと狭いように思いました。今のそこそこの規模以上の小学校だと基本的に体育館があって講堂を兼ねてるんじゃないかと思うんですが,この当時は専用の講堂を作る,って発想はあまりなかったんですかね?でもこの講堂,ステンドグラスがはめ込まれていて,非常にいい雰囲気の講堂でした。寺院建築を使ったかと思ったらステンドグラスをはめ込んだり,和洋折衷でいい雰囲気ですね。
引いてもこれが限界でした
校内案内
斜めから
廊下。案外広い
鬼瓦。春日の鬼瓦ネタはどういう経緯で考えたんだろう
綺麗ですね
教室
廊下の広さに比べると狭い印象
丸柱と廻り階段
内観
外観
天井紙
算数テスト。問題は古めかしいですが,
やってることは今も昔も変わりませんね
西洋事情
西洋見聞録
石板と石筆
新築当時の開智学校。昔はL字型だったんですね
特殊学級について
盲教育
廊下の板はこんな感じ
2階廊下
明治天皇はここに
いらしたようです
明治天皇ご巡幸関連
桟唐戸
図書館。図書目録や貸出簿も。なかなか面白い
締め切られた扉
塔への階段はここから
先ほどの廻り階段を2階から
奥の階段。そして,締め切られた謎の扉
講堂
和洋折衷ですね!
というわけで,もともとこういう複数の文化が混じり合ったものが好きなこともあり,想定以上に楽しめました。ただ,楽しみすぎて結果的に時間を使いすぎたな…。
松本城へ
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