ペナン旅行記その9


例によって,近づくと
結構粗が目立ちます
時計台

 暑いですが,とにかく前に進まないとどうしようもありません。この日の観光地は残すところあと1つ。あと1つだから気合いも入れ直せる,ってもんです。

 で,てくてく歩いていると,時計台登場。これも有名なようです。白くて綺麗ですね。青空に映えます。うんうん。でも,暑いので近づくこともせず,遠巻きに写真撮ってオシマイです。

コーンウォリス要塞(Fort Cornwallis)

 そして,コーンウォリス要塞。今気付きましたが,"コーンウォリス"を英語でどう書いたらいいのか分かってませんでした。適当に書いたスペルで合ってたようなので一安心です。

 さて,それはさておき。適当に歩いていたら,気付いたら要塞を通り過ぎておりました。一体何をやっておるのか。なんのために,事前に「入口は予想外に西側」という情報を仕入れていたのか……。それもこれも,ジョージタウンが小さい町だから悪いんだ,と逆ギレしておきます。
 ですが,まあ,せっかくなので,要塞のまわりを一周することにします。まあ,普段日本の城をまわってたらこの程度の規模の城であれば城まわり一周は考えるわけで,単に暑いからショートカットしようと思ってただけなんだよな。

 てことで,まわりを歩いて行きます。う〜ん,ペナンの代表的観光地だと思ってたんだけど,案外人が少ないな。暑いからか。
 さて。まわりを歩いていて,気になったのが,この要塞の上から1/3あたりにある出っ張り。これ,なんの目的で作られてるのでしょうか。日本の中世〜近世城郭に慣れた身としては,こんなもん作ったらここに手なり足なりを引っかけて壁をよじ登りやすくなるだけじゃないか,と思ってしまうのであります。もちろん,この要塞自体は見ての通り砲台としての役割がメインでしょうから,歩兵がよじ登ってくるような事態はあまり想定してないのかもしれません。歩兵に上陸されたらもう諦めるしかないって程度のものなのかなあ。でも,それにしたってこんなの作る目的がよくわからんなぁ。装飾目的だろうか……。

 あと,入口まわりにおまけ程度の堀があるんですが,これこそ装飾目的ですよね。あるいは,スコール時に水をここに流して,石組みを劣化させないようにするのだろうか。石壁のでっぱりも,水と関係あるのかもなあ。

 あと,入口の逆側(東側)にも,車用?の門があります。これは昔からこんな開けっぴろげな門だったのでしょうか。こんなん,あっさりと突き破られそうに見えてしまうんですが。この手の星形稜堡というと,昨年行った函館五稜郭・函館四稜郭と比べてしまうんだけれど,五稜郭なんかは堀もあっていろいろあって,と,日本の中近世城郭に近かったもんなあ。もしかしたら昔はもうちょっと違った姿だったのかな。


 そんなわけで,入口に到達したので,中に入ります。
 いまさらこれを打ながら解説を読んでますが,このコーンウォリス要塞が築かれたのは1786年ってことのようです。1780年代は,日本だと天明期の田沼意次〜寛政期の松平定信にあたる時期。この時期に日本で城を作るとしたら,どういう城になったんだろうか。


この入口も観光客向けかな…
 
もともと帯刀していたのだけれど,
日本軍によって溶かされたと考えられているようです
それが事実だとして,なんで銅像ごと溶かして武器にしなかったのだろうか

 さて,要塞の構造は,函館四稜郭に非常に似ております。まあ,四角形の稜堡型要塞なのでそりゃそうだろう,という気もしますが。
 それはさておき,この手の稜堡型要塞。昨年,五稜郭の展示で,「世界の稜堡型要塞」みたいなものがありました。ここですね。そういえば,ペナンは紹介されてたかな,と思って今見てみたら,「世界の五稜郭」でした。なので,当然ペナンコーンウォリス要塞の紹介はありません。残念。でも,四稜郭同様,しっかりと稜堡式要塞のかたちを残しているので,非常に面白い要塞だと思う次第です。

  
南東〜南西方向

入口のある西方向
 
北西〜北東方向
まずはぐるっと中央部から周囲を見てみる

 さて,南側に口を開いている部屋が気になるところですが,おいしいものは最後に取っておく悪癖のあるNPは,まずは北西に向かいます。
 北方向には南側のような小部屋がなく,だだっぴろい階段がありますが,これはあとから作られたのか,当時からこうなっていたのか……。素人的な目線で考えると,海から砲撃を受けたときに南側の建物だけだと,海からの砲弾が直接小部屋に飛び込んでくる可能性があるわけで,北側にも南側と似たようなものを作ってたんじゃないかと思うんだよな。どうなんだろうか。

北西方向 東方向を見る 弾薬庫です 弾薬庫内部
砲台 西側入口部分を見下ろす 先端方向へ 大砲
先の方にあります
さすがにこの階段は後付けでしょうね
SRI RAMBI CANNON 海に向かっています
いい眺め
横から たくさん並んでおります こっちは普通のCannon

 どうも,大砲は触ると子宝に恵まれるという言い伝えがあるようです。残念ながら言い伝えの存在を知ったのはここを立ち去ったあとだったので,触ったかどうか記憶にありません。触って「熱っ!」となった記憶も,「思ったよりも熱くないな」と思った記憶も無いので,多分触ってないかと思われます。
 それにしても,当たり前ですが日陰が少ない。暑い。ってことで,さっさと先に進みます。北東に立っている灯台は外から見ても気になってたんですが,特に内部に入れるわけでもないようです。残念。この上からの眺めはよさそうなんだけどなあ。灯台の脇にも,なんか船の帆みたいに上にのぼれる鉄柱が立っておりますが,こっちは特に解説無し。

Lighthouse 東側を進む なんか知らんけどおいてあった 東側入口
枡形にしたりはしないのだろうか

 そして,待望の南側。とりあえずまた上にのぼって,それから下の小部屋を攻めます。
 この小部屋。おそらく特に展示するものもなかったんでしょうね,簡単な解説板が各部屋に置かれておりました。もちろん,部屋ごとにテーマが分かれています。が,向かって右側,西方向が最も古い時代,そこから左(東)方向に向かって時代が新しくなっていきます。つまり,完全に逆走してます。まあ,暑いので特に順序通り進む気力もありません。
 それはいいんですが,説明板に載ってる情報量が少ない。もちろん,英語とマレー語を載せないといけないっていう事情はあるんでしょう(漢字とインド語はどこにいったんだろうか)。それにしたって,説明板1枚か2枚で済むレベルの情報をだらだらと小出しにするのはなんとかならんのか。こっちは暑くて疲れていて,気が短くなっているのであります。この解説を普通にパンフレットにして売ってくれれば買うんだがなあ。
 愚痴はさておき,この小部屋,今も空気孔はしっかり残っていますし(もちろんふさがってますが),外から見たら箱形の建物なのに,内部の部屋は上部が湾曲しています。このほうが頑丈なんでしょうね。これは非常に面白い。

南東方向へ 南東先端 小部屋を上から
空気孔はふさがれております

天井部が湾曲してます

日焼けもしてるしな……
この湾曲にも意味があるんだろうか
     
最初の部屋(一番直近の年代を扱う)は,発掘調査についての展示でした
   日本軍部分はこれだけ。1枚で足りるだろ…   

 そんなわけで,日本の城郭だったらおそらくもうちょっといろいろな展示があるんでしょうし,せめて「在りし日のコーンウォリス要塞」として絵なりジオラマなりなんなりを展示してくれてると嬉しかったんだけどなあ。ペナン第3高校あたりにお願いして作ってもらえないでしょうか。「イギリス軍占領下のコーンウォリス要塞模型1/100」みたいなの。というか,やっぱり軍事機密がいろいろ関係するから,往時の要塞の姿って全然分かってないのかな……。

 最後に,南西方向に向かいます。暑い。疲れた。でも無視するわけにはいかない。

南西へ 横に小部屋があったので入って見ました
……行き止まりでした
どういう役割の部屋だったのだろうか
こんな奥にトイレを作るはずもなかろうし。シャワー室ならあり得るかな?

 南西部の最大の見所?は教会。さすがイギリス人。こういう場所にも教会を作るんですね。残念ながら,今は単なる空洞ですが……。壊れたエアコンが設置されているので,かつてはここに人が長時間滞在するなにかがあったんでしょう。もしかしたら発掘調査隊が使ったのかもしれないな。

 それはそうと,この教会,上から見ると正面向かって右側が出っ張ってます。さらにいうと,石垣のギザギザと教会の出っ張りがあまり対応してません。でもって,内部に入ってみると,完全に長方形の部屋になっておりまして,向かって右側の出っ張りの痕跡がないんですね。これ,なんなんでしょうか。
 あと,この教会も天井が湾曲してます。教会自体は三角形の屋根なのに。これもまた興味深いですな。

南西へ 南側
このあたりの大砲は
撤去されてますね
この小さな石室も弾薬庫なのだろうか 西側
いかにも教会っぽい見た目の建物だな,と思ったら,やっぱり教会でした 南側内部


教会へ ちょっと奥まってます 外観 中へ 内部 壊れたエアコン

 そんなわけで,コーンウォリス要塞見学終了です。去年五稜郭と四稜郭をみておいてよかったな。比較ができるのはいいことだ。

 てなわけで,この日の観光は終了。あとはまったりと読書タイムです。このためにわざわざ文庫本3冊を鞄に詰め込んでるんだ。
 なのはいいんですが,このあたり,冷房が効いた喫茶店が見当たらないんだよな。どうしたもんだか……。

 ってことで,確実に冷房が効いた喫茶店がある場所としてパッと浮かぶのはコムタのスタバなので,今日もコムタに向かうことにしました。日本でもスタバなんて高いからよほどのことがない限り入らないのに,タイに引き続き東南アジアでスタバに入ってしまうダメ人間なのでした。
 で,どうやってコムタに向かうか。コムタに行くには,まずはジェティ。てことで,近くにあったバス停でジェティ行きのバスに乗ることにしました。この時間はどうも学生の下校時間とかぶっているようで,ラピッドペナンのバスは来ないのに,スクールバスは何台か通過していきます。そして,びっくりしたのが,ここのスクールバス(バス自体はアメリカでよく見る黄色い奴),ドアを開けたまま走ってます。まあ,そうしないと暑いんだろうなあ。
 しばらくして,ラピッドペナンのバスが到着。昨日1回乗って慣れているのでもう不安はありません。自信満々に1.20RM入れて,立つだけです。バスの中には,イスラム系の学生さんが一杯。女性が目立ったので,女子校かな?
 で,ジェティでコムタ経由のバスに乗り換えます。ここで料金を聞いたら,1.40RMと言われたので投入。あれ。もしかして初乗りって1.40RMだったっけ。さっきしくじったような……。まあいいや。ごめんなさい。

コムタ

 さて,そんなこんなで無事コムタに到着。
 まずは昨日ちょっと気になってたフルーツジュースの店で,今回2回目のスイカジュース4.9RM。これはちょっとイマイチでした。でも,50RM札を崩せたのでよしとします。

 で,続いてスタバで読書。スタバは物価比で考えるとどう考えても高いので(多分日本のドトールベローチェより高いんでは),客層もパソコンいじってる人とか,そういうお金もってそうな層でした。CocoaCappucino10.8RM。ちなみに,商品の受け渡しは,番号ではなく名前を聞かれ,名前で呼ばれます。なんでこんなシステムなんだろうか。
 さて。言うまでも無くスタバでやることは読書です。雨季のペナン。もともと雨が降る夕方の時間帯はゆっくり読書する前提で,旅行鞄に文庫本を何冊も詰め込んできたのです。そして,もう一つやりたいことがありました。それは,「スコールを見ること」。実は,東南アジアはこれで多分3度目なんだけれど,ベトナムでもカンボジアでもスコールに遭わずにすみました。これはこれでめでたいことなんですが(カンボジアは乾季を狙って行ったから遭わなくて当然と言えば当然なんだけど),やっぱり一度「東南アジアのスコール」ってものを見てみたいじゃないですか。てことで,外が見える席に陣取りました。

 ここに持ち込んだ本の中に,渡辺淳一氏の本がありました。渡辺淳一氏の本は、確か中学時代に「光と影」を読んで以来。同時期に母親から紹介された城山三郎の一歩の距離から,城山さん(と,経済小説分野)に流れちゃったんだよなあ。あらためてちょっと渡辺淳一氏の本をしっかりと読みまくりたいなと思って,ちょうどこの旅行前くらいに初期の(失楽園的な本ではない)渡辺淳一氏の本をリストアップしていたところだったのでした。
 そう,そして,この日,まさに渡辺淳一氏の訃報が流れたのです。なんという偶然か。ちなみに,コムタ内(正確にはデパート内)は微弱ながらもWi-Fiが通っているので,日本とほぼ同時にこの事実を知れたと思います。う〜ん,単なる偶然ではあるんだけれど,いろいろ感慨深い。

 で,肝心の?スコールなんですが,一応雨は降りましたが,日本でもよく見る程度の雨で,あまり期待していたものではありませんでした。まあ,とんでもないレベルの雨が降って犠牲者○人とかなるよりもマシです。自分のメモを読むと,5時杉に止めの降雨,その後6時半ころに再度降雨があり,こっちは強めだったようです。


 さて,3時間程度長居して,本を2冊半読み終えたので,満足してスタバを出ます。あとは帰るだけ。
 コムタのバスターミナル脇にお店が出ていたので,ここで夕食。ナシゴレンSO TONG。SO TONGの意味は分かりません。おそらくタコ。4.5RM。辛いけれど,おいしい。いやぁ,素晴らしい。
 あと,飲み物はとりあえずTeaと店員に聞かれたので頷いておきました。すると,チャイっぽいのが登場。1.0RM。これも競馬場のものと同様に,甘い。そういえば,いろんなお店で現地の人が飲んでる茶色いものがなんなのかきになってたのでした。お茶だったんだな。謎は全て解けた。

お店 お茶 ナシゴレン バスターミナル 時刻表

 帰りももう迷うことはありません。ジェティ行きのバスは路上でゲット。チュリア通りを通って帰るバスだったので,ジェティの1つ前のバス停(バス停はゲストハウスからとても近い)で下車。いやぁ,便利便利。
 いったんゲストハウスに戻り,昨日のミスを繰り返さないよう,とりあえずシャワーを浴びます。
 で,最後にゲストハウス向かいのインド料理屋(初夜に食べたところ)へ。10時前で,閉店直前ムードでした。気になっていたROTIってものを食しました。どうも現地では朝食で食べる人が多いみたいですね。ROTIがなんなのかいまいち分かってませんが,まあいいです。最初ROTI BANANAを頼んだら売り切れており,ROTI BOMに。値段はメモり忘れました。あと,BEEF CURRYを頼んだのだけれど,これも売切れでチキンに。飲み物はプレーンラッシー。ラッシーは近所のインド料理屋(ネパール人経営)でもよく飲みますが,日本で飲むよりも酸味が強かったです。チャイはあんなに甘いくせに,ラッシーには砂糖を入れないんだな。

ラッシー チキンカレー ROTI BOM
蜂蜜?か何かであまい
夜のKingStreet

 で,夜は部屋で最終日の予定を練り,就寝。
 

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