最初のファイナル

 錦織選手がATPツアーファイナルに出る,しかも初戦でジョコビッチと対決する,というわけで,ニワカ精神を発揮してロンドンのTheO2に乗り込みました。
e-ticket
 ニワカですから,当然チケットを買ったのは試合が公表された木曜のことであります。
 なお,このチケットはオフィシャルではViagogoで売られており,しかもViagogoは転売も可能でありまして,事実転売されております。一応転売価格はそれなりに統制されているようではあるんですが,それなりに高騰もしておりまして,とりあえず手数料込みで100ポンド程度払って買ったチケットの券面額は38ポンドでした。ううむ,かなり痛い出費だな……。仕方ないけど。というか,直送するわけでもないのになんでこんなに手数料が高いんだこのサイトは。
 また,知らない間にViagogoのシステムが修正されてましたが,当初はチケット一覧の画面にChild Consessionの表示がなく(チケット表示の際にちっちゃく書かれてた),もうこれは人を騙しにかかってるとしか思えないシステムでありました。修正されたってことは苦情が多かったんじゃなかろうかと推察。
 なお,ほかにもStubhubという場所でも転売されておりまして,見たところ相場はViagogoと同程度でした。まあ,とりあえずこの手のチケットが転売対象になりやすいこと,そしてその流通システムがかっちりしていることは間違いないようです。あと,個人的に気になったのが,これ,e-Ticketでして,今回私が買ったものには「Original Purchaser」の名前としてFredさんの名前があります。あれ,これ,もしFredが自分が買った奴を印刷してここに持ってったらいったいどうなるんでしょう??かなり謎です。まあ結論から書くならば,特に問題なく中に入れました。

 そんなこんなで,Waterlooから地下鉄ジュビリーラインでNorthGreenwichへ。乗り換え1回なので楽ですね。

Waterloo RemenbranceDayは過ぎましたが
まだPoppyの花が残っておりました
NortheGreenwich
The O2が近いためか
エスカレーターがしっかりしてる


 NorthGreenwichからThe O2までもすぐ近く。人の流れに乗っていけば簡単に到達します。
 また,さすが錦織選手が出るだけあってなのか,それとも純粋にテニス好きの方が多いのか(両方だろうな),日本人が多数。こんなに多数の日本人を見るのは久々な気がします。錦織選手の写真の前で記念撮影されてる方も多数。ジョコビッチの周りで撮ってる人がいなかったんですが,たまたまなのか,セルビア人はいないのか。

記念撮影してる人多し ニワカらしく見境なく撮ってみる

 なお,この試合が開催されたのは,パリで連続テロ事件が直後の日曜日でありまして,時期が時期だけに厳戒態勢がしかれているのではないかと思っておりました。が,特に普段と変わることはなく(普段をそんなに知らないけど),なんというか,特にこわもての人があちこちうろうろしていることもなければ,探知機を持った人が駅をチェックしていることもありませんでした。
 TheO2の外に1匹犬がいて,おそらく何かをかぎ回ってるんだろうとは思いますが,対象が爆弾なのか麻薬なのかなんなのか分かりかねるところです。
 また,TheO2に入る際にも一応荷物チェックはありますが,全員チェックではなく鞄を持ってる人だけチェックする方式で,さらに鞄の中に手を入れられるわけでもなく,X線機械を通すのもそこに並んだ人だけだったりしました。さらにTheO2から観客席に入る際にも荷物検査がありますが,同じく中に手を入れるわけでも何でもないので正直やりたい放題できるのではないかと思った次第。
 なんといいますか,もうちょっとがんばってもらった方がこっちとしては安心できるな,という感じであります。

The O2へ! 一応,犬がいました グリニッジだけに
0度かと思ったら
そうではなかった
外にも物販コーナーが
中の方が買いやすい
簡単な荷物検査

 そんなわけで,The O2の中に入り,物販でTシャツを買ったりなんだり。未だに自分のサイズがMなのかLなのか分からずに買い物を続けておりますが,とりあえず今のところ全部Mで買っています。このいい加減なノリでモノを買えるのも,こういう場所に行った変なテンションのもとだからこそできることであります。いったん冷静になったらもうダメなのです。
 ちなみに,プログラムは10ポンド,約2000円。高い……。まあ買うんだけど。

場内案内図 Be The One プログラムは物販コーナーのほか
こんなスタンドで売られてました
よく分からんスタンドの配置です
日本国旗もありました
6ポンド

 で,物販を済ませて,もうそろそろダブルスが始まるので,入場口に向かいます。入場口はBとHがあり,おいらはHでした。てことで,反対側に行かねばならぬ。
 と,人だかり。
 なにかと思ったら,練習コートでした。そして……錦織!そしてマイケルチャン!ニワカなので,錦織よりもマイケルチャンに興奮してしまうのであります。なんせもとグラファイトユーザーなのであります。なお,この時点でジョコビッチのコーチがベッカーであることを知らなかったことをここに告白させていただきます。なんせニワカなのです。いやぁ,競馬で自分が応援していた馬の産駒が走ると年齢を感じるのと同様に,テニスでもこういうときに年齢を感じますな。

 それにしてもこの練習コート,なんかかごの中の鳥というか水槽の中の魚を連想してしまう衆人環視ぶりですね。これで集中力を切らさないんだからさすがだ。
 もちろん,錦織コーナーですから,日本人が多いわけですが,錦織ですからいろいろな人から人気があります。そりゃ世界8位だものな。ニワカなので今更ながらに世界8位の重みを感じるのでありました。

Practice Courtのまわりに人だかり 休憩中 叱られてるみたいだ まいけるちゃん! 視線がどこを向いてるのか
ちょっとよく分からなかったりする

 さて,先を急ごう。
 スポンサーブースでは,子供向けのテニスコーナーなども。でも,全体的に,思ったよりもスポンサースポンサーしてなかったな。冠スポンサーが銀行だからだろうか。
 そして,e-ticketの扱いがちょっと不安ではありましたが,無事入場。ちゃんと子供用のチケットと大人用のチケットを峻別できてるのかとか,なんか適当さの漂うチケットチェックでした。でもまあ手でもぎるのと違ってバーコードチェックかけてるからには子供用チケットだったらなんか反応するんでしょう。
 中には食べ物の持ち込みが禁止されておりました。水も禁止されてたっぽい。だけれど,コートはうえからポンポンとポケットチェックがありはしたものの,ズボンのポケットチェックも特になく,本気で持ち込もうと思ったらどうにでもなったかと思います。というか,明らかに持ち込んでる人いたしな……。

子供コーナー
1箇所しかないのでここに立つのは楽ではなかろう
過去大会 入場します!

 そんなわけで,上部階にのぼり,無事中に入れました。なにか食べ物調達しようかとも思ったんだけれど,それより早く中に入りたかったので何も買いませんでした。そこまでやるテンションではなかったというべきか。
 ニワカなのでよく分かってませんが,とりあえず試合開始後,入場できるのはコートチェンジの間だけ。というわけで,入場時には行列ができております。
 そして,コートチェンジの隙を突いて座席に向かいます。
 ……誰かいる!
 とりあえず,小声かつコートチェンジの時間が短くて長々話してる時間がなかった,何より自分に英語力がないという3要素がそろったためよく分かってないんだけれど,ばらばらの席になってしまった人がまとまって座るために自分の席にいたようでして,上記の通りおいらは867の席でしたが,とりあえずあいてた865に座りました。時間がなく,静かにするのが前提のスポーツなのでここで係員を呼んですったもんだしてる余裕は誰にもないのであります。ここに誰か来たらあとは野となれ山となれ。

エスカレーターからの景色 スポンサーブースを見下ろす 入場待ちの列 食べ物の値段はこんな感じ
高くてやってらんない

 さて。すでに試合が始まっております。第1試合はダブルス。いきなり地元イギリスのマレー組であります。とはいえ,思ったほど観客もマレー組寄りではなく,特に2セット目まではかなりニュートラルだった気がします。ただ,最後に試合が決まったときはやっぱり観客は完全にマレー側だったなあ。
 あと,個人的にこの試合の審判の口調がかなりヒットでした。名前調べようと思って適宜検索した結果名前が分からないままなんですが……。こういうのって当然ホームページに出てくるのかと思ってた。にわかすぎて扱いが分からない。いずれにしても,審判も試合の盛り上がりにおいて重要な役割を占めるな,と認識させられた次第であります。にわかのくせになんでこんなに上から目線なんですかね。

J MURRAY/J PEERS 7 3 11
S BOLELLI/F FOGNINI 6 6 9

 そんなわけでして,マッチタイブレークの末にマレー・ピアス組が見事勝利。
 なお,こちとらにわかですから,マッチタイブレークのこともノーアドバンテージ制のことも知らなかったことをここに付言いたします。自分の愚かさを全世界に向けて公言する意味がいったいどこにあるのか,というと困ってしまうのだけれど,単に自分の記録としたいだけです。

到着
まだ空席が目立つ
選手と審判 試合終了 観客に手を振る勝利者 Stats ライトが落ちる

 んで。いよいよシングルスです。休憩時間がどれだけあるか分からなかったのでこの間にトイレに行くべきか迷いましたが,結局行かず。そして,トイレの心配がないほど試合が早く終わってしまった……のは後の話として。
 特に長時間の休憩を挟むことなく,選手紹介からのボールキッズ入場からの審判入場からの,選手入場と相成りました。

紹介映像 照明が落ちる Ball Kids 審判入場 主審がなにやってるのかは不明
指紋認証とかあったら
面白いのだが
錦織入場 ジョコビッチ入場

 そして,フランスのテロ被害者に向け,1分間の黙祷。
 で,コイントス。そして,練習タイムへ。写真はここまで。なお,携帯全盛のこのご時世に試合中の写真を全面禁止するのはどうがんばっても不可能だろうとは思いますが,一応プレイ中の写真は禁止とのアナウンスが(試合前に1回だけ)かかってました。日本だったらコートチェンジの度に放送がかかるんじゃないかと思ったりもしますが,いかんせん日本でテニスを見に行ったことがないのでなんとも。なお,欧米人はプレー中も好き勝手にセルフィーやったりなんだりしてました。
 そうそう,待ち時間中に恐れていたイベントが起きました。自分が座ってた席(865)に人が来た!まあ,よく分からんけれど867を占拠してたグループが説明したのを聞いて納得して863と864に座ってくれたので事なきを得ました。座席問題はこれにて一件落着。試合に集中できます。
 座席ついでに,直前までチケットが転売状態だったので相当空席が目立つんじゃないかと予想してたんですが,思ったよりも空席は少なかったです。主催者公認でネット転売できてる分,直前に買う人も買いやすいんだろうな。直前にどれだけ値崩れしてたのかはよく分かりません。

2人準備中 黙祷準備 コイントス 練習

 試合開始。にわかなので試合の始め方はThe best of ○ set match,〜という表現しか知らんのですが(というか我ながらよく20年前のこの表現を記憶してるものだ),どうやって始めたかすでに記憶にありません。とにかく,ジョコビッチのサービスゲームで始まり,ジョコビッチがものすごい勢いでキープしました。会場全体が浮ついた雰囲気の中,もう王者パワー全開であります。
 そこからの流れは書くまでもないのですが,2ゲーム目は錦織がストロークで頑張るもどうがんばっても凄いのが返ってきてブレークされる展開。若干アウト判定に疑問がないわけでもなく(なお,おいらの動体視力はクソであります),横の外人さん(座席事件の犯人一味でもある)が錦織のストロークがアウトになったのを見て何でだよ的反応を示しておりました。なお,このおじさん(おじさんとか書いてるけど,たぶんNPより若い)は途中まで明らかに錦織側でしたが,途中であきらめてビール買いに行きました。
 こういう試合の中でファーストが入らないと見ている側にも残念な空気が出ます。うん,こういう空気は現場にいないと分からないし,これをジョコビッチ戦というある意味最高最強の相手との試合で体感できたのは非常によかった。
 まあ,なんとかかんとかベーグル回避しましたが(なお,にわかなのでベーグルという言葉はこの日覚えた。覚えたての言葉を通ぶって使いたくなるのはニワカのニワカたるゆえんであります),ほんとなんとかという言葉がしっかり当てはまるくらい,なんとかでした。にわかすぎて普段の錦織を知りませんが,ストロークで凄いのを決めてもさらに凄いのが返ってきて最後は負ける感じでした。いやもうジョコビッチ凄いわとしか言いようがない。そして,この凄いのがこの凄いまま負けるところを見てみたいと思ってしまうニワカなのでした。できれば負かすのが錦織であってほしいけれど,贅沢は言わない。

 第2セットもたけなわになると,錦織への声援が多くなります。錦織をぷっつんさせたら終わるという観客なりの配慮かもしれん。でも,明らかに日本人じゃない声援が飛ぶとなんだかうれしくなりますね。

 とまあ,こんな感じで,1−6,1−6の大惨敗でした。ジョコビッチが強すぎて途中から見てるこっちが涙目になりました。でも,ほんと凄いわ。いいもの見られた。そして,テニスの生観戦が楽しいことを知ってしまった。楽しいのがジョコビッチという世界最高の人物の試合だからなのかどうかはまだ分からんけど。でもいいもの見られてよかった。

 なお,試合終了直後に前の座席の人が立ち上がったため,錦織の退場シーンは全く見えず。(たぶん)みんなの想定より早く試合が終わってるんだから,そんなに帰路を急がんでもいいだろうに……。

 試合終了後は,ジョコビッチの表彰式。ATPの年間王者表彰であります。インタビューもありましたが,場内一周したりすることもなく,思ったよりもあっさり。

一仕事終えて上着を着るジョコビッチ トロフィー ATP World Tour 始まります
アナウンス中 カップを掲げる カップを持つ インタビュー中 記念撮影
一人Ver 逆側を向く カップにキス Statsが出るかと思ったら
出なかった
照明がついて,おしまい

 なんども書くけれど,ジョコビッチ凄いっす。ニワカにも分かる凄さがあった。そして,テニス面白いっすね。
 なお,ニワカのくせに実はかなり前から車いすテニスのチケットを買ってたりする。無事行けるといいな。


旅行記TOP