ドンカスターおわったー

 メインレースが波乱の決着となり,場内にまだ浮ついた空気が残る中,続く5レースは粛々とおこなわれます。
 5レースはClass2のハンデ戦,1マイル4ハロン,2400mです。

 セントレジャーの結果が出るまでスタンドにいたので,このレースはパドックを見られず,予想もせず。単にレースを上から眺めるだけでした。そして,あまりに準備してなかったので,最初は気付きませんでした。そして,戻るとき,目の前を騎手が通過してようやく気付きました。このレース,勝ったのは,セントレジャーで降着したアッゼニ騎手でした。

THE NAPOLEONS CASINOS AND RESTAURANTS HANDICAP STAKES
1 6 Captain Morley (GB) Andrea Atzeni David Simcock 2/1 £3.10 £1.90
2 4 Kinema (IRE) Robert Winston Alan Swinbank 4 Lengths 4/1 £2.10
3 7 Emerahldz (IRE) Paul Hanagan Richard Fahey 3 Lengths 11/1
4 5 Igider (IRE) Silvestre De Sousa Roger Varian 1 3/4 Length 3/1
5 2 Hit The Jackpot (IRE) David Nolan David O'Meara 3/4 Length 8/1
6 3 Croquembouche (IRE) Graham Gibbons Ed de Giles 1 1/4 Length 14/1
7 1 Blue Wave (IRE) William Buick Mark Johnston 2 Lengths 9/1

 いやはや,そりゃ1番人気で,馬の力は抜けてたのかもしれんけれど,それでもG1で降着した次のレースを勝つってのは凄い。いやあ,たまげた。
 アッゼニ騎手はこの年日本に短期免許で遠征しまして,まあ正直イマイチな成績ではありましたが,自分としてはこの日の彼を目の前で見ているだけに(そして日本の出来事なので直接(馬券的な)被害に遭うこともないので)アッゼニ騎手に関しては他の短期免許勢とは全く違った感情で応援しておりました。

インタビューを受けながら
検量室に向かうアッゼニ騎手
こちらは2着のウィンストン騎手

 残るは2レース。6レースはマイル戦。

2 Bronze Angel (IRE)
12 Man of Harlech (GB)
3 Birdman (IRE)
14 Azraff (IRE)
9 Starboard (GB)
6 Ayaar (IRE)
11 God Willing (GB)
13 Peril (GB)
4 Fire Ship (GB)
5 Alfred Hutchinson (GB)
8 He's No Saint (GB)
1 Belgian Bill (GB)
10 Yourartisonfire (GB)
7 Field of Dream (GB)

 馬券は相変わらずパドック馬券を続け,3番と13番の単勝2点買い。13番なんて単勝5倍(ブックメーカーでは6倍だったのでちょっとお得。外れてるからお得もクソもないのだが)の1番人気ですから完全に当てにいってるわけですが,これも外れ。でも,単勝15倍が3着にくるんだから,そこまでダメダメな馬券を買ってるわけでもないんだよな。なんというか,こういう惜しいレベルで外れ続けるのがもどかしいし,ある意味当たる気がしない。

THE POTTER LOGISTICS 50 GLORIOUS YEARS HANDICAP STAKES
1 2 Bronze Angel (IRE) Louis Steward Marcus Tregoning 9/1 9.40 2.70
2 12 Man of Harlech (GB) Rob Hornby Andrew Balding 1 1/2 Length 7/1 2.80
3 3 Birdman (IRE) Sam James David O'Meara Nose 14/1 4.50
4 14 Azraff (IRE) Martin Harley Marco Botti 1 1/2 Length 14/1
5 9 Starboard (GB) Graham Gibbons David Simcock 3/4 Length 10/1
6 6 Ayaar (IRE) William Buick Luca Cumani 1/2 Length 5/1
7 11 God Willing (GB) Andrea Atzeni Ed Dunlop 2 Lengths 20/1
8 13 Peril (GB) Paul Hanagan Simon Crisford 1/2 Length 4/1
9 4 Fire Ship (GB) Graham Lee William Knight 1/2 Length 25/1
10 5 Alfred Hutchinson (GB) Barry McHugh Geoffrey Oldroyd 1/2 Length 12/1
11 8 He's No Saint (GB) Fergal Lynch David O'Meara 2 3/4 Length 14/1
12 1 Belgian Bill (GB) Pat Cosgrave George Baker 4 Lengths 16/1
13 10 Yourartisonfire (GB) Silvestre De Sousa K. R. Burke 8 Lengths 16/1
NR 7 Field of Dream (GB) Non Runner Jamie Osborne -- --


 さて,6レースということで,宴もたけなわでありまして,皆さん完全に酒が回ってきております。
 場内サービスとして,ハイヒールの女性へのサンダルサービスがありました。男性が希望した場合何が起こるのかは分かりません。
 そして,日本人と違って酒が回っても吐くことはないんですが,皆さん騒ぎまくりです。なんというか,とりあえずGrandstandは所詮は「いい格好をして楽しむ庶民」の集合体という,まあある意味親近感の湧く面々の場所でして,良くも悪くもだらしがない。イギリスって,ChristmasBallもそうですが,こういう「正装して騒ぐ」のが好きなのかもしれない。あるいみ「正装」もハロウィーンの仮装みたいなもんだ(ハロウィーンも輸入文化の割に完全に根付いてるしな)。ChristmasBall以外でも,クリスマスの時期にはみんなサンタ風の格好したりトナカイの角つけてみたり,好き放題やってるしなあ。面白い国だ。
 で,なにが起こったかというと,パドック外からパドック内に向かって空き瓶が投げられるというイベントが起こりました。日本だったらこんなこと起こったら大騒ぎになるか,少なくともJRAの職員が飛んでいくなりなんなりする場面でしょうが,当地ではなんというか,無反応。正確には,投げた軍団だけ「何やってんだ馬鹿」的な声が出てましたが,それ以外は基本的には「仕方ないなこの酔っ払い集団」程度の冷めた空気でした。もちろん,第二段・第三弾が投げ込まれたら状況は変わるんでしょうか。こんな空気ですから,投げ込まれたモノも即座に取り払われることなく,放置されてました。

 また,パドックでレープロを貸した若いにーちゃんに「胸に名前を書いてくれ」と,ペンと胸(つまり服を開いた状態ってことね)を出されました。若いにーちゃんでなく若いねーちゃんだったらおじさん大喜びなのですが,まあそんなことは起こるはずもないですね。これで英語で名前を書いたら何が起こるのかちょっと興味深いところですが,ちゃんと漢字で名前書きましたよ。ちなみに,ちゃんと本名を書いたのでこのお兄ちゃんを発見したひとはNPの本名を知ることができます。

パドック周りの階段に
座る人々
投げ込まれた瓶 こんなサンダル 宴のあと スタンドもこんな感じで
ゴミだらけ
(イギリスってファーストフードも
基本的にゴミ放置の国だから
どうしたってこうなります)
それを片付ける人

 宴もたけなわ,そしえt終わりも近づいたので,1枚記念写真お願いしました。この国の酔っ払い集団は基本的にうるさいけどノリはいいし(但し本当にうるさい),ある意味危害も加えてこないので実はわりと好きだったりします(まあ,行くところに行けばフーリガン的な連中がいるんだろうけれど)。てことで,仲良く肩組んでもう1枚。

自分だけ顔を隠す そういえば,救急車がいた
だれか何かやらかしたのだろうか

 いよいよ最終。1マイルの2歳戦Class2。
 買ったのは2番の単勝。公式では6倍,ブックメーカーでは7倍。このあたりは我ながら上手く買えてるな。当たらないと意味がないので,ある意味ブックメーカーにオッズで釣られてるわけだけれど。この馬が3着に終わり,この日は全滅で終了。なんというか,複勝率は非常に高いのに,まったくもって無念な結果であります。このもうちょっとがないからよろしくないのだ。

 なお,2歳戦ということでこのレースの出走馬の今後が気になるところですが,とりあえず1着馬のDanehill Kodiacはこのレースで今シーズン終了。ほかの馬では,2着のPrince of Arranだけがこのあと勝ち星を挙げておりますが(Brightonで2着の後KemptonParkのオールウェザーで1着),ほかは特に勝っておらず,将来このレースを見たことを自慢できるかどうかはすべてDanehill Kodiacにかかっております。

THE HARRIET DE-VERE POWELL NURSERY HANDICAP STAKES
1 4 Danehill Kodiac (IRE) Pat Dobbs Richard Hannon 11/2 7.40 2.30
2 8 Prince of Arran (GB) Andrea Atzeni Charlie Fellowes Short Head 14/1 3.30
3 2 Mansfield (GB) William Buick Charlie Appleby Head 5/1 2.00
4 7 Easter Mate (IRE) Harry Bentley Ralph Beckett Length 12/1
5 5 Midhmaar (GB) Paul Hanagan B. W. Hills Nose 3/1
6 6 Aqua Libre (GB) Martin Harley Philip McBride Neck 11/1
7 1 Montsarrat (IRE) Silvestre De Sousa Mark Johnston 2 3/4 Length 9/4
8 3 Fast Gold (IRE) Graham Lee Marcus Tregoning 2 Lengths 11/1

 そんなわけで,全レース終了しました。
 馬券的にはかなり悔しい日でしたが,セントレジャーを見たくて旅程を設定し,この素晴らしい雰囲気の競馬場で素晴らしいレース,(降着というおまけつき。その後降着取消しというさらなるおまけがつくこともふまえて,またSimpleVerseが続くG1を勝ったことも含めて)歴史的なレースを見られて,大満足であります。これを書いているのは12月28日で,このあと大レースという意味ではニューベリーのヘネシーゴールドカップとKemptonParkのキングジョージチェイスを見ましたが,この2つとは雰囲気が異なっており(なお,過去のアスコットとニューマーケットは正直言って記憶がかなり薄い。ニューマーケットは到着まで・写真喪失など全体的にグダグダだったとはいえ,アスコットも含めて無念),ほんと,いい体験が出来ました。
 それにしても,皆さん本当に飲んだくれていて楽しそうで何より。こちとら下戸なので困ったもんです。あとはここにウーロン茶とアイスコーヒーがあれば完璧なんだがなあ。

ゴミが散らばる 全レースの結果 レース後,スタンド内では
ライブがおこなわれ
まだまだ飲んだくれることが
できる仕組みになってます
出口へ 次は10月下旬
1ヶ月以上先です
あと0日

 さて,帰りは歩きたくないので,バスを探します。人が多くてわけわからん。なんか列があるのでこれかと思って先を見てもバスがいないので別の列へ。最初に見た列はタクシーの列でした。それにしても,日本だったら「最後尾はここ」というプラカードを持った係員がいるんだろうけれど,そういうのがいないのがイギリスクオリティだな,というか,そういうのがいるのがジャパンクオリティだよな。
 なお,この時点ではイギリスではLineではなくQueという用語で列を表すことを知らず,BusQue・TaxiQueという言葉に即座に反応できてなかったりするのでした。
 でもまあ,これだけ酔っ払いが勢揃いしておいて,みんなちゃんとバスを並んで待つんだからたいしたもんですよ。ほんと。
 そういえば,この国でバスに乗るのはこれが初めてでして,バスの券をどうやって買うのか,これだけ後続に人が並んでるのに分かってなくてかなりびくついてました。この国は全国的に前乗りで口頭で行き先と片道・往復を伝えるシステムみたいです。なかなか社会人気分が抜けないので,学生価格の有無を聞くのを忘れ続ける日々が続いております。これでいくら損してるんだか。



バス待ちの列 さらばセントレジャー バスチケット
300円弱だから
高いよなあ
行きに見たホテル
みなさんまだまだ
飲んでおりますな
歩いて戻る人も多い 戻ってきました ここでようやく
競馬場行きの案内に気付いた

 そんなわけでして,続いてグレイハウンドに向かって連闘です。


ドンカスター競馬その4(セントレジャー)ドンカスターグレイハウンド


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