Uttoxeter競馬場訪問記

 おはようございます。Walesに別れを告げ、イングランドの競馬場へ。
 宿泊地のChesterから電車でCreweへ。そこで乗り換えてUttoxeterへという流れであります。Derby行きの電車に乗って競馬場に行くというのは気分がいいですね。

ホステルを出ます Crewe駅 ホームに電車が入ってきました Derby行きです

 私のメモによると、競馬場へ向かう電車はStoke on Trent駅で満員になったようです。金曜日なのに、イギリス人というのは仕事をしてるんでしょうか。皆さん競馬好きでなによりです。
 なお、メモによれば、私は寝過ごしかけたようです。

 さて、Uttoxeterは競馬しかない街であり、日本語のWikipediaも存在しません。
 そんな街であるがために、ネット上のカタカナ表記がブレブレであり、GoogleMapさんはアトックシターと訳してるし、Trip Advisorではアトックスゼターとなってるし、Edgeで検索すると(検索エンジンはBingかな?)「ウトキセター」と出るし、さらに”ユートクセター競馬場”で検索したらGoogleは「もしかして: ユートクセンター競馬場」とか言ってくるし、もうむちゃくちゃです。
 何故私が疑いなく”ユートクセター”という発音を認識しているのか、自分でも分かりませんが(”FfosLas”には悩んだのに)、とにかく現地発音はユートクセターです。スペルを見たらぱっと見ユートクセターと発音したくなるので個人的な違和感はゼロです。さらに、我らがJAIRSの翻訳記事や、JRAの監修するIFHAニュースレターでも「ユートクセター競馬場」となっているのでこれが公式解です。

 レースの時間にはまだ早いので、とりあえず入場ゲートを通り過ぎて反対側まで向かいます。

Uttoxeter駅 駅から競馬場入口方向 駅を出るとすぐに競馬場です Thank you for visiting
Uttoxeter Racecourse
駐車場に停めた馬運車から馬がここを通ると思われます ここから中に入って、Saddling Areaへ 見慣れたWales国旗でなく
ユニオンジャックになります
ダフ屋から入場券を買うな
という警告です
入場料が表示されています 入場券販売所と入場口 入場口まわりの雰囲気 ブックメーカーもやってきました

 反対側。ひとけがありません。まあそりゃそうか。
 とりあえず外から障害を見られるので嬉しそうに写真だけ撮ります。例によって、外側がChase障害、内側がHurdle障害です。
 と、油断していたら、広告板をつける人がやってきたり、Centre Admissionに人がきたりして、競馬モードが高まってきました。

外の道路からコースを見る 遠くにスタンドが見えます コース脇を進んでいく
Chase障害 横から アップで 逆側から
Hurdle障害 障害の間からスタンドを見る
2コーナー側と、スタンド Chase障害の広告を設置していました Centre Admission

 いい時間になったので、再び入場ゲートに戻りチケットを買います。18ポンド。旅行のテンションやイギリスになれたこともあって感覚が麻痺しておりますが、当時のレートで3500円弱です。いやはや、高くて困ります。レープロ(Race Card)は3ポンド。入場料と合わせると3500円を突破します。

入場口 脇にあったクリスマス装飾 入場券 場内案内図

 では、例によって場内探索からスタート。
 Uttoxeter競馬場は、いうまでもなくMidlands Grand Nationalの開催地であります。したがって、田舎にありつつも大レースの入場者対応をしなければならないのであります。
 ……が、田舎にあるために普段の入場者が少ないのでしょう、客が動けるスペースは小さいです。とはいえ、似たような(田舎な)立地のFfosLas競馬に比べると、簡素ながらもスタンドが複数あり、多少なりとも大レース開催地らしさも感じられます。でも、やっぱりコンパクトです。電車が通ったせいであまりスペースを拡張できなかったのか、電車に土地を売って利益を出したのか、そのあたりもよく分かりませんね。

 そんなわけで、入口から入ってちょっと進むと左手にはパドック。そして、そのパドックを取り囲むように、VIP向けの建物が並びます。年間契約(あるいは貴族の終身契約)的な感じなのかな?建物の前に”Guests of ○○”という表示が出ているので、メンバーの○○さんがお客さんを呼んでいる、という状態なのかもしれません。

The Chase Room Paddock Pavilion

 パドックはあいたスペースをフル活用するようなスタイル。完全な楕円形では無く、おむすび〜ひょうたん型に近い、ちょっとくねくねしたかたちです。
 あらためて見てみたら、Pre-Parade ringはありませんね。さきほど馬の入口は見ましたが、そこから入って右手すぐにSaddling Areaがありました。なので、馬運車から馬を入れて、すぐに鞍を乗せてParade Ringへ、という流れになるのでしょう。スペースが狭いので慌ただしさがありますね。

 パドックまわりは、入口から入ってパドック方向を見て、向かって左がPaddock Pavilion、右手側がPaddock Boxesが並びます。ここも金持ちがボックスを買うなり借りるなりして、客を呼べる場所なのではないかとおもいます。

パドックをぐるり ちょっと移動して
パドックの奥方向を撮る
真ん中の植栽 コースへ出る馬道 表彰台 パドックの奥方向
Owners &Trainers Bar Paddock Boxes Safety Notice
奥側から見回す Saddling Area 馬装中の各馬の様子

 スタンドと名のつく建物は3つ。1コーナー沿いにあるThe Staffordshire StandはPaddock Boxに近いスタイルのもの。おそらくメンバーがここに入る権利を持っているか、毎度お金を払ってここのBoxを買えるのだと思います。
 Grand Stand扱いのスタンドが、Prince Edward Stand。ここに人が集まっております。このGrandstandの一部がPremier区画になっているかたちです。平日でも一応Premierの設定があり22ポンド。ここに入るためには4ポンド多めに支払う必要があるのです。そして、このPremier区画のせいで、GrandstandからPaddockに移動するためにはちょっと大回りしないといけません。
 さらに奥にあるスタンドは、Railway Stand。なぜかレープロにスタンド名が載っておりませんが、現地の案内板にはスタンド名の記載がありました。おそらくMidlands Grand Nationalの際には人が埋まるのでしょうが、何も無い平日ですと人は全くいません。まあ、このスタンドの下にあるBarもあいてないし、馬場との距離もあるし、このスタンドにいたところで寒いだけから仕方がない。

Grandstand方向 右手がStaffordshire Stand Staffordshire Stand 入口方向 Weighing Room
本来Paddock Boxesの
位置にあるべきなんだろうけど
パドックとスタンドの中間にあります
その脇の店 スタンド側からパドック方向
Prince Edward Stand 区切られているPremier区画 その奥のGrandstand用のスペース Prince Edward Standの
石標が掲げられている入口
スタンド前
レースが始まったあとの
ブックメーカーの様子
Prince Edward Stand レース開始後の
Prince Edward Stand
Railway Stand

 続いて、コース方面を見ます。Winning PostはGrandstandの正面にあります。
 ターフビジョンは常設型では無く、都度設営型であることが分かります。上半分だけでもしっかりと画面がうつるのが分かったのが今回の収穫です。

Winning Post ゴール地点から
1コーナー方向
もうちょっと進んで
1コーナー方向
最後の直線 上半分だけのターフビジョン
イギリスのことなので下半分は壊れてるのかとも思いましたが
設営中なだけでした
Stafffordshire Standがコーナーに沿っているのがよく分かります

 さて、繰り返しになりますが、ここUttoxeter競馬場はMidlands Grand Nationalの開催地であり、当地のビッグレースと言えば何を於いてもMidlands Grand Nationalとなります。
 そんなわけで、パドック脇には歴代のGrand National勝馬が掲出されており、またコース脇にはGrand Nationalの発走地点が示されております。
 
歴代のMidlands Grand National勝馬 その他の重要レース勝馬 ここがMidlands Grand Nationalの
スタート地点だ!
スタート地点あたりから進行方向を見る

 なお、嬉しそうにMidlands Grand Nationalを連呼している私ですが、別にこのレースを追いかけているわけではありません。
 なので、現状パッとYouTubeで見られる(違法アップロード感もある)2021年のレースを見ると、障害の位置が変更されている(スタート後に障害を1つ飛ぶ)ことには今気付きました。ここを訪れた時点で直近のレースである、2015年のレース(これはAt the Racesがアップしてるから大丈夫)や、この翌年の2016年のレースと比較すれば明らかでありますね。
 さらに過去のレースを探ってみると、Twitterでいくつか発見。とりあえず1998年のものを引用。

1998 Midlands Grand National - Miss Orchestra pic.twitter.com/xNtUFooyCu

— History of Horse Racing (@horsevault) May 17, 2023


 この1998年のレースを見ると、発走後に最終障害の広告を入れ替えているのが分かりますね。
 また、向正面側のレンガ造りの建物の前にある障害、1998年は分かりやすく障害が低いOpen Ditchな障害だったようですが、今のものをみると障害が変わってるように見えます。
 障害の変遷についてしっかり語ってる人はいないのか。なんとなく、動物愛護団体の方がしっかりまとめてそうな気がする。


 ところで、Railway Standのあたりまでくると誰もいません。そんな場所をコンデジ片手に一人歩く怪しい東洋人。不審者という言葉はこういう人間のためにあるのです。
 気になりますが、気にしないでさらにすすみます。Midlands Grand Nationalのためだとおもわれますが、コース脇はかなり奥まで立入可能です。競馬場側が一般開催日にここまで立ち入る人間を想定しているかは知りませんが、まあFamilyDay的なものがあれば芝生のある奥地に子供が立ち入る想定はしているであろうと思います。繰り返しますが、怪しい東洋人の立入を想定しているかは知りません。
 障害の位置が具体的にどう変更になったのかははっきりしない部分はあるのですが、いずれにしても、2015年と2016年は変化がありませんし、2015年12月時点では、私が見た障害が最終障害です。そして、この最終障害では、翌2016年3月のMidlands Grand Nationalにおいて、先頭を走っていたGolden Chieftainが落馬するというアクシデントが発生しております(馬は無事です。というか同馬はこの次走としてAyrのScottish Nationalを選択し、私はそこでこの馬と出会うことになります)。


内馬場へ行けます 最後の障害 ←のあたりからゴール方向
飛越シーンを見るにはここまでくるひつようがあります
4コーナー方向 Chase障害を後ろに見ながら進む Hurdle障害 置かれた予備ハードル
さらに奥はこんな雰囲気 立入可能な一番奥から、Chase障害を見る
さらに奥をのぞき見ている様子 一番奥から最後の直線・ゴール・スタンド方向を見る
ぐるっと見回す 障害が連なる様子
長距離のMidlands Grand Nationalで
最後にこれを飛ぶのはかなりハードです

 無事、職務質問を受けること無くスタンドに戻ってきました。
 スタンドの中に入ります。スタンド内は、例によってパブがあって、ブックメーカーのコーナーがあって、という感じで特に面白みはありません。特に面白くするべき場所でもありません。
 パドック側はPremier Barということで、4ポンド多めに払った人しか入れません。ここを突っ切ってパドックに行けないのが不便すぎる。
 正直、既に7年以上前のことなのでこのスタンドの記憶はほぼゼロなのですが、残されている写真の少なさを考えると、混んでいて居心地が悪かったのだと思われます。そして、Ffos Lasに比べるとそこまで外が寒くなかったのだろうな。

Prince Edward Stand スタンド内部 Barの様子 暖炉もあります
使ってるかは不明
帽子のお店
ハイソなお店かと思ったら
クリスマスのサンタ帽もあります
ATM トイレ 賭けが認められている場所を
説明してるのかな?
Betting Rule Betting Premise License
イギリスではGambling Act 2005がルールを決めてます
スタンドを出た景色 昼食
何の変哲も無いハンバーガー
Premier Boxへの入口 Premier Barの様子
バッヂ持ってませんでしたが、最終レース後、帰りがけにここを通りました

 場内を歩き回って満足したところで、レースへ。

カーナヴォン城Castle Towers / Uttoxeter競馬場レース編


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