馬を追って牛(牛は牛乳ラーメンの牛であってNPのことではない)

 そんなわけで,場内探索タイムが終了したので馬券タイムに入ります。なお,なぜか2レースが自分の記録から吹っ飛んでますが,おそらくバックヤードツアーが終わってだらだらと解散したため,パドックを見る余裕がなかったのではないかと推察されます。
 なお,バックヤードツアーで「裸馬に乗る騎手」についての話を聞いて以降,パドックで馬体を観察するとともに騎手が馬の背に乗る姿を見ようとそっちに神経を集中させるかたちになってしまい,なんとも中途半端なパドックが続くこととなりました。

コース・障害案内 パドックの横断幕 パドックはこんな雰囲気

 ところで。わりと大事なことにびっくりしたのですが……ゴール前の砂障害,これいつからあるんですかね。この砂障害,まーーーったく知らなかったんですが。どうも,冬季には走路凍結防止のために撤去されるかわいい奴らしいんですが,これまでまーーーったく意識せずに馬券買ってました。我ながら酷い。いやほんと,いったいいつ導入されたのよ……。いろいろ調べた結果,おそらく2011年春導入っぽいです。つまり,前回ここに行った2012年にはすでに設置されていたわけです。まーーーったく意識してなかった。我ながら,本当に酷い。いやまあ,ばんえいの予想は基本的にパドックメインだし,前回は白馬全場踏破記念を当ててプラスだったし,といろいろ言い訳を考えたんですが,しかしまあ,本当に本当に,我ながら酷い。

 そんなわけでして,3レース。青森県寺栄建設ほんと会来場記念。この会社は青森五所川原の会社のようです。ばんえいで記念レースやるなんてなかなか粋ですね。このご時世だから建設会社も儲かってるのかもしれません。景気のいい会社にあやかりたいですね。

 んが。新聞で赤丸がつけられていた,1番人気オトコノココロがまさかの競走中止。波乱です。赤丸はもしかして人気や自信の印ではなく地雷の印だったんでしょうか。
 それにしても,男の心が折れるという,なんとも悲しい結果となったのでありました……。
 自分的には,パドックで完全に切ったアンビシャス(直前にラジオNIKKEI賞を勝ってからの帯広参戦,大変ですね)が2着にくるわ,本命キンリュウザンがいいところなく惨敗するわで,自信満々に「パドック予想だから砂障害なんて知らん」とかほざいてた自分の心が折れそうになるのでした。

 てことで,なんとかダイキチマル西騎手の騎乗を撮ったり,シンエイシルビアの目が面白いと思ったりした3レースでした。

青森県寺栄建設ほんと会来場記念
着順 馬番 馬名 所属 性齢 積載 騎手 調教師 馬体重 タイム
1 5 エアーシップ ばんえい 牡 2 500 赤塚健 久田守 903 1:38:02 5
2 4 アンビシャス ばんえい 牝 2 480 鈴木恵 谷あゆ 870 1:38:07 2
3 9 マツノダイジン ばんえい 牡 2 500 大口泰 松井浩 854 1:42:03 8
4 8 ギンガノオリヒメ ばんえい 牝 2 480 山本正 村上慎 916 1:48:00 6
5 1 イレマルビリーヴ ばんえい 牝 2 480 安部憲 槻舘重 804 1:51:09 7
6 10 タケノイチロー ばんえい 牡 2 500 松田道 皆川公 968 1:55:09 4
7 3 キンリュウザン ばんえい 牡 2 500 尾瀬馨 尾瀬富 871 2:08:04 10 ←ウインク
8 6 ダイキチマル ばんえい 牡 2 500 西謙一 槻舘重 944 2:17:06 3
9 7 シンエイシルビア ばんえい 牝 2 480 西将太 小林勝 872 2:24:09 9
2 オトコノココロ ばんえい 牡 2 500 工藤篤 谷あゆ 1025 中止 1

オトコノココロに赤丸 ゲートイン完了 スタート 第一障害を越える 第2障害へ
本命がすでに遅れてます がんばれー ココロが折れた……
オトコノココロは競走中止 取り残されたそり これを人間が運ぼうと思うと大作業になります
馬の力がいかに凄いかがよく分かる……

 なお,オトコノココロはこの次も最下位敗退するなどしましたが,一応その後勝ち星を挙げたりはしているようです。

 で,4レース。なんか買いたくなる名前の馬が1番にいるのでこいつの単勝を購入。ぐりぐりの本命(但し不幸の赤丸がついている)の単勝を買うなんて性に合わないが仕方がない。
 そして,この時間を使って,来るときにスルーした馬の資料館へ。
 ……なんと,すでに閉館してました。しまった。この展開は完全に予想してなかった。勝手に閉館を午後5時だと決めつけてた自分が悪いのだが……。翌日の草ばんば繋駕速歩に備えてもう1回知識を仕入れておこうと思ってたのに……。

4レースのメンバー リッキー(偽)発見 ここにきて場内案内図発見 十勝輓馬神社
滑り止めの着いた蹄鉄は
合格祈願にも使われてるようです
奉納されている馬は輓馬ではないのが
またなんともいえませんね
馬の資料館
……本日はすでに閉館!!
仕方がないので飲むヨーグルトを買って
気を紛らわす
(我ながら因果関係が分からない)

 てことで,すぐに戻ってこられたので4レースを観戦。

枠入り スターターが台に上がる
スターターが上がる前から
枠入りしてるってことですね
スターターが旗を振る カンパイ係
スタート 第1障害 内3頭がリード 速すぎて追いつけず とりあえず,的中

 で,カイセイガールズが無事勝利。1番人気の単勝的中。まあ,当たればなんでもよいのです。馬名で買ってて,パドック診断がいい方向に向いているわけではないのが気になるところですが。全体的な馬券の流れとしては,あまりいい流れではない。

 ここで5レース。新聞を見るとキタノリュウキが人気ですが,これを切ります。
 で,懲りずにパドック馬券。

5レース スタンドの様子と,スタンドからぐるっとコースを眺める こんな絵をみつけた しっかり書かれてます

 そして,このレースが見事馬複的中。なんか流れが変わりつつあります。
 ぐりぐり+赤丸のキタノリュウキはなんと最下位惨敗。切ってたこっちとしては鼻高々です。
 なお,このレース後におこなわれた盛岡場外はてきとーに単勝を買ってたところ2着になりまして,ちょっと悔しかった。

竹内組親善会 来場記念
着順 馬番 馬名 所属 性齢 積載 騎手 調教師 馬体重 タイム
1 6 アラワシキング ばんえい 牡 2 510 大口泰 西邑春 901 1:31:05 6
2 4 グレースゴールド ばんえい 牝 2 495 藤本匠 長部幸 953 1:33:06 2
3 5 ホクセイキカンボ ばんえい 牡 2 510 鈴木恵 皆川公 908 1:35:04 5
4 3 ムサシブラザー ばんえい 牡 2 510 赤塚健 久田守 862 1:46:05 9
5 8 アアモンドネムロ ばんえい セン 2 500 安部憲 鈴木邦 922 1:51:09 3
6 2 ヒカルナナヒメ ばんえい 牝 2 490 工藤篤 谷あゆ 900 1:52:07 7
7 1 ジェイナイト ばんえい 牡 2 510 大河和 槻舘重 955 1:53:06 8
8 7 サクラダイチ ばんえい 牡 2 510 阿部武 金山明 884 1:56:09 4
9 9 ブルーオーシャン ばんえい 牝 2 490 松田道 松井浩 892 2:01:03 10
10 10 キタノリュウキ ばんえい 牡 2 515 藤野俊 村上慎 1026 2:08:08 1

 6レースは完全に外れ。流れが途切れた。
 ところで,賭け事の世界で「流れ」って概念を持ってる民族が案外少ないのではないかという話をどこかで見た記憶があります。だれか民俗学でこのテの賭け事に関する考え方について研究してる人はいないのでしょうか。ハマにやってもらおうか。
 なお,このレース,新聞を見るとサクラユーホーがぐりぐりですが,1番人気はヒマワリムスメで,このヒマワリムスメが勝ちました。新聞の影響力はたいしたことないのだろうか。





6レース サクラユーホー阿部騎手の
騎乗シーン
後ろからになってしまった
なかなかうまくいかない
日が傾いてきたので
フラッシュ禁止サインが
重要になってきます
スタート 第1障害 第2障害 砂煙の中,
ゴール

 続く7レースは4番ワタシハサクランボが発走除外。大塚愛のさくらんぼが流行ったのって何十年前でしたっけ。
 このレースも人気のミタコトナイがブービーに惨敗し,隣同士あなたとわたし除外とブービーだから困ってしまいますが,手元にあった3-4の組が返還されました。まあ結果的によかったというべきか。

7レース
1着のイリノチカラを
切ってるのが分かります
本馬場入場 スタート

 7レースが終わったあたりで,馬場の奥がライトアップされました。夜です。ナイター競馬です。
 そして,この時間帯になると昼間大勢いた観光客が帰っていき,だんだんと馬券オヤジの濃度が濃くなってきます。もちろん,バーベキューコーナーでの宴会はおこなわれてたりしますが,とりあえず浮ついた雰囲気は徐々になくなってきておりました。
 そして,8レースパドック。少年がじーっと馬を見てる間,藤本騎手は子供の声に全く反応せず,とはいえ子供の目の前で馬を制止させて子供に馬をじっくり見てもらうという,まさにプロの鏡というべき対応をされておりました。さすがトップジョッキーだ……。恐れ入りました。

ライトアップ開始 少年の前で
じっとする藤本騎手と
センショウパワー
そのセンショウパワーが
グリグリかつ赤丸です
子供のくせに本命馬に
きちんと目をつけるとは
センショウパワー ウンカイショウ シンエイタカラフジ
ミノルユウセン ソウテンブルー サスガ フナノメジャー ヒカルブライアン

 で,人が減ってきたところで,NPの腹も減ってきたので(というほど減ってなかったのだけれど,店仕舞いが怖かったので),ここでまた競馬場を出てとかちむらへ。
 若干気になっていた十勝牛乳ラーメンを食べます。昼は豚でしたが,夜は牛です。牛乳ラーメンというと,かつて高知でミルクラーメンなるものを食べたことがあり,それ以来です。お味としては,最初に塩気がきて,あとからクリーミーなお味がやってくる,という感じでした。

楽しそうにバーベキューしてます 十勝牛乳ラーメン

 で,食事を取って帰ってきたら,馬券は外れてました。1着3着。無念。でもまあ流れも悪くなってるし仕方がないな……と思ってリプレイを見たら……。
 最後の最後に,砂障害でセンショウパワーがシンエイタカラフジを逆転して23着が入れ替わっていました。これはショッキング。というか,レースを見ずにメシを食べてたNPと,センショウパワーに愛を注ぎ込んでいた子供とその愛を受けたセンショウパワー・藤本騎手との差だな……。無念。ワイドで940円つく組み合わせだったので,馬複当たってたらこの日はプラスだったんだな……。

 日も沈んで9レース。8レースの結果を受けて,当時の自分が意気消沈したんだろうと推測しますが,9レース以降自分のメモがありません。とりあえず,このあと馬券が全滅したことだけは間違いない。

楽しそうに
未成年者を戒めます
顔出しようのパネル
騎手の首がもげてるようにしか
見えなくて,若干グロい
子供用スペース 日が落ちてライトアップが
きれいに光ります
9レース。ばんえいは大井と異なり,レース中もライトアップが続きます

 メインレースは10レース。うらかわ馬フェスタカップです。勝ったのはフェアリードール。矢野さん本命軽量のセンゴクイチは7番人気6着。このレースの表彰式にはミスシンザンが来てました。

矢野さんの予想 あまりにおいしそうだったので
入口脇で鳥を購入
まあ豚と牛を食べた以上鳥も食べないとね
パドック裏はこんな感じになっていて,
多くの馬はここで騎手が乗ります
パドック
うらかわ馬フェスタカップ表彰式 ライトアップの様子 馬場前とスタンド。人が減っております

 で,無事最終レースも終了。


 最後まで散在した者へのご褒美として,無料バスが与えられます。というわけで,最後は無料バスで市内に戻ります。
 ホテルは源泉掛け流しの温泉付でです。奮発したからな(あいてるところがなかっただけだけど)。まあ,モール温泉って東京でも入れるんだけどね。

バス。残ってるのは馬券オヤジだけ

 てことで,3年ぶりの帯広競馬,今回も楽しめました。馬の資料館に入り損ねたのと,8レースが惜しまれる……。でも,バックヤードツアーはよかったです。

 で。砂障害を知らないレベルの大馬鹿の癖してあまりえらそうなことをいいたくないのだけれど,ばんえいについて思うことを少し。関係者の馬券購入問題はさておくとして(おいちゃいけないレベルの大問題で,ほんとふざけんなレベルですが),前回・今回とばんえいをみて,関係者の皆様が頑張ってるのは伝わってきました。
 んで,これ,ばんえいに限らんのですが,最近はネットが普及したせいもあって,昔の別冊宝島や光栄の夢はターフを〜みたいな本が絶滅して,競走馬のストーリーがあまりまとまった形で語られてないと思うわけです。もちろん,ネットの中には素晴らしい文才を持った方が大勢おられて,そういう人のサイトを運良く発見できると馬を巡るストーリーがよく分かるんですが,そういうのを発見するにも知識と根気が必要。なにがいいたいのかというと,ばんえいのトップホースはある程度固定されております。例えば今であればオレノココロ,キタノタイショウ,ホクショウユウウキ,フジダイビクトリー,インフィニティー,コウシュウハウンカイあたりがしのぎを削っているんですが,それぞれの馬が持ってるストーリーというのがさっぱり伝わってこないし,それぞれの馬の特徴や得意不得意なんかもさっぱり伝わってこないのです。興味とやる気がある人であれば,継続的にレースを見て研究してそういうストーリーを自分で作り上げていくんだと思いますし,おそらく15年前の自分(暇な浪人〜大学時代)であればそれをやっていたと思います。が,今となってはそこまで時間を使うこともできないわけでして……他人任せな感じではあるのだけれど,やっぱりせっかくのスターホース同士の対決が,盛り上がらないままに終わっていくのはなんか非常にもったいない。主催者が予想行為をできないとかいろいろ難しい面はあるのでしょうが,なんとかうまく各馬の持ってるポテンシャル(物語的な意味で)をこっちに伝えてほしいな,と思うのであります。

 あと,ここに書く話じゃないんだけれど備忘録的に。ばんえい競馬馬主協会のページに掲載されている歴史資料が興味深すぎる。時間があったら全部読みたい。


帯広競馬その2鹿追草ばん馬その1


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