風と雷の京都

 続いての目的地は建仁寺です。別に建仁寺になにか強い思い入れがあるというわけでもなかったんですが,ちょっと行ってみたいお寺でした。

 てことで。祇園四条駅から建仁寺に向かいます。
 まずはその前に,豊川稲荷が見えたので寄ります。たった今検索したところによると,ここは建仁寺の塔頭のようです。興雲庵と呼ばれております。この名前を発掘するのにネットで10分くらいかかりました。すべては,解説板に「当寺」としか書かず,お寺の名前を書いてくれないのが悪いのです,と逆ギレしておきます。逆ギレが御仏の教えに合致してるとは思えないあたりは気にしないことにします。
 ここは鳥居が山門の前にある,ザ・豊川稲荷という感じの神社だか寺だか分からない感じになっております。そんなの関係ねぇ。

赤い鳥居が目立ちます 由緒 山門 多分本堂 豊川稲荷

 ここを過ぎると,人通りが増えます。「おお,さすが建仁寺。人気のお寺なんだなあ」とか思ってると,目の前に飛び込んできたのはWINS祇園でした。
 非京都人なので,そもそも祇園ってのがどこのことなのかすら分かってなかったんですが,このあたりだったんですね。
 それにしても,無意識のうちにWINSに到達してしまう自分の本能を褒めてあげたい。

WINS祇園!! なぜか犬連れの警備員
麻薬探知犬?
爆発物探知犬?
なぜか斜め下を向いてるイメージキャラクター
当たり馬券が落ちてないか探してるのかな?
イメージキャラクターの「舞妓ちゃん」というようですが,
検索してもほとんどヒットせず,
一体何者なのか謎が謎を呼びます
単複3連単が100円単位
その他は500円以上
JRAが売りたい券種が分かります

 で。いよいよ建仁寺です。さすが有名なお寺なだけあって,広いです。とりあえず,有名な風神雷神図を見に行きます。
 なお,当然無知な私めは,ここが栄西さんのお寺だと言うことはおぼろげながらに知っていたものの,それ以上の知識は皆無でありました。大哉心乎とは,興禅護国論の序文に出てくる一説のようですが,もちろん「興禅護国論」というフレーズを耳にするのは大学受験以来のことであります。

山門 境内案内図
とにかく広い
由緒 大哉心乎 金澤翔子さんによる風神雷神の書

 さて。見所は多いです。ここも,「ここに載せなかった写真は二度と見ることがない」の精神で適当にアップしていきます。
 なお,風神雷神図屏風は複製のくせに本物であるかのように大事に飾られております。まあ,私には本物と偽物の区別がつくはずもなく,ありがたく見せていただくのみであります。Wikipediaによると,洞爺湖サミットにも複製が展示されたようですが,展示されたのは自分が見たこいつだったのでしょうかね?
 風神と雷神(返還したら風神渡来人と出てきた。外国人だったのかこいつは)についてこれまで真面目に考えたことはなかったんですが,そもそもこいつらは「神」を名乗りつつお寺にいるんだな。風神というと確かに袋を持ってるイメージはあるんだけれど,このイメージはどこから生まれたのだろうか。このWikipediaによると,北野縁起絵巻から出たもののようですが。自分のイメージのもとは風邪薬の改源の風神様のような気がする。
 風神雷神ともにWikipediaになってますが,Wikipediaは雷神に手厚いです。菅原道真の影響もありそうだな。また,雷神のWikipediaには「世界の雷神」が載ってますが,風神にはありません。あれれ,と思ったら風神一覧という項目がありました。同様に雷神一覧もありますね。奥が深い。


 さて。ここにはいくつかのお庭があります。
 まずは○△□乃庭。これを素人が作庭すると馬鹿だと思われるんでしょうが,由緒あるお寺がこれをやると深く思えてくるから不思議であります。あとで買ったパンフレットによると禅の四大思想(地水火風)を○(水)△(火)□(地)で象徴した,とされておりますが,火はどこにいったのかという疑問が頭から離れません。雑念にとらわれた凡人の限界です。あと,現地解説だと禅の4大思想でなく密教の6大思想がベースになっております。このあたりの関係についてもよく分からんところです。
 さらに,潮音庭。こっちは「庭」という感じのお庭ですね。もっとも,この庭から潮の音を感じられるほど私めの感受性は強くないのでありますが……。


禅か密教か

掛け軸にも○△□

 そのあとは,本坊をまわります。歴史あるお寺だけあって,ふすまなどの絵がどれもこれも立派なもののようですが,それを理解できる能力が自分にはありません。もちろん,海北友松さんが誰なのかとかは知りません。というか,これで「かいほう」とか読めません。信長の野望に海北綱親が出てるのはもちろん知ってますが,そもそもこれも名前読めてませんでしたし,この人が友松さんのお父さんだなんて今調べました。
 そして,安国寺恵瓊の首塚がここにあります。この人禅僧だったのか。よく分からんおっさんですが,自分の中のイメージは毛利家の外交僧です。なんで関ヶ原で首を切られたのか,正直よく分からんのですが,関ヶ原における毛利家の扱いは今なお諸説あるようで,まったく追いつけません。毛利といえば,毛利元就のDVDを借りたいのですが,近場に置いてありません。NHKさんなんとかならんのでしょうかね。
 また,方丈庭園は,大雄苑という名前のようです。ぼーっと眺めていたいところですが,残念なことにあとの予定が詰まりに詰まっていてそれどころではありません。ほかの皆様も似たような感じでした。現代人はせわしないのです。

 
対馬行列輿
    
栄西さんについて
 
日本一大きな栄西像は
袋井市にあるようです
 
安国寺恵瓊の首塚
 
田村月樵 遺愛の大硯

 最後に,法堂の双龍図を見に行きます。(その名の通り)龍が2匹おります。なんとなく,こういう所の龍の絵って龍が1匹のものが多いように思います。本当になんとなくです。
 上を見上げると首がつらいので,本当ならば横になりたいところですが,もちろんそんなことはできず……。


 あとは,少し境内をぶらぶらします。あまり持ち時間が多くないのだけれど,せっかく来たんだからね。


これに釣られた


茶碑と茶園


三門



勅使門

 続いて,塔頭。禅居庵。禅居庵という名前よりも,摩利支尊天の方が有名なようです。摩利支天といえばイノシシ,というわけで,ここはひたすらイノシシで満ちあふれております。摩利支天というと,風林火山で勘助さんが大事にしていた仏様ですね。


ここもイノシシ

さすがにここは違う

奉納品

 そして,六道珍皇寺。名前はなんとなく聞いたことがありました。特別公開の案内を見たので,乗り込みます。有名なお寺ですが(なぜ自分がこのお寺を知ってたのかは不明ですが……もしかしたら名前が覚えやすいってだけかな),解説によるとここも建仁寺の塔頭のようです。
 地獄絵や冥土通いの井戸などが特別公開されておりました。「冥土通い」で返還すると「メイド通い」で出るんですな。そりゃそうか。というわけで,今の時代はお寺でなくメイドカフェなのであります。
 地獄絵は大変に興味深く,2017年に三井記念美術館でやってる地獄絵の展覧会にも行きたいんだけれど,時間がない……。


 とまあ,そんなわけで,京都のお寺巡りはなかなかに疲れます。疲れつつも,淀へ。

ショウセイホンガンスターダムへきさらぎ賞!


旅行記TOPテーマ別