イワノニイデラ
1 武田氏屋敷・欽明寺
2日目。石城山神籠石を目指します。その道中、若干寄り道。
丁度大河ドラマの毛利元就のDVDを見ている頃でして、それなりに中国地方の状況に詳しくなりつつありました(つまりニワカ知識を身につけて調子に乗っているということ)。というわけで、毛利といえば「西の桶狭間」として著名な、有田中井手の戦い。毛利元就が宍戸開扮する武田元繁に対して大逆転劇を演じた戦いです。なお、私は刑事貴族大好き人間でして、それだけで宍戸開さんを無条件に応援します。昨今のTwitterなんて見ない見ない。というわけで、武田氏が負けて残念。
中国地方で車に乗るのは久しぶりで、東西にそこそこの距離を移動するのは初めてでした。このあたりの道は、幹線道路が信号無しで突き抜けていて、そこから各集落に向けて分岐の道が出ている、というスタイルのようです。分岐道は場所によっては離合が困難な幅なので、キャッスルドライバー(城巡りでしか運転しない、サンデードライバーよりも尚酷い運転の人)にはドキドキです。
まあ、何事もなく、武田氏屋敷跡に到着。白壁があり、その奥にお墓がある、という構造のようです。が……白壁は草に阻まれてよく見えず、その先のお墓にまで突撃するのも断念。
ちなみに、解説板にいう武田小三郎は武田宗慶として知られており、その父が武田光和、父の父がみんな大好き武田元繁です。それにしても、解説板をどう読んでも武田小三郎は元就に恩しかないような書かれっぷりで(まあ、元繁一門皆殺されても文句言えない、という意味では恩人といえるかもしれんのだが)、この地域における元就の影響力の強さを感じます。
その横には竜宮門が印象的な欽明寺があります。この欽明寺という名前はどうも欽明天皇に由来するもののようで、今適当に検索してみつけたこちらのブログによると、欽明天皇腰掛けの石もあるようです(スルーしました)。
何かと武田家とのつながりアピールがあるお寺です。源氏の血を引く武田家の威光は尚強い、ということでしょうかね。
2 岩隈八幡宮
近場にそこそこ大きめの神社があるようなので寄ってみます。岩隈八幡宮。このあたりで国道15号・国道2号と再合流できます。
1692年に当地に遷座された神社さんのようでして、参道脇にはいろいろなお社があって時間があったらのんびり見て回りたいところでありました。が、時間がないので拝殿へほぼ一直線。極めて真面目な神社さんで、参道まわりにはあまり面白いものはなかったように思います(神社に面白さを期待しちゃいかんのだが)。
岩隈八幡宮へ 鳥居 お稲荷さん 歯の神様 拝殿 本殿 摂社末社への鳥居
3 中山川ダム
続いて、近くにある大きめなお寺、二井寺山極楽寺へと向かいます。
カーナビにセットして、迷うことなく一直線!……のはずだったのですが……
連れて行かれたのはダム湖脇の道。進んでも進んでも、地図上の二井寺に近づく気配がありません。さてはこれはカーナビに騙された!
というわけで、せっかくなので車を停めてダム湖をちょっと眺めてみました。ここは中山川ダムというダムのようです。
ちなみに、2021年現在、Google Mapさんのナビを使っても二井寺には連れて行ってもらえません。
2021年のGoogleMapさん 中山川ダム
4 二井寺山極楽寺
あらためて。地図をよく見たら、「二井寺山極楽寺駐車場」というマークがありますね。こっちに行けばOKです。道は少ないので、ナビに頼らず自力で到着。ちなみに、GoogleMapさんの「駐車場」表記の場所に駐車場はなく、もうちょっと奥地にありますが、まあここまで来たら誤差でしょう。
駐車場では早速財の神と目洗い地蔵がお出迎え。入山の鐘を叩いて登山開始です。
駐車場区画へ 財の神と目洗い地蔵 火渡り大法要が
おこなわれるようですお不動様が立ちはだかりますが
入山の鐘を叩いて入山杖もあります
杖が必要なほど
のぼるのか……さあ出発
ここは天狗と縁が深いお寺のようで、のぼっていく最中に天狗のお面に出会えます。
触っちゃいけないのかと思ってたら、むしろ撫でると御利益があるタイプの天狗さんだったようです。ここまで来たのにこれは失敗。でも、天狗の鼻は一回もげたような修復痕がみられてちょっと痛々しいですね。もし自分が撫でてるときに鼻が折れたらショックと怖さで生きた心地しないと思う。
そして、崖側に鳥居があり、そこからは先ほど見た中山川ダムを見下ろすことができます。これは絶景。
この鳥居の脇にあるお社には石鎚山と、「南無相津大師様」と書かれた仏像があります。「相津大師」様は初めて目にするお方なので検索してみたのですが、ヒットしませんでした。あれれ。
とまあ、こんな具合に道中いい感じにイベントがあるので、のぼっていてもつらくありません。これはありがたい。仏の加護に感謝。
天狗のお面 お庭 のぼっていきます
のぼりやすい階段です大きな天狗のお面! 鳥居が登場 脇には石鎚さん ”相津大師”で検索してもヒットせず
なぜ日本ダム協会が出てきたのかは謎です
「中山川ダム」で検索したせいでダム好きだと思われたのかな相津大師様 絶景です 最後の階段
番号が振られているのは周防観音霊場です
そして、周防観音霊場の階段をのぼると、本堂に到着です。
さきほどの天狗、火渡大法要、そして役小角が祀られていることなどなど、この二井寺がかつては修験道において重要な場所であったことが分かります。
縁起 境内 銅鐘
文永9年(1272年)鋳造説が
あるようです境内 風神雷神 お地蔵様 本堂へ 鈴がたくさん
遠目には鬼の金棒みたい南無二井寺大権現 お不動産と
役小角さん六十六部行者の供養碑?
最後に、登りに見逃した場所をフォローしつつ、下山。カーナビに騙されてえらいめにあいましたが、行った甲斐ある大変興味深いお寺でした。
子育観音 池 上り階段 高野槙 庫裏にあった縁起 お地蔵さん
というわけで、前半の部終了。後半がメインイベントなのです。光市へ向かいます。