またきた堺

 前回堺に行ったのは2年前。今も忘れはしません。体調不良で死にかけた日の前日でした。既に大阪の陣には若干のリベンジは済んでおりますが,やはり堺にもリベンジをせねばなりません。
 という大げさな話ではなく,単に午後の関空発の飛行機に乗るまでにひまだから暇つぶしをしよう,というだけのことであります。地元を出るのが予定より2時間遅れて午前7時になりはしたものの(さすがに始発だけあってゴールデンウィークの連休初日でも余裕で座れて助かった),なんとか大阪に到達。久々に新今宮の職安を横目に南海電車に乗り込みます。

 今回は,海外旅行だったので,日本円をほとんど持って行きませんでした。実はこれが大失敗で,それで困らないのは関東,というか東京近郊だけの話で,それ以外の場所はそんなに甘くなかった……。特に想定外だったのが,何回新今宮の蕎麦屋。ここで昼飯食べる気満々だったのに,まさかのSuica(Icoca)不対応でした。やむなく昼をとったのは,堺駅のマクドナルド。ここはiD対応でした。iD機能のついたクレジットカードを持っててよかった。
 なお,帰りの空港から自宅最寄りまでのバスはSuica不対応であることを完全に失念しており,日本円をなくすと本当に大惨事になるところでした(最悪キャッシングとかでなんとかできはするんだけど)。

前回は最終的に
体調悪化の中ここを歩いた
懐かしの職安 ぶれた。
ここがIcoca対応してないのは
完全に想定外でした
堺のマック 堺駅周辺図

 さて,なぜここまできて昼食がマクドナルドなのかという疑念はありつつも(じゃあ元々の案が駅蕎麦だったのはどうなのか,という疑念は出るんだろうけど),出発です。
 堺という場所,というか大阪の南側の発達経緯はよく分かってませんが,とりあえずこの堺駅を出発点として,あの有名な,仁徳天皇陵こと大仙古墳を目指していきます。なお,いまになって堺駅まわりの地図を見ると,駅の反対側に「一等三角点のある日本一低い山」なるものがあり,ちょっと興味が湧いたので,次回はこっちに行ってみるかもしれない。それにしても,「日本一低い山」って天保山とどこかが争ってるイメージだったのに,Wikipediaで見ると,なかなか定義づけも難しい問題のようですな。てか,この蘇鉄山,Wikipediaさんによると登山認定証を出したりして,盛り上げようと頑張ってるみたいです。それなのに天保山に比べてイマイチマイナーですなあ。

 ちなみに,駅前ロータリーには,例によってよく分からない建築物がありました。このうち,右側の6みたいなやつは堺の刃物商工業協同組合連合会が寄贈したようですが,左の赤いメキシカンフェニックスは誰が設置したんですかね?


菅原神社

 さて。まずは菅原神社。住宅街の一角にある神社ですが,随身門と随身がお出迎えしてくれます。
 そして,ここのポイントは,門に釣られて境内に入ると,その先には薬祖神社しかなく(実はこっちを参拝したかったからいいっちゃあいいんだけど),迷子になることです。どうも空襲で楼門と金比羅神社以外が焼けたという不幸な歴史的経緯があるようで,それとともに境内の神社の配置も変わったのだろうと予想しておきます。
 なにはともあれ,ぐるっと一周するハメにはなりましたが,無事お参りも済ませ(なお,小銭を少量しか持って行かなかったのはケチな人間としては大失敗であります…),菅原神社を後にしたのでした。

鳥居 随身門 随身 松幹,という文字を見ると,松永幹夫しか思い浮かびません
随身門を抜けて,境内
あれ,肝心の天神様は?
鳥居
正面にあって横を向いてるのは
薬祖神社です
神牛 石田梅岩
彦根で見たことがあります
堺戎神社 記念植樹 ぐるっとまわって,ようやく
菅原神社に到達しました
薬祖神社 逆側の門 立派な石碑

開口神社

 続いて,開口神社。読めません。「あくじんじゃ」と読んでました。「かいこうじんじゃ」の可能性もあるかな,とは思ってましたが,まさか「あぐち」と読ませるとは。これはちょっと予想外でした。

 さて,それはさておき,裏側から境内に入りました。いきなり「堺の幼稚園教育発祥の地」という石碑に出迎えられます。どうも2002年に作られたもので,完成から15年以上が経過しているっぽいんですが,それにしてはまだまだ新しいですね。ここによると,対象の幼稚園は今は向かいにあるようで,もしかしたら幼稚園の方がきれいに管理されているのかもしれません。
 で,ぐるっとまわって正面に出ます。鯉のぼりが元気に泳ごうとしています。タイミングをきちんと合わせれば泳いでる姿を写真に撮れたんでしょうが,それを待つだけの時間も精神力もありませんでした。でも,最近まじまじと鯉のぼりを見ることもないので,久々の経験だったな。その反対側のポールは,いかにも国旗か何かがありそうな感じなのに,なにもありませんでした。この日は祝日(憲法記念日)なのにな。

 そして,拝殿へのお参りを済ませたらぐるっと境内をまわります。幼稚園だけでなく,ここには学校もあったみたいです。いまいち昔の姿が分からない。寺子屋的な感じだったのだろうか。

鳥居 幼稚園発祥の地 拝殿 ちょっと泳いだ 解説 境内図
歌塚 影向石 扇塚 白一龍神社 泉陽高校発祥の地 与謝野晶子歌碑
摂社末社がずらずらと 神馬 三国丘高校発祥の地 狛犬
写真だと分かりづらいのですが,とにかく大きい!
東門
なぜか扇塚推し

 そして,境内にあるとされる三好元長戦死の跡碑。これがなかなか見つからなかった。幼稚園や学校の石碑を見てきたので,まさかこんなのだとは。びっくりした。
 元長といえば,三好長慶のお父さんです。この室町末期の畿内のごたごたは,応仁の乱のごたごたと相まって正直よく分かってません。元長についても,Wikipediaさんを見てもよく分からん。とはいえ,これだけの人の戦死碑なんだからもうちょっとなんとかならんのか。やはり大河ドラマ三好長慶か,大河ドラマ松永久秀が必要だな……。


金龍井


 で。西門から外に出ると,すぐ脇に金龍井がありました。どうもモノ自体は海会寺のもののようで,そのためかなんなのか,井戸に到達するためには神社側からではなく,一旦外に出て脇から立ち入る形になります。


祥雲寺

 さてさて。とりあえず神社を2つ参拝し終えたので,堺市役所に向けて歩みを進めます。途中,祥雲寺というお寺が登場したので立ち寄ります。なんか前回堺を訪れたときもこんな雰囲気の壁と案内板とお寺があったなあ,という漠然とした記憶があります(大安寺でした)。今回は門が開いてたので中に入ることができました。まず目指すは本堂……なのですが,あれれ,本堂っぽい本堂がないぞ。どうしたらいいんだろうか。誰もいないしな。
 ふと右を見ると歓喜天が祀られていたので,とりあえずこちらに手を合わせます。祀られていたというか置かれていたというか,若干むむむな状況ではありましたが……。そして,特に立ち入り禁止の合図もないし,せっかくなのでやはりお庭は拝見したい,ということで奥まで進んで,庭園を拝見。最後に奥にあったお社に手を合わせて退散。
 いま改めて検索したところ,ホームページがヒット。堺市の解説には沢庵さんによる開山だとか書いてなかったじゃないか。まったくもう。そして,本堂は方丈であり,ご本尊は観音菩薩様だとのことであります。さらに,こちらのブログ(自分が行った約1か月前。文化財特別公開期間nってのがあるんだな)ここは出羽海部屋の稽古道場になってたり,時期を選べばちゃんと内部の拝観も可能っぽいです(大安寺も時期を見ればいける様子)。今回の私めは完全に不審者でしたね。失礼しました。

案内 メイショウテイエン 中へ 歓喜天堂 劉鉄観音
庭園 鎮守堂 お寺の山門脇に地蔵堂

土居川公園花壇


 さらに歩いていくと,土居川公園なる公園が有り,なにやら意味ありげな花壇。かつては花時計だったようですが,いまは時計機能が失われて市章をモチーフにした花壇に変貌したようです。花壇は花壇で維持管理が大変そうですが,確かに道路脇にこういうスペースがあるのは気持ちいいっちゃあ気持ちいい。

解説 下からはよく分からない 歩道橋から見下ろす

堺市役所展望台

 さて。よーーやく市役所です。もはや大仙古墳自体の観光は諦めモード。エレベーターでぐんぐんあがっていきます。
 まあ,実のところ,ここから大仙古墳を見てもよく分からないことはネット情報で事前に入手済ではありました。でも,自分の目でよく分からないことを確認したいですよね。ってことで,いざ!
 結論として……@大仙古墳については本当に単なる森でよく分からない。でもAこの地域一帯に古墳が数多く存在すること,百舌鳥古墳群が本当に古墳群であり今もなお古墳が残っていることがよく分かる。という感じでした。
 それにしても,大仙古墳は単なる森でした。教科書でよく見る堀がくっきりして,前方後円墳であることがはっきり分かる絵は,かなり高いところからじゃないと見ることができないんだろうな。
 いやー,それにしても古墳だらけです。まとまった木があるな,と思ったらだいたい古墳だからおそろしい。緑が目立つわりに,実は一般人が立ち入れる場所は少ないんだろうな。まあ仕方がない。

 ところで,この大仙古墳,もう仁徳天皇陵という表現は採らないものだと思っていたところ,どうも堺市は仁徳天皇陵と呼んでるようです。まあいろいろな学説があって議論が割れるところなんでしょうな。
 あと,「世界三大墳墓」としてこれを挙げてるんですが,この三大好きは日本だけなんですかね。とりあえずちらちら英語でそれっぽい訳をあてて検索しても見つからなかった。むぅ。ただ,見つかったのが日本政府観光局の英語ページで,ここも仁徳天皇陵としております。英語版Wikipediaは大仙古墳としていて,ここには世界三大墳墓表記はないですな。旅行者向けの世界の見るべき10のお墓,みたいなページでは,やっぱり中を見られない分ここは不利で,ぱっと見取り上げてるページは発見できず。探せば出てくるだろうけど。あと,ユネスコには大仙古墳でなく仁徳天皇陵で出してるんだな。興味深い。

 それより。セレッソがまだJ2なんですが,この展示は2014年以降更新する気ないんですかね。山口の背番号が変わったことだけ記載してますが,そこに注釈入れるならほかにやるべきことがあるだろうと。

堺駅前で撮った写真
古墳だらけですな
大きすぎてなかなか1枚におさまらない 前回行ったのはこっち方向 東はザ・住宅街といった感じですな
都会方向 反正天皇陵古墳
こっちは手頃な大きさです
この中に少なくとも6つ古墳があるってことか…


堺港について 堺手織緞通
遠目には絵にしか見えなかった……
J-GREEN堺の案内 応援しよう!というからには,せめて最新の情報をカバーして貰いたいものです
白鳳関寄贈 堺といえば鉄砲! 市役所前の慰霊碑
この事件,堺だったんだな…
市役所

みくにん広場

 てことで,時間切れ。大仙古墳を目指してたはずなのに,到達せずに終わりました。でもまあ,台湾行きの荷物抱えて(たいした量ではないのだけど)歩き回れるのはこれくらいが限界かな。次回からはもうちょっと日本円現金を持って行こう。

 で,これで終わりの予定だったんですが,イベントが2つ。1つは,なぜか左腕に擦過傷。血が出てます。どこでなにをこすったのかさっぱり記憶が無いのですが,とにかく血が出ています。出るのはいいのだが,台湾で温泉にしみたら嫌だなとか思って,ドラッグストアを求めて若干駅回りをふらつきました。発見できず。ただ,コンビニで日焼け止めは買いました。持ってくるの忘れてた。
 イベント2つめ。この三国ヶ丘駅,屋上にみくにん広場なるものがあります。ここにのぼって,別角度もうちょっと近くから大仙古墳を見てみました。



三国ヶ丘駅 このあたりでは
このコンビニが強い
みくにん広場 三国ヶ丘を駆け抜けた電車たち
日焼けしてあと数年で
限界を迎えそうな解説板
山にしか見えない大仙古墳

 というわけで,時間を気にしつつ関空へ。航空神社とかにも行きたかったのだけれど,これはまたのお楽しみ。


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