コウコクオレンジ

 山中城のある三島市は,ガバメントクラウドファンディングをやっており,その特典として障子堀におりられる山中城見学ツアーを実施しております。
 今回は,そんな山中城ツアーに長老を巻き込みまして,浜松から興国寺城経由で山中城に乗り込む,という旅程を組んだのでした。
 この旅行において欠かせないのは,愛媛を出て早い時間に浜松に到着する,というミッションをやり遂げることです。こうなると,やはり松山から大阪南港に向かうさんふらわあを失ったのが痛すぎる。
 これの代替手段として用意されているのが,オレンジフェリー。東予港から大阪南港に向かう夜行フェリーです。松山からこのフェリーに乗ろうと思うと,松山発のバスを予約するか,途中の今治か壬生川でバスに乗るかの選択肢を採用することになります(自家用車持ってればこんな苦労はいらないのだが)。
 で,今回は仕事の関係で松山でも今治でもバスに乗ることができず,壬生川まで出てからバスに乗ることになるのでした。壬生川のバスはちょっと遅れて到着しまして,待ってる身としてはなかなかにビクビクさせられました。

夜の壬生川駅 夜のバス停 時刻表

 で,フェリーターミナル。フェリー受難の時代に,こんな航路すいてるだろうと思って嘗めてたら……まさかの大混雑でした。そりゃ,夜行で大阪に出られれば便利だものなー。
 ここで乗船申し込みをして,バスで乗り場(旧ターミナル)に移動,という流れになります。待合室がこれだけ混んでいて,果たして乗船率は何%くらいだったのだろうか。
 旧ターミナルにも待合室はあり,椅子が並んでおりますが,ここは単なる通過点なので椅子は使われておりません。どことなく,地方競馬場や競輪場の3階あたりにあるスペースっぽさがあります。作られた時代的にも似たようなもんだしな。

混雑する切符売り場 船室案内 乗船案内 就航記念 移動用のバス 乗船口へ 旧待合室
禁止事項 乗船口通路 通路を進む 118番とコスモタワー 乗船口へ! いよいよ乗船

 いよいよ乗船です。大きめなフェリーはも基本的にはメインホールはきれいになっており,異世界に入ってきた感じが出ていてテンションが上がります。普段ビジネスホテルに泊まってる自分が,たまにシティホテルのロビーに入ったときの感覚ですね。
 エントランスホールには柱が多くインスタ映えしそうでしないのが特徴です。


 そんなわけで,私は貧乏人なので雑魚寝ルーム(その後の新造船で,雑魚寝部屋は廃止されたみたいですね。この手の雑魚寝がフェリーらしさを出してる気がしてましたが,まあ今はそういう時代じゃないのもよく分かります)に荷物を置いて,おのぼりさん的に船内を探索しつつ,夕食をとりにいきます。基本的に,競馬場だろうがフェリーだろうが,取る行動に変化はない不審者なのであります。
 船内には重要な案内があります。「船内での賭博行為は関係省庁の通達により固く御断り致します」という,恐ろしい文言です。賭博なんてとんでもない!まさかこのサイトを見ている方でギャンブルなんかに興味のある人はいないかと思いますが,もし興味がある人がいたら,絶対やってはいけません!!
 それにしても,禁止されている賭博行為というのはどこまでなんでしょうかね?船内でPATや楽天で馬券や車券買ったら通達違反になるんでしょうか。というか,そもそも賭博自体法律で禁止されているわけで,そんな通達が出ていることに驚きです。もしかしたら公海上を走るときに備えているのかもしれません。

 レストランは想像以上にメニューが豊富。これは凄い。でも,座席が少ない。そりゃ寝るスペース削って座席にスペース割くわけにいかないものな……。座席の確保さえできれば,素晴らしいレストランであります。ちなみに,当然電子レンジがあるはずのメニューの並びなんですが,愚かなNPは見つけることができず,冷えたカレードリアを食べたのでした。例によって,電子レンジを発見したのはレストランを出るときです。

雑魚寝スペースへの廊下 賭博行為は禁止!! ゲームコーナー
自販機スペース レストラン

 で,フェエリーといったら風呂ですよ,風呂。もちろん,入ります。フェリーのお風呂は,船が傾いているときに水面と浴槽のヘリが平行じゃなくなるのが好きです(日本語力がない表現ですが,意味は通じてると信じる)。フェリーの風呂に入るたびに,2011年,松山から小倉に向かうフェリーで風呂に入りながら,被災地では水が出ないのにこっちでは船の上なのに水が出ていることの差をぼーっと考えたのを思い出します。もうすぐあれから10年ですね……。ついこの前も阪神大震災から25年,というニュースが流れました(この段落を書いているのは2020年1月19日)。

 で,風呂に入った後はさらに船内探検。髪を自然乾燥させます。

展望浴室。もちろん窓はあるけれど,
そんなに展望がきくわけではない
入ったホールの階段下にある
救命胴衣人形
喫煙室案内 4階の案内図 4階階段
テレビスペース マッサージチェアー 5階階段 5階の様子
人が多かったので,撮ったのは下船直前
ピアノ

 そして,外に出ます。毎度思いますが,夜の海って本当に怖いですよね。瀬戸内海はまあ静かな海だしいいんですが,それでも落ちたら誰も見つけてくれないだろうし,なんともいえない雰囲気があります。観光船じゃないから外に出てる人の数も少ないし,ほんと孤独になります。

5階を外から ファンネルマークは見えない 4階におりました 後方機関部と陸地
陸が遠い 3階甲板 船室へ ゴミ投棄禁止 海上の電波状況

 そんなわけで,船は無事大阪南港に到着しました。過去大阪南港は松山からのさんふらわあでコスモターミナルに到着しておりましたが,今回は別のターミナルに入ります。電車にして,5駅くらい離れてるんですね。某業界にいると,「大阪南港」という言葉はよく耳にしますが,実際に大阪南港という場所がどういう区域なのかはよく分かっていないのであります。

船尾方向 横には名門大洋フェリー 朝のターミナル 下船待ちの徒歩客 車両甲板 上陸しました。こっちのタラップは使われていない様子
下船口 正面方向 車両下船中 脇にいる名門大洋フェリー さらばおれんじ7
ターミナルへ オレンジフェリーの乗船口 名門大洋フェリーの乗船口 待合室 施設案内 運航状況

 というわけで,無事上陸できたので,一路浜松を目指します。
 上にも書きましたが,これまでコスモターミナルで上陸していたので,同じ大阪南港で5駅も違っていてビックリです。

ニュートラムの駅へ コスモスクエアへ フェリーターミナル駅

 さてさて。無事浜松で長老と合流。ここからはすべて長老に任せます。こちらは座ってるだけでよいのです。お気楽です。
 東名では,真っ正面に富士山が見える素晴らしい景色を,助手席から堪能いたしました。運転してたら写真なんか撮れないので,こういうのは助手席の特権であります。


 てなわけで,無事興国寺城に到着です。
 北条早雲が旗揚げをし,その後北条・今川・武田で奪い合ったという,歴史的には非常に重要かつ有名なお城であります。が,交通の便が悪いので(新幹線がなにかの間違いで臨時停車してくれればいいのだが),長老車で来ることができてなによりであります。大河ドラマ北条早雲か北条5代をやってくれれば,ここも盛り上がるんでしょうが,なかなかそんな日は来ないでしょうね。
 とはいえ,有名な城であり,続100名城に指定された城なだけあって,しっかりと解説パンフレットが作られ,観光客向けに設置されておりました。助かります。

 車は二の丸あたりに停めて,そこから本丸に向けて歩きます。土塁が凄いですね。
 ちなみに,地元の方がおられ,愛媛から来ました,的な話をしたように記憶しております。

右手に土塁 解説板。平成17年なので,100名城に制定される前ですね 解説板
こっちは平成7年なので
さらに10年前
解説パンフレット
穂見神社 根性の力石 天野康景と北条早雲の碑があります
解説が出ているのは天野康景のみ

 そんなわけで,土塁をのぼります。ここの特徴の一つとなっている天守台石垣も気になりますが,まずは土塁から攻めます。大土塁が好きなお年頃なのです。
 そして,土塁を斜めにのぼっていくと(この道は昔からあるものなのかは謎),天守台にのぼるための分岐も現れますが,これもいったん忘れて奥の空堀を目指します。それにしても,天守台があったとして,こんな感じに土塁と一体化しているってのもよく分からんですね。本丸と天守が分離されすぎているというかなんというか。北側から攻められたとして,なんか本丸部分がまったく機能しないし,南側から来られてもどうしようもないし。
 と思って検索してみると,昔はこのあたりに蓮池があったようで,天然の要害として機能してたっぽいです。それにしたって,北側を大堀切一つに頼り切りな気がするので,まあいろいろと地形が変わってるのではないかと。あと,天守台という表現をとるからおかしくみえるのであって,北の防御のための櫓があったと考えればいいのかな。それでも,隅櫓が西にしかないのは不自然だとは思うけど。
 まあ,これ以上ニワカが語るとボロしか出ないのでこれくらいにします。

 とにかく,いいたいことは,この大土塁は凄いんです!グランドナショナルに出しても恥ずかしくありません。

本丸を見回す 中腹から見る土塁東側と本丸 土塁北側
石垣が埋もれてます
大堀切!!美しい薬研堀です 天守台のあたり
こちら側は石垣が見えない
東側の堀切
左上が清水曲輪

 さて,土塁を超えて堀に下り,さらにそこからいったん北曲輪にのぼります。のぼったはいいものの,立ち入り禁止看板が出てました。まあ,草ボーボーなので,下手に入って中で怪我したり,あるいはたばこで火事起こされたりしたらたまらんでしょうから,仕方のないところです。

立ち入り禁止です ぐるっと見回す。富士山が正面に見えます 北曲輪から大堀切を見る 天守台

 そして,大堀切に戻って,さらに進みます。
 途中から,底がV字からU字のように緩くなります。これは後世ここに土が積もったのか,昔からこうだったのか,もちろん私には分かりません。
 また,途中,左手に謎の穴があります。単になにかの貯蔵庫だったのか,それとも防空壕的な役割をしていたのか,あるいは誰かが死体を埋めるのに使ったのか,これももちろん私には分かりません。

大空堀を進んでいきます 後ろを振り返ってみる さらに進む。左手に謎の穴が見えます
穴は奥深い。フラッシュ焚いて
中にいる動物の目を潰したら悪いな,と思いつつも
好奇心に駆られて焚いてしまった
ほかにも穴があった さらに奥へ

 そして,堀を抜けると,いきなり平地に到達です。
 このあたりはすでに宅地化が進んだ,ということなのではなかろうかと。

堀を抜けるところは
こんな感じになってます
昔はここに何かあったんだろうか
ここで振り返る 堀を抜けました
大土塁の東側を
さらに東から見上げる形
ここから出てきました あらためて,大土塁と
北曲輪方向を見る

 そんなわけで,土塁の周りをぐるっとまわって,下に下りてきた形になります。現在地ははっきりしませんが,おそらくは二の丸と三の丸の境目の道です。 
 そして,あらためて見てみると,本丸に向かう南北の道の東側も三の丸なんだよな。三の丸が二の丸・本丸を囲うようなかたちになってたのか。
 二の丸と三の丸,本丸と二の丸の間にはおそらく何かがあったんでしょうが,今はなだらかな坂と道。まあ,この地域が湿地だったことも含め,いろいろと今とは違って当然ですね。

三の丸 ちょっとのぼって三の丸を見下ろす 三の丸部分もこんな感じに
上り坂になっているのだが
これは昔からなのだろうか
二の丸 二の丸の東の三の丸
ゴルフ禁止です
本丸 土塁 穂見神社と背後の土塁 本丸を振り返る

 続いて,土塁を攻めます。
 まずは先ほどスルーした天守台石垣。ここだけ石垣だったのか,往時の姿がいまいちピンときませんが,それにしたって立派な石垣が土塁の芝の間から露出していて,風情があってよいですな。
 西の櫓台もしっかりしていて,ザ・櫓台という感じです。が,結局この土塁が周囲から浮きすぎてるせいで,昔の姿をイメージしづらいな……。

 駐車場奥にも土塁っぽいのがあり,これは駐車場から車が落ちないように後世になってつくられたのか,昔からある土塁を利用しているのか,分からずじまいでした。

上りながら見る土塁の様子 天守台石垣 本丸土塁の案内がここに
上に出ました 天守台には礎石が残ります 天守台から堀を見下ろす こっちは西側
北曲輪を見る 土塁を西に進む 西櫓台 西の土塁 西櫓台から東を見る 西櫓台から見下ろす
本丸〜三の丸
西櫓台から南を見る
見晴らしは非常にいいです
天守台 土塁の東側 東側の土塁の下を進む 駐車場に到着
ここも三の丸?
土塁 駐車場の奥にも
土の盛り上がりがあるが
昔からの土塁なのだろうか
富士山を正面に

 というわけで,興国寺城をあとにしてさらに東へ向かいます。目指すは小田原北条攻め。そのために,山中城を落とさねばなりません。

山中城へ

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