ドラノカラフネ

 ドラえもんというのは、アニメなりマンガなりで、世代を超えて多くの日本人の心に深く刻まれているものの代表格でして、「国民的アニメ」「国民的マンガ」と言われるもののなかでも、まさに中核を担うものではないかと思います。

 そんなドラえもんに関する展示が2つあったので巡ってみたのでした。

1 ドラえもん1コマ拡大鑑賞展@渋谷

 まずは渋谷でドラえもん1コマ拡大鑑賞展。
 ほぼ日さんの案内を抜粋しますと、「藤子・F・不二雄先生の描く漫画『ドラえもん』には、1コマだけをとりだして見てもアートとして成り立つ絵がたくさんあります。そんなコマをいくつか選び、拡大し、額装をして、まるで美術館のように鑑賞する展覧会を「ほぼ日曜日」で開催します。」ということです。そんなマンガの1コマアートを探りに、若者の生地渋谷パルコへおっさんが殴り込みを仕掛けます。

 なお、著作権の関係でどこまでアップして許されるかは悩ましいところですが、気にしつつも気にせずいきます。


 渋谷パルコなる場所にはそもそもかつてきたことがあるのか、渋谷といったらWINSとエクウスにしか用事がなかった人間としては(大学時代にはHMVやらタワレコやらのインストアライブ、道玄坂のライブなんかには行ってた記憶はあるけど)、渋谷のこっちの方は魔境の地でして、下手したら本当に初めてパルコに足を踏み入れている可能性があります。そんなアウェイな場所ですが、気にしないことにします。

 んで。
 平日に乗り込んだPARCOは、平日に乗り込んだエクウスのごとく(休日も、だったような記憶ではあるけど)すいておりました。
 展示されている1枚絵はそんなに多くはありませんが、非常にインパクトの大きいもので、それこそドラえもんの単行本など30年近く買っていない自分でも見覚えのあるコマも多く、藤子不二雄氏が印象的な絵を描かれているのだな、というのが非常によく分かります。
 そして、あらためて1枚絵として説明されると、簡単に見える絵であっても非常に強いこだわりと意識で書かれていることが分かります(これをどこまで意識して書いているかで天才型か努力型かが分かれるのでしょう)。ネットの普及なんかでドラゴンボールの鳥山明氏の絵の凄さの解説なんかを目にするようになりましたが、いやはや、本当にプロ、歴史的マンガを書かれる漫画家さんというのは本当に凄いな、というのが分かります。


中はこんな様子

2 キャプテン翼POP UP STORE

 続いて、渋谷でもう1つ開かれていたのがキャプテン翼のPOP UP STORE。最近はやりのあれですね。ちょっとあれみな、ってな奴です。

 キャプテン翼に関しては、アラフォーな私はいわゆる無印のアニメとともに成長し、また家に部分的にあったマンガを熟読。中学生になってお金持ちになるとジュニアユース編(無印終盤)のマンガを買えるようになりました。このマンガとともに生きた私は、サッカーというものはとりあえず困ったら絶対的エースにボールを渡すと必殺シュートでゴールを決めてくれるものであるという認識で成長したのであります。5レーンだのなんだのなんて、翼君のドライブシュートの前ではなんの意味も持たないのであります。


 ここはフォトスポットが数カ所設けられていたので、そこの写真だけ。
 ヤングジャンプやその他諸々に移行して以降のキャプテン翼については、無印時代のようにはまれなくなってしまいましたが、それを言い出してぶーたれるのはアラフォー老害なので黙っておく所存であります。
 ただ、様々な時代の商品が並んでいるのを見ていると、やはり自分は小中学生編の時代の絵が好きなのだ、ということが分かりました。非常に泥臭く線の多い絵なんですが、これにはまったんだなあ、と。そういった高橋陽一先生の絵の変化と自分がはまったキャプテン翼について再認識できたのが非常によかったです。

3 THE ドラえもん展 KYOTO@京セラ美術館

 最後に、THE ドラえもん展です。
 こちらは全国巡回している展覧会でして、ホームページのURLは初回の東京展2017に合わせて、”thedoraemontentokyo2017.jp”であります。この現代アーティストによるドラえもん展は、何回か開催されているようでして、今回の2017年時点で集まった作品展、ということのようです。
 ホームページの案内文には、「変わりゆくこの時代の中で、アーティストたちに「あなたのドラえもん」を表現してもらったら、どんな世界が生まれるだろう。何を願い、未来へ何を伝えてくれるだろう。2002年の「THE ドラえもん展」から15年。この展覧会のために、様々な発想や技法によって生み出された新たな作品をお届けします。」とあります。

 そんなわけで、まだまだ新しい、京セラ美術館へ。ここは庭園も気になってるんですが、暑いのでそれどころではありません。

京都タワー お金持ちの皆様 庭園展望

 京セラ美術館はなかをしっかり見たわけでは無いんですが、常設展示も多く、しっかり見たらかなり時間のかかる大きな美術館のようです。京セラ恐るべし。というか、よく分かってなかったんですが、元々は京都市美術館であったものを、京セラが命名権をゲットした、ってことなんですね。
 館内には、様々な格好のドラえもんがいて、おっさんもはしゃぎます。お恥ずかしいったらありゃしない。

ドラえもん展 ほかにもいくつかドラえもんがおりました はしゃぐ40オーバーのおっさん 監修者からのメッセージ ごあいさつ

 この日は友人と訪れたのでして、私の友人はこの日出展していた作家さんを何人かご存じのようでした。
 他方で私は、というと、美術芸術界への理解のなさはもう恥じ入るばかりでありまして、知っているのは蜷川幸雄さんのお子さんの蜷川実花さんだけ、という有様。そんなことだから、蜷川実花さんを知ったルートも当然蜷川幸雄さんルートです。蜷川幸雄さんを知ったのは、矢作調教師の高校ルートです。

 正直私には「技法」についてはよく分からんところですが、ドラえもんという題材を与えられて何かをやれ、と言われたときに、芸術家の皆さんがそれぞれの発想力で様々な作品をつくられるのをみると、素直に凄いなあ、と感心する以外ありません。色々な芸術家の皆様を惹きつけるだけのものがドラえもんにあるのでしょうし、それを料理する皆さんは本当に凄いですね。

 まあ、村上隆さんすら知らなかった自分にとっては、友人とわいわいしながら(といってもコロナのせいで基本黙らないといかんのが悲しいところ)展示を見られて、非常に有意義で楽しい一日でありました。

 以下、飲用のレベルを超えてる気がしなくも無い、というか越えてる気しかしませんが、とりあえず自分として気になったものを将来の自分のために。

スモールライトが別のものに見えた 村上隆さんの作品の一部。一部を切り取っても楽しい 蜷川実花さん
「ボート」「振興」という言葉に
反応してしまいましたが
競艇とは無関係です
福田美蘭さん
こちらも福田さん。
パレットを持つ自画像の元絵はこれですね
町田久美さんの絵の一部
これはお気に入り
山口晃さんの作品の一部
梅佳代さん。見れば見るほど気持ち悪かったのが
天井からぶら下がっていたこれ
深く考えたら負け、な作品だと思うところ
山本竜基さんの作品の一部
見れば見るほど引き込まれる怖い作品
近藤智美さんの絵。鉄人兵団はあまり見た回数が多くなく、
今もパッとストーリーが浮かんでこない
中塚翠涛さんの楽えもん 屏風絵 ドラえもんがいてくれたらと
今日も思う。

 どうせ引用の範囲を超えるんだからいっそ盛大に踏み越えてしまおうかとも思ったんですが、やっぱりやり過ぎるのは気がとがめるので、この程度に。とりあえず、自分が今回気になったものを記録しておくことで、今後何かいいことがあるかもしれない。ないかもしれない。
 他の作品がきになったときは、公式をみるか、こちらのブログこちらのブログなどを参照することにします。

4 からふね屋珈琲店

 京都ではコーヒーのことをコーヒなどと呼ぶらしいです。どうもお公家さんというのは言葉を伸ばしたくないのかもしれません。そんななか、コーヒ表記とコーヒー表記、どっちにするか迷った新興店はどうすればよいか。そうです。日本人には漢字がある。
 てなわけで、1974年創業のからふね屋珈琲店。イノダが法人化したのが1958年のようですから、約16年差で名前の付け方に差が出ます。1958年のダービー馬がダイゴホマレ伊藤竹男、1974年がコーネルランサー中島啓之ですから、たしかに一時代変わった感じはありますね。

 さて、どうもこのからふね屋珈琲店は、知る人ぞ知るパフェの名店らしく、キャピキャピした40オーバーのおっさん軍団はパフェを食べにここにやってきたのでした。いやあ、パフェっていいですよね。コーネルランサーでダービーを勝った中島騎手の享年が42歳であることをかんがえると、40オーバーの我々がこうして楽しくパフェを食べられていることに感謝しないといけません。

店舗外観 メニュー インスタ映え?
を狙うおじさん
3つ並ぶパフェ ごちそうさまでした

 そんなわけで、ドラえもんからのパフェ、と、そこだけ切り取ったら40オーバーのおっさん軍団の行動とは思えない行動をとりましたが、毎度毎度私をアテンドしていただいて私にお付き合いいただいている皆様には感謝してもしきれません。ありがとうございます。


 京セラ美術館のあとは、サンガスタジアムby京セラであります。京都はセラミックでできているのです。

オギノアルビ



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