昌原競輪観戦記(釜山旅行記その12)

14.2 昌原競輪探訪記

 さて、無事入場しました。とりあえず、場内を探索します。

 ちなみに、韓国の競輪場への旅打ち日記をネットで検索すると、写真撮影を巡ってバトルがおこなわれたり、異文化コミュニケーションが成し遂げられたりと、色々な事象が発生しているように見受けられます。
 私が取った戦略は……とりあえずいけるところまではいく(勝手に撮る)。見つかったときのために、3台(コンデジ、日本のスマホ、韓国用スマホ)体制で挑み、何かあったら1台生け贄として差し出す(残り2つは持ち帰る)という、遵法意識ゼロのものであります。

 なお、結論から言うと、写真撮影をとがめられることはなく、無事3台とも日本に持ち帰っております。
 これは、写真撮影がスマホの普及とともに認められるようになった(黙認されるようになった)のか、単に見つからなかっただけなのか、かわいそうな日本人だと思われてお目こぼしされていたのか、私には分かりません。以下の写真を見ての通り、途中から調子に乗って堂々とレース動画やレース写真を撮っていたりしたので、いつ見つかってもおかしくない状態だったとは思います。
 また、私以外に写真を撮りまくっていたヒトはいなかったこと、私が持ってるのはあくまでコンデジ止まりであることは付言しておきます。


 場内は、ドーム型競輪場ということで、特に面白いことはありません。
 使われているのは2階と3階のみ。そして、全体的に雰囲気がよどんでいます。何がどうよどんでいるのかと聞かれると答えに窮してしまうんですが、とにかくなんというか、競馬場に比べて雰囲気がよどんでいます。
 もちろん、全体的に場内はきれいですし、そこかしこでおっさんがタバコを吹かせて立ち小便をしている、というようなデストピアではありません。きれいですし、整っております。
 1ついうなれば、やっぱり釜山競馬よりも客の平均年齢は高そうです。そして、キャピキャピ感はゼロです。釜山競馬場なら帰りがけに入ったところでライトアップ的な様子もありましたが、おそらくここにはそんなインスタ映え的雰囲気はありません。あと、スタンド内の天井も競馬場に比べると低いですね。そういう1つ1つの積み重ねで、全体的な雰囲気の悪さが出来あがってるのだろうかなあ。

 とりあえず、3階をまわります。

3階の案内 3階に並ぶ車券売り場 4階へは立入禁止
休憩所 こんな感じの選手写真が飾られております 選手のサイン
トイレの様子 注意書きに出てくるのはこのキャラ なんか上手いこと言ってるっぽいポスター
10万ウォン上限と購入代行、未成年購入が明示的に禁止です
ATMもあります

 3階をぐるっと回ったので、続いて2階。右回りに回っていってるんですが、実は入場してすぐに右に行くとInformationがあったり、コインロッカーがあったりしました。逆向きに回ったためにこれらを発見したのは最後になってしまいました。Informationで色々聞くコミュ力と語学力がある人ならば、ここでいろんな情報を入手して素晴らしい競輪場案内を作成するんでしょうが、例によって私が書いているのは旅行記であって案内記ではない、と開き御成次第です。

Information こんな場所にあります
横のスペースがなんだったかは忘れました
2階の案内
コインロッカー 無料のお水 売店 2階コンコース
PCルーム
ネット投票のためかな?
(中の人はソリティアやってますが)
Nursing Room
設置されてるのは
3階だったかもしれない
禁止事項など
「拷問」というのは何かの誤訳だと思われます
競艇案内コーナー
伝統競技?紹介コーナー。似たものが2カ所にありました。紹介されているものはダーツ、投壺、輪投げの3種。
案内板を見る限り、お父さんお母さんに連れてこられた子供達が遊ぶために設置されているようです
輪投げのルーツが、2世紀頃にローマの兵士が馬蹄を投げていたとされているんですが、本当でしょうか。
2階からバンクに出るときの景色 金網とバンクの間には
堀があります
階段を利用すると心臓病の発病率が20%下がるとのこと

 ちなみに、食事は4レースと5レースの間の場外発売時間帯にとりました。
 レストラン的なものは場内に2カ所。うち、あいているのは1カ所のみでした。あとは売店でカップ麺なんかを買って食べる方式でしょうかね(韓国あるあるの、売店内イートイン方式ですね)。
 写真もないし、韓国語が分からないと行き詰まるんですが、今の時代はGoogleさんがすぐに翻訳してくれるので、とりあえず商品名を写真に撮って、レジのおじさんに見せればなんとかなります。
 韓国の食堂らしく、食券を渡して商品を受け取った上で、いろんな調味料や付け合わせは自分で取っていく方式のようです。街中でこの手の食堂に入るのは勇気が要りますが、競輪場内ならまだ敷居は低いですね。

食堂 商品はこちら レジのおじさんに見せるために
撮った写真
ビビンパを買いました カフェインも摂取します こっちの店は閉店中でした

14.3 昌原競輪場観戦記

 順番前後しますが、レースと車券の話題に。いきます。
 まずは向正面からバンクを眺めます。向正面にはテーブル席があり、カップホルダーもあって、座席の質も良い。かなり落ち着いて観戦できます。PC広げてのんびりするなら、かなり快適なんかじゃないかと思います。まあ、ここまできてそんなことするのか、という問題はあるけど。

向正面からの眺め 向正面の座席の様子
この日のレース予定が表示されておりました

 車券は有人窓口で買う方式。機械もありますし、カードを持ってる人向けの何かもありそうですが、とりあえず自分が使ったのは有人窓口のみです。
 そして、有人窓口は車券発売用の窓口と、それ以外の窓口(カードチャージなどをするのかな?)があります。基本的にはマークカードとお金を渡せば車券になって返ってくるので、特に車券を買うのに苦労はありません。が、なんか違う窓口にお金とマークカードを突っ込むと、弾き返されるので、そこの間違いだけは避けねばなりません。とりあえずは、他の人の動きを見て車券を買えそうな窓口に行けば問題ありません。

 賭式について、確実にあるのが種類。単勝、複勝、連複、連単、3連複の5つ。問題はあと2つ、車券案内ボードに掲げられているものが何なのか分かりません。机にあった解説ボードには5賭式しか書かれてないし。おそらく、どちらかは3連単だと思われますが……。

 韓国の競輪はラインのないケイリンですので、基本的に車券が堅い。基本的に堅い上に7車立てなので、単勝を買ってもリスクとリターンとドキドキ感のバランスが悪くてさすがにここでは単勝買いはきつい。
 んで、じゃあ連単でいきましょう、ということになるのですがここにきて、マークカードの表記に苦しみます。競馬場よりも案内が文字ベースで分かりづらい。そして、Googleさんが車券馬券に詳しくなさすぎて、日本語翻訳で表示される「復讐」「双勝」「連勝」「双服」がなんなのかの読解が面倒です。どれが連単なのか教えてください。
 さらに、別の解説ボードを翻訳すると、今度は「連勝」「復乗」「双乗」というワードが登場します。Googleさん、日本人をもてあそばずに真面目に翻訳してください。この3つ、ぱっと見でどれが複勝かすら分からないじゃないか。というかGoogleさん、並びと説明を見る限り、翻訳の「連勝」が日本の複勝なんですが、いくらなんでも複勝のことを「連勝」と表示しないでください。

 で、あらためて日本に帰って画像翻訳を見てみると、どうも7つめの賭式、双二乗式というのは、1着固定で2着3着は順序が入れ替わってもOK、というもののようです。後述しますが、どう2連単と2連複の配当がおかしいことを考えても、競輪の売上が芳しいとは思えないところで、賭式をこんなに(競馬よりも)増やして大丈夫なんでしょうかね??

現地で撮った
マークカードの翻訳
あらためて日本でスキャンしたマークカードと、その画像翻訳
掲げられている車券案内ボード 机にあった解説ボード ←の翻訳
「連勝」「復乗」「双乗」という
謎ワードが並びます
なんとか連単を買えました
この自販機はバウチャー用? マークカード カードの案内

 さて、なんとか連単を買えるようになりました。あとは安心して車券を買えばよいので楽ちんですね。本題からずれますが、「楽ちん」という言葉ってもしかして死語?自分でもかなり久々に使った気がします。そして、楽ちんの「ちん」が何なのか気になったので語源を検索してみたところ、諸説あるようです。ううむ、考えたことなかった。

 では、レース。ちなみに、この日のオフィシャルのレース結果はこちらから見ることが出来ます念のため魚拓)。
 順番前後しますが、第1レースはホームから眺めます。

締め切りまでのカウントダウン ぐるりと眺める 締め切り
選手入場中 周回中

 1レースは2番が勝って、単勝1.2倍。これを見て、単勝には絶望したのは上記の通りです。


 ちなみに、昌原にはレース前の脚見せがありません。ラインが無い以上、見せるものはないということなんだと思います。
 ……と思ってたら、場外放映されている光明競輪を見ると、脚見せやってました。光明競輪になると突然ラインができるわけでもないでしょうし、なんで競輪場によってやり方が変わるのかは謎であります。
 そんなことも含めて、2レースの選手紹介(1レースの確定放送)を動画に

 第2レース。今度は向正面から観戦。
 あらためて運用を見てましたが、発走台はシートが敷かれており、路面が保護されてますね。発走台のところで待ち構えてる職員は3人。日本だとどうだったかな、と思って見てみたんですが、競輪場によって若干差があるものの、前橋の寛仁親王牌を見てると、後ろに2人、発走台を支えてる人が1人で、最終的に人数は同じでした。
 また、ここではレース発走時から鐘を鳴らす係の人がスタンバイしてます。お疲れ様です。
 このレースは動画撮影。向正面なので、撮ってることはホーム側からは丸わかりだったんじゃないかと思うんですが、とりあえずなにも言われませんでした。

締め切りまで32秒 発走位置につきます 自転車セット お辞儀 誘導員
鐘係は最初から待機 ピストル待機 発走後 シートを回収
ようやく鐘を鳴らす
仕事がやってきました
決定 配当

 車券的には、上にも挙げたとおり、専門誌の予想を信じて5→1、1→5を買ったのですが……5→1で決まって、1.4倍でトリガミ。連複は1.3倍で、リスクと配当が見合ってないぞ。まあ、このレースは連単を買えるかテストを兼ねて金額抑えてたからいいんですが、このままでは勝てる見込みがない。

 そして、第3レース。
 今度は第4コーナーの上の方から。コロコロと観戦場所を移動して、落ち着きがありません。
 私のメモによると、予想誌の1番目と3番目の予想に乗っかったところ、2番目の買い目で決まったようです。7→2で4.5倍。配当を見てると、連単が4.5倍で連複が7.7倍ついたように見えるんですが、何も間違ってないですよね?これ、真面目に買ったら馬鹿を見る流れではなかろうか。

選手入場中 発走準備完了 鐘係 ピストル係
発走しました 周回中 誘導が外れた 2が先頭 結果

 第4レース。このレースは動画撮影してたので写真少なめ。まだまだデータを様々な機器に分散させる作業を続けております。
 私のメモによると、このレースで初めて予想誌が予想を外したようです。とはいえ、連単4.5倍、連複5.1倍なので、全然荒れていません。というか、2レース続けて連単よりも連複の方が配当がいいんですが、本当に私が認識している「連単」は連単で合ってるんでしょうか。数字が大きい方が先に来るのは連単で合ってるとおもうんだけど、不安になってきたぞ。

周回中

 第4レースの後は、光明競輪が2レースはいります。ここで光明競輪の脚見せがビジョンに流れた、ということになります。たまたま動画撮ってたんですが、その場面を撮れて一人喜んでおりました。そうやって油断してるところを捕まって動画削除……とならなくて本当に良かった。

 そして、時間的に余裕が出来たので、ここで昼食。ビビンパを食べたのは、上に書いたとおりです。

 そして、光明競輪を挟んで昌原競輪第5レース。このレースは1コーナーあたりから観戦します。そして、このレースも動画撮影。これで3つの機材で動画を撮り終えたので、2つまで没収しても何かが残ります。一体俺は何をしにここまで来てるんだ。
 そして、このレース、1着同着でしたが、無事連単2→7が1点的中。まあ1着同着になったせいもあるんだけど、連単の2→7が3.3倍、7→2が3.0倍、連複が3.4倍と、3レース続けて連複の配当が連単を上回りました。ううむ。同着のときの当たり目が2つあったから、自分が買ってるものが連単であることの確証は取れたんだけれど、それにしたってなんとかならんのか。

昌原競輪にマークしましょう、という注意が流れます 予想誌のこの部分だけで勝負する
敢闘門から選手が出てきます 整列 礼をして準備 誘導員 準備完了 スターターも構える
発走します 周回中 誘導が外れました 残り1周
先頭の2人の目線はどこに行ってるんだろう
最終コーナーを回る 7と2がほぼ同時にゴール 選手達が帰ってきました。目線の先は多分ビジョンです
敢闘門に帰還する選手達 1着同着 配当

 この日の昌原の最終レースは第6レース。最後は大人しくメインのゴール付近から観戦。最後の最後に悪目立ちしないように動画も撮りません。
 そして。このレースは2着が同着。このレースも見事連単3→2が1点的中で、なんと、よく分かってないのに昌原競輪もプラス回収となったのでした。あれ、競輪場で現金削る生意気プランはどこにいったんだ。
 なお、当時の私のメモによると、
 - どう考えても 俺が買ってた 2番の方が先に出てると思う 同着 出しすぎじゃないか
とあるので、調子に乗って同着という結果に文句を言っていたようです。

 また、このレースは連単3→2が3.2倍、連複2−3が1.7倍。ようやく連単の配当が連複を超えました。ここまで長かった。


残り13分 発走準備 残り5周で構える鐘係
2着同着 配当。最後なので翻訳にもかけてみた。相変わらず日本の複勝が「連勝」と翻訳されております


 そんなわけで、無事勝って終わりました。的中車券の現金化はどこかの窓口でやったはずですが、特に苦労した記憶もないので、どこかのおっさんにくっついいったんではないかと思われます。

14.4 追記的に写真置き場。翌日のアクシデント

 最後に、行き場がなくなった、競輪場のあちこちからバンクを眺めた図。
 まわって見ながら思ったんですが、金網が邪魔です。前橋ってどうなってたっけ??と思って見なおしてみたら、前橋はアクリル板でした。
 あと、メイン側にある2本の柱。はっきりいって、邪魔です。バック側から見てみると、この柱は審判室を支えているのだと思いますが、これ、こういう構造にしないといけなかったんでしょうかね??

1センターあたりから 第2コーナーあたりから
バックからパノラマ バックからぐるりと
スタート 2センター方向 バックの上の方から
2センターあたりからぐるりと 2センターからパノラマ 天井
メインの4コーナー寄りから メインの座席
1コーナーからぐるりと あらためて1コーナーから
パノラマ あらためて1コーナーからぐるりと
メインの1コーナー寄りから。審判質を支える2本の柱が邪魔なんですが、なんでこんな構造に??
前橋にはこんなのなかったよね??
Google Photoさん作成のパノラマ。4コーナーあたりから Google Photoさん作成のパノラマ1コーナーあたりから
Google Photoさん作成のパノラマをとりあえず並べる

 そして、最後に。
 ふとネットサーフィンしていたところ……なんと、私が昌原競輪場を訪れた翌日の2023年11月12日、昌原競輪でシステム障害が発生していたようです(旅打ち競艇ブログ様:昌原競輪でシステム障害)。
 これ、システム障害が起きてる現場に居合わせたら当然自分はパニクってただろうし、レースも充分に見られなかった可能性があるんだよな。そして、私がたまたまネット廃人でネットサーフィンしてたからこのことに気付いたのだけれど、普通に真面目に暮らしてたら翌日のシステム障害のことなんて気付くはずもないわけで、なんというか、自分の幸運というのにはなかなか気付かないのだよなあ、と再認識したのでした。

 そんなわけで、昌原競輪で勝ちをおさめたので、場外を見ることなく昌原競輪場をあとにします。お疲れ様でした。

14.5 昌原競輪場の外部

 外に出ました。スロープを降りて、ぐるっと外周を回ります。
 1階は健全な一般市民向けのスポーツ施設になってそうな雰囲気でした。また、選手の控え室も1階にあるようです。

外観 自転車文化センターと広報館とあります
私には入る勇気はありませんでした。
正面入口 ゆるキャラ的ななにか 外観
案内板 横にある特徴的な外観の建物
水泳プールのようです
インスタ映えするかもしれない
自転車のモニュメント
競輪ドームを正面から 自転車の練習コースも設置されております


 では、ここで競輪場の敷地をあとにして、一服しにいきます。このあとのサッカーに向けて、しばし休息です。


昌原競輪場訪問記 /昌原でサッカー


韓国旅行記2023(浦項遠征2023)


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