エイエムオペラオー

 ときは2023年1月の某週末。ぼーっと「次の日曜どこに行こうか」と考えていました。もちろん、中山に行ってもいいんですが、ふとYouTubeを見ると、オペラ座展なるものを紹介されている動画に行き当たりました。
 オペラと言えば、皆さんが思い浮かべるであろうことはナリタトップロードの天敵・世紀末覇王テイエムオペラオー、あるいはその父オペラハウス。あるいは、メイセイオペラを思い浮かべる方もおられることでしょう。

 私とオペラの関わりでいうと、私は何故か海外に行くと変なテンションになって劇場に乗り込む癖があり(酒が飲めないから夜の暇つぶしとして劇場は最適)、そこで何回かオペラを鑑賞したことがあります。もちろん、イタリア語なんて知らんですし、雰囲気を味わって何か偉くなった気分になるだけです。もちろん、何も偉くありません。どれくらい分かってないかと言えば、そもそも昨年(2022年)オーストラリアで自分が見たオペラの題名を忘れているレベルです。分かってないなんてレベルじゃありません。っv

 もう1つ、オペラといえば、オペラ座の怪人。ファントムオブジオペラです。カタカナにすると変な感じですね。Phantom of the Operaです。
 こちらは、私がガキでなにも分かってない時代にアメリカで鑑賞し、物心ついた2016年にロンドンで鑑賞してます。観賞してる場所がまあ雰囲気優先で何も分かってない感出ていて、ニワカ感あふれてます。また、ミュージカルのカセットは親が何回も家で流してましたし、私もCDを買って仕事中のBGMで流してたりもします。これ、英語を分かってない奴が英語で聞いてますから、当然ストーリーを全く理解してません。どれくらい理解してないかというと、怪人とクリスティーンが出てきて何かやってる、どうせ怪人がクリスティーンに惚れてるかなんかなんだろう、というレベルで、Wikipediaを見るレベルのことすらしてません。これは一回日本語版の何かを見てストーリーを理解したいんですが、なかなかそこまで手が回らないのであります。

 こんなレベルですから、「オペラ座の怪人」の「オペラ座」が何なのかなんて、考えたこともなかったのであります。さすがに星座だとは思ってませんでしたが。

 はい、そんなレベルの奴が、今さら一体何をしに行くのか。暇つぶし以外の何者でもありません。そんな人間を動かすのですから、YouTuberさんというのは偉大です。YouTuberさんの偉大さに比べて、こんな恥を全世界にさらしてもなんとも思わない自分が以下に小物であるか、ということですよ。あ〜お恥ずかしいったらありゃしない。

 てなわけで、やってきました、アーティゾンミュージアム。京橋にこんな場所があるなんて初めて知りました。石橋財団とか言ってるので、ブリジストン関係じゃないかと思いますが、違ってるかもしれません。


 一応、オペラ座展は原則撮影OK、撮影禁止マークが出ているものは撮影禁止、という触れ込みで集客していたんですが、撮影禁止マークがついている作品が圧倒的多数。基本的に、アーティゾンミュージアム所有作品と国内の美術館から借りてきた作品は撮影OK(とはいえ、よく見たらポーラ美術館からの貸し出し作品はNGだった)で、パリから借りてきた作品は全面的に撮影禁止でした。撮影の許否でレンタル料変わったりするんでしょうかね??


 そんなわけで、残っているのは解説ボードが中心であります。まずは前半戦。解説については、あとで読むために頑張ってアップしてますが、果たしてあとでちゃんと読むのでしょうか。頑張れ未来の自分。


階の移動ついでに
吹き抜けを見下ろしてみる

 脇に行けるコーナーがあり、ここにも簡単なテーマ展。

パリの観劇をめぐって 作家とオペラ座 オノレ・ドーミエ「観劇」
アンリ・ド・モントー「オペラ座のフォワイエ」
一体何を観劇してるのか
ジャポニズムとオペラ座 テオフィル・アレクサンドル・スランタン
「夢(ル・レーヴ)のポスター」

 そして、階を移動して後半戦。最初に見たこやぎ先生の動画で熱量を持って紹介されていたドガの絵は、アーティゾン美術館が保有しているものもあったために撮影ができてちょっと嬉しかったり。普通にネット検索すれば出てくる絵(しかも自分が片手間で撮るよりも圧倒的に上質な写真)なので撮影できたところでなんてことないんだけれど、なんか変な所有欲なんですかね、これは。

第3幕へ グランドオペラの刷新 ドガとオペラ座 エドガー・ドガ「踊り子」
エドガー・ドガ「踊りの稽古場にて」 エドガー・ドガ「舞台袖の3人の踊り子」 激情を描く画家たち
エドゥアール・マネ「オペラ座の仮面舞踏会」 エドゥアール・マネ「オペラ座の仮装舞踏会」 ヴァーグナーの美学 第4幕へ
バレエ・リュス 近代芸術とオペラ座 画家・デザイナーと舞台美術 演出家と振付家のオペラ 映画とミュージカル エピローグ

 当日私が残したメモは以下の通り。今回は少なめです。「いい雰囲気」って、もはや感想でもなんでもないだろ、という気もするけど。

iv-37(ラウル・デュフィ「パリ」)
→ 馬を探すが、いなかった

ii-57,58,59(ジョゼフ・ティエリー 『エルキュラノム(ヘルクラネウム)』第2幕第2場の舞台美術、シャルル= アントワーヌ・カンボン 『ドン・ジョヴァンニ』第1 幕の舞台美術、フィリップ・シャプロン 『ラオールの王』第5幕第1場の舞台美術)
→ 今でも通用するSF感 
iii-13(レオン・ボナ 「サランボーを演じるローズ・キャロン」)
→ パワフル美人
iii-38(エドゥアール・ドゥバ=ポンサン 「オペラ座桟敷席のシモーヌ・ドゥバ= ポンサン」)
→ いい雰囲気
iii-30(ウジェーヌ・ジロー 「オペラ座の舞踏会」)
→ リアルなパーティー的雰囲気。酷くよい

iv-8(ジャック= エミール・ブランシュ 『シェエラザード』のイダ・ルビンシュタイン)
→ 是も雰囲気がよい。いい感じにきらびやか

 それぞれの絵がどんな絵だったかは当然既に記憶からぶっ飛んでおりますので、あとで検索します。

 オペラ座展は以上にて終了です。
 引き続き、アーティゾンミュージアムの常設展?なのでしょうか、石橋財団コレクション選を見ていきます。こちらは全般的に撮影OK(何枚か不可なものがあったかな?)。記憶の喚起に役立ちますね。


 コレクション選で一番良かったのは藤島武二さんの絵です。はい、もはや繰り返しになりますが、BTさんに連れられていったテート・ブリテンで分かった、自分は「絵ではなく単に若い女性が描かれてるものが好きなだけ」だということの繰り返しであります。ほんと、我ながら酷い。

 いくつか気に入った絵や有名所の絵が写真に残されております。「馬の頭部のある静物」、ってのもなかなかインパクトがありますね。

メアリー・カサット
娘に読み聞かせるオーガスタ
ポール・ゴーガン
《馬の頭部のある静物》
フィンセント・ファン・ゴッホ
モンマルトルの風車
狩野典信「松梅図屏風」 アンリ・ファンタン=ラトゥール
《静物(花、果実、ワイングラスとティーカップ)》
ポール・セザンヌ
《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》
パブロ・ピカソ
《腕を組んですわるサルタンバンク》
パブロ・ピカソ 女の顔
クロード・モネ 黄昏、ヴェネツィア 睡蓮の池 睡蓮
クロード・モネ アルジャントゥイユ アルジャントゥイユの洪水 雨のベリール 岸田劉生 《麗子像》
草間彌生 無題(無限の網) パウル・クレー 《羊飼い》

 そして、藤島武二2作品。やはりお前は女性にしか興味ないんだろ、と言われたらぐうの音も出ません。

黒扇 東洋振り

 てなわけで、オペラ座について学ぼうと思ったら、最後に結局はいつも通り女性の絵を見て満足した、というどうしようもない一日でありましたとさ。おそまつ。



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