High Touch & Shake Hands
NP
今は昔、阪神3歳牝馬Sで、NP本命のアインブライドとハマ本命のキュンティアが豪快なワンツーフィニッシュを決めました。ちなみに、「1996年デビューの騎手の中で最も早くJRAG1を勝ったのは福永祐一である。○か×か。」という問題を出したら、3割は確実に間違える。答えは×。古川吉洋です。
このレース後、古吉と亮のハイタッチが一部評論家のバッシングを呼びました。「負けた奴が何を呑気にハイタッチなんかしとんねん。悔しがらんかい!バーロー!」ってな内容でした。
それから1年後、ショッキングな出来事が起こりました。朝日杯3歳Sで、勝ったロバーツが、2着に突っ込んでしまった武豊に手をさしのべ、両者は健闘(まぐれ)をたたえあう握手をしたのです。レース後の武豊のコメント。「引きずりおろしてやろうかと思いましたよ(笑)」言葉尻だけは全く悔しがっていません。
さあ評論家!!いまこそバッシングだ!!と僕はひそかに期待しました。
が、やはり評論家のレベルはその程度でした。ロバーツと武豊、月とスッポン人気ジョッキーの批判なんざ、できるはずがありませんでした。全く反応がなかったのです。いっそのこと、「健闘をたたえあう男の友情は美しかった」とでも書いてくれればまだ面白かったのですが、無反応でした。期待した僕のおろかさが身にしみて感じられました。
本当に騎手たちに奮起を促したいのならば、古吉や亮を批判するより、ロバーツや武豊を批判したほうがよっぽどかインパクトがあります。なのに・・・なぜ何も言わんのだ!!
もちろん、言葉・表情と心の中身は違うでしょう。でも、亮の心の中について言及した人なんて見ませんでした。また、同じ「G12着」でも、状況、着差などで、騎手の気持ちの持ちようも変わってくるでしょう。片方を批判して、もう片方を批判しないのなら、そういうことに言及すべきでしょう。
で、個人的にハイタッチや握手はやったっていいと思います。僕も、G12着に似た境遇になったことがありますが、ハイタッチや握手をする側・される側の気持ちもよくわかります。一方で、そういうものを見てむかつく人の気持ちもわかります。
でも、悔しさの表現方法なんて、人それぞれだし、1日後、1週間後、1年後にこみ上げてくるものだったあるんだし、ハイタッチや握手した、ってのと騎手の心の持ち方ってのは全然イコールじゃないと思う、ので、何やってもいいんでない?
『白馬』19号掲載・大幅改定
追加
2000年の安田記念でも外人ジョッキー2人がハイタッチしてたね。