コイントス
G1の底力?
標題はコイントスではありますが、半分以上はナリタトップロードとの絡みであります。これは筆者がトップロードファンであることに由来するものであります。ご了承ください。
というわけで、早速ナリタトップロードであります。ナリタトップロード、この馬は言うまでもなく菊花賞を勝ったG1馬なのでありますが、「G1を勝てる馬」と「G1を勝てない馬」を区分けする、非常に便利な馬でありました。つまり、トップロードはそういう「微妙な」馬だったのであります。こんなことを書くと、トップロードファンに「トップロードはもっと強い!舐めるな!」と怒られそうでありますが、その辺はお許しを。この文章は、そういう前提の下に進みます。
名付けて、「サッカーボーイの法則」!!
というわけで、まずはこの「サッカーボーイの法則」の説明。
なぜ「トップロードの法則」ではなく、「サッカーボーイの法則」なのか、という点は後述。
では。どう区分けされるのか。
(1)古馬になってから、(2)ナリタトップロードが力を発揮した(惨敗していない)G1で、トップロードに勝った/負けたという区分けであります。条件が(1)・(2)の2つくっついているあたりが、胡散臭さ満点であります。所詮そんなもんです。胡散臭くないデータがあれば、とっくに大騒ぎされてます。
では、この2条件を見事クリアするレースを挙げてみます。
2000年
天皇賞春 12頭立2人気3着→○
天皇賞秋 16頭立2人気5着→重馬場なので×
有馬記念 16頭立3人気9着→×
2001年
天皇賞春 12頭立2人気3着→○
ジャパンC 15頭立5人気3着→○
有馬記念 13頭立4人気10着→×
2002年
天皇賞春 11頭立1人気3着→○
天皇賞秋 18頭立2人気2着→○
ジャパンC 16頭立2人気10着→×
有馬記念 14頭立4人気4着→○
というわけで、○をつけた6レースが該当します。この時点で、異論が出てきそうですが。というか、条件を「3着以内」にすればよかったんではないか、と今、これを書いていて気付きました(ついでに、このレースは稍重だった、ってのもポイント高い)。しかし、その条件にしてしまうとコイントスが対象外になり、一体コイントスのG1制覇を夢見てきた僕の立場はどうなるのか、という大問題が生じてしまうので、ちょっとそこには気付かなかったことにしたいと思います。
さて。では、それぞれのレースでトップロードに先着した馬を挙げていきます。勝利馬は有無を言わさずG1馬なので、書く意味がないのですが、書いた方がレースのイメージがつきやすいと思うので、書きます。
2000年
天皇賞春:テイエムオペラオー、ラスカルスズカ
2001年
天皇賞春:テイエムオペラオー、メイショウドトウ
ジャパンC:ジャングルポケット、テイエムオペラオー
2002年
天皇賞春:マンハッタンカフェ、ジャングルポケット
天皇賞秋:シンボリクリスエス
有馬記念:シンボリクリスエス、タップダンスシチー、コイントス
まず、突っ込みどころとしては、2000年2着のラスカルスズカが挙げられます。
続く突っ込みどころとしては、「結局ナリタトップロードにG1で先着した後に初めてG1を勝ったのはメイショウドトウとタップダンスシチーだけではないか」という点が挙げられます。
どちらも、特に前者はかなり致命的な突っ込みであります。
ラスカルスズカがG1を勝てなかったのは、単純です。騎手です。…あ、いや、もちろん、天皇賞でトップロードに先着したのは、騎手の実力によるものであり、本来の馬の力はトップロードよりも下…ゲホゲホ。であるからしまして、決して騎手が悪かったからG1勝てなかった…ゴホゴホ。
まあ、実際問題として、トップロードに先着して以降、G1に出ていないからG1を勝ってないだけで、G1に出てたら勝ってた、ということができるかもしれません。う〜ん…オペラオーに勝たなきゃいかんのだよな、素直な路線を考えると。…苦しい。
では、その逆、各レースでトップロードに先着された(=負けた)馬を列挙していきます。とはいえ、全部挙げるときりがないので、有名どころだけ。
2000年
天皇賞春:ステイゴールド、ホッカイルソー
2001年
天皇賞春:マックロウ、アドマイヤボス、イブキガバメント、エアシャカール、セイウンスカイ
ジャパンC:ステイゴールド、メイショウドトウ、アドマイヤボス、トゥザヴィクトリー
2002年
天皇賞春:ボーンキング、サンライズペガサス
天皇賞秋:サンライズペガサス、エアシャカール、トーホウシデン、イブキガバメント、エイシンプレストン、ツルマルボーイ、ロサード、テイエムオーシャン、アグネスフライト
有馬記念:ファインモーション、ノーリーズン、ジャングルポケット、エアシャカール、ヒシミラクル、アメリカンボス、イーグルカフェ
太字に下線を引いた馬が、トップロードに負けた後、G1を勝った馬であります。
こっちの例外は説明が簡単です。
この2頭は、いずれも血統表にサッカーボーイの名前が踊っております。はい、この法則を「サッカーボーイの法則」と名付けた理由が分かりましたね。サッカーボーイの子孫は、トップロードの呪縛から逃れられるのであります。なぜ逃れられるのか、という点については、なんら合理的な説明はできないのでありますが、そこは「やっぱり競馬は『ブラッドスポーツ』なんだなぁ」とつぶやいていただけば、納得いくのではないでしょうか。いきませんね。でも、そういうもんなんですよ、競馬って。いやぁ、競馬って本当に素晴らしいですね。
あと、もう1点、ステイゴールドの存在に気付かれた方がおられるかもしれません。この馬については、「日本でG1勝ってないだろ」と反論すればそれで片が付くと思います。つきませんか。ステイゴールドファンからの罵声が聞こえるようであります。でもまあ、トップロード基準に図るのは「日本のG1」馬の資格でありまして、レベルのよく分からない海外のG1をトップロード基準で図っても仕方がないのではないでしょうか。これで許してください。
で、まあご覧の通り、サッカーボーイの子孫以外の、「G1で力を発揮したトップロードに負けた馬」は、G1を勝っていません。
ここで、予想される突っ込みをいくつか取り上げます。
1。「なぜトップロードには『力を発揮した』という条件が認められて、トップロード以外の馬には『そのレースではたまたま力を発揮できなかった』という例外が認められないのか」
2。「トップロードと対戦する前にG1勝ってる馬はたくさんいる。トップロードに先着した馬がG1級、負けた馬が非G1級というのはおかしいのではないか」
…いずれも、当を得た突っ込みだと思います。反論の余地はございません。でも、実際、こいつらはG1勝てなかったんだからいいだろ、と結果論を振りかざしたいと思います。一応、馬券的にも役立ったしね。これが大事な点です。でも、テイエムオーシャンはちゃ〜んとG1で単勝買ってましたよ。わたしゃ本田先生のファンですから。でも、他は買ってません。つーても、この法則に気付いたのは2002年の天皇賞秋以降ですが。でもまあ、ファインモーションあたりは買わずに済んだし。もともと買う気なかったですが。
え〜。これだけぐだぐだな「サッカーボーイの法則」。いったいここまで読み進んでいただけた人は何%いるのでしょうか。
では、いい加減コイントスの話題を。
まあ、そんなこんなで、コイントスは見事「サッカーボーイの法則」の条件を満たしたわけです。というわけで、僕は、コイントスのG1制覇を夢見ました。
まさか、重賞を1勝もできないまま引退するなんて、考えもしませんでした。あれ、でも、なんかラスカルスズカとの共通点が見えてきましたね。今更気付きましたよ。あっはっは。
成績表を見て思うのは、「G2をよく走っている」ということでしょうか。全26戦のうち、11戦がG2であります。うち、2着4回、3着4回。イマイチな馬、というイメージはありますが、たとえばロイスアンドロイス的な「常に3着」・「常に掲示板の上の方だけど『上』ではない」というイメージはあまりありません。世間的にはあるのかな?
そういうイメージのためか、「重賞を勝ちに行く」という作戦をとっていれば、おそらく重賞を勝つことはできたのではないかと思います。G3でも4戦して2着3着がそれぞれ1回ありますが、G3なら勝てたんではないか、という気がしてしまいます。
もう1つ気付くのは、3走しているG1は、全て有馬記念だ、ということです。なんとなく、「藤沢厩舎の馬房数」という現実的なキーワードが頭をよぎりますが、そういう生々しい話を忘れると、「コイントスはファンから愛されていた!」ということがいえるような気がします。……しませんね。コイントスのいない有馬記念に寂しさを感じる人がいるとしたら、それは単なるコイントスファンです。でも、そんな有馬でも3回走って掲示板が2回です。立派なもんです。藤沢厩舎にいるから目立ちませんが、他の厩舎にいたらもうそれはそれは立派な一番馬ですね。
まあ、そんなこんなで、コイントスを取り上げてみたわけですが、改めてこの馬を見返してみると、まあそりゃタップやドトウよりもラスカルスズカに近いですな。でも、有馬記念でそこそこ頑張ったことから考えても、何かの間違いでG1勝ってもおかしくない馬だったんではないか、と強弁したくなります。苦しいのは分かってますが。
おしまい。