ノースガスト

 ノースガストが死去してからおよそ1年(命日は平成15年10月7日)。
 ノースガスト、僕の中ではモンテ世代の菊花賞馬、という位置づけで、それ以上でもそれ以下でもないのですが、北海道に旅行した際、ノースガストに会うことができ、また、それがきっかけでメジロアシガラやウズシオタローにも会うことができた、という意味で、非常に思い入れがあります。

 さて、ノースガスト。
 菊花賞馬であります。
 神戸新聞杯優勝→京都新聞杯2着→菊花賞優勝
 という、秋のサクセスロードをまっしぐら。
 今知ったんですが、菊花賞は5番人気だったんですね。まあ、モンテの1番人気はいいとして、タカノカチドキ、ウエスタンジェット、リンドタイヨーと続くんですね。
 まあ、当時の状況がどんなもんだったのか、僕には分からないので、なんとも言えませんが、もしかしたら単勝握ってた人にはおいしい馬券だったのかもしれません。
 血統にはとてつもなく疎いんでよく分からないのですが、父のアラナスってのはどういう種牡馬だったんでしょうか。距離が嫌われたのかな?主な産駒はほかに小倉大賞典を勝ったダイカツケンザン、母の父としてキョウエイタップ・・・う〜ん。イメージがわかない。でも、サイアーランキングでベスト10入りしたこともあるみたいなんで、種牡馬として外れてはいないんだろうな。
 母の父はミステリー。パーソロンの全兄ですね。

 …現役時代への思い入れの薄い馬だと、どうしても文字データから振り返るしかなくなってしまいます
 ノースガスト、言うまでもなく、待ちに待った晴天良馬場の菊花賞で、先行抜け出したモンテプリンスを差し切り、モンテに「無冠の王子」という称号を与えた馬であります(「無冠の王子」っていう表現自体はあまり見ないけど)。
 菊花賞優勝時の馬体重は422キロ。僕の記憶する限り、確かこれが菊花賞最軽量優勝だったような気がします。ちょっとはっきりしませんが、昔ライスの馬体重調べてたときにそんなことを思ったような記憶がうっすらとあります(ちなみにライスは438)。
 ま、こういう軽量の差し馬ってのは気持ちのよいものです。いや、単にライスが好きなだけだけど。

 それはともかく、オーシアンファームで見かけた彼は、さすがに年齢からくる衰えは隠せませんでしたが、悠々自適に、一人で放牧地を占領する特別待遇を受けておりました。これは菊花賞馬だからなのか、年寄りを若い衆の中に混ぜると危険だからなのか、それとも実は暴れん坊で危険だからなのか、僕には分かりませんが、とにかく、のっしのっしと歩く彼は、平和に余生を過ごしているように見受けられました。いや、平和な余生をぶちこわした見学者はお前だろ、とか、お前らが邪魔しなけりゃもう少し長生きできたぞ、とか言われるとぐうの音も出ないんですが…
 とにかく、端から見ている限りにおいて、ノースガストは牧場の方々に見守られながら、平和に過ごしていたように見受けられました。
 傍観者からいたしますと、死去は当然残念ではありますが、まあこれも天命。あの世で幸せに暮らしてくれたら、と思う次第であります。

もどる