ギャロップダイナ

堅実君

 ギャロップダイナ…あのルドルフに勝った馬。7才の有馬で2着に入って、ダイナ親子丼を決めた馬。一般人の彼に対する知識は、まあこんなもんだ。少し詳しい人は、安田記念を勝った馬。とか、海外で2戦2敗。とかいうことまで知ってる。
 で、クイズ100人に聞きました。(実際に100人に聞いたわけじゃねーかんな。「クイズ俺に聞きました」だぞ。)

「ギャロップダイナは強いとおもいますか?」
 おそらく、4:6、あるいは、3:7で弱いが優勢だろう。現に、JCや有馬じゃルドルフに完敗してるし。
「ギャロップダイナはスターホース、ギャグホース、どっち?」
 おそらく、2:8〜1:9、場合によっちゃ2:98くらいで、「ギャグホースだ」ってことになるだろう(0:100か?)。世間の彼に対するイメージは、「本当のところ強いか弱いかわからんギャグホース」ってとこだろう。

 でも、本当にそうか?いや、別に、多分そうなんだけど、あながちそうともいえないぞ。
 あまり知られてないが、Gダイナは、上に岡部を乗せて勝ったことがある。まあつまり、岡部は、大昔に捨てた馬に負けたってわけ。
 で、その昭和59年の春シーズン、彼は正真正銘の上がり馬であった。400万条件勝って、800万条件を順に5、2、2着。昇級4戦目で勝ちあがって、1300万武蔵野S2着。続く1300万、降級して800万、OPの道新杯と3連勝。ここから翌年の道新杯まで勝ち星はないが、その間掲示板をはずしたのは僅か一回。恐ろしい堅実ぶりだ。安田記念でも、ニホンピロウィナーから0.5差。距離が2000に伸びたら、逆転可能、っていったら可能だ。
 ってなわけで、マジで逆転。天皇賞(秋)を制したギャロップは、JCへ。ルドルフに差を13倍にしてかえされたが、一応7着で賞金GET。そして有馬は、何と3番人気。ミホシンザンの次だ。そして5着。NOT BAD な成績である(NOT BADでしかないという噂も無きにしも非ずだが)。
 翌年、東京新聞杯では1番人気で優勝。京王杯SCでは1番人気を裏切るも(それでも4着)、続く安田記念は1番人気で見事優勝。G1 2勝目。ギャグホースらしさのカケラもない。
 海外遠征は大失敗だったが、一応ビリはない(フォローになってないか)。ちなみに、のちにスキーパラダイスが日本の恥さらし野郎を乗せて勝つことになるムーラン・ド・ロンシャン賞にも出走している。
 日本に帰って天皇賞。ここで何と4着に入る。このころの検疫は今よりはるかに長い1ヶ月半で、この四着はスゴイ。
 そしてJC。11番人気。全然評価されてない。で、見事に10着惨敗。日本で最初で最後の2桁着順。
 そんでもって、前年3番人気に推された有馬記念。なんと12頭立て11番人気。去年も一応掲示板に載ってたんだけど…。
 そして、社台の親子丼。ダービー馬とGT2勝馬。終わってみれば納得のいく結果だ。
 ギャロップダイナ。戦績。
  G1   2勝 2着1回 5着2回 着外2回 (日本のみ)
OP〜G2 3勝 2〜5着8回 着外0回 中止1回 (同上)

 ね、スゴイでしょ?OPからG2では、全部5着以内に入線してるのだ。ミホシンザンも、ダイナガリバーも、ニッポーテイオーも、ニホンピロウィナーも、スズパレードも、カツラギエースもこうはいかない。
 どうだ!!本格化後(OP走るようになってから)のギャロップダイナはムチャクチャしっかりした奴だったのだ!!
ただ、やっぱり、ルドルフに勝てるような馬じゃないような気がするが。   

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