ナイスネイチャ

どっちのタイプ?

 「イマイチ馬」には2パターンある。
@「今にもGT勝ちそうだったけど、結局勝てなかった馬」
A「なんかしらないけど、毎回GTだろうがなんだろうが好走する馬」

 基本的に、@からAへの都落ちが多い。@から晴れてGT馬になったのは、モンテプリンス、メジロライアン、タイテエムあたり。
 天性のAはロイスアンドロイス。他に、相手が強すぎたクラウンピラードやマチカネタンホイザらもこっちだろう。

 で、ナイスネイチャは、@からAへの都落ち組だ。
 4歳夏、骨膜炎による放牧から帰ってきたネイチャは、なでしこ賞2着の後、500万下→900万下→GV→GUと4連勝。小倉記念で古馬を蹴散らし、トウカイテイオーを除く同世代のトップホース、イブキマイカグラとシャコーグレイドを京都新聞杯で破ったのだ。まさにGT制覇は時間の問題かと思われたが…。
 2番人気で迎えた菊花賞。スローペースにはまって、岡部に(レオダーバンに)やられて4着。
 そして、ネイチャは鳴尾記念へ。天皇賞(春)2着馬、ミスターシクレノン以下を完封。GUなら余裕で勝てることを証明。残るはGT制覇のみ。
 2番人気で迎えた有馬記念。果たしてメジロマックイーンに勝てるのか?
 負けた。ダイユウサク、マックイーンに次ぐ3着。これがイマイチロードの始まりだとは、誰も思わなかった…。
 トウ骨骨膜炎で春を全休し、毎日王冠で復帰。1番人気に推されるが、ダイタクヘリオスのレコード勝ちの3着に敗れる。今思うと、「やっぱりね」ってことになるのだが、当時は誰もそんなこと思わない。「9ヶ月ぶりで3着なら上出来だ!!」と思うのはごく当然のことだ。
 天皇賞(秋)。マックイーンは回避。1番人気は、父と同じく天皇賞(春)から直行のトウカイテイオー。ネイチャは2番人気。さあ、2冠馬との初対決だ!!
 …が、ハイペースに巻き込まれ、一旦はヤマニングローバルとともに先頭に立ったが、失速して4着。勝ったのはレッツゴーターキン。有馬に続いて変な奴に勝たれた。でも、ダイユウサクといい、レッツゴーターキンといい、あんなローカルな奴がGT勝てるんだから、ネイチャなら…。
 というわけで、マイル3着のあと有馬。JC馬トウカイテイオーが1番人気。菊を勝ったライスシャワーが2番人気。3がヒシマサルで、ネイチャは4番人気。
 レースはスロー。有力馬が後ろのテイオーを意識して動かない。そして、パーマー逃げきり。またまた変な奴に勝たれた。(GT2勝馬に対してそれは失礼か)2年連続の3着。
 雲行きが怪しい。「もしかして、GT勝てないイマイチ馬かも…」だんだんそういう気配が漂いはじめる。
 そして、日経新春杯→阪神大賞典→大阪杯を、2、3、2着。かくしてネイチャはAのタイプに変身した。
 骨折明けの毎日王冠は3着。地力はあるのだ。
 そして、GT制覇最大のチャンス。マックイーンは引退。ライスシャワーは明らかに不調。で、2番人気。…が、落鉄で、2桁惨敗。
 もはや、ネイチャがGT馬になるなんて思えなくなってしまった。JC7着で、有馬はまたも3着。完璧なお笑いホースだ。
 その後、宮杯でウイニングチケットを破ったが、もはやそれまで。有馬は、ライスシャワーに3着記録を破られた。

 ナイスネイチャ…常にファンの期待と注目を集め、有力馬と互角に戦ってきた。彼に足りなかったのは何か?それが解らないからこそ競馬は面白い。

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