宇和島旅行記 その1(宇和島闘牛)

 2009年4月第1日曜日。宇和島では,闘牛が行われるとのこと。というわけで,宇和島に行ってきました。

 宇和島闘牛は年5回。歴史と伝統ある闘牛だけあって,7月場所なんかは金曜開催。行こうと思ってもなかなか行けるものではないので,チャンスがあれば早めに行かねばならないのでありました。
 12時ちょうどに開始,ということで,宇和海5号で11時30分宇和島駅到着。闘牛を見に行く観光客がどれだけいるのか,いるとして(ETC1000円のさなかに)どれだけ電車を使うのか,という不安はありましたが…簡単に自由席に座ることができ,しかも観光客の団体は内子下車。う〜ん,観光資源としての闘牛はそんなに人気はないのか…。

 まあ,そんなわけで宇和島駅到着。駅に出れば,闘牛場までの無料バスの案内看板くらいあるだろ,と思ってたのですが……。そんなものはどこにもない。予想外の事態にちょっと困惑。周囲を歩き回ってると,ロータリーの向かいに観光案内所発見。そして,その脇にそれっぽい集団とバス停。ビンゴでした。

 バスはなぜかガイドさんつき。人が余っているんでしょうか。会話を聞いていると,特にバスの時間は決まっておらず,ぐるぐる回って乗せる人がいなくなったらおしまい,という予定のようでした。いいですね,こういうまったり感。
 で,バスは10分ほどで闘牛場に到着。車社会だけあって,そこかしこに車が停められております。入場券売り場もそこそこの行列。なんか,前売り予約者は左側の窓口に並ばなければならなかったらしく,無駄な時間を使いましたが,まあいいや…。

 さて,入場。観客は,席数(席,といっても,1つ1つ区分けされてるわけではないですが…)に比べてだいた
写真だと客が多く見えますが,
NPがいる側は結構空いてました
い半分くらい入ってる感じでしょうか。
 そして,手頃な場所を探し歩いていると,貸し座布団コーナー(有料)が。そうです。ベンチは冷たく,闘牛は長時間。というわけで,おしりが冷えないように通の人はちゃんと座布団持参で見に来ているのでした。ううむ,奥が深い。
 まあ,4月だし,そこまで冷え性でもないので,座布団代をケチってしまいました。


 しばらくすると,12時になり,お偉い様方の挨拶の後闘牛大会開幕。
 相撲のような感じで牛が名前を呼ばれ,入場してきます。

 縄から解き放たれた闘牛が頭を突っつき合わせていざ戦いの幕が切って落とされます。

 ……ここで,お馬鹿NPは大事なことに気付きました。ルールが全く分かりません。どうやって勝敗を決めるのでしょうか。
 ……と思ってる間に,いきなり第1試合が終わってしまいました。これはやばい。あわてて手元のパンフレットを読み出します。
 どうも,逃げたら負け,という単純明快かつ非常に厳しいルールのようです。なるほど〜。
 そして,パンフレットによると,日本各地の闘牛も場所によってルールが異なるとのこと。場所によっては勝敗も決めないとか。ううむ。奥が深い。

 さて,戦いは次々と行われていきます。ルールが分かれば見るのも楽しい。
 持久戦になったりすると,20分以上意地の張り合いが続きます。司会のおじさんが「○○分経過しました。盛大な拍手を!!」と言って場内を盛り上げます。

 闘牛においては,おそらく牛の能力もさることながら,勢子さんの力量も大きいのではないかと思われます。(これも日本各地でやり方が異なるようなのですが)勢子さんは1頭につき1人ずつついて,横から声を掛けたり,場合によっては牛の頭の位置を調整?したりしてます。よく分からないんですが,勢子さんはどこまでやっていいんでしょうかね?多分,相手の牛を触るのは御法度だとは思うんですが,牛の動きによっては触っちゃうこともあるだろうしなぁ。
 そして,ある程度時間が経つと,勢子さんが交替します。単純に疲れるから交替しているのか,勢子さんが交替することで牛に違ったリズムを与えることができるのか,初見の素人には全く分かりません。
 それと,てっきり1頭の牛に決まった人がついているのだとばかり思っていたのですが,どうもそうではないようで,同じ勢子さんがいろんな牛と一緒に闘っていました。このへんの関係もよく分からないところです。

 まあ,そんなわけで,長期戦になるものもあれば,一瞬で勝負が決着するものもあります。勝負がついたかと思ったら,まだ牛が闘う意思を見せて闘いが再開することもあります。
 「逃げたら負け」ルールは,単純明快な分,「逃げない限り戦い続ける」ことができるので,素人にはなかなか勝敗の行方が分かりづらいです。

 それぞれの牛についても,大きさが違うのはもちろん素人目に分かりますし,なんとなく入れ込んでるのも分かりますが(どうも気合を乗せるために闘いの数日前から食事調整とか色々やるみたいですね),馬のように毛づやがいいとか悪いとかはあるんでしょうかね?気にしてませんでしたが,長期戦になったら手前を変えたりとかもしてるのでしょうか。

入場。入場時から手がつけられないほど暴れている牛,
というのはいなかった気がします。
闘いが終わった後,牛に縄をつけるのに苦労することも。 闘牛場の裏手には牛房(という表現を使うのかは知りませんが)があります。
ここで闘いの準備をしております。
闘牛シーン。暗いのと距離があるのとNPの技術が下手っぴなのとで,あまりいい写真がないです。

 入場も,牛によって(というか,オーナーによって?)は賑やかにラッパを鳴らしながら入場する牛もいます。どちらかというと,ファンサービスに近い印象も受けました。
 勝ったあとも,勢子さんによっては無反応なまま淡々と作業を進めているひともいましたが,人によってはガッツポーズをしたり,さらには子ども(オーナーか勢子さんの関係者?)を牛に乗せてたりもしました。これもどちらかというと,観光客が盛り上がるようにしてるような感じもしました。

 そして,最後の横綱戦後には,勝った牛との記念撮影ができるようになっていました。
 こういうファンサービスはいいですね。闘い終えた牛としては早く帰って休みたいのかもしれませんが。

勝利の雄叫び 最終戦終了後には,横綱と記念撮影が可能。
まあ,後ろ向きにしないとダメなのはご愛敬。

 そんなわけで,だいたい2時間半くらいの闘牛でした。
 第1陣のバスに乗れなかったのでプラプラしながらあちこち撮影してました。

入場口 大会規則。
牛券売ったら面白いだろうな〜などとたわけたことを考えておりましたが,
3条8項で厳格に禁止されております。
勝敗が全部当たったら記念品,くらいのことは
やってもいいと思うんですが,伝統と格式ある闘牛大会を前にして
そんな不埒なことを考えるNPが罰当たりなだけでしょう。
闘牛場
無形民俗文化財 場内入場の門を敢闘門と呼ぶのは競輪と同じですね。 牛運車。
牛が暴れないように,板を通したりして
複雑な構造になっております。

 バスは宇和島駅を経由して,宇和島バスの営業所まで。
 宇和島城には営業所の方が近いので,営業所まで乗りました。

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