フクノドネツク

 アビスパ福岡が、国立競技場にウクライナのシャフタールドネツクを招いて親善試合をするとのことです。
 私がこのことを知ったのは試合前日のことでした。専ら、この試合について全くと言っていいほど広報をしていないJリーグのTwitterアカウントへの不平不満が流れてきた、という感じです。

 色々疑問が出ます。なぜ福岡、なぜ福岡が国立で。シャフタールはこんな時期に何をしに日本へ。なぜシャフタールなのか。そのあたりの疑問が解決されませんが、とにかくアビスパが国立競技場にシャフタールドネツクを招くのであります。

 なお、なぜか暇を持て余していた私は、Togetterまとめをつくっています。同時並行的にサウジの遠征に行った際等にTwitter上でやりとりさせていただいた@CafeDoutorImoさんTogetterまとめをつくられておりました。まとめを作り慣れていない私のまとめよりも、こちらのほうがしっかりとまとまっておりますので、こちらをご参照ください。

 そんなわけで、自分が情報を入手していなかったのをJリーグの広報不足のせいにしているわけですが、色々な方の様子をネットで見ていても(また前述の方も)前日にこの試合のことを認知した、とおっしゃっている方も多く、Jリーグにはもっと出来ることがあったのは間違いないと思います。少なくとも、必死になって集客していた様子はどこにもない。試合の前後で色々と言い尽くされた感のある話ですが、ウクライナのクラブを招いて、岸田総理のコメント、上川外務大臣・駐日ウクライナ大使などの臨席がある試合への集客、もっとやるべきことがあったんじゃないかという気持ちは拭えません。

 で。私は、といいますと、当日券をネットで購入し(まあ前売りとの差額が少しでもウクライナのためになるのなら)、17時過ぎに職場を出て、17時45分ころに到着。例によって、国立競技場、立地が良すぎです。
 実は、当日券を購入する際、自分のまわりの席はかなり売り切れてました。なので、この試合のことは自分が知らなかっただけで、おそらくウクライナを思う日本国民が大量にチケットを購入しているのだと、思っていたのです。なので、早めにグッズ売り場に突撃しなければならない。一目散に、グッズ売り場へと向かいます。
 ……が。
 あれれ。人がいないぞ。どうなってるんだ。
 こちとら、ルヴァンカップ決勝の混雑とは言わないまでも、少なくとも真っ直ぐ歩けない程度の混雑と、物販でのそれなりの行列を覚悟してたわけです。それが、、、なんだこれは。末期の地方の競輪場よりも人がいないんじゃないか。大丈夫なのかこれで。

夜の国立 ポスター ウクライナ国旗色の売店 グッズ売店 デジタルサイネージ

 とりあえず、買ったのはアクキーとアビスパの月刊誌的なやつです。アビスパの月刊誌は、ルヴァンカップ優勝に触れているようだったので、これは負けた側として意地でも読まないといけない。

アクリルキーホルダー アビスパマガジン
アビスパマガジン

 そして、入場です。
 外のグッズ売り場がスカスカだったのは既に皆さんが入場済みだから……なんてことはなく、当然中もすっかすかでした。試合開始まで1時間あるとはいえ、大丈夫なのか、これ。

入場時に配布されたパンフレット 17時48分のコンコース 今日の試合
17時50分頃。ぐるっと撮影 17時52分頃。コーナー寄りに移動してぐるっと撮影
パノラマ 17時57分
角度を選べば誰もいないようにできます
記念撮影用の看板

 寒々しい空気(物理的にも寒かった)の中、アップ開始を待ちます。
 写真を見れば分かるとおり、徐々に人は増えてきました。寒いのは気温だけで充分。雰囲気は寒くちゃいけない。でも、やっぱりJリーグチケットの残席状況と現地の空席の多さが釣り合ってないぞ。もうCOVID-19の影響で1席あけとかやってないだろ。
 空席はさておき、こっちは動画撮るくらいしかやることがないので、ビジョンに出てきた両チームの紹介シャフタールドネツク側のアップ風景などを撮ってました。

何か準備されております 18時1分の福岡ゴール裏 選手が登場しました アップ開始
前の席にも人がきました
この売れ行きで、なんで座席がこうなるのでしょうか……

 ところで。
 この試合、なんで福岡なのでしょうか。国立でやるんだから、福岡でなくクリアソン……というには役者不足感があるので、FC東京なりヴェルディなり、ちょっと広げて両横浜なり川崎なりといった選択肢もありそうです。
 このあたりのこともよく分かってなかったのですが、おそらく試合前日あたりに目にしたのが、Jリーグカップ、いわゆるルヴァンカップチャンピオンという文字。ああ、Jリーグや天皇杯と違ってルヴァンに優勝してもACLへの切符が手に入らないから、代わりに日本を代表するチャンピオンとしてウクライナのクラブと対戦するのね。でももし浦和が勝ってたらこの大変なシーズンにもう1試合加わってたのか。
 ……というようなことを思ってました。現地でも、ルヴァンカップの優勝を記念した記念撮影コーナーがあったし。
 しかし、どうもそうではなく、福岡のスポンサーであり、賃貸業の世界において極めて大きな影響力を持つAPAMANと、APAMAN率いる全国賃貸管理ビジネス協会が主導してウクライナ支援のために試合が設定されたのであり、福岡にルヴァンカップチャンピオンの商号がついてきたのはおまけだったようです。なんだ、偉そうに「決勝組としてチャンピオンの戦いを見届けないといけない」とか思ってたのに、赤っ恥もいいところじゃないか。
 はっきりとしたことは分からないんですが、Jリーグ側の広報がかなり不足していたのは、このあたりのスポンサーがらみの何かがあったのでしょうかねえ。でも、最終的にJリーグチケットでチケットを売ってるんだから、やっぱりJリーグがもっと積極的に広報しなきゃいけなかったんじゃなかろうか。

 ちなみに、やはり不動産業界というのは政治力が強いようで、のちに出てくる岸田総理のビデオメッセージでもやはりこの試合をスポンサードした全国賃貸管理ビジネス協会は名指しで謝意を示されておりました。ウクライナ支援と言いつつ、日本の選挙も大切なのであります。

ようこそ!
私のような一般他サポは
歓迎されておりません

 そんなこんなで、選手紹介。例によって動画も撮影

審判団 シャフタールドネツク ルヴァンのトラウマが残る紺野 城後 田中達也
あれ、ルヴァンではどこにいた?
長谷部監督

 そして、いよいよ選手が入場して試合開始……の前に、様々なイベントが用意されておりました。
 まずはフィールドシート入場からの福岡社長インタビュー。部外者なので呑気に動画撮ってました。アビスパの社長さんはアパマンから来られている方ですね。まさに今回の試合のために奔走された方だと思われます。が、裏方インタビューがこうして表に出てきてるあたり、やはりこの試合の政治的な重要さを思い知らされますね。

駒込学園高校の皆様が
本日のお手伝いです
シート入場 フィールドシート入場 社長さん

 続いて、選手入場。そして、岸田総理のビデオメッセージ、上川外務大臣の挨拶、セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使の挨拶。特に、コルスンスキー大使はオール日本語でスピーチをされており、ウクライナ側でこの試合が重要視されていたことがよく分かりました。試合後にはゼレンスキー大統領からも3カ国語でこの試合へのコメントが出てたしね。
 他方で、全く存在感のない日本サッカー協会とJリーグ。これでよかったんでしょうか。どうもCWCに行っていた関係で色々と重役は日本にいなかったようですが。
 また、12月の寒い中、せっかくアップしたのに寒い中でイベントを立って見続けるのは選手的に大変じゃなかったのだろうか。浦和がこういう場所に出なくて正解だ。
 とにもかくにも、挨拶シーンも動画に撮ってみました。暇だったのです。

メイン中央の雰囲気 青と黄色のスモークが出ました 岸田総理のビデオメッセージ
上川外務大臣挨拶 コルスンスキー大使挨拶 ……に飽きたウクライナのこどもたち
始球式 動きがあると子供も
多少はピリッとします
ウクライナ国歌
さすが、国歌になると
子供たちもしっかりしてます
君が代は秋川雅史さん
秋川さんは高知で見て以来かな?
子供達の記念撮影 大人達の撮影準備中
金森は誰と何を話してるんだろうか
大人の記念撮影 ウクライナの子供達と
シャフタールドネツクの選手たち
シャフタールドネツクの記念撮影

 そんなわけで、試合開始の時間となりました。私の右手側があいかわらずすっかすかなのが気になります。
 まあ、なんとなく、スポンサーが買い上げたかスポンサーに割り当てられたかした座席が大量にあるのはここまでの流れで伝わってきましたが、当日券を買った身としては、なんか複雑な気持ちになりますね。

選手達がピッチ内へ すっかすかなんですが…… メイン下層は
ウクライナ側の中心部かな?
ここは盛り上がってました

 そして、キックオフ。アビスパからはアビスパオーレみたいなチャント。ルヴァンカップのときは福岡の応援は気にしてませんでしたが、第三者的な試合になるとそっちにも意識が向きます。
 てなわけで、動画を撮ってみた

キックオフ メンバー 城後を追跡してみた

 こういう一種の華試合は点が入らないと雰囲気が寒くなります。DF・GKには大変だけど。というなかで、ちゃんと?ゴールが決まりました。7分にシャフタールドネツクが先制。
 その後、福岡が2点決めて、前半は2-1で福岡リードで折り返し。

試合中、”Support Ukraine”の文字が ウクライナサポ 2-1で前半終了

 ハーフタイムです。最初は誰もいなかったコンコースにも人が増えてきました。フードメニューはやる気無さそうに見せながら「100時間カレー」なる謎メニュー。

メニュー トイレから戻ってきたら、どなたかの挨拶タイムになってました

 そして後半。
 53分、浦和が取れなかった福岡からの2点目を、シャフタールがとりました。2-2で同点に。
 また、田中達也も入ってきました。元気なようでなによりです。来年は浦和戦以外で頑張って下さい。

選手達が円陣を組みます さあ後半 福岡サポ
ウクライナサポ 田中達也が入った 田中達也

 試合はそのまま2-2で終了。皆様お疲れ様でした。福岡はこれでシーズン終了。浦和はまだCWCが残っております。今思い出してもとんでもないシーズンだ。
 試合終了時も動画を撮影

1万8114人。
思ったよりも入ったのはさすが国立
2-2で終了 ウクライナと日本の国旗がはためく 記念撮影
選手達から記念品の投げ入れ 挨拶のために場内を回ります シャフタールドネツクゴール裏

 そんなわけで、繰り返しになるけれど、JリーグとJFAの広報には疑問が残りつつも、こうした試合を実現できたのはよかったです。福岡的には、これを地元福岡で出来ればなお良かったんでしょうが、上川大臣を招くことを考えるとやはり国立開催にしないといけなかったでしょうから、このあたりは難しいですね。
 帰りがけ、ウクライナのグッズブースで絵はがき購入。2つセットで100円まけてもらいましたが、その100円はそのまま募金箱に投入されるのでありました。

サイネージ
アパマン版と
協議会版の2つあるようです
ウクライナのグッズ売り場
絵はがきを購入
悔しさをかみしめながら
これを眺める

 そんなわけで、ルヴァンチャンピオンの福岡の皆様、お疲れ様でした。
 そしてなにより、シーズン中にもかかわらず日本まで来て試合をこなしたシャフタールドネツクの選手の皆様、お疲れ様でした。今後の活躍を願っております。

🧡 Thank you, Japan! 🇯🇵🙏🇺🇦

🧡 ありがとう、日本 🇯🇵🙏🇺🇦#Shakhtar #Ukraine #Japan pic.twitter.com/n4qIb5tJfi

— FC SHAKHTAR ENGLISH (@FCShakhtar_eng) December 19, 2023


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