多幸あれ岸和田その1

 体育の日にからんだ3連休。
 多くの健全な日本国民は,スポーツの秋を満喫すべくスポーツに汗を流していたことと思います。

 不健全かつ中年中太り運動不足のNPとしては,どうせ汗を流すならスポーツを見つつ手に汗を握りたいなと思うわけであります。で,それならば,体育の日にふさわしく,日本の国技であり日本発祥のオリンピック競技である競輪を見に行けばいいではないか,という結論に到達したのであります。
 ・・・・・・というのはもちろん後付けで,3連休に岸和田で記念競輪やってるからいっちょ乗り込むか,程度のものであります。

 その程度の軽い気持ちでプラニングしていたため,移動手段も当日予約。いやまあ,前の週の水曜あたりから目星はつけてたのだけれど。
 が,狙っていたJRバスのドリーム号(新宿を23時台発)が,土曜日時点では残り2席だったのに当日は満席になっていたのです。いやまあある程度覚悟はしてましたが。で,代替手段としてはもう少し早いドリーム号,ツアーバスなんかもあったのですが,どうも今年(平成24年6月)に新規に運行開始になった大阪バスのニュースター号というのがあるらしい,ってなわけでそいつを予約。新しいバスであり,かつ,なぜか北区の王子発というよく分からない路線であるため,当日でも空席がありました。

 そんなわけで,ニュースター号。新規参入のため,バスは新しく,毛布もよくあるタイプではなくふかふかでした。
 乗ってから10分程度秋葉原のよく分からないキャバクラのCMが流れましたが,まあそんなの無視すれば足ります。
 いかんせん当日知った会社と当日知った路線なので,なんの予備知識もありませんでしたが,東京八重洲発ということで,東名高速を走るようです。前日までの睡眠不足が功を奏し,あっさりと睡眠へ。
 しかし,夢の中で,なんか長崎行きの高速バスに乗ったところ東京→大阪はフェリー利用で,「そんなフェリーあったっけなあ」などと悩みつつ,フェリー港では食事が出るのにバス出発まで10分しか休憩がなく,「なんでだよー」とがっかりしたところで,バスがサービスエリアに入って10分休憩。話がめちゃくちゃなのは夢だから仕方がないとして,10分休憩という現実設定を夢の中で引き継いでいたあたりに夢と現実の難しい関係が浮かび上がります。
 どういうルートを走っているのか全く分かってませんでしたが,綺麗なSAで,「静岡」とありました。東名も第二東名も走ったことがないのでよく分かりませんが,綺麗なので多分第2東名なんではないでしょうか。まあどうでもいいです。トイレに行ってバスに戻り,それからしばらく寝られずに苦労しましたが,その後は再度睡眠。

 バスは京都駅,大阪駅を経由して,NPは天王寺駅で下車。バスは東大阪布施駅へ。予約時に,この「布施駅」がどこにあるか分かってなかったので(今も分かってないけど),とりあえず確実な天王寺駅で降りることにしたのでした。

美しき「路線バス」アピール びっくりドンキーの裏に,怪しげなお城風建築物

 そんなこんなで,新今宮から南海に乗り換えて岸和田。
 まずは岸和田城を目指します。

南海新今宮 岸和田駅の天井はこんな綺麗になっております 岸和田へようこそ! 岸和田駅 よく分からんオブジェ


 ちなみに,前日に岸和田の観光サイトを見ていたら,だんじりが行われているようでありました。よもや記念競輪とだんじりがかぶるなんて思ってもいなかったので,ちょっとびっくり。重なっているなら日帰りではなく1泊2日予定を組み立ててだんじり見物を予定に組み込んだのですが……まあいいや。
 また,連続テレビ小説については,全く見ていないので「カーネーション」というドラマの存在それ自体を現地で知りました。どうも,岸和田が舞台だったようで,岸和田的にはそれなりにこれをアピールしているようでした。
 なお,念のため書いておくと,記念競輪の存在は全くアピールされておりませんでした。最寄りが春木だからって,岸和田駅でなにかアピールしてもいいだろうに。

 とりあえず,岸和田駅のヴィドフランスで朝食食べようと思ったら8時オープンだったので,まず駅前の岸和田天神へ行きます。

 神社には,だんじり関連のはっぴを着た人が相当数おりました。だんじりの仕組みを全く理解していないため,「何かあるのかな」程度にしか思いませんでしたが。なにしろ,日帰り旅行で岸和田観光と春木競馬跡地見学を行いつつ競輪場に行かねばならんのです。

鳥居 手水 逆光の拝殿
天神様といったら牛ですね! 由緒 由緒書
「沼天神宮」と名乗った際にどこから
「天神」が出てきたのかがよく分からない
報恩 小西翁の顕彰碑
「収益事業の経営にも多大な力」ということを
堂々と書くあたりが大阪っぽくていいな
ちなみに,どうやって収益をあげたのでしょう?
逆光の天神戎神社 美しい龍の彫刻
ここにも牛 逆光の愛宕神社 石を祀っている
末社 奥に,昔の社号碑が 鳥居 拝殿の中に

 そんなわけで,適当に見学して立ち去ろう(腹減った)と思っていたのでありますが。
 神職さんより,「8時20分過ぎにだんじりが来ますよ」という,とんでもないびっくり情報をいただいてしまいました。さらに,「拝殿欄干のあたりからだと迫力ありますよ」というありがたい情報も。さらに,東京者であることを明らかにした上で「今日はどこを回る予定なんですか」と聞かれた日には,「いやあ,これから春木競馬場跡をみて岸和田競輪へ」などと言えるはずもなく,「いやぁ,特になんにも考えずに来てみたんですよね」(←何も考えずにうろついているのはあながち嘘ではない)などというぼやかした回答をしてしまったのでありました。

 それはさておき,とりあえずもうすぐだんじりが来るというのであれば,しかも神職さんから「ここで見るといいですよ」とか言われているからには,それを無視して立ち去るわけにもいかず,とりあえず到着を待ちます。
 しばらくすると,見えてきました聞こえてきました。イメージしていた,「とりあえず落車してもいいから全速で捲る」姿は全くなく,むしろ丁寧に速度を落としてだんじり到着であります。
 あ,ちなみに「だんじり」ってのが御神輿の意味だと思って「だんじり到着」とか書いてますが,もし違ってたら恥ずかしいな。

入ってきました!!

 そんなわけでだんじり到着。
 特に拝殿に向かって何かするわけでもなく,あるいは大きな歓声が上がるわけでもなく,みんな落ち着いてしまいました。
 事前知識が皆無であるため,このあと何分後に何があるのかさっぱり分からず,ここでこれ以上時間をかけていられないのでNPはここで失礼させていただきました。
 それにしても,こんないい加減な人間に優しいアドバイスをくださった神職さんにはこころから感謝するとともに,いい加減な見物態度であったことに心の中で謝罪しておきます。
 でも,全く期待していなかったのに,いいものが見られました。もし夜行バスが違う便だったら,もしヴィドフランスが休日も7時30分開店だったら,これには立ち会えてなかったわけで,世の中ほんと巡り合わせですね。

 まあ,なんにせよ,だんじりと記念競輪が重なるってことは,警察の警備を分散できるってことであり,これすなわち競輪客がおとなしくなった(=年を取った)ってことだよなー。あとで分かるけど,実際に競輪場の中にいたのは民間警備員ばっかりだったし,交番も特に厳戒態勢はしいてなかったし。

 さて。食事をして駅の反対側へ。
 8時台なので商店街は閉店ムードでした。昼の12時でも閉店ムードの可能性も否定できませんが。
 で,朝ドラのカーネーション。どうもこの商店街の洋裁コシノが舞台だったっぽいのですが,見ていないと本当になんの感慨も浮かんできません。視聴率はかなりよかったっぽいことはさっき知りましたが。

岸和田駅逆側 城とだんじりのまち
……競輪は?
競輪ではありません。市民の輪。
はい,「輪」という文字に反応しただけですよ
からくり時計 商店街入口
こうやってシャッター街を
カムフラージュ
商店街の様子 はっぴ 洋裁コシノ ヒロインは誰?

 とまあ,そんなこんなで商店街を抜けます。
 で,大通り沿いのお寺を見物。まずは正覚寺。
 どうも大通り沿いが裏門らしく,脇道沿いに立派な山門がありました。その山門には「夜間猛犬に」という怪しげな札が貼ってありました。まあ消えている場所には赤字で「注意」と書かれていたのであろうことは誰でも想像つきますね。
 しかし,裏門から入ったNPはこれを知らず……思いっきり吠えられました。いやまあ,注意したところで吠えられたでしょうが。それにしても,あえて手書きで「夜間」と書いているのに,なぜ朝っぱらから吠えられないといかんのでしょうか。あと,「注意」したところでどうしようもないよね。鎖でつながれてないならまだしも。
 そんなわけで,鎖がある以上犬に噛まれる心配はないのですが,ひたすら吠えられると朝っぱらから近所迷惑なので,すぐに退散。

池田泉州銀行 向かいのビルに日光が反射して
へんな感じになってます
解説 正覚寺 元亀地蔵尊 なんとも
静かなたたずまい 本堂。工事中かな 徳本堂
新しいですね
山門 夜間猛犬に注意

 続いて,その横におわします高見観音観蔵院。
 写真を見る限り,節分の日には大きな賑わいを見せるようですが,この日は記念競輪の日,しかも2日目に過ぎないのでとても静かでした。
 和泉四国56番と泉南西国1番霊場の碑が建っておりましたが,検索してもそんな霊場ヒットしませんでした。あれれ。廃れた霊場なのかな。

解説 山門 内側から山門 相輪塔 脇におられる地蔵さん
霊場はよく分かりません
観音堂 観世音 美しい彫刻 逆側 読めない

 で,道を挟んで反対側には全面工事中のお堂がありました。解説が全く存在しないので,名前も不明。脇に置かれたお地蔵様がいなかったらスルーしてたことでしょう。このお地蔵様も道路側でなくお堂方向を向いているので,工事中は正面から拝めません。Google Mapさんによると,薬師院のようでありました。

工事中 工事を見守るお地蔵さん 痴漢が出やすいらしいです
「痴」って常用漢字じゃないんだっけ?

 ここから岸和田城に最短ルートで直行してもよかったのですが,たいした距離でもないので紀州街道を歩くことにします。さすが城下町らしく,路が直角に折れ曲がったりしているようなのです。地図によると門があったようなので,なにかあるかもしれないし(結果,看板すらありませんでしたが)。
 まったく事前知識を有していなかったのですが,Wikipediaさんによると,この紀州街道はだんじりが通って周囲を破壊していく(実はたいして破壊されないらしいですが),テレビでよく見る場所のようであります。へぇ〜。たしかにYoutubeで見ると,自分が歩いた見覚えのある風景だな。
 なお,事前知識が皆無だったために観光地図に書かれていた「やりまわしの難所」という言葉の意味も理解していなかったのであります。てっきり戦国期にここで突撃するのが難しかった(槍回し?)のかと思いましたよ。
 で,たいした距離でもなさそうなので欄干橋に向かいます。

 欄干橋はその歴史的意義はよく分かりませんが,まわりは小川と遊歩道が整備されていて,時間的余裕があったらゆっくり休みたくなる場所でありました。とりあえず立ち寄って正解だったな。

紀州街道 自然資料館 旧四十三銀行 解説
欄干橋 小川が整備されています 欄干 解説
紀州街道 こんな折れ曲がりがある。 枡形 だんじり倉庫かな? 曲がっておりますね

 で,しばらく進むと,「左こなから坂,右紀州街道」の石碑。こなから坂方面に進めばお城(注:石垣と櫓の意味。どこからどこまでがお城か,という議論は放置)が見えてくるはず!

まちづくりを考える会 右へ左へ 岸和田市道路元標 奥に見えるのがこなから坂
そんなにきつく感じなかったけれど…
解説

 てなわけで,その2へ。
     その2 その3 その4 春木競馬 岸和田競輪
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