やぶさかに宇都宮その2

7 宇都宮城

 そして,適当に自転車を走らせていたら,見えてきました宇都宮城。
 立派な水堀と,土塁上にそびえる櫓。あれ,おもったよりもしっかりしてるじゃないか。昔から本当にこんなに芝生で整備された土塁だったのか,ちょっと疑わしい気がするけど。
 まあ,期待以下なら文句を言いたくなりますが,期待以上なので文句も出てきません。


右側のブランコがナイス

 さて,ここまではよかったのですが……橋のところまで来ました。
 あぁー。たしかに,最初に見た地図でおほり橋が土塁の途中で止まっていて,どうなってるのか気にはなってなんだよな。それにしても,まさかこんな現代風のコンクリトンネルが土塁を貫いてるとは。ここだけ切り取ったら全く城に見えません。


市民の会があるようです

名付け親

この部分の折れ曲がりが
特徴的です

 この土塁部分に,簡単な解説用の部屋がありました。ここで5分くらい解説を聞きます。この現在の復元は,西の方の一部分だけを復元したものであるということです。櫓には鯱はついていなかったけれど,見栄えのために?つけた。もともと二荒山神社が先にあり,そのための城のため,門が北側にある非常に珍しい構造になっていた。……西側には橋すらなかったのか。う〜ん……。
 あと,これは全く知らなかったのですが,宇都宮って第2次大戦で大空襲受けてたんですね。
 そうこうしていると,先ほどの二荒山神社の行列が町を一周して帰ってきました。僕はさっき見たばかりだからいいんですが,ガイドさんが行列の到着に興奮しておりました。


 さて,僕はといいますと,せっかくだから櫓の上から行列を狙ってやろう,と思って意気揚々と土塁の上に向かっていったのですが……
 櫓は2階に昇れないというまさかの事態。結局,行列全体を上から眺めるという計画は破綻したのでした。


完全にグラウンドで
本丸跡地らしさゼロです

2階にのぼれない!

狭間から見るとこんな感じ

内側には窓がないんだな

 そして,最後に清明館。時間に底まで余裕はないですが,とりあえず入ってみました。
 入ると,ここもガイドの方がとても親切(ただ,中に人が余ってる感ありあり)。城に対する愛情がにじみ出てくる方でした。あわせて,帰り際に宇都宮城の本を買ったんですが,訂正箇所(と,訂正箇所がなおらない理由)も指摘してくれました。ここまで(これ読んだだけじゃどこまでかさっぱり分からんと思うけど)やる気を持って宇都宮城に接してる方がいるってのは素晴らしいことです。宇都宮城域自体は完全に市街地化されていて,正直これ以上どうしようもないんだろうとは思いますが,とりあえず今のスペースは長く続いてくれるといいですな。
 帰りがけに清明台の向かいを進んでいると,馬が休んでおりました。よしよし,この時間にここで休んでるならやはり3時30分で間違いなさそう。


8 琴平神社

 二荒山神社に向かう途中には琴平神社。海のないこんな所に琴平神社があるんだな。無駄なくまとまった風格,とのことですが,ビルに囲まれてあまり風格を感じられる余裕がないような気も。
 あわせて,パルコ脇に二荒山神社の下之宮。こんな場所にあるのか。凄いな。


9 二荒山神社・流鏑馬

 さて,いよいよ二荒山神社。鳥居の脇に人が並んでいます。あ,階段の上の拝殿前でやるのかと思ったら,こんな狭い場所でやるのね(←上に上がったことがないので上が広いのかどうか知らない)。
 で,流鏑馬といったら的に向かって矢を射るわけですが,肝心の的がありません。あれれ。ただ,明らかに向かって右手に人が多いので,おそらくこれはこっち側に陣取った方がいいんだろうな。明らかに意味ありげにテントで囲まれた場所もあり,最初はここに主賓か誰かが座るのかとも思ったんですが,どうも周囲の会話を聞いていると,ここに的が設置されるようです。ということは,的は1つなのか。
 しばらくすると,先ほどの行列が到着。馬は広場で休んでおります。パルコと馬という,なんともミスマッチな組み合わせです。


 そんなこんなで,射手さんが歩いて一往復(お清めみたいな感じなのかな?)したのちに,スタート。見事的中し,拍手が湧きます。距離も距離なのでそこまで凄いスピードが出るわけでも無いんですが,それにしたってちゃんと当てるんだからたいしたもんです。
 ところで,もともとコンクリの上に土をまいて馬場にしてますが,見たところ土の厚さってたいしたことがありません。これ,結構馬の脚に負担くるんじゃなかろうか。昔はどこに馬場があったのかな?あと,この至近距離で馬が走りますので,当然土が飛びます。どうもこの付近ではソフトクリームが売られているようで,ソフトクリーム片手に観戦されている方も多くおられましたが,一歩間違うとソフトクリームに土がかかる惨事が発生するので気をつけた方がよさそうです。
 2回目は失敗。ここで射手が交替します。そして,次の射手さんも2回挑戦しましたが,2回とも失敗。う〜ん,やっぱり難しいんだろうな。これでオシマイ。馬はどこかに向かっていきました。あれ,考えてみたらどこに向かっていったんだろうか。どこかに臨時の厩舎でもできてるのか。
 そういえば,流鏑馬ってなんのためにやってるんでしたっけ。4回中1回のみ成功ってのはいいことなんでしょうか??

 
馬糞は神職さんが片付ける

 で,いよいよ参拝……の前に,思ったよりも早く流鏑馬が終わったので天皇賞に間に合いました。ただ,さすがに拝殿の真ん前で音出して見るのも気が引けたので,右奥の方に向かったら,ワンセグの電波が突然入らなくなる大惨事。バタバタするハメになりましたが,まあ外れたのでどうでもいいや。


10 蒲生神社

 続いて,蒲生神社を目指します。恥ずかしながら蒲生君平氏のことは知らなかったのでありますが,とりあえず有名人を追いかけるのみであります。
 で,蒲生神社の参道下に到達。カーブのあるトンネルの出口の前を渡らないといけなかったのでちょっと危ない。

 それはともかく,蒲生神社に向かっていざ登ろうかと思ったら,左手に「雷神社」という社号標と階段。ほほう,脇にもう1つ神社があるのか。というわけで,まずここに寄り道します。階段をのぼったのにまた降りてまた蒲生神社に向けて登らないといけないのが若干しゃくに障りますが。
 さて,はいっていくと,最初の「雷神社」(「ライジンシャ」なのか「カミナリジンジャ」なのかちょっと気になる)の社号標がやけにきれいだったのに比べ,中はあまり整備されておりません。
 まず,宇都宮市の案内板が眼に入ります。ここは御蔵山古墳という古墳で,中型の前方後円墳だとのこと。古墳に登ってしまうと,自分がいるのが前方後円墳なのかなんなのか分かりませんな。ところで,「前方後円墳」という五文字熟語は頭に入っており,これが政権の広がり・文化の広がりを示すとかなんとかいうことで習った記憶もあるんですが,結局関東に多いんでしたっけ,関西に多いんでしたっけ。このあたりの記憶が薄れて久しいです。
 そして,さらに上に上がっていくと,雰囲気はさらに怪しくなります。参道が獣道状態なのは別にいいとして,行く手を木が遮っております。もしかして雷神社の木に雷が落ちたのか!?これは何かの前触れか!?と若干不安になりつつも(ただ,多分雷じゃなく雨で土が流れて風で地面から木がえぐられたような感じです)なんとか木を乗り越えて進みます。


なんと書いてあるのか…

参道

ここを乗り越える

屋根は大丈夫なのか

根っこからえぐられてます

逆角度

 そして,また先ほどの分岐点まで降りて来て,また蒲生神社に向けて登っていきます。ああ疲れる。でも,このあとは風呂に入るんだから最後に汗をかかねば!
 登り出すと,まず見えてくるのがかわいらしいゆるキャラみたいな石像。下に「学」の時があり,左手には鉛筆。持ち方は怪しいですが。背中には夢の文字。解説が無いけれど,地元的には重要なキャラなのかな?
 で,平地に出ると,和算ついての解説。和算というと,松山伊佐爾波神社で多数の算額を見たりした記憶があります。ここも有名なんですね〜。


参道は結構力尽きかかってます

境内

学問の願いは蒲生神社が叶えてくれるでしょう
とのことですが,かなえるのは神様でなく
神社でいいんでしょうか…
 
燈籠がなんとなくいい雰囲気
 
ジャンボ滑り台は撤去されておりました

土俵もあります

11 さざなみ湯

 そんなわけで,観光終了。あとは1日の汗を流しにさざなみ湯へ向かいます。
 宇都宮も例に漏れず銭湯が破滅状態のようですが,裁判所からほど近いいい場所に銭湯が残っているようでなによりです。


 そんなわけで,宇都宮の汗を流し,仕事へと向かったのでした。

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