鎌倉十三仏めぐりその5

 前回は江ノ電40分待ちに敗れ去ったわけでありますが,今回は勝利するしかありません。ただ勝利を目指すのみ。いざ鎌倉。

 というわけで,ようやく最終回。もはや当初の目的はどこへやら,完全に全部まわることだけが目的になっております。よろしくないですね。いやまあ,当初から目的は全部まわるだけだったんじゃないのか,という気もしてますけれど。

番外38.江ノ電極楽寺駅と極楽洞

 残すは極楽寺と成就院。どういうルートを進むか悩んだ結果,極楽寺駅から歩くことにしました。
 江ノ電は大昔に親と乗って以来です。前回40分待ちという訳の分からない状態になったからには,さぞうらぶれた電車なのだろうと思ってたら,4両編成で幅もそこそこ広い奴でした。これが40分待ちになるって,どんだけ混んでたんだ。
 極楽寺駅はなんかの撮影で使われたかなにかで,お客さんが駅員さんと撮影について話しておられました。よく分からないのでそこはパス。また,極楽洞というトンネルは要石(キーストーンのことだな。富岡製糸場で勉強したぞ)が2つある珍しい構造のようです。なるほど。

 そういえば,前回野田の湯で,鎌倉は平塚なのか横浜なのかという疑問にぶち当たりましたが,電車内に旧ベルマーレ平塚のJ1昇格の広告が出ていたので,鎌倉は横浜でなく平塚だという結論になりました。


その12.極楽寺

 そんなわけで,極楽寺に到着。山門は,中央から入るのではなく,左右にある小さい門をくぐって入ります。茶室方式ですね。そして,境内撮影禁止なのでさくっといけます。いやもちろん最終日なので気合いを入れて,きちんと心経読んだりはしてますが(←ほかの日は読んでないことがあることをここに告白します)。そういえば,鎌倉の寺院ってお経読んでる人が全然いませんね。
 本堂の屋根と,その出っ張りに記された北条氏の家紋が印象的なお寺でありました。


番外39.導地蔵

 行きは気付きませんでしたが,極楽寺からの戻り道に,正面に地蔵堂がありました。どうも導地蔵という名前の地蔵さんのようです。解説は発見できず。あとで検索してみると,鎌倉24地蔵の1つにはいるような有名なお地蔵さんのようでした。


番外40.成就院

 鎌倉13仏の13番札所の名前が「成就院」というのはできすぎですね。まあ,いよいよスタンプラリー成就です。
 道路脇の階段を上がっていくと,成就院に入ります。

 ここは,先ほどの極楽寺とはうってかわって,なかなかに現代人に対応したお寺です。まあ,あまりお寺側に「パワースポット」という言葉を発してほしくないような…。そういえば,なんとなくの印象なんですけれど,チベットとつながりのあるお寺って現代人対応した面白いお寺が多いような気がします。サンプルがここと宮島大聖院の2つだけで多い,とか書いちゃうことに一抹の不安もあるけど。あ,あと確か長野にもなんかあったな。まだアップしてないからなんとかしないと。


分かりづらい場所に石標

西結界
逆側が「東結界」です

上からの眺め

山門

本堂

三鈷の松

護摩焚きとスマホ待ち受け
が並ぶというのも
興味深いな……

パワースポット案内

チベット招来仏
 
聖徳太子1300年御忌記念
ここでも不動明王像をアピール。どんだけー。

子安地蔵像と足元に子生石
 
縁結び不動明王像
期待感が高まりすぎていたために,
若干がっかりしたのは否めない

弘法大師

なで蛙

番外41.極楽寺坂切通

 さて,さっきは階段をのぼって成就院に入ってしまいましたが,もともとこの下り坂が極楽寺坂切通し跡とのことです。
 極楽寺坂切通しというと,大河ドラマでも新田義貞が大館宗氏の死に一言触れた場所として著名ではありますな。ここがしっかりしてたからこそ,稲村ヶ崎の伝説が生まれたんだよな。

 なお,このあたりは,成就院のせいで道を渡る人(しかも観光客)が多いのに,道は狭いわ坂だわカーブはあるわで事故が起きないのが不思議でならないです。鎌倉ってこういう道が多くて,地元民だったら車はできるだけ避けたいな……。


番外42.日限六地蔵

 「日限」と書いて,「ひぎり」と読むようです。松山市駅の「日切地蔵」を思い出しますね。
 あたりまえですが,もともとシャッターはついていなかったようで,盗難・悪戯が激しく,酔漢により破壊されたためにシャッターが設置されたとのことです。それにしても,なぜ酔った人間の犯行だと分かったのでしょうか。近くにゲロでもあったのか…。



その13.虚空蔵堂・星の井&成就院

 さて,さきほど成就院を番外扱いしたのにはわけがあります。鎌倉13仏,13番目は成就院でなく,虚空菩薩堂が正式。ということで,ここを訪れないことには終われません。なんか若干地図と場所が違っていて,無駄足を踏みました。
 狛犬が待ち構えていたりして,成就院とは違う雰囲気のお寺でした。そういえば,成就院は不動像アピールもいいけれどここも参拝するようにアピールしなくてよかったのだろうか。

 虚空蔵堂の下にあったのが星の井。正確には,星の井の上に虚空菩薩像をおいたので星の井上に虚空蔵堂がある,とかくべきか。鎌倉十井というものもあるようです。海蔵寺や明月院の中にもあるようで,これまで気付かずにスルーしていたようです。なので,今更これを追いかけることはしません。

 てことで,これにて無事全て十三仏の参拝を終えました。もう一度成就院に戻ってやることをやります。別に「虚空蔵堂にもきちんとお参りしたのか」チェックはありませんでした。


こっちが東結界

再度山門
 
なかなか現代人対応が進んでます
なお,マスコミ勤務の堀江さんにおかれましては,
寺院参拝の前段として「
神社巡りはあまりしない」と書くのは
いかがなものかと思う次第であります(おそらく「寺社」の誤記でしょうね)

 てことで,以下全て番外になります。

番外43.御霊神社

 さて,やることはやって心が晴れやかになったので(別にここまで心が曇ってたわけではないけど),純粋な観光客として動けます。てなわけで,有名どころとして長谷寺と鎌倉大仏を目指すことになります。その前に,御霊神社に寄ります。道ばたに看板を出して,「ここにも寄ってね」アピールをしております。
 で,矢印に従って歩いて行くと,鳥居の前に踏切。丁度電車が通るところだったので,写真を撮りました。すると,脇に「撮影される方へお願い」看板が。どうも定番撮影スポットのようです。神社前の踏切というと,パッと思い出すのはいなべの八幡神社。こうやってなんでもいいから思い出していかないと本当に忘れるから困ります。

 さて,御霊神社は,てっきりこぢんまりとした神社かと思っていたら,なかなかに広い境内と深い奥行きのある神社でした。長谷寺や大仏のついでとか舐めた考えですいませんでした。
 御由緒をみると,当初は鎌倉平氏の祖霊を奉祀していたが,のちに鎌倉権五郎景政一柱となったようです。どういう経緯でこうなったのかは分かりませんが,一般人目線からすると,祀る対象を変えてしまうともはや同じ神社とみていいのか疑問に思ってしまいます。でもまあ,神道ってそういう厳密なもんじゃないからいいのかな。鎌倉権五郎景政という人物についてちょっと検索してみたら,なかなかいろいろサイトがヒットしました。歌舞伎にも出てくるキャラのようですね。あと,大阪御霊神社も彼を祀ってるのか。なんと。全く意識してなかった。

 あと,この神社にも庚申塔がたくさんありました。鎌倉の庚申信仰って実はかなりのもんだったんじゃなかろうか。


矢印に従う

踏切作動中

電車と鳥居

線路は続くよどこまでか

お願い

弓立の松
 
袂石と手玉石

祖霊社

第六天社

福禄寿の面掛けは
見ませんでした
 
嘉永の大鳥居

秋葉神社

稲荷神社
 
神奈川名木100選の1つ,タブノキ

番外44.長谷寺

 さて,続いては長谷寺です。鎌倉で有名なお寺というと,円覚寺建長寺,そしてこの長谷寺です。あ,「有名な」というか,「自分が知っていた」という表現が正確ですね。なぜ長谷寺が有名なのかはよく分からんです。坂東33観音4番札所とのことですが,まあ1番の杉本観音を知らなかったのでそれが有名な理由ではないでしょう。

 有名寺院だけ合って,人が多い。ザ・観光名所という感じです。そして,その期待に応える入場券自販機。

 で,本堂までは若干階段をのぼりますが,まあパッと境内図を見たときにかなり歩くことを覚悟したのに比べれば,まあたかがしれてました。で,当初の予定通りここで前日の写経を納めて,本格的にやることをやり終えました。
 というわけで,外に出て安心して,饅頭と団子食しながら馬券を買います。世俗にまみれた,完全に誤った参拝者の姿であり,こんな状況で馬券が当たるはずも無いのでした。

 そして,再度山を下りて,弁天堂方面へ。さすが有名寺院。弁天窟があります。観光客大喜びです。腰をかがめながら暗い洞窟内をすすむわけで,ちょっと前に行ったカッパドキアの地下都市を思い出します。特にこの弁天窟の解説は見当たらなかったと記憶してますが,いつ作られたのだろうか。



案内板
"GREAT KANNON"って
なんか凄い安っぽいな

山門


ふれ愛観音
あまり見かけない
表情の観音様ですね

境内図
かなり歩くかと思ったら,
そこまでではなかった
  
地蔵堂,卍池,千体地蔵
 
上からの眺め

本堂

写真はここまで
 
阿弥陀堂も工事中
  
かきがら稲荷大明神。かきがらが重要なのは分かったのだけれど,
なぜ稲荷信仰と結びついたのかがよく分からない
 

弁天堂

ここにも銭洗信仰が

番外45.高徳院・鎌倉大仏

 そして,鎌倉といえば大仏様。高徳院です。寺院の名前は全く知られてませんね。
 寺院まわりは例によって観光地らしい観光地。道も狭いのでかなりごちゃごちゃしてます。が,中に入ればすっきり。

 さて,この高徳院,地図を見れば明らかなとおり,入って進むと大仏が現れ,その裏手に観月院があります。で,それだけなんですね。「本堂」と名のつく建物がない。おそらく,大仏様がご本尊であるために本堂がないのだろうと推察。ということは,雨の日も風の日も雪の日も嵐の日も,高徳院の僧侶たちは吹きっさらしの中で日々のお勤めをするのか……。こりゃあ大変。大仏殿とはいわないまでも,拝殿的なものって作らないんですかね。

 で,「ここの大仏は中には入れる」という自分の記憶に間違いは無く,中に入るための行列ができてました。今回はパス。
 そういえば,この前行った越前大仏は当然ここより大きい大仏だったんですが,なぜかこっちの方が大きく感じられました。土台のせいか,それとも外にある方が大きくみえるせいかな…。
 あと,頭上には鳩がたくさん乗っかってましたが,見たところ鳩の糞害には襲われていないようです。ということは,誰かがかなり頻繁に掃除してるってことか……。凄いですね。

 鎌倉大仏って誰かに似てるな,と思ってたんですが,自分が某学校で習ったO村Pだと判明。のどのつかえが取れた。あと,なんか思ってた以上に猫背ですね。しゃきっとしないことに何か意味があるのだろうか。…と思ったら,ここWikipediaにも解説が。当時の流行様式だったようです。へぇえ。
 Wikipediaを読むと,開山・開基も不明とのことで,なんか面白いですね。

 てことで,一体いつ以来か分かりませんが,鎌倉大仏を見られたのでこれでおなかいっぱい。


仁王門
 
仁王像
みたところ新しい

私たちの宗旨
浄土宗のようです

まだ世界遺産は諦めてないようです
 
観月道と観音像
もともとソウルにあったそうです

与謝野晶子の句碑

 ここからバスで駅に戻り,前回同様駅構内の蕎麦屋で遅めの昼食。

番外46.くりた湯

 さて,最終回にして,鎌倉市内の銭湯も完全制覇です。最後はくりた湯。大船駅から歩いて10分かからないくらい。鎌倉女子大の近くなので,学生も来る場所なのかもしれません。が,見たところ出入りしているのは中高年ばかりでした。まあ日曜だしね。
 で,前回の反省も踏まえ,ワンセグではなく中で競馬を見ようと思って中に入ったら……テレビで流れているのはゴルフ。競馬ではありませんでした。さすがに一見客がいきなり乗り込んでチャンネルを変える勇気も無いので,大人しく風呂に入って,結果は文字だけで見ました。


 そんなわけで,3回で終わらせるはずが5回もかかりましたが,おかげで鎌倉市内の銭湯も全部回れたし,ほかのもろもろも余裕を持って見ることができたので,結果としてよかったと思うことにします。
 これで十三仏と名のつくものは伊予に次いで2つめの完走。当初の目的はどこへやら,完全にスタンプラリーでしたが,まあそれなりに満足であります。


鎌倉十三仏めぐりその4


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