バース競馬場その1

 そんなわけで,贅沢にもタクシーでバース競馬場に乗り込んでしまいました。タクシーで到達する度に書いてる気がしますが,タクシーで乗り込んだ場所にあまりいい思い出がない気がします。尤も,結論から先に書くとこの日は勝ちました。
 入口に直行せずに外観を見てまわります。

駐車場 すでにチケットを持ってる人は
こっちから入れます
チケットを買う人はこっち
Bus Pick Up Point
が気になるところ
入口 Visitor Entrance オーナーと調教師は
こっちから入る

 で,お金を払って中に入ります。でかでかと掲げられていたとおり,19ポンド。4000円弱ですよ……。レープロ買ったらほぼ4000円。もう嫌。

 とはいえ,払って入ったからには元を取らないといけません。
 早速場内探索開始です。

 バースというのは言うまでもなく世界遺産を抱えるイギリス有数の観光地であります。が,ここバース競馬場は,先だってのバスのごたごたからも明らかなとおり,観光客向けではなくジモティー向け。日本人が自分だけなのはいいとして(そういえばドンカスターでも見かけなかったな。ハイソな場所にはいたのかもしれないけど),基本的に家族連ればかりで,観光客っぽい人もいないぞ。
 もともと,イギリス競馬は日曜日に開催していなかったらしく(イギリスに行く際飛行機の中でこれを読んだ。JAIRSによると,日曜開催が始まったのは1995年),まあそれが気付いたら日曜に開催して,しかも"Family Funday"とかいって家族連れに媚びを売ってるんだから,100年前の貴族が見たらびっくりするだろうな。
 で,どのあたりがFamily Dayなのかというと,まあありがちに子供無料なのはいいとして,どうも1:00と1:25にポニーレースがおこなわれていたらしい。
 ……謎がなんとなく解けた。
 どおりで,13:00にバスが来ないわけだ。だって13:00にすでにレースやってるんだもの。もちろん,賭けの対象にはなってないんでしょうが,きちんとレープロに記載されている半公式レースです。そして,どうもゲートのオープン時間も,バスのページに記載のあった時間よりも早まってるっぽい。
 というか,1レースの開始時間は1:50なわけでして,バスのページに記載されている時間とはもうこの時点で食い違っているわけです。う〜ん,イギリスクオリティ。
 じゃあバスは一体何時だったのか,という謎は全く解明されないわけですが(なお,復路のバスはきちんといたので,バスがいたことはほぼ間違いない)。
 ああ,でもイギリスのポニーレース見たかったなあ。

レープロ売り場 チケット レープロ表紙 施設案内 ポニーレース1 ポニーレース2 第1レース

 なお,おそらくこのポニーレースの冠になっているCharlesOwenというのは馬具屋さんですね。この日の結果はCharlesOwenのブログで紹介されております。また,当該ブログにはこのポニーレースに関する説明もあり,"Pony Racing was formally introduced in Britain in 2004"とあります。おそらくポニーレースとして体系化されたのが2004年である,あるいはCharlesOwenがレース体系を整備したのが2004年である,という程度の意味でしょうが,日本の草競馬も捨てたもんじゃないのではないかと思います。もっとも,日本の草競馬ではポニーの一般的な定義である体高147cm以下に入る馬であればワンカテゴリーでレースをしているのに対し,ここではmedium ponyとlarge ponyの2カテゴリーが整備されています。気になるのはこっちのポニーは148cmであること。以下と未満の問題なのでしょうが,体高147.5cmの馬はポニーなのでしょうか,ポニーでないのでしょうか。と思って英語版Wikipediaを見たら,147cm以外の基準を使っていることもあるようです。
 さらにいろいろ探ってみると,どうもPonyRacingAuthorityというところが基本的に管轄しているようでして,この日のレースの模様もYoutubeにアップされてました(MiddleLarge)。日本の草競馬も,観光協会が録画してYoutube放映するくらいのことはやってもいいと思うんだがなー。それにしても,Point-to-pointシリーズと競馬場シリーズの2つあるのか。なんか色々奥が深い。ちょっとこれは本気で見に行きたいな。

 閑話休題。とりあえず,Bath競馬場で競馬を見ることはできるので,気を取り直して場内探索。

 さて,バース競馬場はこれまで行ったことのあるイギリスの競馬場に比べると完全な田舎競馬であります。そもそも,入口も一つしかないので,おそらく身分(入場料)で場所を分けることもしていないと思われます(会員専用の場所はあるだろうけど。なお,下記写真の通り柵の存在にあらためて気付いたので,GrandStandとそれ以外を分けることは想定されているし,もしかしたら分けることがあるのかもしれません。これもあらためて考えてみると,遠くにぽつんと簡易桟敷的スタンドがあるのも下位カテゴリ向け観戦席っていう気がするな)。
 で,スタンドは一応4つ。左のスタンドがレストランからコースを見ることのできるスタンド。真ん中2つが通常のスタンド。中にBarや検量室があります。ドンカスターでいうFamilyStandやClockTowerStandに近いものですね。うち左が椅子などもあり観戦場所充実。右はBarの前に簡単な観戦スペースがある感じです。そして,遠く離れた場所にもう1つ,中にバーのない本当に立ち見をするためだけの簡易なスタンドがあります。ドンカスターグレイハウンドほど簡易ではないにしても,パルドゥビツェにあったような感じですね。
 まあ,4つもスタンドがあるだけなんだかんだ凄いんではないかと今にして思わないでもないですが,まあやはり規模という意味ではG1が開催される他場と比べると小さいです。きちんと外に向かった観戦スペースが確保されてるのは3連スタンドの真ん中と,遠くのスタンドだけだからな。バースという一級観光地でありますが,一級観光地であるが故にここに観光で訪れる人は少ないのでしょう。探せば入場者数とかのデータも見つかるのでしょうが,残念ながらそこまでする気にはなりません。
 そういえば,ほかの競馬場ではブックメーカーのMinimumBetは基本的に2ポンドか5ポンドの場所が多いですが(ニューベリーは5ポンドばっかりで難儀した),ここはMinimum1ポンドからのブックメーカーが多かったです。たまたまなのか,なんだかんだ観光地の一元客に配慮しているのか,よく分からんです。

入って正面 入って右にパドックがある スタンド スタンドの前は比較的狭い 真ん中2つのスタンド 逆側から
WinningPost スタンド前のブックメーカー
改めて見たら柵があるので
ここでGrandstandとその他の
チケットを分けることは
あるのかもしれない
左側からスタンドを見る スタンドからコースを見渡す
真ん中のスタンド内部のBar 裏の階段から見下ろす
検量室に向かう騎手
(時間的にこれはポニーレースに乗った騎手が入っていくところ)
一番左のスタンド その前から向かって右2つ方向 メインスタンドの中のBar
独立した馬券売り場 大量の画面に,グレイハウンドだったりアイルランドのレースだったりが映し出されております 窓口
ちょっと離れた場所から さらに離れた場所から 簡易スタンド 奥のMarqueeも完全に飲むための場所でした

 そして,パドック周り。パドック見てる人は多くありません。また,当地では「赤ペン」「赤鉛筆」を持ち歩いている人をまったく見かけません。黒または青のボールペンはブックメーカーでいくらでも手に入ります(鉛筆はない)。そして,この青・黒ペンを手にレープロなり新聞なりにせっせと自分の見立てを書き込んでいる人がいない。もちろんゼロだと断言するのは難しいとしても,とりあえず見かけない。いったい皆さんパドックで何をしているのか。なお,見境無く写真撮ってるアホはNPくらいなもんです。

Pre Parade Ring PreParadeRingと
パドックをつなぐ道
パドック 椅子に腰掛けて馬を待つ 例によって中に入れるのは
一部の人だけです
このおじさんが
ずっと喋りっぱなしで
場を盛り上げておりました
表彰台 騎乗合図のためのベル 勝利オーナーが美酒に酔いしれるための場所
日本でもこういうスペースを作ってもいいかもしれないですね
オーナー・調教師用
レストラン


 FamilyDayだからなのかなんなのか,変な馬がいました。
 そして,変な馬だけでなく,本物のポニーの体験乗馬みたいなことも可能です。今(2015年12月)時点でイギリスの競馬場は10ちょっと回ったけれど,これをやってたのは今のところこの日のここだけ。ほかにも,日本の地方競馬場にありがちな簡単な遊び場も。そして,ここでもフェイスペインティングがおこなわれております。この国では子供の簡単なおしゃれとしてフェイスペインティングが盛んなんですな。

なんか変な馬がいた こっちはれっきとした馬です
簡易お遊びコーナー 中でフェイスペインティング
実施中
SuperPiratesというのは
たぶん移動遊園地的な
感じのイベンターだと思う

 さて。まあおおよそ競馬場を10個程度回った現時点でほぼ分かったことではあるのですが,イギリスの競馬場の,少なくともGrandStandにおいては,基本的に食べられるものは決まっておりまして,バーガー・ピザ系,Fish&Chips系,運がよければ若干の中華系であります。酒飲みは「○○競馬場には××があったからよかった」とか訳の分からんことを言い出すのでしょうが,こちとらウーロン茶とアイスコーヒーが無い飲料店なんざ毒水売り歩いてるとしか思えませんので,全く興味がありません。
 で。この日はイギリス3日目と言うことで,中華麺に手を出しました。いわゆる焼きそば的なものを注文したところ,どぼっとソースがかかり,しかもそこが深いのでソースが底に溜まる,まあ細かいことを気にしないイギリス的なものが出てきました。これが300〜400円なら許せるところですが,実際問題これで7ポンド,1300〜1400円だからもう気分はだぼだぼソースであります。どうでもいいけど,椎名さんの気分はだぼだぼソースって,1980年発刊の松坂世代でした。ううむ,時の流れを感じてしまう。
 とはいえ,ここにしかないものがありました。フルーツポンチ的な詰め合わせ。ミックスで3ポンド。焼きそばに比べたら良心的です。缶詰果物ではないので甘くないですが,それがいいともいえます。なお,一歩間違うとウイスキーを上からぶっかけるとかいうとんでもない所業にでられるところでして,もう気が抜けないったらありゃしない。

バーガー屋
値段はだいたいどの競馬場もこんな感じ
NoodleBar
VegitableにChickenをかけたのがChikienになるのでChickenが1ポンド高い
(買ったのはChicken)
イギリスはどこ行ってもほぼ必ずベジタリアンメニューがある
これは日本も見習った方がいいと思う
果物屋と,確か右は
フェイスペインティングか何か
やってたはず
値段 閉店直前は
果物それ自体を
売りに出してました
その場で調理
生水を飲める国ってのは
本当にありがたい
これで3ポンドならまあ
ぎりぎり許容範囲
油断すると爪楊枝に
刺されてしまいます
子供向けの商品で
これでいいのか

 あらためて,上からの眺め。いい眺めだ。今にして思うのは,ドンカスターにしてもバースにしても,それなりに天気がよかった(一時的にぱらついたりはあったけど)のがよかった。荒れた馬場での荒れたレースも好きではあるけれど,やはり競馬は青空に緑のターフ,ってのが気持ちいいな。

スタンド スタンド前部からの眺め 内馬場にもブックメーカーが
もしかしたらレースの合間に
内馬場に行けたのかもな
発馬機 スタンド後ろからの視界 スタンド最上部はこんな感じ バースの休日

 というわけでして,まだまだ2場目+3日目なので全てが新鮮な状況でありまして,元気に無駄にがんばってぐるぐる回ってみた次第です。
 続く。


バース競馬へのバスバース競馬場その2


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