下戸が金杯で味わうヘネシー〜ニューベリーヘネシーゴールドカップDay2015

 さてさて、そんなわけでニューベリー競馬場へと向かいます。
 この日はヘネシーゴールドカップ。正直、この時点でイギリスの障害競馬についてはよく分かってなかったんですが(いや、もちろん今もよく分かってないんだけど)、なぜこの「ヘネシーゴールドカップ」という響きだけは知っていました。そんな程度の知識で、ニューベリー競馬場に乗り込みます。イギリスの障害戦の基本的な説明や、ヘネシーゴールドカップの位置づけについては、度々引用させていただいているにげうまさんのブログや同じくにげうまさんのサイトが非常に分かりやすいんですが、当時はこんな素晴らしいブログの存在に気付いておりませんでした。無念。

 そんなわけで、レディングからニューベリーへ。電車は案内されているとおりなので、迷いようがありません。

案内 ホーム 電車がいます これです! 車内にあふれる競馬オヤジたち

 そして、Newbury Racecourse駅に到着です。駅前には何も無いので、名前の通り競馬場のための駅ですね(Google Mapで見ると、駅の逆側に簡単な商店街はあるっぽい)。
 電車にあふれていた競馬オヤジたちが一斉に下車するので、迷いようがありません。一緒に下車します。一応下車時に改札はありましたが、本当にちゃんとチケットをチェックできているのかは謎です。そして、競馬場のための駅のわりに、駅の雰囲気が競馬競馬してません。これはプランプトンでもいえたことですが。日本だと、競馬場の駅だともうちょとウマウマな雰囲気ないですかね?……と思って、改めて府中競馬正門前とかを思い出しても、駅名以外にウマ感があるかというと、特にないな。

 さて、競馬場は目の前ですので、人の流れに乗って歩きます。これだけ人がいたらむしろ人の流れに逆らう方が大変です。

Newbury Racecourse駅の様子
人がホームにあふれております
ここを渡って競馬場へ ダフ屋さん ゲートまで75m
その前の"Premier Enclosure"
という表現を見て
嫌な予感がしてたんですが……
人の波に乗ります 入場ゲートが近づきます 入口の向かい
手前のLodgeはホテルで
奥の大きな建物は
居住用兼オフィスビルだと
思われます
入場用の建物 オーナーと調教師は
レンガの建物と
Marqueeの間の細いスペース……
ではなく、左の白いMarqueeから
入るのだと思われます

 ……などと、自信満々に乗り込んだところ、入口を間違いました。
 こっちの流れはPremier Enclosureの流れ、つまり、Premierな皆様の流れだったのです。Grandstandの入口はまっすぐ進まずに線路沿いの道を進んで行くことになるのでした。貧乏人は入口まで歩け、ということですね。まあ、イギリスなので貧乏人口も十分高価なんだけど……。Grandstandは32ポンド、6000円弱です。

Welcome to Newbury!
2016年に改修が進む予定のようです
この道を進んでいきます
電車が着いてから時間が経ったので
人が少ない……
Welcome
Henessy Gold Cup
よく見たらGrandstandへの
矢印が出てますね
ただ、ここまで来ないと矢印が
出てこないのか、という気も
入場エリアに到着 正面
入場ゲート。貧乏人口は簡易な建物になっております
馬主・調教師さんたちはこっちからも入場可能です
チケット売り場 チケットゲット。32ポンド

 というわけで、中に入りました。まずは例によってRaceCardを購入。3ポンド。
 このNewburyはスタンドが3つです。私のチケットはGrandstandなので、Grandstandにしか入れません。金持ちは真ん中のBerkshire Standか奥のHampshire Standに入ることができるという仕様です。

 Grandstandは、Dubai Duty Freeの名前が入っていて、Dubai Duty Free Grandstandという名前になっております。スタンド名にネーミングライツが入るんですね。日本の競馬場でもやってもいいかもしれません。
 それにしても、このGrandstand,外観が特徴的です。背面に窓が無く、なんというかぱっと見突貫工事で臨時スタンドを作ったんじゃ無いかと不安になってくる見た目です。レンガ造り大好きなイギリスらしからぬ、グレーの無機質な色使いであります。

入ったところの案内 Race Cardを買います RaceCard
Henessy Dayらしい装飾
Roll of Honour Henessy Gold Cupの歴史 ビックリ事実
RaceCardとセットでもらった
内部の案内地図
こっちの角度の方が見やすい
Dubai Duty Free Grandstand
非常に特徴的な外観です
奥にスタンドが2つ

 ところで。私は下戸です。下戸でも酒に詳しい人はいるのでしょうが、私は酒にまったく興味がありません。したがって、「ヘネシーというのはどうやらお酒の名前らしい」というのはなんとなく分かっておりますが、どういう酒なのかは分かっていません。私はてっきりウイスキーなんだと思ってたのですが(ビール、日本酒、発泡酒、ワイン、ウイスキーくらいしか酒の種類を知らない)、Wikipediaによるとどうもコニャックという種類のお酒のようですね。そういえばコニャックって聞いたことあるぞ。
 このままいくと、「○○について調べてみました!」系のサイトと同じ運命をたどるので、ヘネシーについてはこれ以上深入りしませんが、コニャックというのはブランデーの一種なんですかね?ブランデーってのはなんなんでしょうか。ウマの中に軽種がいて、その中にサラブレッドがいる、みたいなくくり方と同じように考えておけばいいんでしょうかね。


 さて、酒の世界も様々な分類がありますが、もちろんウマの世界にも分類があります。有名な分け方は、重種・中間種・軽種の3分類ですね。それと同じように、人間の世界にも3分類があります。そう、金持ちと貧乏人、そして中間種です。上にも書いたとおり、金持ちはPremier Enclosureへ。さきほどは貧乏人と卑下しましたが、貧乏人はそもそも入場料を払えません。つまり、Grandstand民はウマでいうところの中間種と考えたらいいんじゃないでしょうかね。

 そんな中間種が金持ちの世界に立ち入る方法が1つあります。そう、バックヤードツアーです。
 アスコットのときにも書きましたが(時系列的にはAscotに行くのは来年だけど)、日本でこんなバックヤードツアーをやろうものなら、開門ダッシュで申し込むか、事前抽選券がメルカリで転売されて超高価になってもおかしくありません。事実、私がばんえい帯広のバックヤードツアーに乗り込んだときは開門ダッシュに近い形(開門ウォーク)で申し込みました。
 ところが、ここはイギリス。ヘネシーづくりのバックヤードツアーならばいざ知らず、競馬のバックヤードツアーなんぞにみんな興味がありません。普通に待ち合わせ場所に行けば、普通に参加できます。いいですね、このぬるい空気感。これは2015年のことですが(書いているのは2021年)、コロナが開けたあともこんな空気感であることを祈ります。
 なお、↓にはレープロの写真を載せてますが、ホームページでもちゃんと案内があったはずです(じゃないと早起きは三年の損をモットーに生きてる自分が間に合う時間に競馬場に行かない)。それでいて、この集客だから凄い。

 バックヤードツアーですが、私のメモが残されているのは数点。
・ 騎手はレース45分前にサインイン。
・ 検量は、軽いのは0.5ポンド、重いのは1.5ポンドまで許容される
・ 不意打ちで1人だけ検量する
・ 軽い場合、馬もDisqualify。重い場合には騎手だけ制裁

・ 頭差よりも小差の場合に写真判定
・ 勝負服で馬を識別している
・ 差が小さい場合には、デッドヒート写真・ミラー写真を使う

……これだけです。私の英語力の限界。無念。

レープロに載ってる案内 検量室の中。あまり写真撮らなかった Premier Enclosureの様子。何かが大きく変わるわけでは無い Premier Enclosureから見る
Berkshire Stand
Premier Enclosureから見るパドック
一番左の写真にGrandstandエリアへの入口が見える
(このときは一応係員がチケットチェックしてるように見える)
金持ちエリアに別れを告げる

 バックヤードツアーも終わったところで、場内探索を続けます。
 Berkshire Standの向かいにはいくつかの店が並んでいます。見るからにプレハブなので、大レースの日限定なのでしょう。
 気になったのはInjured Jockey Fund。プランプトンにはAir Ambulanceの店が出ていましたが、ここは怪我をした騎手のためのお店ですね。この時点では、このあとFreddyと知り合うことや、Freddyが落馬負傷することなどまったく考えておりませんでしたが、日本でも常石騎手はじめ障害戦で落馬負傷した騎手は多くいるので、色々と思うことはありました。日本にはこういう店は出てないですよね?

グッズ売り場
この店は大きいレースだとよく出店してます
AP McCoyのサイン本という触れ込みで売られてました
ほんとうかどうかは知らんけど、一応買ってみた
Hennessy Gold Cup Winners ロッキンジS勝馬
出ていたお店 Injured Jockey Fundの商品 双眼鏡はレンタルも購入も可能 Hennessy以外の酒も
売り歩いています

 続いて、中間種エリアで動ける場所といえば、パドックの反対側の最果て、Pre Parade Ring付近です。
 そして、このあたりをふらふら歩いて、人の流れに乗っていったところ……チケットチェック障害を無事踏み切って飛越してしまいました。

パドック裏の馬房 パドック越しに見るGrandstandとBerkshire Stand
Pre Parade Ring Owners & Trainers Bar 馬道。ヘネシー色であふれてます

 と、いうわけで、なんか知らんけど再びPremier Enclosureに入ってしまいました。あれれ、どうなってるんだ。
 まあ、ぶちゃけますと、コースの反対側にいる限りPremier EnclosureだろうがGrandstand Enclosureだろうが大きな違いはありません。金持種エリアも中間種エリアも、たいして人口密度変わらないし、別に着飾った人がいるわけでも無い。なんかコンサートが開かれてるわけでも無い。売店もイギリスクオリティを維持しており、特に特別な空気感はありません(もちろん種類は増えるけど)。
 まあ、せっかくですのでちょっとウロウロさせて貰います。レースが始まる前に脱出するので多少の放馬は許してちょんまげ。

屋台の種類は増えます イギリスと行ったらPimms Hampshire Stand AP McCoyの名前がついた
Marqueeです
BerkshireStandへ 1992年に女王が建てたらしい ここにはCloakがあります
金持ち特権です
スタンド内はごちゃごちゃしております。イギリス人は背が高いから、なお圧迫感が強いですね。
金持エリアではありますが、みなさんコートを着ているので雰囲気は中間種エリアと変わりません
外に出ます。寒いので外にいる人は少ない Premier Enclosureエリアの特権!!ここから、中間種エリアの皆様を見下ろすことができます!!


 というわけで、1レースのパドックです。


リーディングレディング

Newbury競馬場に到着・バックヤードツアー1〜4レース・内馬場ツアーHennessyGoldCup



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