2024年の翼

 2024年夏。日本橋三越でキャプテン翼の原画展が開催されるということで、暑い中命の危険を惜しまずに乗り込んできました。キャプテン翼に関する展示は、2014年に上野の森美術館でおこなわれたキャプテン翼展以来です。
 なお、2024年はようやくリアル南葛SCの試合を観戦できた年であり、3戦観戦後にここを訪れた、という流れになります。このうち、西が丘の東京23FC戦では高橋陽一先生を生で見ることが出来て感激しておりました。

 なお、私は基本的には多摩の田舎者であり、貧乏人ですので、「日本橋三越」なる場所は物心ついてから初めて行くのではないかという気がします。とりあえずパイプオルガン演奏があるということで、中に入って場所を探します。すると、なんか凄い吹き抜けと、凄い像がありました。なんだこれは。デパートなのになんでこんな緻密などでかい像が飾られているのか。恐るべし三越。

地下鉄駅にあった広告 三越内の案内 吹き抜けに凄い観音像

 パイプオルガン演奏は、キャプテン翼に配慮した素晴らしいものでした。そして、まさかちゃんとした司会がついて、ちゃんとした解説もあるとは。凄いぞ三越。

 そして、1階にも簡単なキャプテン翼の案内がありました。こちらは無料で見られますので、私のような貧乏人への配慮も十分であります。さすが三越。
 で、1階に展示されている絵は小学生編のものが2枚、そして……頭身崩壊の例としてネット上でネタにされまくっているあの日本代表集合の絵が飾られていました。まさかこんなところでみんなの期待に応えてくるとは。優しいぞ三越。

解説とご挨拶 正面の絵 多分高橋先生のサイン 撮影OKです
優しいぞ三越
日向・翼・三杉 サッカーは俺の夢だ やはり小学生編の絵は別格 ネタにされることの多い絵を
ここに持ってくる主催者の
遊び心が凄すぎる

 下からだとパイプオルガンがよく見えなかったので、2階にあがってみます。パイプオルガンのみならず、天女像の解説も。
 天女像製作に使われたものなども展示されておりましたが、とりあえず写真はスルー。

天女像解説 正面から パイプオルガン

 では、いよいよ原画展。2014年の翼展よりも撮影OKな範囲が広がっておりました。これも時代ですかね。
 で、撮影OKなことに甘えて、自分的に思い入れの深い無印版のコーナーは見境なく写真を撮りまくってしまいました。とはいえ、見境なくネットにアップするのは、いかにうちのような泡沫サイトであっても気が引けます(ほかのページで散々やらかしてるのに何を今さら感はありますが)。というわけで、適宜抜粋。

ごあいさつ 第1部
第1話の原画をフル展示
2014年の翼展でも見た
ちょうせん状ボール
オープニング そして小学生に いけえ〜〜〜っ!!

 第1話のあとは、俗に言う無印版の小学生〜中学生大会。
 前もどこかに書いたような気がするけれど、この頃の高橋先生の絵の迫力は凄い。ネタにされがちな昨今の絵とは違って、これなら人気が出るのも当然という、汗臭さ泥臭さに満ちあふれた熱血スポーツものになっております。
 そして、翼対若林のコマ。「こののちこの2人によって日本サッカー界が大きく発展していくとはこの時だれが想像できたろう」というこの文章。本当に、本当にその通りです。翼のストーリー的には、「この2人によって」という部分に必要以上に縛られてストーリーの幅が失われているのは否定しがたいのですが、リアル世界においては、本当にこの瞬間から、日本のサッカー界が大きく、大きく発展していくことになりました。

 ちなみに、前回私が見逃したと思われる幻の第4回原稿は今回は展示されておりませんでした。

翼vs若林 翼vs日向 マンガの世界の南葛SC 翼日向三杉松山

 中学生になっても絵のパワフルさは全く衰えません。
 そして、今回の原画展でビックリしたのが大友戦のカバー絵。「目標があるからE顔ができるのさ!!」という、とんでもない1文がありました。これ、雑誌用の文章で、単行本に入ってましたかね?とりあえず私はこの時初めて、「E顔」などという顔から火が吹き出そうな表現を見ました。国鉄からJRになってE電とか言ってたころの扉絵ですかね??
 まあ高橋先生のギャグは比較的安直なものが多いのは事実ですが、これはさすがにどうなんだ。

今回最大の衝撃 中学編スタート 翼vsスカイラブハリケーン
ドライブシュート なだれ攻撃 くるならこい!
とめれるものならとめてみろ!!
両校優勝

 そして世界へ。Jr.ユース編です。
 ジャンプあるあるの、昨日の敵が今日の味方、という展開に全く違和感のない、日本代表の結成。
 岬の再登場も含め、非常に夢のある大会でした。最後の翼のブラジル大好きな優勝スピーチだけは、もしネットがあったら50年後も批判され続けると思うけど。

Jr.ユース編へ イタリア戦主要キャラ勢揃い カラーになったミュラーとディアス
岬くんとの再会 正拳ディフェンス 優勝!

 続いて、最後が打ちきりだったことで色々な変化を感じざるを得なかったワールドユース編。序盤、日向達が離脱してボロボロになっているあたりは読んでてハラハラ感もあって楽しかったんだけどなあ。

ワールドユース編 日本代表 スウェーデン 開会式
もう次藤が大変なことに 優勝! サッカー世界平和宣言

 そしてROAD TO 2002。キーバーというポジションの難しさをあらためて感じることとなった若島津の扱いでした。翼がバルサに行ったことをレアルに残念がられたというのは有名な話ですね。このあたりから翼の神格化は酷いことになっていた記憶。そして、私も翼から離れました……。
 ってか、この作品20年以上前か。恐ろしいな。

ROAD TO 2002 日本代表 バルサ
バルセロナの大空翼 ジュビロが強かったころでもある 肩幅とかもえらいことになってる

 GOLDEN-23。もはやちゃんと読んでないのでコメントが出来ません。

GOLDEN-23 展示会場の雰囲気 翼くんの絵ばかりに
FW若島津 ゆりかご ファイナルスカイラブハリケーン ボクは岬太郎

 海外激闘編。日向と翼。もはやほぼ読んでません。すいません。
 ただ、ネット上でネタにされているセグウェイドリブルとかを積極的にここに載せてくるのは本当に凄いことだと思います。需要が分かっているというかなんというか。

イタリア
スペイン

 そしてライジングサン。こちらも、なんかネット上で話題になった画像の原画が出品。展示作品を選んだ方のセンスが凄すぎる。高橋先生も分かった上で色々やってるんだろうな、と感じられますね。

ライジングサン セグウェイ 飛んだ図 ディアスと
日向 シュナイダー 若林

 というわけで、原画コーナー終了。そのあとは関連展示。
 2014年も見たユニフォーム展示、そして各種アンケート。アンケートは結果が非常に気になるところですが、埋まった回答の上から新しい紙をかぶせる方式のため、何枚乗っているかが分からず、ぱっと見どの回答が最も人気かが分かりません。まあ変に対立させたくないだろうし、これでまた老害が無印版をプッシュしまくったりすると発展もないし、こういう玉虫色の決着がベストなのかもしれませんね。

ユニフォーム ベストカップル
さすがに翼と早苗だけ2枚目
必殺シュート いけめん
名勝負 いけおじ グッズ ここから撮影禁止

 ちなみに、今回の展示に至ったのは、高橋陽一先生の漫画家引退というか、キャプテン翼連載終了を受けてのことだと思われます。現在の連載はネームのみとなっており、とにかく物語を完結させることに注力するとのこと。そのため、今後は漫画・原画があらたにつくられることはないわけで、おそらく高橋先生のキャプテン翼をめぐる漫画家人生の総集編としての展示だったと思います。
 そして、あらたなネームのみの作品の紹介として、入場者には冊子が無料配布されました。私が手にしたキャプテン翼の単行本としては、果たして何年ぶりになるのか……。

配布物

 最後に、めったに来ない日本橋三越と日本橋という街を眺めて終了。そういえば、日本橋自体には2021年の織田さんのライブで訪問してたな。それ以来の日本橋かな。

あらためて、1階 吹き抜けの天井 三越は重要文化財らしい
向かいには代表の何か 16時12分。暑い 日本橋 そのあと某所でタコパ的な何か

 このあと、某所でタコパ的な何かに行ったのでした。タコパというとちょっと違うか。そういえば、ちょうどパリオリンピック開催中でした。そして、ここで阿部詩選手敗戦の話を聞いたんだったな。

 まあそれはそれとして、とにかく高橋陽一先生がいなかったら、キャプテン翼がなかったら、今の自分がいないことは間違いありません。本当にこれまでお疲れ様でした。そして、高橋先生の夢をこれからもどんどん広げていってください。

ナンカツ2024


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