釜山競馬場観戦記前編（釜山旅行記その8）

11．5　第1レース

　そんなわけで、パドックへと向かいます。
　さっきも上から見ましたが、パドックは掘り下げ式です。見やすくてよいですね。最前列の柵と馬の距離も近く、パドック環境は素晴らしい。まあ、何が素晴らしいって、人が少なくてどこからでも見られるのが素晴らしいのですが……。

パドック 馬を見るコツ
船はなんのことなのだろうか……
パノラマ
春夏秋の絵がありました。冬は発券できず

　上の写真は別のタイミングで撮ったもの。
　1レースの馬は既に出てきておりました。前回のソウルの経験上、韓国はパドック＆返し馬馬券でなんとかなると思い込んでるので（たまたま1回勝っただけですぐに調子に乗る奴）、パドックは重要であります。重要なのに、真面目に馬を見ずに動画を撮って遊んでたりしました。

全体の様子 ビジョンはこんな感じ 控えてるのは誘導馬？
STRIDING MAN BRAVE ROOKIE BROWN FALCON BINNANEUNGIL VALHALLA
WORLD DRAGON GWANGYAEUIHAMSUNG SUCCESS BAEKPA QUEEN'S FLETAR
FLYING ACE BURUI JEWANG RAON THE CHEONHA 誘導馬出陣

　さて、馬券。
　馬券自体はマークシート方式なので簡単明快なのですが、大前提として、馬券機には現金ではなくバウチャーを入れる必要があり、どこかで現金をバウチャーに変換しないといけない、という問題があります。どこでバウチャーをゲットできるのか、案内はどこかにあるのでしょうが、残念ながらハングルが読めないとそれが分かりません。てなわけで、人のいる窓口に現金3万ウォンを出したところ、バウチャーになって返ってきました。よし、これで馬券が買えるぞ。買える買える買えるぞ券が買えるぞ。
　馬券発売機には韓国語だけでなく英語と日本語表記もあります。マークカードがあるんだから、バウチャーとマークカード突っ込んで買えるだろ、と、韓国語のまま突き進んだところ、最後に発行かキャンセルの2択を迫られ、2択を外してキャンセルになってしまいました。最初は大人しく英語か日本語で買いましょう。1回やれば二度と間違えません。
　なお、ヒマだったので、馬券を買うところを動画に撮って遊んでました。

　パドック＆返し馬診断の結果、1レースは単勝6番。日和って3000ウォンです。どうやら、1番人気だった様子。
　思い起こせば、最初に現金を引き出しすぎたために有り余るキャッシュの取り扱いに困っており（贅沢な悩みだ）、競馬と競輪で消費すればいいだろ、と思っていたのでした。その観点から考えると、最初から、負けてもいいからキャッシュを消費するモードで良かったんだよな。

本馬場入場
誘導馬が付き添ってます		 釜山第1レース。急に「私　お茶」と言われても困りますね
白抜き部分は縦書きなので、Google翻訳さんがバグりました
換金窓口 和訳してみた 3万ウォンのバウチャー ネット投票する人用の？
携帯電話充電所
馬券発売機 画面表示 日本語版 単勝6番
マークカード
この日のレースの案内

　そんなわけで、1レースを観戦します。外に出て観戦している人は少ないです。寒いですからね。人が少ないのをいいことに、とりあえず雰囲気を動画で撮影。
　ちなみに、真っ当な公式動画は韓国競馬の英語YouTubeチャンネルがあり、そこでしっかりと記録が残されております。これは凄い。釜山1レースはこちら。

コースをぐるりと見回す Winning Post 発走3分前の発売状況
オーロラビジョン。この規模の競馬場としてはかなり豪華です
（さすが電機会社が強い韓国というべきか）
皆さんもっと外に出てビジョンを見ましょう		 4コーナーを回って直線へ
最後の叩き合い 6番WORLD DRAGONが抜け出す 上位入線馬
確定しました 配当 馬はスタンド前を通って厩舎に戻っていきます
騎手はスタンドの中をカートに乗って戻っていきます 1レースの結果 増えました

　結果は以下の通り。なお、英語の結果はこちらからコピーしております。詳しくは主催者にお問い合わせください。
　なお、エクセルにコピーすると氏名が3段になって扱いが面倒なのよな。どうするのが良いのだろうか。

2023.11.10(FRI) 1Race Busan Kyeongnam 83day 11:50　Cloudy Good (8%)
Class 6 / 1300M / Special Weight 2yo
Prize Money (₩) 22,000,000 8,800,000 5,600,000 2,000,000 1,600,000
Ord Gate Horse Name Age Origin Sex Weight Jockey Trainer Owner Finish Margin Weight Win Plc
1 6 WORLD DRAGON 2 KOR C 55 SEO SEUNG UN KIM YOUNG KWAN KIM HYEONG RAN 01:20.9 482(0) 2.8 1.1
2 1 STRIDING MAN 2 KOR C 55 CHAE SANG HYUN HA MU SEON LEE GYEONG HUI 01:21.5 3 498(11) 21.8 3.5
3 8 SUCCESS BAEKPA 2 KOR C 55 PARK TAE JONG MIN JANG GI LEE JONG HUN 01:21.6 3／4 500(8) 8.7 2
4 4 BINNANEUNGIL 2 KOR C 55 LEE SUNG JAE KIM GIL JUNG HEO PIL DO 01:21.9 1 1/4 491(-3) 3.5 1.6
5 3 BROWN FALCON 2 KOR F 53 PARK JAE I LIM KEUM MAN RYU JU YEONG 01:22.7 5 447(-1) 23 3.2
6 11 BURUI JEWANG 2 KOR C 54 (-1)YOON HYUNG SEOK KANG HYOUNG GON LEE HAE LAN 01:22.9 1 1／4 471(2) 22.1 5
7 7 GWANGYAEUIHAMSUNG 2 KOR C 55 MO JUN HO JANG SE HAN JUNG KWANG HWA 01:23.6 4 470(6) 174.7 26.7
8 5 VALHALLA 2 KOR C 55 JIN KYUM BAIK KWANG YEOL LEE JONG HUN 01:24.8 7 474(-3) 3.4 1.7
9 12 RAON THE CHEONHA 2 KOR G 55 CHOI SI DAE AN WOO SUNG SON CHUN SOO 01:25.1 1 1／4 458(5) 41.5 9.5
10 2 BRAVE ROOKIE 2 KOR F 53 CHOI EUN GYEONG KIM GIL JUNG JEONGWOO ENGINEERING &
CONSTRUCTION		 01:25.2 1 480(14) 56.9 15.3
11 9 QUEEN'S FLETAR 2 KOR F 53 JEON JIN GU GU MIN SUNG KIM YONG GOO 01:25.3 neck 441(9) 106.5 15.1
12 10 FLYING ACE 2 KOR F 53 LEE HYO SIK KIM HYO SEOK KIM HYEONG SUN 01:26.4 6 454(-3) 139.3 14

　勝ったWorld Dragonはフェデラリスト産駒。なんだ、日本に縁があったのか。もうちょっとなんか情報仕入れる方法あったかもしれないなあ。とはいえ、基本的にパドック診断と返し馬診断でなんとかなっているので、余計な情報を仕入れない方が馬券的にはいいのだろうな。
　なお、World Dragonはこのレースが2戦目で初勝利。続く12月8日のレースでも勝利し、1月19日のレースでは敗北して、これを書いている2024年2月9日時点で4戦2勝となっています。
　それ以外だと、4着のBINNANEUNGILがテスタマッタ産駒ですね。

11．6　スタンドの奥の探索

　釜山の1レースも終わったところで、再び済州競馬のお時間です。てなわけで、スタンドの奥側の探索へと向かいます。先ほど上から眺めた限りでは、人は少ないです。
　なお、釜山1レースを当てたことに気を良くして、済州3レースも購入。返し馬診断で当てにいって（現金を消費するという目的はやはり忘れ去られている）124の単勝を買ったところ、2の2着が最高着順。2の複勝は5.5倍もついていて、軽くショックを受けたのでした。

　閑話休題。
　スタンドを抜けて、奥のスペース。奥にもビジョンがあるので、おじさま方が座席に座って奥のビジョンを眺めております。ここでビジョンを見るなら生でレースを見ればいいのに、と思ってしまいますが、おそらくここにいる最大のメリットは喫煙所の近くであることだと思われます。

スタンドからの出口 外に出たところ ぐるりと見回す
下から見上げる スタンドを見る 人のいない座席

　そのまま歩いて行くと、馬像がありました。Googleに和訳させると党大敗。さっき見ましたね。タンデブルペです。南洋朧月さんのnoteによると、党不敗ではなく、当代不敗のようです。Googleが頑なに党不敗と訳すのかは分かりません。
　Wikipediaの韓国の競馬の項目を見ると、韓国の2000ｍの古馬G1はこの大統領杯だけのようなので、東京大賞典が長距離だった時代の帝王賞のようなものでしょうか。昔の大井で帝王賞3連覇ってのはとんでもない偉業です。それを、ビワシンセイキ産駒の済州島産釜山調教馬が成し遂げたというのは、とても大きいことです。

　ちなみに、タンデブルペで検索すると主戦のチョ・ソンゴン騎手の自殺の報道が出てきます。日刊のページによると、内田利雄騎手と勝負服の交換もした方のようですね。何があったのかは分かりませんが、トップジョッキーがこういうかたちで自ら命を絶ってしまうのは残念です。

ぽつんと立つ馬像 接近 両側から
ラチがくっついてる像は珍しい気がします
タンデブルペの紹介 タンデブルペの詳細 制作者等

　さらに進むと、なにかの記念植樹っぽいものがあったり、石塔があったりします。
　Googleに翻訳させるとなぜか「記念飲料水」と出てくるんですが、これはなにをどう間違ったのでしょうか。あと、馬管理士は調教師ってことでいいのかな？？
　石塔は、横に感じで馬魂碑とあるので、日本でいう馬霊塔なり馬頭観音的なものでしょう。漢字万歳。

イヒョンジュン馬管理士の記念植樹 パクギョングン馬管理士の記念植樹
馬魂碑 行き止まり コースをぐるりと見回す
明らかに監視カメラがついてるんですが、不審者として職質受けなくて良かったです

　そんなわけで、スタンド方向に戻ります。

11．7　厩舎からやってくる馬を眺める～２レース～ウイナーズサークル・検量場

　スタンド方向に戻りがてら、厩舎からパドックへ向かう馬道を眺めます。第2レース発走の約1時間前ということで、おそらくそれくらいが集合時間なのでしょう。　

車道があるのでちょっと遠い 低い位置から パドック方向
２階から

　こうしてパドックにやって来た馬は馬体検査を受けます。
　馬体検査を受けた後、てっきりパドック奥にある馬房に入って待機して鞍なんかを装着するのだとばかり思っていたら、どうも馬装は馬房の裏手でおこなうようです。したがって、馬装シーンを見ることはできません。
　代わりに馬房に入って待機しているのは誘導馬であります。

ここで馬体験を受けます 上に馬体重が表示されてます 裏手に回っていきます
次の馬がやってきました

　とりあえず面白かったので馬体検査シーンを盗撮（パドック側を撮ってたら馬が来たのに気付くのに遅れるという痛恨ミスをやらかした）。検査係のおじさんが謎のスクワットをしていたのが個人的には面白かったです。動きに何か意味があるのかは分かりません。

　期待していた馬房の中の馬の姿を見られないことが判明したので、暇つぶしがてら一旦コース側に出ます。
　スタンドの一方に円柱形の場所がある形状、日本だと競艇場で見た気がします。現地では津競艇だったかびわこ競艇だったか悩んでましたが、びわこ競艇がこれに近いですね。津は円柱でなく、角柱でした。

スタンド パノラマ パドックからスタンドを抜ける
馬道の出口		 馬場への出口
馬が通らない時間は
人間が通行できます		 馬道から馬場へ スタンド ちょっと引いた場所からスタンドとその前のスペース こちらがWinners Circle

　そして、パドックに戻ります。

ぐるりと見回す パノラマ 誘導馬待機中

　ぼーっとしてたら、つい先日おこなわれたブリーダーズカップの様子が放映されておりました。

ブリーダーズカップクラシックの結果
デルマソトガケが２着、ウシュバテソーロが５着でした		 YouTubeの宣伝

　パドックに馬が入ってきました。居並ぶ馬房を無視して、通路からの登場であります。嬉しそうに動画を撮影。

　そして、本馬場入場。ここも嬉しそうに動画を撮影。

馬場整備中 緑と赤。何かのサインでしょうか あらためてぐるりと見回す。真ん中だけピンボケ
誘導馬とファンのふれあい 2レースの売上 出走準備中 直前オッズ
レース中のファンの様子。人が少ない 最後の叩き合い
ゴールイン

　結果は以下の通りです。勝ったDoctor CaptainはUncaptured産駒。4戦目で初勝利となりました。Uncapturedは2012年のケンタッキージョッキークラブSとイロコイスSを勝ったカナダ産馬です。このレースは日本にゆかりのありそうな馬はおりませんでした。
　馬券は返し馬診断でStrike Zoneを購入してハズレ。直前オッズは1番人気でしたが、最後は2番人気になったんですね。

2023.11.10(FRI) 2Race BusanKyeongnam 83day Sunny Good (8%) 13:10
Class 6 / 1300M / Special Weight A
Prize Money(₩)　13750000 / 5500000 / 3500000 / 1250000 / 1000000
Ord Gate Horse Age Origin Sex Weight Jockey Trainer Owner Finish Margin Horse Win Plc
1 1 DOCTOR CAPTAIN 2 KOR C 55 CHOI SI DAE BAIK KWANG YEOL KWON HYEOK HUI 1:22.2 484(-6) 2 1.1
2 5 STRIKE ZONE 2 KOR C 55 LEE SUNG JAE PETER WOLSLEY PEGASUS 1:22.4 1 1/4 477(4) 2.3 1.1
3 10 YEONGGWANGUIPRINCE 2 KOR G 55 ANTONIO DAVIELSON THOMAS GILLESPIE BYUN CHANG DUCK 1:23.0 3 438(0) 15.4 2
4 7 MOST RAPID 3 KOR G 56 LEE HYO SIK LIM KEUM MAN RYU JU YEONG 1:24.2 7 478(-5) 8.2 2
5 8 DORAON ZETTA 3 KOR G 56 KIM DONG YOUNG SON BYOUNG JIG KIM GAB SOO 1:24.3 3/4 411(-14) 24.1 3.5
6 2 ANY SINGS 4 KOR F 54 JEON JIN GU PARK JAE HO KANG YOUNG JONG 1:24.5 3/4 430(-6) 59.3 9.8
7 9 GEUMSON CLASS 3 KOR F 54 KIM HYE SUN JANG SE HAN LIM HAN YONG 1:24.6 1 442(-5) 27.2 3.6
8 3 ILMANG BLUE 3 KOR F 54 CHOI EUN GYEONG CHO YONG BAE JO HYUN YOUNG 1:24.8 3/4 443(-8) 48.5 12.6
9 11 LAST HIT 3 KOR F 52 (-2)GWON O CHAN HA MU SEON LEE SI HWAN 1:25.8 6 422(-4) 131.6 29.4
10 6 RUNNER 4 KOR G 56 KIM MYOUNG SIN GU MIN SUNG OH KONG HAK 1:25.8 1/2 475(-14) 90 12.6
11 4 GOLDEN COWBOY 2 KOR C 55 KIM TAE KYUNG JANG SE HAN KIM HWA WON 1:28.4 15 474(12) 115 29.6

　このレースは検量の様子を見たかったのでウィナーズサークルへと向かいます。戻ってきた馬からジョッキーがおりて、順々に後検量を済ませておりました。
　なお、写真の撮り方が下手くそすぎて電光表示に体重が表示されてないことが多いですが、それは単に私がシャッタースピードの設定の仕方を理解してないだけです。
　3着になったAntonio Davielson騎手ですが、名前で検索したところnetkeibaの上田将司騎手の記事で名前が登場していました。

ウィナーズサークルの様子
検量をするMost RapidのLee Hyo Sik騎手
勝ったDoctor Captain
2着のStrike Zone 1着馬と2着馬が並ぶ
2着のLee Sung Jae騎手から検量
勝ったChoi Si Dae騎手 Kim Dong Young騎手 Antonio Davielson騎手
夢の跡
ゼッケンが置き去りに		 1着から5着まで検量のようです 何も無いときは-0.6キロ 人のいなくなった
Winners Circle

　ちなみに。Winners Circleで嬉しそうに写真を撮っていたのは私だけでした。韓国人はギャンブルに熱いと聞いていましたが、外れた馬券オヤジ（馬券おばさんでもいいんだけど）が居並んでヤジを飛ばす、といったこともなく、ほとんど見ている人がいない寂しい雰囲気でした。また、私が見ている限りで表彰式的なものはおこなわれておりませんでした。
　常々思うのだけれど、馬券を外した人が騎手を野次るという文化、実は世界的に見て一般的ではないのでしょうか。よく分からんですな。

　そんなわけで、一通り釜山競馬の流れを知ることが出来ました。あとは特にうろちょろせずに、ゆっくりと競馬観戦をすることにします。


釜山競馬場探訪記　／　釜山競馬場観戦記中編


韓国旅行記2023（浦項遠征2023）


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