台湾旅行記その6



 西門まわりはいわゆる「都会」で,特におもしろみなし。紅楼は遠目からしか見てないけど,案外奥まった場所にありました。なんというか,浮いてます。

 さて,天后宮です。
 「歩き方」では紹介されていない寺院ですが,「Travel Days」には「弘法大師像がある」という衝撃的な一文とともに紹介されておりました。なぜ弘法大師なのか,そして,どういう扱われ方をされているのか。気になりますね。
 
 天后宮への入口は商店街の中に小さく設けられておりましたが,中に入ると案外広いスペース(案外広い,といってもたかがしれてると思う)。そこは一種の異空間でありました。
 そして,ひっきりなしに人が入ってきます。これは凄い。地元ではかなり重要な寺院なんだろうな。

 で,とりあえず弘法大師をさがします。昨日見た木柵指南宮の雰囲気でいくと,多数並ぶ神様の中に弘法大師が混じってるんだろうな。どういう姿なのか……などと思っていたら,入って左手の場所にいきなりいました,弘法大師。しかも,日本での弘法大師の姿そのまんまです。あれ,ここって真言宗のお寺だっけ。
 いやぁ,びっくりです。台北に来て,真言宗どころか仏教とも関係ない道教寺院で,何食わぬ顔して弘法大師像が立ってるのです。この弘法大師が道教的にどういう扱いなのかはイマイチ不明。

 そして,それだけじゃありませんでした。本堂に向かって右手に,「弘法大師」のお堂があるのです。なんだなんだ。ここって真言宗のお寺だっけ。いやまあ,そのさらに奥には地蔵堂があったりするので,道仏習合してるのかな。いやはや,それにしても,ここ台北で弘法大師がここまで大きく扱われているとは……。


入口
遠目には食堂みたいですね
獅子がお出迎え
ついてるかどうかは確認せず
おお,聖天宮で見た扉に似てる! 正面 弘法大師!!
(手前のライオンについては突っ込んではいけない)
「1910年原設有日本弘法寺」
とあるので,かつて日本領下で
弘法大師のお寺として
創建されたんだろうな

 さて,弘法大師が見つかって一応満足はしたんですが,せっかくなのでお参りしていくことにします。しかしながら,周囲を見ていても相変わらず聖天宮式のお祈りをしておりません。う〜ん,ほんと,予習の意味がなかったな……。
 で。鋭意調査の結果(他の人が説明されているのを脇から聞いてただけ),とりあえず線香と金紙のセットを買って(ここは50元),あとは指示に従って1本ずつお供えしていくかたち。線香を持って上がる間,金紙はご本尊の前にお供えしておくようです。そして,最後に金紙を金亭で燃やしておしまいです。環境保護団体から文句がきそうなことをやってますね。
 ちなみに,「聖天宮と全然違うぞ……」などと思っていたのですが,よくよく考えたら,聖天宮にも「もっと正式なお祈りの仕方」があったこと,聖天宮にも「寿金亭」があったことを思い出しました。なんのことはない,自分が現地でけちったのが悪いだけだな。おそまつ。

 そんなわけで,まわります。案外広いといってもスペースはせまいので,まずは2階から。木柵指南宮でも宋でしたが,台湾の寺院は整頓されていない物置部分なんかも平然とそのまま晒しております。ありのままってことなのか,「掃除されていないこと」は恥でも何でもないってことなのか。

 また,各所に散らばる動物たちがいったいなんなのか,結局分からずじまいでした。他の道教寺院にもいるっていうなら道教的意味があるんだろうな,と思うんだけど,残念ながらここにしかいなかったんだよなー。

本殿方向 線香と金紙 まわる順序
地蔵と弘法大師は並列
まずは2階 2階からの景色
住宅街の中ですね
玉皇大帝 壁の絵


正殿中央に天上聖母
それにしても,金色です
香炉
下に順番を示す
数字が置かれてます
3番目
「観音佛祖」とのこと(香炉には「観音菩薩」)
名前だけ見たら仏教の祖先たる観音様,
とも読めそうですが…
なぜか脇に血圧計 關聖帝君
地蔵王菩薩
王がついたことで単なる地蔵菩薩となにか変わるのかどうかは分かりません
顔は日本のお地蔵様に似てるような気がしなくもないですが
いろいろ身にまとって,暑苦しくないのでしょうか(湿気のある台湾だし)
弘法大師の部屋 バックにある絵は,まさしく教科書で見た弘法大師です
そのまえの座像はよく分かりません
最後に金亭で燃やします
火が弱いときは棒でかき混ぜて酸素を送ればOK
各神様の誕生日 お供え物と一緒に
金紙も供えておきます
上の提灯
賑やかですね

囲われてるってことは
重要なものなのかな?
これはなんだっけかな 龍の池 ライオン 日本でもよく見る石仏群
戦前日本人が残したものなのか
昨今の台湾人の手によるのか?
ヒョウ
バイクの奥に潜む虎 上は図書館とのこと 振り返る 南無地蔵王菩薩
「南無大師遍照金剛」の札は
見なかったような気がします
門の天上 再度入口の門

 いや〜,それにしても,メキシコメリダで野口英世像を見たときにも思ったのですが,異国の地で日本人が大事に扱われてるのを見ると嬉しくなりますね。


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