9月7日
NPの携帯の目覚ましの障害G1ファンファーレで起こされぼーっとしていると館内放送で突然関東のG1ファンファーレがなる。起床の時間らしい。これは重症である。こんな宿なのだ。朝からさいなまれた。
朝食後、若干時間があったので近くの岬まで散歩をすることになった。しかし、これが大変だったのだ。なめていたらかなり急な山道。岬に着いた時には膝ががくがく。それでも景色はなかなか良かったので満足であった。
午前は静内駅発の静内ロマンロード号という観光バスに乗ることになっていた。静内駅に行ってみると事前情報と違って、混んでいるではないか。それでもなんとか乗ることができ、無事に出発。
最初に連れて行かれたのがアロースタッド。とにかく広かった。1番奥まで行って帰ってきて集合時間ぎりぎりである。たぶん写真を撮っていた人は全部見ていないだろう。僕はどうせ写真を撮っても後で何を撮ったのかわからなくなるのは目に見えているのでそんなことはせず、心にやきつけることにしていた。地図を片手に放牧地を回ったのだが、まず目に入ったのはセイウンスカイ。入り口に1番近い所にいたからであろう。なかなか愛想が良かった。次にラムタラがさすがに大物らしく悠々と歩いていた。こっちを気にするそぶりもなし。そのほかたくさん馬を見た。なかでも印象に残ったのがダイワテキサス。意外に人気があった。やはり最近まで現役だったからだろう。牧原騎手の愛馬ということも手伝っているのかな?その話題を話している人もいた。
お次は静内SS。こちらは放牧地がアローに比べて狭かったので見学時間が余った。入ってすぐ目に入ったのがサクラローレル。寝ているのかどうか知らないが柵のそばでポーズを取ってじっとしていた。ここで最も人気があったのがウイニングチケット。一番奥の放牧地にいたのだが、多くの人が張り付いていた。さかんに走り回って元気そうだった。集合時間になって、バスに乗ってから気が付いたのだが、実は道路の反対側にも放牧地がありそっちにもサクラケイザンオーなど興味深い馬がいた。見ればよかった。
続いてレックススタッド。各牧場30分の時間で、たくさんの馬を見ているのでそろそろお疲れ気味。しかもレックスは厳しいのでみんなとはぐれないように見学しないといけないらしいので大変。ここでもたくさんの馬を見た。しかし、残念ながら意識が薄れていたのであまり覚えていない。広くて忙しかった。そういえば、ローゼンカバリーの放牧地がやけに狭かったのは何故だろう?実力主義なのだろう
か?さらに数年前、高校の修学旅行でここにNPは来たらしい。おかしな高校である。
最後にウインズ静内につれていかれる。いったいなんという観光バスなのだろう?ウインズとは・・・。ちょうど5レースくらいで林JKが通算200勝を上げていた。目標は「中山大障害を勝つこと」と言っていた。まあそうだろう。障害騎手だし。アナウンサーがその後に平地のG1もがんばってくださいといったら、「無理だけど、がんばります」と言っていた(笑)ウインズ静内は今まで行ったウインズで最もきれいだった。ワンフロアーだが、混みすぎることもなく快適。そこで昼食を食べたのだが5分で食べるはめになり、遅刻しそうになって食べた気がしなかった。
観光バスは午前で終わり。静内駅で下ろされる。ここでBTと合流。再び車に乗り、へいはた牧場を目指す。そういえば車の中ではほとんど宇多田ヒカルの「DeepRiver」を聞いていた。これは旅行中に結婚の情報が入ってきたからという理由ではない。持っていったカセットが2本しかなかったからだ。もう1本は当然hiroである。宇多田が結婚したこと自体は特に白馬にダメージを与えなかったが、なんとなくむかついた。他人の幸せが気に入らないのである。
へいはた牧場は遠かった。ひたすら直線の道路を突っ走り、途中でモンシロチョウがワイパーに挟まってブルーになりながらも、なんとか到着。レガシーワールドとご対面である。レガシーワールドには牧場のご好意でニンジンをあげることができた。レガシーにニンジンを与えていると同じ放牧地に放されているちっちゃい馬がやってきて、すごくほしそうにしていてかわいかった。ここにはカップルやら男女のグループやらがいてうつ気味になった。やはり他人の幸せは気に入らないのである。
続いて、静内の山の中に入る。こんなところに牧場があるのかと思った瞬間、突然目の前に放牧地が広がった。かなり起伏のある放牧地である。タイヘイ牧場であった。ここでは馬同様に犬も放牧されていた。見学させていただいた馬はユウセンショウである。そのほかにもユウミロクが分場にいるということでそっちへの行き方を教えていただき、車で向かったのだが見つからない。気がつくと海に出てしまった。ここでアロースタッドの午後の見学時間がせまったため分場は断念。アローにむかった。
アロースタッドの午後は厩舎の中から顔を出す馬を見学できる。午前に来たのにまたかよって思ったけど、シチュエーションが違ったので良かった。入ってまず初めに目につくのは葦毛の3頭。仲良くならんだ馬房におさまっている。見分け方は1番白いのがタマモクロスで1番黒いのがセイウンスカイで残りがティッカネンということで自分的には納得した。とことこたくさんの馬を見ながら歩いていくとラムタラを発見。恐ろしく近くで見ることができる。こんなに近くていいのかというほど近いので感激した。もう1つの見所はアンバーシャダイ、メジロライアン、ブライトの親子3代。3頭が並んだ馬房に入っている。似ているといえば似ている気がするが他人ですといわれればそういう気もする。馬の顔はよくわからない。1周回ってセイウンスカイを再び観察していると牧場の方がやってきて、セイウンスカイに1人だけニンジンをやってもいいよといわれた。希望者は手を上げたのだが、白馬は全員長老に遠慮して手をあげなかった。結局、長老はじゃんけんで敗退してしまった。後で考えればその時白馬4人でじゃんけんに参加して、長老に譲るという手もあったわけでアホなことをした。しかし、後の祭で
ある。その後、ホリスキーでは運良くBTがニンジンを与えることができた。最後にラムタラの番だったのだが、女の人があげることになった。非常にうらやましい限りである。
そうこうしているうちにアローの見学時間も終わり、本日の予定は終了となった。時間が余っていたので、静内のテスコボーイ像を見てふーんと思い、道の駅に行ってハイセイコー像を写真を撮って(大井、中山の写真を合わせて応募すると何かがあたる)、海へ向かった。この夕暮れの海へ行きたいというのは僕の希望であった。海の無い県で育った僕はなんとなく海に憧れをいだくわけである。残念ながら、曇っていて夕日は見ることができなかった。しかし、波の音を聞きながら太平洋を見ていると心が洗われていくようである。しばし、感慨にふけりながら海を見つめていた。そして、大きな声で「ばかやろー」と叫んだ。
ここから宿までは徒歩15分くらいなのだが、独りになりたい僕はみんなと分かれて歩いて帰ることにした。途中に歩行者だけが渡ることができる橋がある。そこで、もう一度「ばかやろー」と叫ぼうとした時、1枚の看板が目に入った。「馬の放牧地につき大声を出さないで下さい。特に夕方は馬の移動時間なので出さないで下さい。」あえなく断念。小さく、「ばかやろー」とつぶやいてさっさと宿に向かった。
夜はユースの叔父さん主催でミーティングが開かれた。お題は「馬の話あれこれ」。しらない話もあり、興味深かった。競馬というよりも、主にウマ科の動物の生態についてである。僕は昨年、大学の講義で「馬の世界史」なる講座をとっていたので、予備知識があったのも良かった。そこで勉強したことプラスアルファという感じである。
こうして3日目も無事に終わった。