ウメノダイカグラ(字面だけ見たら一瞬シャダイカグラに見えなくも……ないかな?)
東京都の庭園では,梅の時期に梅まつりと称して,様々なイベントを行っております。
NPは庭園の年間パスを持っているので,タダならとりあえず見に行ってもとをとらないといけません。
そんなわけで,見に行ってきました,太神楽。太神楽と書いて,「だい」かぐらと読みます。ちゃんと変換できました。これはテストに出ますね。
週末の12時に実演スタートということで,休みなのに早起きして小石川後楽園に乗り込みます。とはいえ,時間ぎりぎりの到着でしたが。
いそいで松原を目指していると,僕の前をいかにもな服を着た方が進んでいきました。どうも,東京都が一座の皆様に時間を間違えて伝えていたようで,大変慌ただしいスタートとなったのでありました。
寒い2月に細かい手先の感覚を要求する太神楽,というなかなかにハードな状況。そもそも,この手の大道芸的なもの自体が本来的に風雨風雪の影響を受ける屋外でやることが難しく,だからこそひとつの「芸」としての価値が高いんでしょうね。お手玉すらろくにうまく扱えないNPにとって(そういえばここ10年以上「お手玉」という物体を目にしていない気がする。どこで売られてるのだろうか),皆様は無条件で尊敬の対象になってしまうのでした。
まずは手先を温めるために?基本的な投げもの,曲撥。
仙若氏によると,入門するとまずは撥をしっかり投げて捕る練習をひたすら繰り返すようです。たいして練習もせずに「お手玉できない」とかなめたことを言ってるNPは恥じ入るしかございません。
仙翁氏による曲撥が終わった頃に,ぞくぞくとほかの皆様が登場。まずは獅子舞。獅子舞も太神楽に含まれてるんですね。
そういえば,まったく考えたことがなかったけど,獅子舞にもいろんな流派とかあるんだろうな。獅子の大きさとか中に入る人数とか,いろいろバリエーションがありそうだ。ただ,最後に獅子が人を咬んで咬まれた人の幸福祈願,という流れはおそらく日本全国共通なんではないでしょうか。もしかしたら「うちの地域では逆に獅子を咬むとよいとされている」「咬まれないように逃げている」という場所とかもありそうですが。
……と思ってWikipedia先生にお伺いを立てたところ,伎楽系の獅子舞と風流系の獅子舞があり,さらに同じものは2つとしてない,とのことでありました。ううむ,やはり獅子舞業界の奥は深いな。まあ,同じものが2つとないからこその芸だわな。
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挨拶 |
曲撥の解説 |
仙翁氏による曲撥 |
準備中 |
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獅子舞 |
さて,獅子がまわりの人を咬み咬みしている間,ちょっと梅園へ。この日はこのあと府中に行くので時間をちょっと節約したかったのです。あと,まだ梅もそこまで咲いてないだろう,という読みもありました。
後楽園の梅園は昨年に続いて2年目です。
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梅園。まだ咲き始めですね |
冬至 |
ミツクニ |
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トラノオ |
大盃 |
寒紅梅 |
さて,音がしたので松原に戻ると,今度は傘の曲が始まっておりました。
まずは傘の上を鞠がまわります。
続いて金輪。激しい動きになり,仙若氏が「これを後楽園競輪と呼んでおります」という趣旨のご紹介。こんなところで後楽園競輪のなを聞けるとは!ここまで来た甲斐がありました。こんな発言で大喜びしてるアホはNPくらいしかいなかったでしょうし,正直ネタとしては若干滑ってた感がありますが,とにかくNP的にはここで拍手喝采でありました。でもこのネタ,ここでやらないと意味がないネタだよな。ある程度定期的にここでやってるのかも知れないけれど,正直せいぜい年1〜2回で,そのためにこんなネタをしこんでくるとは……。これぞプロですね。
で,続いて茶碗と枡。このあたりは寄席でも見たことがあるな。しかし,室内と屋外とじゃ難易度は桁違いだろうな……。
最後に水雲井の曲。水を使うので日本国内の舞台ではこれはできないらしいです。なるほどなー。そんなわけで,当然初見でした。最後の華やかな終わり方にびっくり。いや〜,中途半端な知識を仕入れてなくて,素直にびっくりできてよかったです。
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傘の曲 |
金輪が回る |
金輪が宙を舞う |
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金輪が真ん中に |
後楽園競輪! |
茶碗が回る |
茶碗が立つ |
枡 |
水雲井の曲 |
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水が入ってます |
顎から糸へ |
糸の上に載る |
糸に巻かれて右から左へ |
今度は茶碗 |
おわり! |
そんなわけで,大満足でした。これをタダで(一般入場料300円かかりますが)見られるとは。いやぁ,補助金サマサマですな。
この日はもう1つ見所がありました。
それが庭園ゆかりの木像展。これも特別な入場料なしです。100円くらいとってもいいんじゃないか,と思わなくもないですが,このあたりの商売っ気のなさが都立庭園です。税金払ってるんだからいいんです。
開場は涵徳亭。初めて涵徳亭に入ります。
得仁堂が工事中なので,中に安置されていた木像を拝観できる,というありがたいお話しであります。
どうも,水戸光圀氏(「氏」とつけると変な感じ)はもともと問題児であったところ,史記の伯夷・叔齊の話に感銘を受けて改心したとのことです。どこからが本当でどこからが逸話なのかはよく分かりかねるところではありますが,こうして得仁堂に伯夷と叔齊の木像を安置していることからして,光圀公(やはり「公」の方が似合う)が伯夷・叔齊に思うところがあったのは間違いのないところかと思います。
残念なことにNPは中国の歴史物語について全く知識を有していない(三国志すらも全く分かっていない。)ので,史記だの伯夷・叔齊だのと言われても全くピンとこないのでありました。こういうときに無学な自分が悲しくなります……。
敷瓦が展示されておりましたが,そもそも後楽園で得仁堂方向にあまり行ったことがないのと,NPが行く時間だと得仁堂が上手く撮影できないから行ってもスルーしがちなので,敷瓦がどこにあったのかさっぱり記憶から出てきません。昔の写真を探るしかないな…。とおもって解説を見てみたら,どうも内部に瓦が敷き詰められている,ということのようでした。記憶に無いのもやむなしですね。
あと,ここの展示では木像は「サクラ材」との解説がありました。いままで意識したことが亡かったのですが,仏像やその他の木像をつくるときの材木って何を使ってるのだろうか。さくっと検索して見つかったここによると,サクラは中〜上級者向けのようです。
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扁額と敷瓦
敷瓦がどこにあったのかは
記憶にありませぬ… |
叔齊立像 |
伯夷坐像
目がとろんとしてますね |
西行銅像
もともと西行堂に木像が
あったものの,大震災で
焼失したらしいです |
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観音堂由緒書 |
観音堂扁額 |
観音菩薩坐像
よく現存してるな… |
本邦初公開の弁財天像
撮影に失敗してるな |
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涵徳亭を出ると,冬牡丹が展示されているのに気付きました。冬牡丹自体は先日東照宮でおなかいっぱいになるほど見ましたが,あそこで見てなかったらそもそも「冬牡丹」の存在にすら気付かずにスルーしていたかと思います。
そんなわけで,後楽園梅まつり第1弾はこれにて終了。年間パスポートの元を取るべく庭園には何回も行くのですが,後楽園にいくらいっても(後楽園年間パスと都立庭園年間パスの差額の)元を取れないのでありました。
旅行記/テーマ別
2013年冬の花
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