アワノワキジョウ

19 東林寺庭園

 うだつの街並みに別れを告げ、向かうは東林寺。東林寺の庭園は脇町(現美馬市)指定文化財となっており、脇城に向かう途中にあるので立ち寄らせていただきます。
 うだつの街並みは街だけあって日陰もあったんですが、脇城に向かう道は日差しを遮るものがなく、おっさんはもう死にそうです。

 開けた場所にあり、山門が目立ちます。横に来る迷うので入口がぽっかりあいているので、山門の意味があるのか、素人には分かりません。
 寺に入ると、丁度お寺の方がおられて、「東京から来た」と伝えても嫌がられること無く(あとで私から見えないところで祈祷されていた可能性は否定しない)、庭園を見せていただくことができました。東京から来たと言うことで、なにかの専門家と間違われそうになりましたが、言うまでもなく私は単なる観光客です。
 どうも、約1週間後の25日に団体さんがくる予定があるらしく、明日草刈りの予定だったみたいです。その代わり、この日は観音様が年に一度のご開帳とのことでした。こういうのも縁ですね。まあ、観音様よりも庭園にありがたみを感じてしまうのですが……。
 お寺の方によると、このお庭は脇城の人が書院から眺めるために作庭された枯山水であり、向かって左が鶴、真ん中に立っている石が仏様、右手が亀。亀石橋が亀の尻尾であるとのことです。構造上、書院から眺められないこともあり、想像力が試されます。亀については、なんとなくイメージが浮かぶんですが、凡人には鶴がきつい。
 なお、下の方にある石(具体的にどの部分かは分からない)は後世のものかもしれない、とのことでした。

 いやはや、本当に、こんな大変な時期に東京者を入れていただきありがたい限りです。オン・アロリキヤ・ソワカ。

山門。稲田家4代目稙栄による興隆であるとのこと 解説 本堂 観音堂。ご開帳です
庭園。枯山水です
バックに白い壁があることで、
庭と借景の区分けがはっきりする仕組みですね
仏様 亀はイメージできる気がする 下の飛び石 書院

20 秋葉神社

 脇城へと向かいます。暑いぞ。

 脇城の入口にあるのが、秋葉神社。秋葉神社といえば火の神様、というわけで、火事対策で設けられたうだつとセットで、当地は本当に火災対策を重視していたことがよく分かりますね。
 そのあたりのことは、解説板にも書かれておりました。もちろん、解説板を読んでいるのはこれを書きながらですので、裏手にあるという金比羅さんはスルーしております。金比羅サンガあるということは、ここ脇町が吉野川への港町であったこととも関係するのでしょうか。

麓から脇城方向 秋葉神社参道 鳥居
水が流れてきてました
井戸があるという脇城への
期待も高まります
解説板 秋葉神社からの眺め 秋葉神社

21 脇城

 阿波九城の1つ、脇城へと向かいます。阿波九城のうち、これまで攻めたのは撫養城、一宮城、昨日の大西城の3つ。これで4つめ。まだまだ半分にも達していません。徳島という県は東京にいると狭く感じるのですが、来てみると実はかなり奥深い県であるということがよく分かります。

脇城への道

 夏場に山城を攻めることの愚かさは分かった上での登城ではありますが、はてさて、どのくらい見所があるか…。
 例によって、余湖くんのホームページさんを見ながら進んでいきます。

 登っていくと、まずは左手に堀切。右手はちょっと盛り上がった感じになっております。空堀に土橋がかかっている状態かとも思ったんですが、右手が盛り上がっていることを考えると違うのかな??
 おそらくは、三の丸と二の丸を寸断する堀切?空堀のまわりだとは思うんだけど。盛り上がっている右手は三の丸なのかもしれない。

進みます。土橋かな? 左手は削って堀切を
つくったような感じ
前方 振り返ります 振り返ったので右手側になります
この角度の方が堀切に見えます
元々の右手側
盛り上がった土手に見えます

 前方へと向かうと、ちょっとしたスペース。ここで右手に折れます。ぶっちゃけ、迷子です。

進みます ちょっとしたスペースで、正面を左~右 右手の通路を進みます
進んだところから振り返る 二の丸?の南側の曲輪に立ち入る

 続いて、おそらくは二の丸と本丸とを分ける堀切と土橋。このあたりはやはり夏に山城に行くと訳が分かりません。自業自得なのですが。

土橋 向かって左側の堀切 右側
このあたりに水の手があるはず
藪に紛れて危険なので近寄らず

 最後に、本丸。ここは行き止まりなので分かります。
 ただ、藪が生い茂っているので奥に入るのは断念。というか、暑くてこれ以上動きたくない。

本丸に向かって進む 本丸内をぐるっと
一番右、二の丸との間を隔てる空堀側には土塁がありそうな雰囲気ですが、
実際の土の盛り上がり具合はよく分かりません

 上で最後に、とか書きましたが、下山するに際して三の丸の南側の車道にもちょっと侵入。平坦な曲輪ですが、これは農地として整地されて、太陽光パネルが設置されているだけの状況でしょうね。こっち方面は当時の城域や城の様子はなお不明です。

三の丸方向 車道 右手の四阿

 あらためて美馬市のページを見ると、堀切は二の丸の中間点あたりから下に伸びております。ううむ、自分の想定と若干違ってたぞ。まあ、空堀は空堀としてちゃんと本丸と二の丸、二の丸と三の丸を切ってはいるんだけれど。
 なお、この文章では、勢いで「本丸」「二の丸」「三の丸」という表現を使ってしまいましたが、前記美馬市のページでは、台地先端の「曲輪1」、東に「曲輪2」、最東端に「曲輪3」という表現を用いております。おそらく、こちらの表現の方が正確なのでしょう。てか、「本丸」とか書いちゃうとここが中心だということになっちゃうものな。もちろん一括変換したらすぐに修正できるのだけれど、自分の無知は無知として全世界に向けてインターネット上に晒すことに一定の意味はあるのではないでしょうか。ニワカなので許してちょんまげ。

22 貞真寺

 脇城を治めていた稲田氏の菩提寺、貞真寺です。
 こちらのブログを拝見する限り、山門は塗り直されてかなり綺麗になったように見えますね。
 なお、境内には稲田墓所と呼ばれる、稲田氏の五輪の塔が並んだ場所があるようですが、スルーしております。

解説板 山門 境内の様子 境内を振り返る
本堂 左手の石仏 本堂内 令和「千禱観音」奉納発願 山門棟鬼瓦。いつ頃のものでしょう?

23 かねてん小路

 さあ、ようやくうだつの街並みに戻ってきました。暑かった。

 ふと下を見ると、「かねてん小路」の案内が出ておりました。この道の東側にはかつて醤油の製造販売をしていたかねてんという屋号のお店があったようです。徳島の山奥ともなると、塩の入手も容易ではなかったでしょうね。

かねてん小路 東は今は駐車場でした

24 道の駅藍ランドうだつ

 道の駅へ。ここで小休止。上の階では普通に食事の提供もあったようですが、スルーしています。代わりに、みまから味のアイスクリームを食します。いやあ、暑い夏はアイスクリームに限りますね。美馬市発祥の青唐辛子をつかった辛いアイスとの触れ込みでしたが、そこまでの辛さは感じなかったように思います。単に疲れてて一気に食べてしまったからかもしれないし、なにより私が味音痴なのがよくないのかもしれない。
 なお、藍の飴ちゃんも買いましたが、買って満足して食べてません。普段、飴を食べる文化がないくせに旅先のテンションで買っちゃうからよくないのですよ。

 ところで、藍といったらインディゴ。インディゴから思い浮かぶものとしては、インディゴブルーとあわせて、インディゴ地平線ですね。スピッツのこのアルバム、長らく聞いてないな。

道の駅藍ランドうだつ レストランもあります 藍を食べる
アイスクリーム。みまから味をいただきました。 蜂蜜すだち

25 吉野川と日乃出本店

 暑い中歩いて駅に戻る気力は無かったので、タクシーを使います。文明の利器万歳。
 タクシーで穴吹駅に戻ったはいいものの、電車の時間までまだしばらくあるので、駅向かいにある日乃出本店へ。ぶどう饅頭を購入。これまでも徳島旅行土産として何回か買った記憶がありますが、もちろん本店は初めてです。

穴吹駅
昨日意に反してここで降りたのが
遠い昔のようです
日乃出本店 店内 冷たいお水をいただきました 日乃出幸運券
ぶどう饅頭 もっちり ラジオやってるんですね 並びにあった衣料店跡地
「家中みんなの衣料」というキャッチコピーがナイス

 そして、まだもうちょっと時間があるので、昨日暗い中渡ったふれあい橋を渡ります。やはり最後に吉野川を見なければ、徳島を旅行したとはいえません。
 それにしても、ふれあい橋というと我らが日野市にも車が通れない同名の橋があります。平成のどこかでこの名前が流行したんですかね?

上流方向 うだつの街並みと脇城方向 下流方向 下流南側 穴吹の街並み 日乃出本店
水面。とにかく綺麗です ふれあい橋の真ん中から

 いやはや、多分毎日見てたら特になんとも思わなくなるのでしょうけれど、普段神田川しか見ていない旅行者からすると、このような美しい川のある街というのは本当に素晴らしいです。

土手から吉野川とふれあい橋を見る 吉野川のパンフかと思って貰ったら
穴吹川のパンフレットでした

 穴吹駅からは電車で徳島に戻ります。繰り返しになりますが、昨日倒木で絶望的な気持ちになりながら穴吹に降り立ったのと比べればなんと気分の晴れやかなことか。そして、帰りの電車が遅れること無くちゃんと来てくれて嬉しい限りです。

駅に併設された
美馬市観光情報発信センター
ホームには徳島行きの電車がおりました 車内

26 徳島~帰宅

 電車は無事時間通りに徳島駅に到着。ここまでくれば、あとは空港行きのバスに乗ればいいだけ。空港行きのバスが遅れるようなことになったらさすがに手当はあるでしょう。なお、コインロッカーにぶっ込んだ荷物は忘れずに回収しております。これは重要。

徳島駅に到着。終点大好きなので、こういう行き止まり感は好きです 折り返して阿波池田へ 徳島駅構内
駅名表示
ボルティスのロゴ付き
時刻表 駅構内の麺家れもんは休業中でした ポップコーン1位らしい 駅を出ます

 徳島駅回りはこれまでに何回かふらついているので、安心感があります。空港は何回くらい使ったかなあ?
 このときはまったく気にもしてなかったんですが、四国の駅のパン屋として有名なウィリーウィンキーは、この翌月、全店閉店して、リトルマーメイドに吸収されることとなっていたのでした。そして、徳島駅店はなんと不採算店舗だったのか、閉店となったのでした。宇和島店が閉店してたので、色々と苦しいとは思ってましたが……。普段使いしていたお店がなくなるとなると、寂しいものがありますが、まあそこまで普段使いしていたかというと、そうでも無いから偉そうなことは言えないのでありました。実際、その後松山に行ったときも「ウィリーウィンキーが今どうなってるか見てみよう」なんて1ミリも思わなかったものな。

駅を出ました みんな大好き、
ウィリーウィンキー
空港行きバス時刻表と運休情報

 徳島空港着。8月のど真ん中ではあるけれど、人は多くありません。本来なら、阿波踊りで盛り上がってる時期なのに。


 羽田で気になっていたのがファーストキャビン。ここは2020年4月に破産手続開始決定を受けたばかりでした。時期を考えると、コロナと関係なくアウトだったと思われます。ここが無くなるのは非常に痛い。


 見たところ、店舗の外観はもとのままで、まだまだ営業する気満々のようでした。そして、現実的に、これを書いている2022年8月時点で、羽田空港のファーストキャビンは営業しております。

 と、いうわけで、コロナ禍の徳島旅行、無事帰宅しました。
 東京からやってきた汚物を暖かく受け入れて下さった皆様には感謝感謝であります。

徳島2020

勝瑞城かずら橋大歩危・妖怪屋敷白地城・大西池田城脇町脇城


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