フランスのアメリカ〜アメリカ賞当日記その1

 さあ,いよいよやってまいりましたアメリカ賞。スマホの充電に不安を覚えつつ,競馬場に乗り込みます。学校の荷物に加えて昨日買ってしまったパリテュルフやらなんやらまで加わって,負担重量がえげつないことになっております。絶対骨に悪影響だな。

 とりあえず,競馬場へのルートは昨日とは変わりません。BrancheからメトロでNationに出て,そこからRERに乗ります。まだ朝が早いので,ヴァンセンヌで降りてオサレに朝マックしてみました。ちなみに,パリの中ではどっちも地下を走ってるのでメトロとRERの区別はまったくついてませんでしたが,どうもRERというのは近郊電車のことを指すようです。もしかしたら運営主体とかも違うのかもな。まあ,自分が海外から東京にやってきて,東京メトロと都営地下鉄とJRと京王と小田急と西武と東武と京急と東急の違いを説明できるかといったら200%説明できないので(相互乗り入れとかやってるし),まあそんなもんです。歴史的背景とかもいろいろありそうで,このあたりの交通史とかを勉強してる人はさぞかし楽しかろう。

メトロ Nation駅 地下鉄の行く先
こっちはRER乗り場 1席1席区切られた椅子 ヴァンセンヌのマック
この日も,雨です

 てことで,Joinville le Pont駅に到達しました。ここまでは昨日もこなしたタスクなので,スムーズです。
 ここからイレギュラーな事態発生。昨日は先行するおっさんを頼りに歩いて行きましたが,この日はなんと駅前にバスがいます。さすがアメリカ賞。というわけで,雨が降ってることもあり,バスに乗ってみました。これが失敗。渋滞にはまって無駄に遅い。体感的には歩いた方が早く着いたぞ(なお,写真の時間を見てると15分かからずに着いてたので,バスの方が早い)。なお,値段は忘れたけど,多分無料だったはず。
 競馬場のゲートはまだあいておらず,人だかりができておりました。なので,とりあえず早朝散歩に出ます。

駅に着いた バス。競馬のマークがついてるので間違いようがない 人だかり

 というわけでして,散歩します。競馬場の外をだらだらと。厩舎ゾーンが見えてきます。この区画は,レース当日だけ使っているのか,それとも普段からここに馬がいるのか,どっちかは分かりません。
 外から見てると,”HIPPOTEL AFASEC”と書かれた建物があります。どうもフランスには"HIPOTEL"というホテルチェーンがあるようですが,Pが2つあるので無関係で,単純にHippodromeにあるホテルからの造語なんじゃないかと推測……するのですが,検索しても"Hippotel Afasec"というホテルがヒットしない。どうも"Afasec"というのはそれはそれで意味のある組織のようでして,Afasecが運営する競馬場内のホテル,という感じなんだろうけれど,もしかしたら関係者専用のホテルなのかもしれない。
 これも外から見た限りですが,馬運車用の駐車場は大きくなさそうなので,別のところにもっとしっかりした駐車場があるのだろうな。それこそGoogleMapを見たら分かりそうだけど。

通信衛星車両 厩舎区画
赤い屋根の建物に"Hippotel Afasec"の文字がある 馬!! 競走路面は
高い位置にあるんですね
馬運車 歩道は土なので
雨だとぬかるむ

 で,入場門に戻ってきました。5ユーロで入場券を購入。この日は昨日いた英語のプログラム売りのおじさんがいません。アメリカ賞本番の日だけ観戦に来たらあんな中身のない紙を買わずに済んだのか,くそっ。
 入場まで時間がかかりましたが,どこで詰まってるかと思ったら,手荷物検査でした。まあ,やっぱり大レースだけに(しかもテロリストから人気のありそうな「アメリカ」という国がらみだし),仕方の無いところです。安心してレースを見られるのはいいことだ。それにしても,このタイミングで大雨降ってたらかなりきつかった。小雨パラパラ程度だったのでよかったよかった。ほんとラッキーでした。
 そして,入り口では旗を配布しています。信じられますか,旗ですよ,旗。日本人はこれまで「競馬場では馬を驚かさないように」と言われて生きてきました。旗なんて論外です。小学校受験にすら出てくるような基本問題です。一体どういうことなのでしょうか。もちろんあとで謎は解けるんですが,なんというか,もう空気感が違いすぎます。今までにこんなの経験ありません。

スタンド 謎のブース ピンボケしましたが
多分こっちは金持ちゾーン
貧民ゾーンには人だかり チケットブース Timokoのバンダナをつけた
乙女たち
Timokoは本日の出走馬です
ブースに群がる貧民たち お姉さんが美人 チケットゲット! 入場口を抜けます
ここではなにもおこらない
ここで長々と待たされる
レープロゲット。この日はフルカラーです コース案内
スタンドの絵が謎です
旗が配られています 手荷物検査
ここで詰まっている

 さて,内部探索は昨日のうちに済ませているので,スタンド内はちょっとだけふらふら。
 お店なんかをみていても,前日はなかった星条旗の装飾がなされていて,やはり当日の方が雰囲気が華やかです。もっとも,別に当日だからといって食事メニューが強化されるわけではなく(メニュー変える方が負担だろうしな),例によって美食の国フランスとは思えないアメリカンな品揃えであります。
 この日はずっと外に居続けるつもりだったので,最初にまとめて馬券を買います。


旗がついた
情報端末
あまり人気が無い
アメリカ賞まであと
4時間41分!!
出走馬です テントウムシがいた

 そんなわけで,スタンド内探索もそこそこに,観戦場所を確保するために外に出ます。
 すると……そこは競馬場とは思えない,異世界でした。これは凄い。口や文字では言い表せない,これまでに競馬場で経験したことのない異様な雰囲気でした。競馬場で経験したことがないならどこで経験したことがあるのか,というと,雰囲気はまさにサッカー場のそれです。ザ・ラテンのノリ(ラテンの典ではない)というかなんというか,とにかくとんでもない雰囲気です。そりゃ入り口で旗を配りますよ。
 まず,入り口でも確かに見かけた(Timokoのバンダナしてた人たち),馬のサポーター。本当にいるんですよ,サポーターとしかいえない連中が。一体何考えてるんだ。競馬場だぞ競馬場。日本の義務教育では,「競馬場では馬を驚かさないように」と習うんだぞ。どういうことよ。ゲートの上には馬の弾幕ですよ。サッカー場じゃないんですよ。こんな場所に弾幕張るなんて。そして,馬の応援のための旗を持ってたり,服を着てたり。そして,場内DJが雰囲気を盛り上げます。何を言ってるのかさっぱり分からんけど,馬の名前を叫んでる部分だけは分かる。”ティーモーコー!!”とか言ってるのは分かるのだ。そして,そんな叫び声,日本の競馬場じゃありえんのです。
 とにかく,みなさん,これは現場に行かないと分からないです。競馬場でこんな空気感になるなんて,日本じゃ信じられない。本当に,これは凄かった。この空気を知れただけで,アメリカ賞を見に行った甲斐があった。これをうまく表現できない自分の語彙力が本当に悔しい。そんなレベルでよかった。「たまたま1月の終わりから2月にかけておフランスにいくざーますのよ。もう何回もパリに行っていて,ルーブルにもオルセーにも行き飽きてしまいましたわ。今度はどこに行こうからしら。おほほほほ。」なんて人がここを見ているとは思えませんが,そんな人がいたならば迷わずヴァンセンヌに行きなさい。本当に,こんな空気の場所,日本(というかサラブレッドの平地競馬)じゃ味わうことができません。

ホットドッグ売り
アメリカらしいですね
あっちに人がたくさんいる ノルウェー代表
LionelとSupport Justice
Up and Quick陣営
タオマフを身につけてます
Bold Eagleの弾幕 Allez Bold Eagleの旗
会場で配布された旗と色かぶりしてるけど
文字が黄色いのはこっちのサポーターです
Timokoサポーター。青色が非常に目立つ そして,この人は当然目立つ 何かを配っていたが
もらわなかったので
何を配っていたのか不明
金持ちゾーンにも
Bold Eagleの旗を持った人がいます
ビール売りのおじさん 星条旗を身にまとった女性
交流する皆様 12時数分前の場内の様子 集うBold Eagle軍団 12時10分すぎの様子。だんだん混んできました

 そんなこんなでして,もはや競馬場にいるのかサッカー場にいるのか分からん空気感。そして,場内ではフランス国旗よりもアメリカ国旗の方が目立つので言葉の面を除けば(=写真だけ見ていれば)自分がどの国にいるのかも分からなくなりそうです。ここはフランスのパリにある競馬場なのです。
 で,12時30分。アメリカ賞恒例のパレードが始まります(正確には,準備が始まったのが12時30分頃で,実際にパレードが動いたのが12時45分くらい)。ただひたすらに,星条旗だらけのパレード。普通に考えたらフランス国旗と星条旗を半々にしそうなもんですが,とにかくアメリカなのです。
 そして,アメリカらしく(?)バイク隊がいたり,なんかよく分からんクリーチャーがいたり(どうも,よく見たらTITAN the ROBOT.comというイベント会社からのもののようで,別にアメリカで人気なキャラクター,というわけでもなさそう)と,もうなにがなんだか分からんパレードでありました。凄い凄い。こんなの見たことない。本当に自分の語彙力の貧弱さが悔しい。

ここがフランスであることを示す
フランス国旗
パレードの発進です 待機する馬たち バイク隊も出動 星条旗を身にまとった馬
身にまとうにしてもほどがある
騎手の服もいいですね
こちらも星条旗スタイル
騎手が着てる星条旗の服って
後ろから見たらパジャマみたい
何かがやってきた 無知なので彼らが一体何者なのか分かりません……
なんなんだお前ら 徐々に集っていきます なぞのゆるキャラも登場 車にはチアガール陣と
勝負服を来た子供たち
待機軍団が混雑してきた
この馬が先導するようです
何度見ても凄い出で立ちだ……
2番手集団 気付いたらさっきのゆるキャラが車に乗っていた パレードが動き出す 誘導馬
番手集団 米国旗を身にまとった集団 車も動きます
奥側(内馬場側)を向いてるってことはあっちにも人がいるんだろうな
空気が変わって,メタリックな集団 TITAN the ROBOT.com 星条旗を振ってダンスする皆様
ブラスバンド いったんパレードを終えると奥で渋滞しながら,待機。もちろん,ブラバンもダンスも止まりません

 というわけで,とにかく星条旗まみれの(下品と言えば下品な)パレードでありました。これがフランスの競馬場なんですよ。凄い凄い凄い。
 続いて待機していたバイク軍団(バイクに興味がなさ過ぎてさっぱり分からないんだけれど,アメリカのバイクなのかな?ハーレー?)。なんなのかと思ったら,バイクの後ろに騎手が乗ってパレードするんですね。これ,F1のパレードみたいですね。これがフランスの競馬なんです!!凄い凄い凄い。
 見てみると,ちゃんとメットかぶってる人とかぶってない人がいたりしますが,そのあたりのルールが若干気になりますね。あと,星条旗をバイクに掲げてる人とそうで無い人もいますが,このあたりも自由裁量なんでしょうかね?あと,こうしてみてみると(というか今まで意識したことがなかったけど),各騎手の着てる勝負服って,サラブレッドのレースに比べてだぼっとしてませんかね。
 騎手名はLe Trotのページからそのままコピペしてるんですが,フランス語から英語に自動翻訳される設定になってるので,Googleさんが勝手なことして騎手名を適当な英語にしてたらすいません。これ,Daugeard騎手の名前だけがなぜか小文字変換されていたんですが,最初の3文字がPH.Dになってたので,勝手にドクター持ちだと判断されたのかも知れません。あと,Y. Bird ParkerのLebourgeois騎手の写真がないのは,単純に自分の撮り損ねだと思います。
 この日のパレードの様子は,Le Trot TVがYoutubeにアップしてますね。ううむ,懐かしい。

待機するバイク軍団 J. VAN EECKHAUTE A. GOCCIADORO O. KIHLSTROM E. LAMBERTZ
P. LEVESQUE S. OLIVIER E. RAFFIN P. VERCRUYSSE F. NIVARD R. ANDREGHETTI G. GELORMINI
F. ANNE L. KOLGJINI PH. DAUGEARD CH. BIGEON J.M. BAZIRE B. GOOP

 あとはバイク隊がやってきます。
 これで,パレードは終了であります。非常に楽しく明るい雰囲気のパレードでした。素晴らしい。今これを書いてても,また見に行きたいと思う。誰か1月の終わりから2月にかけて休みをくれ。

奥の様子 バイク隊がやってくる こういうところで
携帯を出すあたりが
ヨーロッパ的だな
騎手は戻っていきます
それよりも,Timokoおじさんが目立つ
星条旗ダンサーも移動する 広がるダンス隊 車の様子 ブラバンも移動する
移動するバイク隊 国旗を揚げて楽しそう バイク隊 車ではダンスは継続 最後にモンスター軍団 スタイルいいな モンスターも帰っていきます
真ん中のBold Eagleサポの
赤い旗が目立ちます

 そんなわけで,パレード終了。もうすぐ1レース発走であります。

アメリカ賞まで3時間14分 盛り上がるTimokoサポーター

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