ヴァンセンヌ城登城記その1
さてさて。無事電車はヴァンセンヌ駅に到着します。まずはヴァンセンヌ城を目指します。競馬場巡りとお城巡りは常にセットなのです。
で,駅に出て,ヴァンセンヌ城を目指します。ヴァンセンヌ駅からヴァンセンヌ城は歩いて数分程度。簡単ですね。道中,立派な魚屋さん発見。イギリスにいるとなかなか目にしないタイプの店です。
……盛大に道に迷いました。いやもちろん,Google Mapさんを頼ればよかったんですが,いかんせん電源問題を抱えてるので原則として頼らずにいくことにしてたんですね。その結果がこれですよ。いやはや,お恥ずかしいったらありゃしない。
なお,たまたま到達したドメニル将軍の像。写真撮ったのは「銅像って相変わらず鳥に好かれるな」程度のことだったんですが,ロシアに攻められた際にヴァンセンヌ城の開城を拒絶し,「この脚を元に戻してくれたら要求を呑もう」と言ったとされる方のようです(参照)。
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観光客向け案内
城は近いですね |
駅 |
魚屋さん |
商店街
建物が比較的新しく見えるのは,戦争の影響かな |
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ドメニル将軍と鳥 |
どうも市庁舎っぽい |
広場 |
”ala gloire de combattants”とあるので,
おそらくヴァンセンヌの戦死者の慰霊碑かな? |
躓いて転びかけた |
さて,そんなわけで,ちょっと遠回りしまたが,無事ヴァンセンヌ城に到達しました。日本で言うところの平城です。平地に堀があって,ででん!と城が待ち構えております。
堀は空堀で,全面芝生。これは現代だからなのではないかと。日本だと,仮に作り替えるとしても,なかなか芝生で堀を埋める発想には至らないと思うので,このあたりやっぱりヨーロッパの気候の問題なんでしょうな。
このお城,パッと見て気付くのが,(日本でいうところの)隅櫓に凹凸がついていることです。これをつくると,死角ができちゃうんじゃないかと思うんですが,どうなんでしょうか。
この外壁,14〜15世紀につくられたものだとのこと。もちろん修復作業はされてるんでしょうけれど,こんな歴史的建造物がしっかりと残ってるなんて,地震がない国は凄いですなあ。
というわけで,ヴァンセンヌ城に入っていきます。
城はいたって平坦で,中は一部工事中。なんというか,ロシアのクレムリンをちょっと思い出す感じで,現代の官庁街だと言われてもさほど違和感のない空間です。枡形つくったりする発想はなかったのだろうか。
ちなみに,ここでもらった日本語のパンフレットはヴァンセンヌ城のページからダウンロードできました。
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入ってぐるっと見渡す |
ちょっと進んで振り返る |
料金表
まあ当然日本の城より高い |
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もうちょっと進んでからぐるっと見回す |
小城塞及び主塔 |
城内の各部位の成立年代 |
ヴァンセンヌ城の見所はなんといっても主塔です。日本的な縄張りはないのですが,日本でいうところの本丸的な場所にあたります。堀で囲まれているのが特徴。
とはいえ,堀は浅いですし,なにより堀を囲む石垣がなだらかな坂になっていて,どういう意図と用途でつくられたものなのかはよく分かりません。パンフによると,ここはかつては水堀だったようなので,もしかしたらもっと深かったのかもしれません。
この本丸部分,なによりも特徴的かつ面白いのが,中世期には,主塔に入るためには,小城塞の2階部分から歩道橋を渡らねばならなかった,という点であります。石づくりの頑丈かつ火で燃えない建物だからこそできることなのかもしれませんが,とても興味深いです。主塔1階(現地的にはGround
Floor)の扉は18世紀につくられたようであります。わりと最近のことなんですね。この城の城としての意義が薄れたということでしょうか。
というわけで,突入します!人生初のフランス城郭突入!ロシア軍の気持ちになってしまいますね!
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入ります! |
進みます! |
解説 |
振り返る |
1月ですが
クリスマスツリー |
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小城塞 |
歩道橋 |
主塔 |
階段に入ります |
階段 |
階段の窓から見る
歩道橋 |
らせん階段を上がっていくと,外に出ます。小城塞のテラスと呼ばれているようです。そのまんまですね。螺旋階段の先はSecretとはならんのであります。懐かしいですね,Don't
look back。なんかの間違いでもう1回集まってくれませんかね。みなさん忙しすぎて無理でしょうかね。
てことで,テラスから周囲の風景を眺めます。ドラクエだとこの辺に兵士か王様の束縛から逃げてきた王女かなにかがいる場所ですね。隠し階段か飛び降りられる場所か何かがあると,イベントのときに使えます。
そして,小城塞に目立つ鐘楼(Bell tower。)。パンフレットには「カンパーニレ」というカタカナ語が書かれていたんですが,なんとびっくり,"カンパーニレ"でGoogle検索をかけると「もしかしてカンパニーレではないか」とサジェストされた上に,18件しか出てきません。いかにも馬にいそうな響きではあるんだが。
解説によると,ここの時計は,Palais de la Cite(←パリが分かってなくて,これがシテ島にあるんだろうことは分かっても,詳しくはよく分からない)のものよりも1年古いとのことです。
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もうちょっと上から見る歩道橋 |
案内図 |
ベルタワーと時計 |
テラスの様子 |
カンパーニレ |
鐘 |
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ぐるっと見回す |
解説 |
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入場通路を見下ろす |
堀を見下ろす |
歩道橋を見下ろす |
解説 |
彫刻が有名らしい |
さて。テラスだけではなく,回廊(パンフレットでは巡回路)を歩くことができます。日本で言うなれば,多門櫓みたいな部分ですな。櫓,というよりは通路感が強いので,まさしく「回廊」という感じです。広さ的に,弓を引きづらいのではないか,という気もしますが,できたのはいつなのでしょうかね?最初の図ではよく分からない。
中世期には,ここには覆いがなかったとのことでして,確かにそういう余計な知識をもとに屋根を見ると,屋根だけ新しく見えます。先入観って怖いですね。
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回廊 |
解説 |
角の部分
(日本でいう隅櫓部分?) |
振り返る
ぱっと見行き止まりに見えるのが
素晴らしい |
角の部分は細くなっていて
通りづらい構造です |
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通行止め
回廊を一周することはできません |
角部分からぐるっと内部を |
主塔を見る |
小城塞最後のイベントは,シャルル5世の執務室であります。シャルル5世が何者なのか,世界史の知識がぶっ飛んだ今となっては分かりません。場所的に,シャルル5世以外も執務してたんじゃなかろうかと思うところですが,それだけシャルル5世が突出した存在なのでしょう。ちなみに,シャルルとチャールズが同じだということは,たった今知りました。
中世期の王の執務室で,しっかりと場所が分かってるのはここだけだとのことでして,1371年〜72年のイングランドとの戦争はここから指揮したとのことです。
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歩道橋から小城塞 |
執務室入口 |
いくつかある解説から抜粋 |
想像図? |
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執務室
角度の関係でこんな写真だけ |
さっき歩いた回廊 |
逆側の回廊 |
主塔を見上げる |
いざ主塔へ!! |
というわけで,主塔に入ります。歩道橋から入るのが,昔ながらの正しい進入方法なのであります。
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