最期の荒尾その2

6.スタンド1階

 では、いよいよスタンドに入っていきます。ドラクエで塔に入っていくときのような緊張感がありますね。

入ります

 とりあえず、配管が剥き出しになっている、ザ・一昔前の公営競技場という雰囲気の建物を眺めます。
 誰もいない喫煙室跡地というのもむなしいものです。なお、思いのほかタバコの臭いは残っていませんでした。

入って正面(馬場方向) 第1発払所方向 入場口方向 ベンチ 天井部の配管
入って左手。旧喫煙室 換気をおこなっています エアコンはDAIKINでした 暴力団排除

7.おまけ~月刊みれにあむ大牟田

 ところで。どのタイミングだったかはっきりとは記憶していないのですが、おそらく第1発払所を見ていたあたりのタイミングで(写真の流れ的にも間違いないはず)、おじさんに話しかけられました。話しかけられたとして、どこでどういう流れで話しかけられたのか、基本的に私は自分から他人に話しかけにいくことはしないので、あっちから話しかけられたのはほぼ間違いないところ。友人にはあとでそのおっさんを紹介した気がするので、先に私が話しかけられたはず。
 
 このおじさん、単なるおじさんではなく(単なるおじさんとは何なのかは考えてはいけない)、「月刊みれにあむ大牟田」という、地域ミニコミ誌の記者さんでした。荒尾じゃないのに取材に来たのか。まあ大牟田一本じゃきついんだろうな。というのはまあいいとして、とにかくこのおじさんから軽く取材を受け、写真も撮って貰ったりしたのでした(私の間抜け面がどこかにアップされている気がしなくもない)。
 そして、このおじさんとの会話で、先述のパドックまわりの話なんかが出てきたのでした。記者のいうことなんだから地下話は正確だろうと思いたいところではあるのだけれど、記者というよりも競馬オヤジの話だったのでは無いかと思わなくもないので、眉毛に唾をつけておくのがよいのではないかと思います。誰か荒尾競馬の職員さんとかが思いで語りしてませんかね。

2023年のものもお送りいただいたのですが、
Scanし忘れたのかみつからないので、2024年1月号をアップ

 なお、Twitterを探っていると、地下の存在に言及している方もおられました。やはり地下はあるようです。地下がどんどん気になってきますね。伝説の装備でも隠されたりしてないでしょうか。少なくとも小さなメダルくらいは期待できそう。

ちなみに地下もあるのですが公開されてませんでした
まあそれはそう

— 粋成 (@WasteWording) September 12, 2022


8.第1発払所

 それでは、このスタンド見学会の目玉、普段は中に入ることの出来ない発払所の中へと入っていきます。公営競技場の入場客が減った結果、発売所が休憩室に変貌したところは多々あるのではありますが、ここは休憩室への改造を逃れ、昔の姿を相応に留めているのが特徴です。

第1発払所 馬券窓口跡 自動券売機跡 赤ペンは読めなかったようです 中に入ります 中に入ったところ

 まずは、馬券発売窓口を裏側から。
 今となっては人間が売る窓口はかなり減少しました。こういう窓口は過去の遺物になりつつあります。
 この窓口、パドック側はいいんですが、トイレ側は窓口の下が物置的な感じになっています。ここで作業しようと思ったら立ってやらざるを得ず、結構大変だったんじゃないでしょうか。

パドック側の窓口
トイレ側の窓口。下の物入れ邪魔じゃない? 広めの窓口
用途は不明です

 ここで大牟田おじさんと話をして、一旦外に出てから戻ってきてます。
 ここの面白いところは、様々な小物類がまだまだ残されていること。意図的に残したのか、捨てる手間暇を省いたのか、事業ゴミを出す予算すらなかったのか、私物の可能性もあって捨てられなかったのか、このあたりは不明であります。

 気になるところでは、日本エアーシューター株式会社の文字。「エアー」ではなく「エァー」のようにも見えますが、社名で検索するとどうやら日本エアーシューターで間違いなさそうです。なお、日本エアーシューター株式会社は1987年に株式会社日本シューターに社名変更しているようなので、このエアーシューターはかなり古そうです。
 ところで、日本シューター社のホームページをみると、医療機関での使用のために会社化があるかのような表示になっております。競馬場での使用については触れられていないのですが、もしかしてこの日本エアーシューター社とは異なる、日本エァーシューター社があったりするのでしょうか。
 ちなみに、私がサクッとnetkeibaで検索した限りでは、エアシューターという馬はいたことはないようです。
 また、競馬場とともにエアーシューターで思い起こされるのがラブホテルですが、ラブホのエアーシューターはこの会社が作ってるんでしょうかね?

 そして、やっぱり気になるクレーマー対策。
 馬券発売機の裏側にきちんと顧客対応時の注意事項が貼られておりました。
 また、私は見つけ損ねたのですが、「頻繁にレース結果を聞いてくる迷惑客リスト」というなかなかに身の毛のよだつリストを撮影しておられる方も。これの写真見つけ損ねたのはかなり悔しい。

荒尾競馬の見学会は、沢山の方が載せているので少しだけ。
一階投票所の内部。今はラブホでも見ないエアシューターや面倒な客の電話リストも🤣
最後は、猫が多かった荒尾ならではの注意書き😽#荒尾競馬場 pic.twitter.com/DABCwEJ9wt

— ベガライフ (@vegalife3sagakb) August 30, 2022


↑の自動券売機跡を
中側から見た図
室内の様子 エアーシューターの
管が目立ちます
上部階とはエアーシューターで繋がっております
こちらも人が発売する窓口
カーテンで閉じる方式です
おそらく場外の発売場を示すためのもの
これは明らかに後付けで並べられてますね
前売り発売時間を示すための案内
空調 こちらも空調 動力操作盤 確認事項 ネコ対策
中の机と、その上に置かれていた出走表
さすがに2008年3月14日の出走表がずっとここに置かれていたとは考えづらいので、誰かがどこかから持ってきたのではないかと思います
ところで、丸椅子の毛糸カバーは見るからに従業員さんの手作りですが、これもこのまま放置してしまったのでしょうか……
水回り 従業員用トイレ 水回りの右手
ここはかなり狭っ苦しい
水回りの左手側
こっちは余裕あります
自動券売機の裏側 謎の電子回路 自動券売機の裏側 クレーマー対策のため
かならず2人で対応しています
裏側と表側 このタイプの馬券発売機
懐かしいですね
窓口封鎖は紙を有効活用

9.再び1階通路や売店など

 見所の多かった第1発払所を出て、再び1階のスタンド内をうろつきます。
 第1発払所を抜けると、パドック側に休憩スペース。ベンチが並びます。

パドック側通路を入場口方向に見る 休憩スペース前から第1発払所方向 馬場方向 JRA販売所方向 馬場に向かう通路側から
第1発払所内を見る
休憩スペース 空中写真 きちんと動いている時計 トイレ

 続いて、馬場側の通路。

パドック方向 馬場側通路を奥の方向 このあたりのパノラマ 通路を両方向

 みなさんのTwitterを見ていると荒尾美術協会が制作した「荒尾けいば」の台形の看板と、その裏側に注目が集まっているのが分かりますね。
 私も気になりましたが、裏側まで撮ることはしておりません。
 前回はその左側に吉留騎手の看板があったようですが、今回はなにもありませんでした。

台形看板

 その向かいには、立食処福家というお店があったようです。

その向かいにある立食処福家 ふきんや調理器具も
残されておりました
食の安心宣言
2022年まで更新されてます
京都嵐山のアマビエ

 福家の右手には、予想新聞販売所っぽいスペース(予想専門紙売場という貼り紙が出てます。競馬新聞とか予想紙という表現は使うけど、予想専門紙という表現はあまり見ないような気がする)。かつての場内案内を見ると手荷物預かり所になってました。実際はどのように使われていたのか、2011年訪問時にここの写真を残していなかったので不明です。

右手は予想専門紙売り場 がらんとしております 棚は昔のままです
棚の雰囲気は手荷物預かり所っぽいですね
出入り口のドア 貼られていた電話番号

 馬場側、スタンドの座席下の三角形のスペースにレディスコーナーが設けられています。レディスコーナーとはいっても、JRAさんのUMAJOスポットのような華やかさはどこにもありません。

レディスコーナーへ 中から見てみる
やはり天井に圧迫感がありますね
正面からぐるりと

 そして、一旦奥(入場口から遠い方向)へ。一番奥には警備員室があります。

あらためて第1発払所の方向 奥の階段と警備員室
階段と警備員室の間には物置っぽいドアがあります
階段脇の男子トイレ 懐かしい注意書き
これ、どこかのメーカーが
大量に作ってたんでしょうか
「もう一歩前へお進みいただくと幸いです」
というビジネスでたまに使う婉曲表現
ウォシュレット付き洋式トイレ 和式もあります 流し台は1つは水道管が錆びてたようです


10.JRA発売所まわり

 続いて、1階の入口側。こちらはJRA発売所となっておりました。JRAの方が入場口に近いいい場所をキープしている、というよりも、部外者は入口近くにまとめてる感じでしょう。パドックに近いのも第1発払所だしね。

扉の先がJRAの発売所です 左が荒尾右がJRA タバコ売り場
海と緑と荒尾競馬
こっちがJRA発売所 スタンド裏手方向への通路 裏手からコース方向

 JRA発売所方向を見て左手にあるのが、喫茶店のNANAが入っていたスペース。
 カツカレースパゲッティやハヤシライスが有名だったお店のようです。本店は荒尾駅前にあり、今なお現役です。
 中を覗くと、今なおいくつかのメニューが貼られておりますね。荒尾が廃止になったために原状回復義務が免除されたのでしょうか。

NANAのあったスペース 奥方向 NANAの看板 中を覗いてみた

 JRA発売コーナー。JRAで育った身として、JRA場外に見慣れた券売機が並んでいる様子には安心感があります。

馬場側の様子 空調っぽいやつ ここから中に入れます スタンド裏手側
こちらに払い戻しコーナーがあります
我々には縁が無い場所ですね

 そんなわけで、執務ゾーンに入ります。
 荒尾競馬場内のJRA用スペースはここだけのようで、それゆえこの中に所長室があります。反対側には投票事務室。
 所長室機能はBAOOに移転しているのでしょうかね?ソファだけ残された感じでしょうか。

所長室側から投票事務室方向 投票事務室側から所長室方向
所長室 一部開いてると
なんか間抜けです
所長室内とその奥
今となっては物置です。BAOOには持っていかないのかな?
投票事務室 J-PLACE対応には時間がかかります
トータリゼーター用総合端子盤
立入禁止です。機械に入ってはいけません
トラブルとおばちゃんが
顔を出してくるスペース
発売中と休止を
切り替えるスイッチ

 こんな感じに、1階を見終えました。
 やはり普段入ることの出来ない執務スペースは見ていて楽しいですね。

 では、2階に上がります。

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